新たなる外史の道 外伝 蓮華帰郷編
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私は幽州を旅立って1週間・・・

 

ようやく呉に到着した・・・

 

一刀達のおかげで呉の経済は持ち直しているみたいだ・・・

 

そう考えながら私はお姉様達に会う為、居城に向かう。

 

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私が正門まで辿り着くとフードを取り顔を見せる。

 

「そ、孫権様!? お帰りなさいませ!!」

 

「ただいま。 城門を開けてくれるかしら?」

 

私が門番の兵士にそう言うと兵士が城門を即時開門した。

 

暫く歩き玉座の間へと到着する。

 

久しぶりだ・・・皆と会うのは・・・

 

扉が厳かに開かれる。

 

玉座にはお姉様が、左には冥琳がいた。

 

玉座の段から下りた所に皆が整列していた。

 

「お帰りなさい・・・蓮華・・・」

 

お姉様が優しく迎え入れてくれた。

 

「お久しぶりです。お姉様、またお会いできて嬉しく思います。皆もまた変わりないようで安心いたしました」

 

私は姿勢を正し、そう言う。

 

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≪雪蓮サイド≫

蓮華の雰囲気と言うか態度と言うか、そんなものが変わった様に感じた。

 

その顔からは自信と力強さ、威風堂々とした佇まいでありながら、優しさに満ち溢れている。

 

修行に行かす前は、やたらと肩の力が入っていて、何時も緊張して何処か自信が無いのを隠している感じだった・・・

 

隣を見ると冥琳もまた驚いている。

 

顔には出さないのは流石だが驚くのも無理は無い。

 

後は別人みたいな変わり様に皆驚いている。

 

試してみる価値あるかもね・・・

 

「ええ、久しぶりね、蓮華。元気そうで何よりだわ」

 

「お変わり無いようで何よりです、蓮華様」

 

冥琳がそう言い出迎える。

 

「元気そうで何よりです、権殿」

 

祭もそう言い、出迎える。

 

「立派になられました・・・蓮華様」

 

思春がそう感嘆しながら出迎える。

 

「お姉〜ちゃん! お帰り〜♪」

 

小蓮が元気一杯に出迎える。

 

「お帰りなさいませ〜 蓮華様〜」

 

穏が穏やかにそう出迎えた。

 

「お帰りなさいませ、蓮華様」

 

亞莎はそう言いながら嬉しそうに頭を下げた。

 

「お帰りなさいませ!! 蓮華様!!」

 

明命が嬉しそうに大声で挨拶する。

 

「ただいま、みんな」

 

蓮華は微笑みながら挨拶をした。

 

「蓮華、どうだった? 修行は?」

 

そう聴いた瞬間、蓮華は体育座りをして、何かブツブツ呟く。

 

「どうせ私なんて・・・どうせ私なんて・・・どうせ私なんて・・・どうせ私なんて・・・どうせ私なんて・・・どうせ私なんて・・・どうせ私なんて・・・どうせ私なんて・・・どうせ私なんて・・・どうせ私なんて・・・どうせ私なんて・・・どうせ私なんて・・・どうせ私なんて・・・どうせ私なんて・・・どうせ私なんて・・・どうせ私なんて・・・」

 

な、なんか無茶苦茶暗くなってる〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!

 

一体何が!? というより一刀!! アンタ何したの蓮華に!?

 

「・・・まあ・・・いいわ・・・その話はおいとくとして・・・蓮華、修練場にに来なさい! どれだけ強くなったのか試してあげるわ」

 

私が南海覇王を取りそう言う。

 

「解りました、お姉様」

 

蓮華はそう言い自分の剣を持つ。

 

眼つきが変わった・・・

 

いい眼ね・・・迷いや恐れ、驚きも無い。唯戦いに向かう眼に変わった。

 

祭や思春、明命は気が付いたみたいだ。あの眼差しの力強さが。

 

楽しめそうね〜♪

 

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私はお姉さまと並んで演習場まで歩く・・・

 

到着するとその中央で私達は剣を鞘から抜き放ちお互い構える。

 

「それじゃ・・・祭、合図をお願い・・・」

 

雪蓮姉様はそう祭に頼む。

 

「それでは・・・・・・始め!!」

 

祭の合図と共にお姉様は速攻で私に切り込む。

 

下段から上段の逆袈裟・・・相変わらずですね。

 

意表はつけますが、私にはそれは効かない。

 

私は内氣孔を練り上げ、目と身体能力を上げる。

 

私はお姉様の逆袈裟を後ろにかわし、振り切る頃合を見計らい、一気に左側面に回りこむ。

 

そして、私は剣を逆手に持ち、鳩尾に剣の柄を叩き込む。

 

