番外小休止 ロイドと義姉妹達の宴 そして国救済への第一歩 |
どもどもー。クラトス編小休止に続いてロイド編小休止でっす。ではどうぞー。
この世界に飛ばされてから少し位なのに、一体何なんだよこの疲れ様は…。さっきの鈴々との勝負でも軽い技少し出した位だったしな…。はぁ…ってため息なんかガラじゃねえよなぁ…はぁ…。
でも、この世界についてある程度は分かってきたし、苦しんでいる人達がここにはたくさんいるって劉備達が言ってたから、そんなのを放っておくなんて俺には出来ない。
大丈夫だ…一人じゃ何も出来ない、けど、仲間がいればそんなの心配にならない。俺は桃香達に力を貸してもらうんだ。この世界を、皆が笑って暮らせる世界になるように。どんな世界にも平等に命があるんだから…死んでいい命なんかある訳ないから。
「にしても、世界救いに行くってのにいきなり皿洗いってのはなー」
じゃぶじゃぶと俺に洗われるがままになってる皿を見ながらふと思う。…ほんとに、何でだろうな。
「重ね重ね、申し訳ありません…」
先ほどから何度も頭を下げて、済まなさそうにいうのはさっき会ったばっかりの奴で名前はバカな俺でも知っている有名なあの関羽…ただ一つ違うのが、男じゃなくて女だって事だけど。
「いや…もういいよ。謝ってくれたらそれで十分だよ。」
「にゃはは、お兄ちゃんごめんなさいなのだ。」
「元はと言えばお前が食ってばかりいるからだろう!」
「だってお腹すいてたもん。」
「開き直るな!」
…はぁ、素直って言うか何て言うか…おっと、このちびっ子はやっぱりあの有名な張飛だ。ここでもやっぱり違うのは女って事だ。
男の張飛もあんな感じなのか?(ちょっと想像)…うん。絶対に嫌だ。
「今回は皿洗いで良かったけど、次からはただ飯食いはナシな。」
「分かったのだ!」
おっ、元気もいいな。この辺は見た目通りってことか。
ちなみに皿洗いってのは、さっき俺が運ばれた飯屋で(主に張飛が)食いまくっていたら途中で劉備が「愛紗ちゃん、お金は…?」の質問で関羽が「・・・あ」って事で、俺達が犯してしまった罪に対する償いの事だ。身もフタも無い、って感じに言っちまえば(逃げてないけど)食い逃げだろうな。当然タダ…って訳にはいかなかったからそれで許してもらう事にした。…優しかったなあの女将は。
「それにしてもお皿洗うだけで済んでよかったよ〜…」
「全くです。あの女将には本当に感謝すべきですね…鈴々!お前が一番感謝しなければいけないのだぞ!」
「分かってるのだ!店を出る時だっていーっぱいお礼言ってから出たもん!」
「うん。だからね鈴々ちゃん、次からはちゃんと考えて食べるんだよ?私達は今、何の稼ぎも無いからね?」
「…うん。桃香お姉ちゃん。」
反省した…って感じだな。それにしても劉備ってホントに不思議だよな…なんかコレットみたいにちょっとドジっぽいけど、何かちょっと…あぁ、最後のこいつが劉備。やっぱり女だ。
「でもま、ホントにいい人だったなー。最後には俺達分の水に食料、後酒くれたし。」
「えぇ、あのような者が居るからこそ、我々はこの国を変えたいと思ったのです。」
「うん…あんな人が幸せに、笑って暮らせるような世の中にしたいから…だから、私は…ううん、私達は立ち上がれたの。」
…やっぱ不思議だ、劉備って。
「ところでさ関羽。俺らって今何処に向かってんだ?」
「えぇ。ですがその前にご主人様…私の真名は愛紗ですが?」
「あぁそうか…って言うか、そのご主人様って止めてくれよ…」
「何故ですか?貴方は私達の主君なのですから…そう呼ぶのは当然なのでは?」
「そうそうご主人様。貴方は私達の主君なんだから。」
「せめてロイドってつく様に言ってくれよ…」
そんな俺のささやかな願いも聞く耳持たずって感じで無視された。…もういいやどうでも。
「…んで、どこに行くんだ?」
「とりあえず、公孫賛殿の所へ向おうかと思います」
「白蓮ちゃんの所に!?うわーひっさしぶりだなー!」
「何だ?えーっと公孫、さん?」
「違いますよ、公孫賛、です。」
正直どっちでも良くないか?…いや良くないか。
「ふーんそっか…それでどうするんだ?」
「先ずはそこで客将に預かろうと思います。」
「客将…って何だ?」
「はぁ…ご主人様はこの世界の言葉をもう少し理解した方が良いのかもしれませんね。」
「そんなこと言われてもなぁ…勉強嫌いなんだよー。」
「うんうん。私も嫌いだよ…」
「鈴々もー!」
「…はぁ」
勉強しなさいって言った愛紗の言葉に対する結果は…四人中三人の反対で終わった。
…何だか言われても無いのにダメダメだなって言われてる気が…気のせいにしとこう。
「とにかく!先ずは公孫賛殿の所へ行きますよ!」
「おう!」
「うん!」
「行くのだー!」
これが世界を救う第一歩ってやつか…気を引き締めて行くか!
