コードネームはクロ
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ナナミの提案によりクロと呼ばれるようになったルカ。

ナナミとの和解の翌日、シュウは早速ルカを知る者を集め、今後の対策を練ることにした。ヒエンの部屋にシュウ、アップル、ジーン、ホウアン、テレーズ、エミリアが来ている。

監禁して右腕を封じていたことをナナミに説教され拳骨をくらい、頭に大きなたんこぶが出来たヒエンは頬をぷくーっと膨らませて拗ねながらも正座している。それを見ていたルカはヒエンの隣に正座した。

「ルカ?」

「…お前の監禁と首輪を享受したのは俺だからな。」

「ルカっ…!」

ぱああっと笑顔になってルカに抱きつくヒエン。それにナナミが両手を腰に当ててぷんすか怒る。

「こらヒエンっ!ちゃんと反省しなさーい!婿どのも甘やかしちゃいけませんっ!」

「はぁーい…。」

「…。」

「婿どのお返事は?」

「…はい。」

「よしっ!」

和解したとはいえ、あのルカにも恐れずお姉ちゃん節を発揮するナナミにシュウは小さく拍手する。一方。

「ジャァアスティィイス!」

「アップルー!?」

シュウのツッコミも空しく、やっぱり鼻血を出してジョ○ョ立ちしたアップル。

「な、生の萌え供給、恐ろしいっ…!」

「一緒に怒られてあげるなんて、なんて、なんて、愛っ!」

心臓を押さえるエミリア、心臓を押さえて膝をつくテレーズ。お腐れ女子一同、絶好調である。こいつらが集まるとやかましいな、とルカは思った。

ンンンッとシュウが咳払いして、今後の対策を立てることにする。ナナミによってクロという呼び名が付けられ、本人もヒエンの敵を斬ると言っている以上は是が非でも利用したいシュウ。しかし、ヒエンは大反対している。

「グリンヒル奪還に向け一人でも戦力が欲しいところだ。利用しない手はない。」

「鬼軍師のバーカ!僕はずっと手元に置いておきたいのに!!戦場なんか出さないからね!!」

「馬鹿に馬鹿と言われる筋合いは無い!」

「ヒエン?どうして婿どのを外に出したくないの?」

ナナミがヒエンの前にしゃがんで聞いてみると、ヒエンがぼろぼろ涙を溢した。

「だって、だって、戦場に出したら、またルカを失っちゃうかもしれないもん!そんなのやだもん!!」

「…っ!?」

一度失いかけたルカをまた戦場に出して、今度こそ失ってしまうのが怖い。だから閉じ込めておきたいと泣きながら告げられたヒエンの本心にルカは驚いた。二度と失いたくないと思うほどに己を好いてくれるヒエンを愛しいと感じる。しかし、やだやだと駄々を捏ねる子供みたいに泣くヒエンを前にどうしたらいいか分からない。すると、ナナミがぎゅっとヒエンを抱きしめてよしよしと頭を撫でた。

「そっか、もう死なせたくないんだね。つらかったねヒエン。」

「うえぇえん、ナナミぃ…。」

「でもね、いつまでも閉じ込めてちゃいけないの。ホウアン先生も言ってたけど、日の光をたまに浴びないと婿どのの身体にも影響が出るの。ヒエンだってそれ聞いて右腕の封印解いたんでしょ?」

「っ、うん…。ほんとはずっと封じる予定だった…。」

さらっと恐ろしいことを言ったヒエン。ティントから戻ってすぐにホウアンからルカの右腕についての見解を聞いたという。失っているわけではない右腕の機能がこのままだと、壊死する可能性があると。だから、両想いを期に解いたのだと。

