魔神達の幻想入り 第24話 |
妹紅「うおりゃぁぁぁっ!!フジヤマヴォルケイノォッ!!」
人里の上空では、先に駆けつけていた妹紅がデオキシスと戦闘を行っていた。
妹紅の右拳に集まる炎が燃え上がり、デオキシスの顔面へ叩き込まれるその瞬間、デオキシスはズングリとした姿に変わる。平たい手は自分の顔を覆い、妹紅の拳を防御した。
妹紅「へぇ、私の最高の一撃を止めやがるか」
デオキシス「・・・・・・」
無口になりつつもまた変形、オレンジと水色の触手が渦状になると同時に拳に早変わりし、妹紅に肉弾戦を仕掛ける。
妹紅「そんな程度で・・・!」
接近なら有利だと決めていた妹紅はチャンスを見に寄せていた。拳を使うことは、防御を削らせてしまう唯一の欠点がある。つまりデオキシスが大降りを見せたその瞬間を妹紅は狙っているのだ。
守っている妹紅を崩そうと、デオキシスの右拳に大降りが仕掛けられる。チャンスを掴んだ妹紅は左にずれて大降りを回避する。デオキシスに隙ができた。
妹紅「もらった!」
まだスペルカードの効果が残っている妹紅はここで決めようと、さっきよりも強いパンチを顔面へ叩き込む。見事命中した。
妹紅「どうだ!・・・って、顔硬っ!!」
ヒットしたはずなのに何一つ痛がらないデオキシス。逆に妹紅が手を傷めてしまい、デオキシスが裏拳で妹紅を地面へ突き落とす。
ベンケイ(今のは鉄壁か。体を鋼鉄状態にして防御を高める技であるが、何故防御を高めた姿にならずだ・・・?)
隠れながら見ているベンケイは今起きた出来事を把握する。だがデオキシスを止めなければならないのはベンケイ自身にもある。だからこそ彼も動かなければならない。
ベンケイ(致し方ない!!参る!!)
歌舞伎の服に着替え、建物の陰から飛び出す。
ベンケイに気づいたデオキシスは、突然鋭利な触手をした姿に変わってムチのように叩きつけてくる。
ベンケイ「カビゴン、冷凍パンチで打ち返すのだ!!」
ボールから出てくる巨体なポケモン、カビゴンは気合充分で腕を振り回し、凍った右パンチ一発でムチを弾き返した。さらにもう一発来る。
ベンケイ「裏拳で冷凍パンチ!!」
打った右パンチを逆方向に力を入れ、今度は裏拳を仕掛ける。コレも見事に弾き返す。
そらならばとデオキシスは流線型の姿に変え、コンマ数秒の速さででカビゴンの顔の前まで接近する。いきなりでビックリしたカビゴンは怯み、ムチで顔面を強打されてしまう。
顔が叩かれて何も見えないカビゴン。やむを得ずにベンケイはボールに戻して、今度は岩の鎧を纏うポケモンが出現する。ドリルポケモン、ドサイドンだ。
ベンケイ「ドサイドン!!岩石砲で・・・!?」
突然息を殺したベンケイ。それは残像のように周りを動くデオキシスの姿だった。これでは的が絞れない。
ベンケイ(なんという速さだ!まるで分身してるかのよう・・・!)
この隙にデオキシスはドサイドンを攻撃。翻弄されるドサイドンは守るだけしか何も無い・・・ようにも見えたが、ベンケイには秘策があった。黒い影のポケモン、手掴みポケモン、ヨノワールがボールから繰り出される。
ベンケイ「コレを使わせてもらう!トリックルーム!!」
デオキシス「!」
デオキシスのスピードが突然遅くなる。この技を使うと、歪む時空でスピードがあべこべになり、速い奴が遅く、遅い奴が速くなるのだ。
ベンケイ「この隙にドサイドン!!岩石砲!!」
目の前に立っているデオキシスに両手の銃口を向け、大きな岩石が発射。コレは避けれずに爆発し、7メートルほど飛ばされてしまうと同時に時空が元に戻る。
やったのかどうかわからない緊張の中、空から慧音が駆けつけてくる。
慧音「里が心配でやってきたものの、これはいったい・・・?」
ベンケイ「おお。ちょうど今やっつけたところだが、どうなったかまでは分からん様子だ。このままでいてくれればいいのだが・・・」
そう言うと、ボロボロになっている妹紅に近寄って意識を確認する。
慧音「怪我してるじゃないか!アイツにやられたのか!?」
妹紅「しくじったけど、このおっさんが何とかしてくれたぜ」
ベンケイ「肩を貸そう、起き上がるのも辛かろうに」
妹紅「悪いな・・・って、おい!アイツまだ倒れてないぞ!!」
ベンケイ「何!?」
デオキシスはベンケイ達の前に立っていた。あのダメージをまた耐えきっていたのかと驚かされるベンケイは棒を構え、慧音はカードを取り出してデオキシスを睨む。
慧音「お前がこの里を襲うというのなら、私はお前を許す価値は無い!私が相手だ!」
