魔神達の幻想入り 第25話
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エビス「天子はん、ほんまにやる気なんでっか!?」

天子「私は退屈しのぎに付き合ってもらおうとしているだけよ。地震起こして騒ぎやるだけじゃ物足りなかったから」

バルト「え?それってどういう意味で・・・」

その時飛行中だった三人の間に空気が切り裂かれる。何かが飛んでいったのだ。

バルト「今のは何なの!?」

天子「・・・まさか、アイツか?」

直感する天子は目つきを変えて追いかけようとしたが、エビスに止められてしまう。

エビス「天子はん、速すぎてよう見えんかったけど、アイツを追うのは無理やと思うで。マッハを超えとるからな」

天子「マッハ?」

バルト「音よりも早く飛ぶ速度のことですよ。そうすると今のように空気を切り裂くことだってできるんです」

エビス「追うとしてもすぐに逃げられる可能性もあり得るもんやから、一旦地上へ降りたほうが気づかれにくいと思いますわ」

天子「それでは余計たどり着くまでかかるのでは?」

エビス「心配はいらへん。ワテのポケモンならすぐに追いつくで」

バルト「そうですよ!エビスさんのポケモンは凄く足の速いチーム構成になってるんです!きっと追いつけますよ!」

天子「・・・分かりました。貴方を信じてみましょう」

意見にのった天子は地上へ降り、あとから降りたエビスとバルトが火の馬ポケモン、ギャロップを繰り出す。

バルト「天子さんは僕の後ろに乗ってください」

天子「えっ、でも服に火がついたら・・・;」

エビス「この炎は触れても燃えやせえへんから安心しぃな。ほな行きましょか」

天子は炎の部分を恐る恐ると触れてみるが、熱くないとすぐに感じた。安心した天子はバルトの後ろに乗る。

バルト「しっかりつかまってて下さいね。行け、ギャロップ!」

2匹のギャロップは前足を上げて鳴き声をあげると、全速力で前へ進み始める。

 

 

妖怪の山にある滝。霧状の水が太陽の光で輝き、まるでオーロラのような風景が映し出されている。

そんな滝の裏側では、ベンケイと生活している河童のにとりと、犬の耳をした少女、犬走 椛が将棋をしている様子があった。

にとり「よし!これで振り切れる筈・・・」

椛「(ニッ)王手!」

どうやら椛はかなり腕があるようだ。にとりは押しつぶされた缶ジュースのように追い込まれ、参りましたと負けを認める。

にとり「ハァ〜、やっぱり強いですね。」

椛「ん〜、でも最近から何か物足りなくなってきちゃったんだよねぇ・・・」

文「椛〜!力作の記事が完成したから見てくれる?」

そこへ文が悠々と新聞記事を片手に持ちながら入ってくる。今までよりも気分のいい顔だ。

椛「またあの外来人のことですか?」

文「まぁまぁとりあえず見ていってよ」

無理やり椛に渡される。椛は白狼天狗とよばれる者で、天狗の中では下級と呼ばれている。つまり椛は文の後輩ともいえる立場で、逆らえないという意味がここにあるのだ。

椛「えっと、なになに・・・『前日に確認された隕石は現在、証人のジュウゴロウによっ紅魔館に保管されている。証人の話によるとこの隕石の正体は、千年に一度目覚める伝説の妖獣が眠っている繭であると語っていた。さらにどんな願いも叶えさせてくれるといった不思議な力を持つ者といわれており、幻想卿中に騒ぎの出る予感も遠くはない』・・・これって、何かの冗談ですよね?」

文「証人が確かに言ってたことですから本当です!実際に私なら実にいい特ダネが山ほど来てほしいと願いますよ!」

にとり「じゃあ私は胡瓜1年分!」

椛(無茶苦茶すぎる。でも願い事かぁ・・・)

そんなことを考えながら次の記事を見てみると、こんなことも書かれていた。

 

 

『正体不明の集団出現!プリズムリバー三姉妹を誘拐!』

 

 

椛「・・・文様、この記事はなんですか?」

文「ああこれね。昨夜霧の湖であったことなんだけど、騒霊の三姉妹が偶然に湖に潜んでいた何者かに見つかって誘拐されたらしいんですよ。助けようとしたんですが、突然スキマと似た空間に逃げていったんですけど、あの妖怪がまさか手を組んでいるわけじゃないのかと思って・・・」

にとり「で、でも!その姉妹を助けなきゃいけないのではないんですか!?」

文「霊夢さんや魔理沙さんに頼んでもらおうかと思っていたのですが留守ということで椛、天狗たちを呼んですぐに出動!あの妖怪に聞き込んで真実を暴いてみせるよ!」

椛(結局はこのためなのでょうか・・・?)