シュウがホウアンを見ると、目があったホウアンがシュウにしか見えないように小さくブイサインしている。身体に影響が出るのは本当だが、壊死は嘘。ホウアン、グッジョブ。

ヒエンに手を伸ばそうとしたものの、慰め方が分からず手を止めたルカ。それに気づいたナナミがヒエンから腕を離して、その手を取ってヒエンの頭の上に乗せた。優しくこうやってみて、とルカの手を動かしてポンポンとする動作をさせる。ナナミの手が離れて、ルカは先ほどの通りにヒエンの頭をポンポンと優しく叩く。すると、ルカを見上げてへにゃっと嬉しそうな顔をするヒエン。

「…俺はヒエンが望むならこのままでも構わんが。」

「ルカぁ…。」

「だーめ!言っておくけど、お姉ちゃんは穀潰しをヒエンのお婿さんにする気は無いからね!」

「ごくっ…!?」

「ナナミーっ!」

「動くのなら働きなさーいっ!」

穀潰しに思わずブフッと吹き出したシュウ。やはりこの突拍子もない行動をする軍主を御せるのはナナミぐらいだ。

「確かに、五体満足で動く以上穀潰しは置いてはおけんな。それにルカ…、じゃなかった、クロ。お前、戦う以外に何が出来る?」

「何?」

「ここでは子供でも自分の得意なことを生かして働いている。お前は今まで皇子として何不自由なく暮らして来た。そのお前に、戦う以外に何が出来る?」

シュウの言う通りだった。今までは動けないことと混乱を招くことを理由に監禁されてきたが、右腕の封を解かれて動けるようになったルカに出来ることといえば、戦うことだけ。

「クロという名のヒエンの護衛として置くことは可能だがな。それで戦場に出なければ反発する者も出てくる。ただでさえ勘のいい奴はヒエンが何か隠していると気付いているんだぞ。」

「えっ、誰!?」

「ビクトールだ。」

ティントから城に戻ってすぐのこと。ビクトールはシュウに、最近ヒエンの様子がおかしい、何か隠しているんじゃないかと聞いてきたそうだ。はぐらかしておいたし、ビクトールも突っ込んで聞く男ではないので今のところ黙ってはいるが、時間の問題だと。

「でも、僕はルカをもう失いたくない…。」

尚も渋るヒエンに苛立ったルカはヒエンの両肩をガシッと掴んだ。ルカの怒った顔にビクッとヒエンが震える。

「る、ルカ?」

「俺を失いたくないだと?ハッ!随分見くびられたものだな。俺は貴様らが束になって戦い、矢の雨を降らせてようやく殺した、狂皇子ルカ・ブライトだった男だ!!」

「っ!?」

「…本当は、お前が俺を閉じ込めておきたいならば享受するつもりだった。だかな、お前がティントに行っていた間、俺がどれだけ気を揉んだか分かるか?右腕が動くならすぐにでもお前を襲うゾンビや吸血鬼を斬りに行きたかったんだぞ。」

「る、か。」

「こうして動けるようになったのなら、俺は剣を振るう。俺も、お前を失いたくない。」

「ルカっ….!」

ぎゅっとルカに抱きつくヒエン。その背に腕を回してルカも抱きしめる。

「並の雑兵なぞ俺の敵ではない。お前の敵は全て斬る。全て殺す。それがハイランドでも斬る。そして俺は必ずお前の元に戻る。」

「ルカ…。」

「そのための、首輪だろう?」

首輪を指差して不適に笑うルカにキュンッとときめくヒエン。自分のあげた首輪を、受け入れてくれるルカ。大好きなルカ。もう失いたくない。でも、ルカが強いのは誰よりも知っている。その行動理由がヒエンを守るためだと言うならば。

「…うん、分かった。でも、絶対絶対絶っっっ対、僕のとこに戻ってきてねっ。戻ってこなかったら地の果てまで追いかけるから!」

「ああ。」

そうしてヒエンからルカの唇にチュッと口づけて、ムギューっとルカの頭に抱きつく。一連の流れを見ていたお腐れ様達は。

「ジャスティィイィスッ!!」

「またかアップルー!?」

「尊い…。なんて尊い…。」

「お二人の愛、まさに正義っ…!」

「んっふふー、美味しいなっ、美味しいなっ。こんな二人が私の弟だなんて夢みたいっ。」

例の如く鼻血を出してジョ○ョ立ちしたアップルに、萌えすぎて心臓押さえて地に伏したエミリアとテレーズ。目の前で二人のラブラブっぷりを見ていたナナミは、ルンルンとご機嫌である。

