散らかった部屋2 |
2話 よく泣く子だ
昔は、よく泣かなかった。知らない人に抱っこされても、泣かなかった。
引っ越して、知らない子たちと遊ぶのも、平気だった。
お母さんに怒られた時も、多分必死で堪えてたと思う。
でも、最近はずっと泣いている。ずっと・・・ずっとは言い過ぎたかもしれない。
けど週に1回は泣いているはず。あれ、それ以上だったかな・・・
記憶力がないからなあ・・・もうわかんないや。
そうそう、今日も泣いた。そのことを言いにきたんだ。
「運動をしなさい」
と言われてしまった。
それをいうのは大体お母さんだ。そして話が長い。同じことを2回言っているからだろう。
そして大体その内容はすぐ忘れる。でもこのままだとやばいのはわかる。きっと声色、話の長さ、話す時間帯から読み取っているのだろう。お母さん的にはこんなふうに思っているのだろう。
ご飯を食べ終わったあとはゆっくり話せる時間・・・つまり長話できるチャンス。部屋にいかないうちに・・・待ち伏せて言いたいこと全部言ってしまおう・・・しめしめ。
泣くときは大体お母さんに怒られた時だ。自然に涙が出てくる。これはもはや反射みたいなものだな。きっと昔から刷り込まれていたことなのだ。昔はがまんしていたが最近はいろいろなことがあって感情が不安定な時だ。
・・・ぶっわっ!!急な大雨だ。はやく傘をさしてやれ。
この時の僕は自分を
慰めるプロになる。僕だって経験を積んでいるんだ。とても素敵な言葉で慰めてあげられるんだ。他の人にはきっと思い付きやしない!うつくしい!
全否定に近いことをされた時は全肯定に限る!よく泣く子だな!よしよし!涙が行動力になるのなら、けっこうなことだ!
説明 | ||
受験生・ロウが中途半端な自分について考えていく。 ここ数年、いろんな楽しいことを知ってきた。だがそれと同時にやらなきゃいけないことも 増えてきた。それは自分が思っていたよりずっと多かった。 器用でないロウはどうやってこれからを乗り越えてゆくのか・・・ じわじわと迫ってくる一話完結小説。 |
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