文「にとりさんもついてきなさい!」

にとり「私もですか!?」

もはや止めることができない文。椛は天狗たちを呼ぶと目指す先、八雲屋敷へ飛び立つ。

 

 

八雲屋敷に到着した文が刑事みたいに指揮をとりながら天狗達を屋敷の近くまで寄せる。さらには大げさにも程があるのか、メガホンを片手に喋り始める。

文「犯人の八雲紫に告ぐ!!貴方は完全に包囲されています!!無駄な抵抗はやめて出てきてください!!」

紫「何よいきなり。安眠妨害じゃないの」

欠伸をしながら紫が出てくる。

文「この記事をよく見てください!」

紫「・・・あらまぁ、傑作なガセネタね」

文「本命です!!その記事に書かれているスキマと似た空間という文章、貴方がその集団に何か関係があるのではないのですか!?」

紫「さぁ、どうかしら・・・」

文「そうして知ったかぶりをするのも今のうちです!!にとりさん、準備はいい!?」

にとり「勿論です!ショックネット発射!」

にとり自身も持てるほどのバズーカを発射する。放たれた弾が電気を帯びたネット状になって紫を覆うようにするが、そこへ藍が刀でネットを切り裂いて捕獲を防ぐ。

藍「紫様に手を出すなら私が相手しましょう!」

文「今はそちらの方(紫)と取り込み中です!邪魔しないでください!」

椛「文様、私と天狗がやりますのでどうかお願いします!」

もうやけになっている椛は刀を抜いて藍と睨みあう。

紫「よかったわ。橙はまだ昼寝中みたいだから騒ぎは少なくてすみそうで・・・」

文「スキマ妖怪相手には負けません!にとりさん、行きますよ!」

にとり「はい!」

屋敷の前だというのに激闘が起きそうな予感の中、その中へ突如風がの塊が落下する。

紫以外は砂煙で目を瞑り、晴れたと同時に信じられない光景を目の当たりにする。

文「あややぁ!?」

椛「何なんですか、あれ・・・」

オレンジ色の体と紫の水晶体。その正体は紫だけが知っていた。

紫「あら、新しい客みたいね。デオキシス」

そう、彼女たちが見ているのは、デオキシスであるのだ。

 

 

俺は急いで親父のもとへ戻っていた。もうすぐで合流できるので、後はこの角を右へ曲がれば親父のいる生体実験室の入り口に到着する。

すぐに俺は角を右へ曲がる前方の左側にその扉があるのを確認した・・・と思ったその時、突然俺の足場が開き、そこが見えない穴ができる。

ジュウゴロウ「うわああああああああぁぁぁぁぁっ!!」

その声に気づいた映姫は外へ出て、声のした方向に顔を向けると、落とし穴に落ちたことをすぐに把握する。

映姫「小町!彼を助けに向かいなさい!」

小町「おうよ!」

やる気満々で小町は穴へ飛び込む。死神である彼女には実に慣れている仕事なのか、その気合は俺と同じように燃やしながら何も見えない闇の中へ消えていく。

 

俺が落ちた先はさっきとは風景が違うアジトだった。少し暗さがある・・・思っていると、上から小町が降りてくる。

小町「大丈夫かあんた」

ジュウゴロウ「すまない。不覚にも罠にかかったようだが・・・ここはアジトの地下か?」

「いいえ、ここはシャドー団のアジト」

「貴方達がいたのはただの荒れた建物です」

「そしてここは、貴方の墓場・・・」

突然と聞こえた謎の声。いや、この声はまさか・・・

ジュウゴロウ「・・・プリズムリバー三姉妹!?」

そんなまさかだ。ルサナ、メルラン、リリカが目の前に現れると同時に後ろからも声が聞こえた。

「ねぇ、貴方は食べていい人間?」

またもや女の子の声だ。別人みたいだが、俺は殺気を感じ取る。

ジュウゴロウ「・・・誰なんだお前は?」

「ルーミア」

それは以前、サイを襲った人食い妖怪のルーミアだった。

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第25話でした。

突如襲い掛かる4つの人形の前に、ジュウゴロウは最大のピンチを迎えてしまう!

このままやられてしまうのか・・・?それとも、彼女達を葬ってしまうのか・・・?

果たして、ジュウゴロウと小町の運命はいかに!?

そして幻想卿では、紫対デオキシスとのハイレベルな戦闘が繰り広げられる!

次回第26話に続く!

説明
ポケットモンスターの世界に住むトレーナー達が幻想郷へやってくる不思議な物語。
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