「地の果てまで追いかける宣言されちゃったわね、軍師さん。」

「うかつに離しておけませんね。」

「頭が痛い…。」

一応お腐れ様であるジーンは内心喜びつつも、全く動じていない。ピキピキと青筋は立てるも、戦力が増えたことに変わりはないからよしとするかとシュウは開き直るのだった。

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「さて、ではクロとして生きるお前の素性だが。」

「えー。僕の恋人でいいじゃん。」

「何をぬかすか貴様。素性もわからん相手を軍主の恋人として紹介出来るか。このバッ、このバッ、このバッ、この馬鹿。」

「何回も馬鹿って言うな!」

「一回しか言っとらん!」

「馬鹿って何回か言いかけたーっ!」

ギャアギャアとヒエンとシュウが言い争う中、やっと正気に戻ったアップルが眼鏡をくいっと上げる。

「このアップルにお任せあれ。ある程度突っ込まれない素性を考えました。」

「わーい!アップル先生さっすがー!」

「ただし、この素性の設定にはナナミさんの協力が不可欠です。」

「えっ?わたし?」

「では説明しますね。」

クロとしての素性はこうだ。

旧赤月帝国で起きたカレッカの虐殺の生き残り。顔に火傷を負ってさまよっているところを偶然通り掛かったゲンカクに保護され、強くなりたいと彼の弟子になった。ナナミとヒエンとは旧知の仲で、恩師の養子である二人が何よりも大事。

ゲンカクの死後武者修行の旅に出て、カレッカの真実を知るも赤月帝国は既に倒された後。カレッカの虐殺の首謀者であるレオン・シルバーバーグがハイランドに迎えられたことを知りミューズへ暗殺に向かうも失敗。重傷を負いながらも兵を振り切り、ヒエンが都市同盟の軍主になっていたことを知っていたためムツゴロウ城の近くまで来るも力尽きて倒れてしまう。そこへ夜の散歩に出ていたムササビ達が発見し、ヒエンの部屋に連れてきた。

ヒエンは彼を内緒で匿い、ずっと好きだったと告白する。最初は恩師の養子という理由で躊躇していたが、いつの間にか大きくなったヒエンに次第に心を寄せていき、ティントから帰った後に晴れて恋人に。

ミューズの件の後にホウアンがヒエンの部屋に頻繁に訪れていたのは彼の診察のためだった。身体も回復してきたためヒエンを守るために戦う決意をした彼に、ヒエンは絶対に自分の元に戻るようにと約束して首輪を着けたのだ。

「ハイランド訛りについては、キャロで過ごしていたことがある設定なので問題無いかと。キャロのことを唯一知るのはジョウイさんだけですが彼は敵ですし。カレッカの虐殺を目の当たりにしたショックで家族の記憶はよく覚えていないと言えばいいです。あとはナナミさんが辻褄を合わせれば大丈夫でしょう。」

アップルの軽妙な設定語りに一同から拍手が起こった。ルカも思わず拍手する。監禁したことをある程度濁した上でここまで詳細な設定を作るとは、やはり恐ろしい奴だ、アップル。

「なるほどー!アップルちゃんすごーい!」

「ナナミさん、他の方に聞かれたらそれで通して下さい。ヒエンさんも。いいですね?」

「えー、覚えられるかなぁ。」

「守ればル…、いえ、クロさんと外でデート出来ますよ。」

「やる!!」

「切り替え早いな貴様。」

「ルカとデートしたいもん!」

「クロと呼ばんかい!!」

ギャアギャアと言い争うシュウとヒエンを他所に、ある程度装備を揃えなければとテレーズが言う。装備なぞ剣があればいいと言ったルカに、必ずヒエンさんの元に戻るなら安心させる装備をすべきですと返された。