街へ行く途中に、俺達は桜(って言うらしい)がめちゃくちゃ咲いてる場所へと着いた。
「うわぁ〜すごいね〜!」
「これは…確かに凄いですね…」
「綺麗なのだ〜…」
その桜をあえて一言で言うと、皆の言う通り、ほんとに綺麗だった。
簡単な言葉だけど、こんな凄いやつをみたらもうそれしか言えない。
それくらい力強くて、綺麗だった。
「雅だね〜」
「酒なのだー!」
「…約一名、雅を理解していないものが居ますが。」
雅って何だ?って思ったけど、ここで聞くのは…えーと、そうだヤボってやつだ。…じゃあ鈴々もヤボだよな?まあもういいけど。
「確かに…綺麗な木だよなー。俺もこれに負けないくらいの木を見たことがあるけどさ。」
「ほう…天界にもこのような木がおありなのですか?」
「まあ…な。こんな風に綺麗じゃなくて、なんかこう…たくさんの命が宿ってるって感じなんだよ。」
「力強い木ってことなの?」
「ああ。この木とはまた違った力強さを持ってる木なんだ…見せてやりたいくらいだぜ。」
ホント、ミトスやマーテルさんの命が詰まった、力強い木を見せてやりたいよ…。
「では、折角もらった酒です。ここで飲まない手は無いでしょう。」
「そうだね〜、では!」
そう言って桃香は俺を指差してから言った。
「天からやってきたご主人様から乾杯の音頭をいただきたいと思いまーす!」
「…え?」
何だそれって?え?音頭?
「ご主人様、何か一言お願いします。」
「お兄ちゃん、ここはビシッと決めて欲しいのだ!」
何だその無茶な期待はッ!?
「えーと…」
急に一言って言われてもなぁ…
「うーん…俺達はこれから世界…っていうか国を救うんだけどさ、軽い気持ちじゃ国どころか人一人救えないんだよな。国を救う為に人を犠牲にしなきゃいけないんだったら国を救う…なんて軽々しく言うのは止めときたいんだよ。」
「ロイド殿…気持は分かりますが…事実、この国は既に腐敗しつつあります。民衆も不満を漏らし、恐らくその不満が頂点に達した時、暴動が各地で起こることが予想されます。」
愛紗は一言おいてからまた話し始めた。
「その時は官軍…国がそれらを討伐する為に動くでしょう。戦が始まります。」
「だったらそんなになっちまう国を元から変えればいい!理想論でも…人がそれを願えば変えられるはずだ!」
「その為には戦で勝つしかないとしたら…?」
「その時には…その時は、俺が…その戦に勝つために敵をぶった斬る。」
「言ってることが…食い違ってますね。」
「…分かってるよ。」
俺はつい、苛立った口調になってしまった。
「ですが…そう考えるしかないのでしょうね。」
「うん。私達が理想を成し遂げるには、その手しかないから。」
「甘いといわれようとも…やるしかないのですから。」
「あぁ…。湿っぽい形になっちまったけど、これが俺の一言かな。」
「…ロイド殿。ではここで、兄妹の契りを結びませんか?」
急に話題を変えたのは愛紗だった。
「契り…?」
「ええ。義理の兄妹になろうということです。」
「愛紗ちゃん…どうしたの急に?」
「桃香様や鈴々とはもう契りを結んでいます。しかし…私は本当の意味でご主人様の支えになるつもりです。」
「愛紗ちゃん…」
「それだけでもないです。私は…ご主人様は強いです。しかし、それと同時に脆くもあると思います。人々に批判された時に、ご主人様は…とても弱くなると思います。その時に、私が盾となるように…ご主人様を守れる盾になれる様に…」
「愛紗ちゃん…」
俺は正直、泣きそうだった。
今の愛紗の言葉は、元の世界にいた時の仲間とはまた違う暖かさがあった。
「愛紗ちゃん。その支えには…当然私達も入ってるよね?」
「えっ?」
「私も鈴々ちゃんも…この国を本気で救いたいって思ってるんだよ?だから…同じ気持ちを持ってそれを目指しているご主人様の支えになりたいんだよ?」
「そうなのだ!愛紗!鈴々だって支えになりたいのだ!」
「では…我ら三人、兄妹の契りを交わしますが…宜しいですか?」
俺が言える言葉なんて、もうとっくに決まっていた。
「皆…ありがとな…俺に力を貸してくれ!」
「うん!」
「はい!」
「勿論なのだ!」
「うっし!それじゃあ俺達四人!」
俺は双剣を天に掲げて、
「生まれた日は違えども!」
愛紗も武器を掲げ高らかに宣言し、
「死す時は同じ日、同じ時を願わん!」
桃香がそれに続くと風に吹かれて桜吹雪が舞った。
「乾杯なのだーっ!」
鈴々が祝いの酒を掲げて音頭を取った。
不思議だけど俺は、国を救う、なんて事が急に小さなことに見え始めた。
だって、こんなにも温かくて、優しい心を持った仲間に会えたから。
俺は…優しい理想論者になる。いや…なってやる!
