新たなる外史の道 外伝 桃香修行編 2 |
私こと桃香が蒼に来て四ヶ月が過ぎました・・・
相変わらず死にそうな程走り、死にそうな程訓練し、死にそうな程書類と戦っています・・・
でも・・・私、なんだか強くなっている気がします・・・
未だに一刀さん達からは弱者にしか見えませんが・・・
でも・・・
蜀にいた時とは違い、私は自分の意思で何かやっている・・・
そんな事が今の私の考えです・・・
修行は地獄でも心には充足感にも似た達成感が私の中にあります・・・
皆・・・私・・・強くなる・・・
今日の朝の修行は北郷夫人が担当だった。
「それでは、朝の訓練を始めます。氣の基本は出来ているので、応用編に移ります」
応用編か・・・一体どんな事やるんだろう・・・
「貴女達の技を貴女達自ら編み出す。これが私の今日の課題です」
私だけの技か・・・何だか凄くワクワクする。
「参考までに私の技を見せます」
そう言い北郷夫人は自分の青龍偃月刀改を構え氣を送り込む。
「青龍烈破!!」
そう叫び振り下ろす・・・
アレは!! 以前愛紗ちゃんと戦った時に見せた技!!
氣の刃は地を切り裂き、標的の岩が轟音をさせて吹き飛ぶ・・・
「「「す、すごい・・・」」」
「全然凄くないわよ。だってこれ通常技だし威力100分の1に落としてるから♪」
(((これで通常技!?!? しかも100分の1!?!?!? 全力で打つとどうなるの!?!?!?)))
今更何しても驚かないと決めたが、つくづく化物してるな・・・この人たち・・・
「さあ!! 自分の技を創りなさい!!」
そう言われ各自自分の技の開発に乗り出した。
私だけの技か・・・・・・
う〜ん・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ふえ〜ん!?!? 全然思いつかないよ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
なんか皆さん考え付いてるみたいなんですけど!?
如何しよう・・・・・・
そうだ!! 一刀さんに聞いてみよう〜♪
「と、言うわけで一刀さん何かいい案ありますか?」
私は一刀さんに相談した。
「あのな・・・そんなのは自分で考えなさい・・・」
一刀さんは呆れながらそう切り捨てた・・・
「そこを何とか!!」
私は必死に頼み込む。
一刀さんは根負けしたらしく私に助言をくれた。
「・・・まず、君がどの様な戦い方をするか理解して私に聞いて来ているのかね?」
私の戦い方・・・
「それが解らないのでは俺でも助言は出来ないよ・・・」
・・・そういえば私・・・戦場には出てきた事はあっても戦闘には殆ど参加していない・・・
危なくなったら愛紗ちゃん達に助けてもらったっけ・・・
「・・・まさか・・・戦闘はした事が無いのか・・・?」
私は一刀さんの言葉に頷くしかなかった・・・
「ハ・・・それじゃ〜解らんわな・・・どんなに考えても・・・と、言うよりよく今の今まで生きてこれたな・・・運が良いとしか言い様がない・・・」
一刀さんは呆れながらも感心した様に呟いた・・・
≪一刀サイド≫
桃香の戦闘経験ゼロには流石の俺も如何したものかと頭を抱えた・・・
俺達が施したモノはあくまで戦闘経験を多少つんだ者に適した訓練だからだ・・・
どうやら、華琳と蓮華は戦闘経験が多少なりともあるから直ぐに自分だけのオリジナルが創りやすいが、桃香の戦闘経験はゼロ・・・
つまり下地が無い状態だ・・・
如何したものか・・・
そんな事を考えていると、俺はある書類に目が行く・・・
「・・・これは・・・使えるな・・・」
そう呟き、俺は至急関連省庁に連絡した。
突然だが私は一刀さんと共にある任務に赴いていた・・・
その任務とは・・・・・・
蒼と蜀の国境付近の村や町を襲撃する盗賊退治の任務だ。
盗賊の数は約二千人規模の盗賊団だそうです・・・
これぐらいだったら軍隊を派兵して叩き潰せると思うのですが、国境沿いに軍を派兵することは宣戦布告を意味する事と取られかねません・・・
書状を出して合同で叩くにしても連携や装備、人員配備等を協議する為に時間が掛かり、犠牲が増えると判断して、空いている一刀さんともう一人の二人一組の天の言葉にするならツーマンセルと言う組み合わせで私が一刀さんに同行する事になりました・・・
私は戦闘などした事無いと言いましたが、経験を積んだ方が良いと判断した一刀さんの一声で私が派遣される事になりました・・・
正直・・・不安です・・・
私達が国境沿いの村に到着した時、村は襲撃された後でした・・・
建物は焼け落ち、人のこげる匂いや、死体の腐った匂い、強姦され殺された女性の死体、子供の死体までありました・・・
「う・・・おえ・・・ごほ・・・・・・」
私は、その惨状と、その臭いでその場で泣きながら吐いてしまいました・・・