しかし、ガチガチの鎧姿ではかつての狂皇子を連想させるのではとエミリアが言う。そこにシュウが、

「装備については剣と胸当てと籠手は準備してある。顔を隠す物もな。」

と答えた。いつでも戦力として利用する準備はしていたのだとか。

「ちょっとシュウ少なくない!?」

「似たような装備で無傷な熊がいるだろうが。こいつの実力ならば問題無い。」

「そうかもしれないけどさー!」

熊とは何だ?とルカがヒエンに聞くと、ビクトールさんのあだ名と答えた。

「ルカも何度か会ったことあるよ。黄色い袖無しの服を着た野性的なおじさん。」

「…傭兵砦を爆破した男か?」

「そうそうその人。」

野性的なおじさん、にルカ以外の全員がブフッと吹き出した。数々の修羅場を潜り抜けた猛者で何度か対峙したビクトールの格好をルカは思い出し、

「…袖の無い服は目立たないか?」

と聞いてきた。それにまたシュウがブフッと吹き出し、ちゃんと袖のある服を用意しているから安心しろと答えた。すると、ナナミがいいこと思い付いた!というように両手をポンッと叩いて。

「あっ!そうだ!装備ならあれ使えばいいじゃん!ほら、ヒエンが持ってた青い布!」

「えっ!?あれ!?」

「……俺のマントか。」

「そうそう!ヒエンあれどこにしまったの?」

「ええっと〜、どこだったかな〜?」

あからさまに目を反らしたヒエン。するとナナミは、ヒエンが隠すとこはお見通しなんだからね!とベッドに向かって。ヒエンがアーッ!!と叫ぶ瞬間に枕のカバーの中に手を突っ込んだ。

「ほーら!やっぱりここだった!」

ナナミが手にしたのはかつてルカが鎧につけていた青いマント。あのグリンヒルの森でヒエンに押し付けたものだ。まさか枕の中にあったとは。

「あーん!だからナナミには知られたくなかったのにー!それ僕のー!」

「いいじゃん。これより本物と一緒に寝てるんでしょ〜?」

「何で知ってるの!?」

「昨日婿どのから聞いたの!」

「ルカぁ〜!」

「…聞かれたから答えただけだ。」

所詮ナナミもお腐れ様である。あれから根掘り葉掘り質問責めにあったのだ。

胸当てにマントしたら戦士っぽくなるでしょ?と言うナナミにルカは頷く。馴染みがあるものがあれば有難い。僕がもらったやつなのに、と拗ねているヒエンに、

「…俺本人よりもマントの方がいいのか?」

と聞けば案の定ブンブンと頭を横に振る。

「そんなわけない!ルカ本人が一番!!」

「…まあ、そのマントもお前にやったわけだが、俺自身は既にお前のものだ。俺もマントも好きに使え。」

「それ言うのずるいぃ〜!!んもうっ!いいよ!マント使って!」

「やったね婿どのっ!」

ナナミが手を上げてハイタッチしようとするも、意味が分からずルカが首を傾げた。えっこれも!?とナナミが驚いて、

「しょーがないなー。義姉ちゃんが教えてあげるっ!」

と言って、勝利した時とか、うまくいった時にこうして手を上げて手の平をタッチするんだよ、とルカの手を取って自分の手の平と合わせる。

「お互いを誉めるって感じかなー。婿どのは力が強いから、手の平をこっちに向けてくれればいいからねっ。はい、おさらい!婿どのイエーイ!!手を上げて!」

ルカがナナミに言われた通りにすると、パァンと勢いよくハイタッチ音が鳴った。今までハイタッチなど経験の無いルカだったが、ヒエンの大事な姉であるナナミが楽しそうならそれでいいか、とフッと笑う。