(後で気付いたけど)桃園の誓いが終わってから、とりあえず街に行って見た、けど…
「こっからどーすんだよ…?」
「えーとですね…?」
「もしかしてさ、愛紗…」
「な、なんですか…?」
言いたいことはあった…ああ、あったさ。でもそれってさ、人間なら誰しもあっていい道なんだ…と俺は(そんな目にあったこと無いけど)思う。あの関羽だって…愛紗にだって間違いはあると思うんだ。だからこんなこと言うのは少し酷なのかもしれない。これは言わないほうがいいよn「愛紗ちゃん…何も考えてないの?」
「うっ…!」
ほんと現実って酷だよ。
「愛紗ーそれは無いのだ…」
「うぐっ…!」
鈴々にまで言われてるよ…ここは助けた方がいいかな。
「おいおい、そんなに責めてやるなよ…。愛紗だって人間なんだぞ?」
「うーん確かにね…でも…」
「最初だからしっかりして欲しかったのだ…」
「うぅぅぅ…」
桃香と鈴々のとどめが愛紗に炸裂した。もう助けようがなかった。
「もういいだろー?いいじゃんこれから考えようぜ!」
「助け舟がこんなにも悲しいのは初めてです…」
アーアー、キコエネー。とりあえず…その公孫賛って奴に会いにいかねーと何も始まらねーしなぁ…。
「まあとりあえずさ。会ってみりゃいいんじゃねえか?」
「えっ?」
「だってさ、桃香とその公孫賛って奴は仲間だったんだろ?」
「うん!仲間って言うか友達だけど…」
「どっちも同じ様なもんだろ?だったらさ、力になりたい、って言ってみればいいんじゃねえかな?」
どの道公孫賛も、友達だったんだから力になってくれる事は大歓迎なはずだしな。この世界じゃ見た感じはこんな腐った世の中だから仲間同士の絆は大事にしてるはずだ。
「…そうだね。同じ先生の所から学んできた友達だもん!力になりたいよ!」
「…現状、何をすれば良いのかも分かりませんし、とりあえずは行ってみるしかないようですね…」
「そうそう!鈴々、難しい事はよく分かんないからそれでいいのだ!」
「お前はいつも大雑把であろう!」
「むーっ!何も考えてなかった愛紗がそんなこと言えるのかー?」
「うぅっ…」
「ほらほら喧嘩すんなよー。みんなは他に意見とか無いか?」
「私は先ほど言った通りです。」
「鈴々もー!」
「私もそれがいいと思う!」
「よし!城のほうに行くか!」
公孫賛か…どんな奴なんだろうな?
すいません今回はここで切ります…。
ネタを考えたのは良いのだがありすぎて何処に入れようか迷ってしまった挙句にテキストデータを消してしまったというしょーもない自業自得にショックのあまり書く気がしばらく失せてその直後に弟に予約していたDSを取りに行かせた直後にDSの新機種が出て帰ってきた後に八つ当たりをしてしまった私の素晴らしい言い訳はともかく、次回のロイド編は公孫→戦→その後という構成で行きます。クラトスルートもバリバリ書いてます。しばしのお待ちを…っ!
ではではこの辺で。
説明 | ||
いつも短いこの小説ですが今回はもっと短いです。ご勘弁を…orz | ||
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2212 | 2059 | 12 |
コメント | ||
ホントすみません…orzできるだけ早く書くように努力します!(K) テイルズ唯一全キャラ攻略できるキャラ! しかし二人いるとやはり遅くなるのはしかたないか・・・(ヒトヤ) |
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