そんな・・・酷い・・・あんまりだ・・・
この人達が一体何をしたというのだろう・・・
今日を一生懸命生きて、明日を夢見て生きていた彼等に何の罪があったのか・・・
こんな殺され方をしなければならないほど彼らは何もしていない・・・
私は涙と嘔吐でグチャグチャになった顔を下に向けながらそう思いました・・・・・・
「目を背けるな・・・」
不意に一刀さんの声が私の耳に入って来ました・・・
「これが現実だ・・・俺達がどんなに平和を願い、その為に戦ってもこんな地獄は至る所で見かける・・・一生懸命生きようとしている人達を盗賊どもは自分可愛さに外道に落ち彼らを殺し、犯し、奪い、火を放つ・・・・・・
もし、この地獄が誰のせいで生まれたと言うなら、外道に落ちた盗賊共と、それらを生み出す土壌をつくり、それを是正できなかった俺達なんだ・・・
俺達為政者は彼等、死した者達に罵声を浴びせられようと、石を投げつけられようと、反論も反撃も許されない・・・
覚えておけ、桃香・・・政治は万能じゃない、話し合いも大切だ、だが、外道に堕ちた者共にはそん物は通用しない・・・
彼等に唯一通用するのは圧倒的な力だ・・・
そして、彼等に情けや容赦はしてはいけない・・・
それをしてしまうと、彼等は付け上がり、またこの様な地獄を作り出す・・・」
そう言う一刀さんの顔は無表情でしたが、その目は怒りと悲しみに満ちていた・・・
私達は馬の蹄の跡や人の足跡を追いながら、盗賊の塒を突き止めました。
盗賊の根城は廃棄された要塞である事がわかった・・・
作戦は一刀さんが予め潜入し、C4と言う爆弾を仕掛け、それを爆発させ、生き残った敵を私達で倒すと言うのが今回の作戦です。
作戦会議終了の時、一刀さんは私に助言をくれました。
「桃香、自分の身は自分で守れ。それだけの訓練はしているし、今のお前は訓練でなら呂布以上だ。盗賊になど遅れは取らない」
「はい・・・」
私は一刀さんの言葉に緊張しながら答えました・・・
「俺からの助言だ・・・敵は確実に仕留めろ・・・じゃないとお前が死ぬぞ・・・
後一つ・・・死ぬな・・・」
「はい・・・」
私はそう答え、靖王伝家の柄を強く握り締めた・・・
「肩の力を抜け・・・それじゃ持たんぞ」
「はい・・・」
C4の設置が終わり一刀さんが戻って来ました・・・
「いくぞ、桃香」
「はい」
そう言い一刀さんはリモコンと言う物のボタンなるものを親指で押しました・・・
その直後、爆発音と共に要塞内部で火柱が上がりました。
轟音と共に私達が隠れていた茂みの近くの城壁が崩落しました。
「突撃する!!」
「はい!!」
私達は崩落した城壁の隙間から突入した。
そこには逃げ惑う盗賊が炎に怯え、逃げ惑っていた。
「誰だ!? 貴様ら!?」
私達の侵入に気付いた盗賊の一人がそう叫びます。
一刀さんは問答無用でパトリオットを乱射し、叫んだ盗賊を蜂の巣にしました・・・
「な!?!? 貴様ら!!!!!!」
私は体に内氣孔を練りこみ、外氣孔で体を覆い、靖王伝家に氣を送り込む・・・
そして、私は叫んだ敵兵にそれを全力で振り下ろしました・・・
「ぎあ!!!!!!!!!!」
敵は絶叫を上げ息絶えました・・・
あ・・・私とうとう人を殺したんだ・・・
しかもこんな簡単・・・
人って・・・こんな簡単に死ぬんだ・・・
私が呆然としていると敵が襲いかかろうとしていました・・・
「死ね!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
しかし、その盗賊は私を殺す事は出来ませんでした・・・
・・・一刀さんが襲い掛かった盗賊の頭を撃ち抜いたからです・・・
「ボッとするな!! 死にたいのか!!」
「へ、い、いいえ!!」
「なら体を止めるな!! 思考を休ませるな!! とにかく動き続けろ!! 考え続けろ!!」
「はい!!」
そう叫びながら戦う一刀さん・・・
私は一刀さんの言われた通り、常に動き続け、考え続けました・・・
最初はハウゼンさんの様に靖王伝家を振るっていましたがある事に気が付きました・・・
ハウゼンさんの剣技はどちらかと言えば直線的で鋭い感じがしました。
刀と言う武器の性質からだとハウゼンさんは言っていた事を思い出しました・・・
それを思い出した時、私は自分の武器を見ました。
この靖王伝家は剣の幅も広く、実戦にも耐えれる様に鉄の密度もあり装飾もあると、私が扱うにしては少し重たい剣だと言う事に思い至りました・・・
なら、直線的に振るっていても非力な私には威力も速さも出せない・・・
如何すべきか・・・
その時、北郷夫人が青龍偃月刀改を振るう時、回転させる様に振るっていた事を思い出しました。
そうか・・・遠心力で剣を振るうのか・・・
でも足運びとかはどうするのだろう・・・
その時、私は戦っている一刀さんをふと見ました。