「ナナミ、なんかルカと仲良くなってない?」

「そりゃね!ヒエンの婿どのだからね!」

「ルカ、何か話した?」

「…いろいろな。」

「ぶぅー。」

ヒエンがやきもちで頬をぷくーっと膨らませている一方、ナナミのルカに対する強引なお姉ちゃん節にシュウが感心していた。これだけナナミと親しげならば、隠し通せる。

「とりあえずヒエン、貴様はルカでなくクロと呼ぶ訓練をしろ。外で本名を呼んだら一大事だ。」

「分かってますよーだ。でも僕の部屋では呼んでいいでしょ?言っとくけど部屋は僕と一緒だからね!!絶対だからね!!」

「当たり前だ馬鹿。」

「馬鹿じゃないもん!」

「下手に部屋を与えて素顔を晒す危険より、貴様と一緒の方がいい。一応、ヒエンの恋人であり、護衛として雇う手筈なのだからな。」

あまりのシュウの手際のよさに不審を抱いたナナミが腰に手を当ててシュウの顔を覗き込む。

「シュウさん根回しよすぎじゃない?婿どのあんまり利用しないでよね!」

「安心しろナナミ。お前のおかげで一層利用しやすくなったぞ。」

「うそーっ!?もーっ!人でなし!!」

「人でなしで結構。それが軍師だ。」

「悪い顔してるーっ!」

ムキーッと怒ってポカポカとシュウを叩くナナミ。ナナミをそのままにして、シュウが一同にクロの設定を覚えるように、午後には広間にて皆にクロを紹介すると指示を出して解散となった。

装備を持ってくると言って、シュウが出ていくのにもまだプンプン怒ってポカポカ叩いているナナミ。あーそこそこ、と肩叩きされてるように言うシュウにまたナナミが怒って、そのままついていった。部屋にヒエンと二人残されたルカが、

「…軍師とナナミは仲が悪いのか?」

と聞くと、ヒエンが頬をぷくーっと膨らませていて。

「逆。あの喧嘩、ただのじゃれ合いだから。ナナミがシュウの顔が好みなの知ってるし、シュウもナナミに関しては邪険にしないもん。」

だからむかつく、と拗ねるヒエンがどこか寂しそうで。ルカは先ほどナナミに教えてもらったように、頭をポンポンと優しく叩いた。

「ルカ?」

「お前にはもう俺がいるだろう。」

「……うん。」

「婿入りしてやるから安心しろ。」

「それ言ったのナナミ?」

「ああ。」

「だから婿どのかぁ。」

ナナミには敵わないね、そうだなと二人で言っているうちに、シュウとナナミがクロとしての装備を持って戻ってきた。

黒い服に、革の胸当て、青のマント、革の籠手、革のブーツを装備して。左腕にヒエンと同じ黄色いスカーフを巻く。最後に額から頬にかけて顔を覆う仮面をシュウから渡された。

「これを着けた瞬間からお前はクロだ。」

「ああ。」

「うわぁ、装備は少ないのにル…、クロかっこいい。」

「同じスカーフ持ってきて大正解でしょ!」

「うんっ!ありがとうナナミ!」

 

 

 

 

 

 

この日の午後、広間に集められたアニマル軍の皆は呆気に取られることになる。シュウによってヒエンの恋人、クロが紹介されたのだ。

仮面で顔を隠しているため不審に思う者もいたが、カレッカの生き残りであることと、その場でヒエンが抱きついたこと、ナナミとも親しげに話している事実に渋々納得する。

いくら恋人とはいえ、ヒエンの護衛として大丈夫なのかという不安の声はすぐに消えた。夜中にヒエン暗殺未遂事件が起こったのだ。

ビクトール、フリック、ツァイが駆けつけた時にはヒエンは無傷で、襲撃犯であるルシアが気絶し地に伏していた。ヒエンが殺すのは待って、と言うから峰打ちにしたのだとか。

牢に入れたルシアに逃げられはしたものの、クロの実力を疑うものはいなくなり。名実共にクロはヒエンの恋人として認められたのだった。

 

 

 

 

 

 

終わり。

説明
ナナミと和解したルカ様が身の振り方を決める話。
2主→ヒエン
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