焔木家のお犬様 再興伝4
説明
1922年晩秋。科野一帯は雪が降る日も出始めた。
厳冬期を乗り越え、英気を養うためにも冬支度は早い方がいい。
才造さんは貧困のために鍛錬に時間を割けなかっただけで、
良く食べ、良く鍛錬をする事で、退魔士として一線級の実力を取り戻していった。
これだけの力があれば、ダイダラボウ討伐も現実味を帯びてきたと言えるだろう。

冬の間、館は蓄えも十分で内職に励む必要も無い…となれば、
必然的に才造さんと過ごす時間が増える。私はその事に心が躍っていたのである。

<小ネタ>
犬妖・八房の「口元に手を当てる癖」はこの頃から始まったと本人談。
当時の心理的には『照れ隠し』らしい。
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