流れるような動き、相手の体制を崩しかた・・・
そうか・・・一刀さんは相手の呼吸や目線、筋肉の動きや、相手の気配を読んで戦っているのか・・・
「死ねや!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
そう言い槍を私に突き入れようと突っ込んでくる敵に私は、まず相手の目を見て私のお腹を狙っていることに気づきました・・・
次に相手の呼吸や腕の動きから突き入れる瞬間が解りました・・・
私はそれらの情報から敵が槍を突き入れる瞬間を狙って靖王伝家を回転させるように右回りで上から下に回しながら相手の槍を弾きます。
敵の槍は、私から見て右にそれました・・・
私は右足を踏み込み、次は横に左回転で相手のお腹に靖王伝家の刃を叩き込みました・・・
敵は上半身が飛び去り、下半身が崩れ落ちました・・・
「できた・・・」
私は次々襲い掛かる敵に切り、突き、払い、防御の全てに回転を加えて対処しました。
すると今までぎこちなかった剣技は綺麗に振るえる様になりました・・・
すると次に私はある事を思いつきました・・・
剣を真正面に回転させるとどうなるだろうか・・・と・・・
私は敵の斬撃に靖王伝家を右手で正面に思いっきり回転させ対応して見ました・・・
すると敵の剣は細切れになりました。
私は高速回転させたまま半身の状態から敵にそれをぶつけました・・・
敵は簡単に縦半分に真っ二つになって死にました・・・
凄い威力だ・・・・・・
次に私は飛んできた矢をそれで弾き返しました・・・
私は外氣孔を紐状に形成し靖王伝家の柄の先端に縛り、それを回転させながら、集団で襲い掛かってきた敵にそれを投げつけました。
高速回転しながら集団目掛けて靖王伝家は飛んで行きます・・・
私は敵に当たったと同時に氣の紐を指で操作しました・・・
すると靖王伝家は複雑に回転しながら敵を細切れにして私のところまで戻ってきました・・・
氣ってこんな事もできるんだ・・・
そんな事を考えながら私は敵と戦い続けました・・・
「殲滅は完了した・・・よく頑張ったな・・・」
私は一刀さんの言葉でようやく戦いは終わったことを理解しました・・・
そうか・・・終わったんだ・・・
戦う事に・・・生き残る事に一生懸命で気付かなかった・・・
「・・・一刀さん・・・」
「・・・何だ・・・?」
「・・・一刀さん初めて人を殺した時・・・どんな事を思いましたか・・・」
一刀さんは少し考えながら呟いた・・・
「・・・怖かった・・・自分が殺した相手と同じ存在になる事が・・・何時か自分も同じ様に殺されるのかと考えたら怖かった・・・
でも・・・俺は、それを後悔はしていない・・・」
「・・・何故ですか・・・?」
「愛紗を守れた・・・愛紗の命を俺が守れたそう思った・・・」
私達は崩壊した要塞内部から昇る朝日を見ていた・・・・・・
私はこの時、本当の意味で理解した・・・戦う事を・・・
愛紗ちゃん達や兵隊さん達も皆守るために戦っているんだ・・・・・・
一刀さん達もまた同じように・・・
私は知らな過ぎた・・・話し合いだけじゃ解決しない事がある事も・・・
戦う事の辛さや手を血で染める覚悟を・・・
私は本当に知らないまま、皆に戦いを指示していたんだ・・・
ああ・・・私は何て偽善者なんだろう・・・
それでも・・・私は・・・出来れば話し合いで解決した・・・
強くなろう・・・力だけじゃない・・・
魂も・・・頭も・・・決して折れないように・・・
少しでも皆が笑って過ごせる世界を作るために・・・・・・
私は昇る朝日に自らの誓いをたてた・・・・・・・・・
私が私にたてる誓いを・・・・・・・・・・・・・・・
説明 | ||
恋姫無双の愛紗ルート後の二人が真の世界にやってきたら? という妄想から生まれた駄文です。 読んでもらえれば幸いです。 桃香修行編2です。 |
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あの修行でレベルがあがったのか?!(キラ・リョウ) あの鬼畜の様な修行で進化したのか、凄いな(samuraizero) 強くなったな、いろんな意味で。 やっと理解したか、って感じだけどね(峠崎丈二) 随分と逞しくなりましたね。続きが楽しみです。(自由人) 凄い進化ですね。(ブックマン) これから三人の王に期待ですね。(サイト) あの地獄の修行をやってのける三人・・・。それよりもなぜか桃香の技が某冒険アニメのとある剣士の技に見えるのは気のせいか・・・。(乾坤一擲) 初めてでよく矢を弾けるな(ヒトヤ) 桃香・・・・恋より強いって・・・・(まああの訓練受けてりゃあ当然っちゃあ当然か・・・・(明夏羽) |
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