ベイオネイター試
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説明
本機はオレンジライダー所属〔ベイオネイター〕の量産化を目指した試作機である

グルックス稼働当時、運用されていたベイオネイターの驚異的な戦果はパイロット依存によるところが大きかった事が後の研究によって証明されている
ベース機となっているYSX-24の限界出力を極限まで高めたカスタム機であることは間違いないがあくまで汎用FAの域を逸脱するものではない
またベリルアンプによる出力の向上は強力ではあったものの、初期に生産されたアンプは動作可能時間がごく短時間のものであり、純粋な機体スペックとして考えるのにはいささか無理が生じるためである
本機はオリジナルベイオネイターの本質的な強さであったパイロットのモーションパターンや戦闘時の判断などのシミュレートを行う、つまり再現機と呼ぶのがより正しいのかもしれない

ガンエッジの開発コードを与えられた本機は換装を前提とした汎用機であり、初期構想ではA〜Eまでの〔ジャケット〕と呼ばれる5種の装備を使い分けるあらゆる戦況に対応することができるというものだった
実際はスラッシュウォーンドでの運用が決まったことで、B及びD装備が選定され残りの装備はデータを残して凍結された

◆無装備状態。通称ネイキッド
換装装備の使用を前提とした本機であるが基礎スペックは高水準でまとまっており、装備がなくとも標準的なJX-25Fレベルのスペックを発揮することができた
最適化されたベリルアンプの恩恵もあり、オリジナルのベイオネイターよりも格段に搭載数も少なく済み、なおかつアンプ起動時の瞬間的な出力はオリジナルに迫る
固定装備を持たないガンエッジにとってこの状態で出撃するメリットは少ないが、燃費が良くまた軽量であるため汎用的なFAの装備で運用することは可能
高い柔軟性と運動性能があり、この特性を生かした格闘戦特化の軽量ジャケットも存在する

◆Bジャケット〔Bayonet〕
遠近速防をバランスよく振り分けた最も標準的な装備

・銃剣型複合武装シューティングセイバー
銃と剣を両手でそれぞれ握る必要がないため二振りワンセットで運用することが多いが、ネイキッド時に最小限の装備として一振りだけ装備することもある
ブロック構造で共通規格の改造パーツが豊富に存在し、さらに拡張することも可能
・ベリルインパクトスラスター
両肩に装備されたスラスター
機動時に両腕の動きが制限される欠点を持ちつつも推力方向の自由度が高くパイロットの技量次第ではかなり無理な軌道も可能となる
この装備に関してはB&A・エアロダイナミクス社からの技術協力があったとされているが、表立った組織でないスラッシュウォーンドへの関与に関して同社は黙秘しているとのこと

◆Dメイル〔Dragon〕
竜騎士をイメージした換装装備
本来は突破力を重視した装備だったが幾度もの改修により特性が変化。結果的にジャケットの定義から外れたため特殊装備としてのメイルの名称がつけられることになった
ロールアウト直後は本来のD装備であるDriveジャケットだったが数度の改修の後装備特性が変わってしまったこと、また本機に竜騎士の異名が付いたことで後に正式名称としてDragonメイルとなる
防御に特化した装備でありガンエッジの機動性は著しく低下する
表向き、これはゲルブリッター17番機〔ベイルハザード〕との決闘に機動力は不要と判断してのことだったが同機体撃破後も本機のパイロットはこの装備の使用を継続
多少の調整は行いつつも、ネイキッド状態よりも鈍重となるこの装備でフレズヴェルクの高速戦闘にすら対応するほどになる
両者の間には因縁浅からぬ関係があったようだがスラッシュウォーンド内のデータベースにその記録はなく、関係者もそろって口をつぐむことから詳細は不明

・スフィアランサー
TCSを内蔵した頑強な刺突武装。表層にTCSを露出させないことで破損リスクを抑えるというコンセプトの武装。一撃の破壊力こそ控えめだが防御兵装としても使用可能なことも相まって非常に耐久値が高い
本機が持つものはプロトタイプで、のちの量産型に比べ若干出力が高い

・スケイルランサー
二対の鞭状兵装。手持ち武装として設計されたものだが装備バランスの悪いDメイルのスタビライザーとして背部ユニットに装備された
攻撃性能は残っているが本機の場合背部からの攻撃を防御する際に使用することが多い

・スケイルシールド
基部がフレキシブル接続であること以外は一般的なシールド。スフィアランサーのカウンターウエイトとしての意味合いが強い
スフィアランサーは元々攻防に優れた武装であるため機体バランスが取れるのなら装備時にシールドは必要ないのだが、ゲルブリッター17番機との決闘時には『条件を合わせる』という取り決めがあったらしく、このシールドを装備して出撃している

・パワーサポーター
両肩に突き出したブロック状の装甲部
ショックアブソーバーと補助アクチュエーターが内蔵されており、FA同士の激突時に衝撃を緩和、フレームの損傷を防ぐ役割を持つ
通常これほど大掛かりなショックアブソーバーはFA戦において必要ないとされているが、ゲルブリッター17番機の様な重量級FAが質量を活かした近接戦を行うという特殊な状況下であったため採用された。理論上は輝鎚クラスの体当たりでも一切の損傷なく受け止めることが可能
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