散らかった部屋3 |
3話 ゲーム
僕は放課後を、有意義に過ごせない。
勉強もすぐやめてしまうし、動画を見てたら1時間経っているし・・・
そして今日は3時間も寝て、その上新しいゲームもダウンロードしてしまった。
もうここまできたら一周回って有意義なのではないか、とさえ思う。
今日も、まだ5月だからと全然勉強しなかった。やる気が起きてもなぜか動画を見てしまう。
きっと動画依存症なのだ。この先のことを考えるとすぐにやめるよう意識しなければならないのに僕はその場しのぎの人間
なので、もちろんそんなことはしない。周りが色々しはじめて危機感を持てば自然にやめられるだろう。・・・多分。
やめるどころかはじめてしまった。
アプリを開く。僕は音ゲーくらいしかやらないのだが、たまには女の子が戦闘するものもいいだろう。長い間避けていたが。
このアプリとの出会いは動画サイトのcmだ。女の子がとても可愛かったのでつい入れてしまった。オープニングを見る。画面に3Dアニメーションがうつる。このゲームの世界観が伝わってくる。
この3Dアニメーションはレベルが高かった。編集も凝っているが画質も相当いい。
自然やモチーフの細部のアップを間に入れるところに惹きつけられる。
世界観はとてもいい。チュートリアルを見る。・・・世界観はとてもいい。
だが僕が魅力的な女の子に尊敬されるところが少しつらい。
僕はゲームや漫画の登場人物についなりきってしまうのでキャラたちが練習や勉強を頑張っていたりすると、僕は何にも頑張ってない人間なんだなと思い知らされる。でも他のゲームのようにキャラ達が独立していたら、まだダメージは和らぐ。だが、このゲームは自分がキャラ達の司令官として進むので。直接ダメージがくる。話しかけて、問いただしてくる。「とてもいい指示でした!」というセリフは「適当な指示しかしてないからいらないのでは?」と。
「戦闘がない時は勉強をしなくてはならない」「あなたに憧れていました」「まさかこんな力を持っていたなんて」
・・・僕はなんてダメなんだ。こんなに必死になれない。若いのに、諦めてしまった。将来の夢も、受験勉強も。
このゲームをやめて、動画でも見ようか。
説明 | ||
受験生・ロウが中途半端な自分に向き合っていく。 周りでは受験説明会、オープンスクール、勉強会と着々と準備が進められている。 それなのに僕は・・・成績が下がる一方だ。どんどん置いて行かれている。 競争にはいつも負ける。それはゲームでも・・・ 今日すわるところを探すだけのその場しのぎ1話完結小説。 |
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