デオキシス「・・・・・・」
デオキシスは無口のまま、一瞬で空へ飛び去っていった。
慧音「逃げたか。しかしなんだったんだアイツは・・・?」
ベンケイ「我輩も聞きたいくらいだ。・・・それよりお主は、この里の者なのか?」
慧音「ああ、上白沢 慧音だ。貴方は?」
ベンケイ「オオクラザワ ベンケイと申す。詳しいことはそちらの家で話すとしよう」
積もりかけていた事は綺麗に収まるように解決し、ベンケイは寺子屋へ向かおうとしたその直後に誰かがやってくる。それはデオキシスを追いかけている最中のてゐと萃香だ。
てゐ「う〜ん・・・この辺りに何かいたんだけど気のせいかなぁ?」
萃香「とっくに逃げたんじゃないのか?・・・あ、誰かいるぞ」
慧音「お前は・・・!」
気づいた慧音はてゐに近寄る。
慧音「永琳や鈴仙が探していたぞ。勝手にどこかへ行っていたそうだな」
てゐ「ちょ、ちょっと!それってお師匠様が怒っているってことじゃないの!?」
慧音「かなり怒っていたみたいだけどな」
てゐ「違うのよ!私は変な化け物をを追いかけていたの!その途中で巫女に捕まって無理やり手伝わされて、今こうして探しているわけよ!」
ベンケイ「それはさっき我輩等が戦っていた奴のことか?ならばすぐに飛び去って行ったのだが・・・」
萃香「どこへ?」
ベンケイ「それは・・・速すぎて我輩でも行く先が分からなかった。すまん」
申し訳ないと落ち込むベンケイだが、一番に落ち込んでいるのはてゐだった。帰ろうとすると霊夢に怒られてしまうが、かといってこのままだと永琳にも怒られる。どちらにしろとも地獄を味わうのであるが・・・
鈴仙「てゐ、ここで何してるの?」
霊夢「化け物は見つかったかしら?」
てゐ「!!!」
この瞬間にてゐは、2人の死神に睨まれることとなった。
鈴仙「師匠がカンカンみたいですよ・・・?」
霊夢「まさかサボっていたわけじゃないよね・・・?」
てゐ「ガクガク((((((゜Д゜;))))))ブルブル」
不敵な笑いをあげながら段々と恐ろしさを増す2人、てゐは腰を抜かしてしまう。
鈴仙・霊夢「何とかいいなさい!!この兎がぁぁぁ〜〜〜っ!!!!」
てゐ「ア゛ア゛ア゛ア゛ーーーーーッ!!!!」
てゐの目の前が真っ白になった!▼
第24話でした。
鈴仙ファンの皆様は非常に申し訳ありません。それでも自分はヤンデレみたいなシーンが好きなのです。血は嫌いですがヤンデレは好きです。
デオキシス戦には今後の戦いでも特に力を入れていくつもりです。今回は妹紅、ベンケイと戦いましたが、次回での戦いも期待してくれれば嬉しいです。
因みにデオキシスはフォルムによって技も変わっていますし、能力とかもここで紹介しておきます。
【能力】
・フォルムチェンジ・・・風土の力により形態を変える能力。形により能力が変わり、デオキシスは状況に応じて自在に変える。因みに幻想卿の風土はカントー、ホウエンを混ぜた風土と設定している。
・念視能力・・・いわゆるエスパー能力。透視や遠くの物を察知したりすることが可能だが、未来余地みたいなことはできない。
・分身(デオキシスディバイト)・・・最大100体の分身を生み出す。姿はノーマルフォルムでコアがついていなく、能力は本体より低め。
・三角防御壁(デルダシールド)・・・このシールドに入ると、ある程度の攻撃をシャットアウトするだけでなく、内部で回復が可能。敵が接近しても瞬間移動で回避するので、別名、「動き回るシールド」と呼ぶ。
・オーロラ・・・このオーロラで幻影を見せて近づく敵を油断させる。主にフォルムの見せ掛けに利用しているが、遠くからだと惑わされない。
・サイコブースト・・・デオキシス御馴染みの必殺技。山を一つ吹っ飛ばすほどの威力を誇り、一瞬で70体以上のポケモンを撃破してしまうのだが、悪タイプには当然効かない。
【技】
・ノーマルフォルム・・・サイコブースト、シグナルビーム、10万ボルト、自己再生
・アタックフォルム・・・サイコブースト、シザークロス、身代わり、自己再生
・ディフェンスフォルム・・・ミラーコート、鉄壁、どくどく、自己再生
・スピードフォルム・・・サイコキネシス、神速、シャドーボール、自己再生
以上を持ちまして、25話へ続きます。それではっ!
説明 | ||
ポケットモンスターの世界に住むトレーナー達が幻想郷へやってくる不思議な物語。 ※キャラ崩壊注意 |
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