「ぐう・・・!?」

 

お姉様は苦しそうに呻くがそんなの訓練では関係ない。

 

私は左手でお姉さまの左肩を掴み、その状態から左腕を首に押し上げる。

 

そして、剣を持った状態で右手の親指、人差し指、中指で右腕を掴み、足で体勢を崩す。

 

この状態から私は全力でお姉様を仰向けの状態で地面に叩きつける。

 

「がはぁ!?」

 

苦しそうに呻きながら起き上がろうとするが私はお姉さまの喉元に切先を突きつける。

 

コレで王手積み・・・

 

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≪祭サイド≫

まさか・・・あの策殿に勝ってしまうとは・・・

 

しかも氣の運用まで完璧にしとる・・・

 

何よりあの体を包むような赤い氣・・・

 

アレは一体・・・

 

「のう・・・公瑾・・・権殿が勝ってしまたったぞ・・・」

 

冥琳の奴も驚きながら呟く。

 

「ええ・・・しかも、あの雪蓮に圧倒的大差で・・・」

 

「それだけじゃない・・・権殿のあの動き・・・アレは北郷の奴の武術で・・・」

 

「CQCと言う武術に似ています・・・若干見劣りしますが、間違いありません・・・」

 

私は自分の思いを口にした。

 

「これは・・・ワシでも負けるかもしれん・・・」

 

あの感じじゃと、本気は出しとらんみたいじゃ・・・

 

「たった1年で北郷殿は一体どの様な妖術を使われたのか・・・」

 

まったくじゃ・・・

 

北郷は一体どれ程この短期間であれほど強く出来るのか全く謎じゃ・・・

 

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お姉さまを起こし、お互い剣を鞘に収める。

 

「強くなったわね・・・もう私じゃ敵わないわ」

 

そうお姉様が自嘲気味に呟く。

 

「死ぬほど努力しましたから、死ぬほど走って、死ぬほど組手して、死ぬほど書類整理して、死ぬほど実戦経験を積みました・・・

辛かったですし、泣きましたし、血反吐もはきましたし、のた打ち回りましたし、逃げ出したいと思ったことはほぼ毎日です・・・・・・

でも、私は逃げなかった、その自信が、血肉となり、魂は鋼となり、今の私を支えています」

 

そう答えた。コレだけは言える。

 

私はあの四人には勝てないまでも、同期の三人には負ける気はサラサラ無いし、他の武将なら負ける気などしない。

 

私が初めて誰かから与えられたモノじゃなく自分自身が死ぬ思いをして手を伸ばし、手を傷だらけにしながらも掴み取った自信。

 

誰にも負けない自分の誇り。

 

そして、誰にも負けない夢が出来た。

 

民の為の政治が出来る王になる!!

 

それが、今の私の目標と言う名の夢。

 

誰にも負けない夢がある!

 

だから・・・

 

誰にも負けない!!

 

そう誓った・・・

 

旅立つ前の早朝、三人で見た朝焼けに私は自分の夢を再度、誓った。

 

この誓いだけは誰にも譲らない! 譲れない私の誓い。

 

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≪雪蓮サイド≫

 

何て顔立ちだろう・・・コレが私の妹だろうか・・・

 

語る蓮華の表情は誇らしげで、穏やかでありながら、目標に向かってその眼を遠くに見据えていた・・・

 

そして、純粋にこう思った・・・

 

・・・美しい・・・

 

と・・・

 

何処か、一刀や愛紗、佑やハウゼンの顔立ちや雰囲気がほんの少しだが似てきている。

 

自分の勘で行動して正解だと感じた。

 

強くなったわね・・・蓮華・・・

 

これなら、任せられるかもしれない・・・

 

呉を・・・

 

 

私はそんな事を思いながら、蓮華を見ていた・・・

 

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おまけ

私達は訓練が終わり、皆のところに行く。

 

最初に声を掛けたのは小蓮だった。

 

「蓮華お姉様強〜い♪ どうやって強くなったの?」

 

「それはね・・・・・・朝5時に叩き起こされ、10貫背負って、三里全力疾走で走らされ、朝の訓練で死ぬ一歩手前まで訓練して、昼には巻物1万本処理してたら強くなるわよ小蓮」

 

「・・・それは・・・ご愁傷様だね・・・お姉ちゃん・・・」

 

冷や汗を流しながらそう言う小蓮・・・

 

「小蓮・・・私が鍛えてあげる・・・呉の姫にふさわしい様に・・・勿論、拒否権は無いわよ・・・」

 

「ア、アハハハハハ・・・・・・遠慮します〜!!」

 

回れ右して全力で逃げる小蓮・・・ニガサナイ・・・

 

私は全力で逃げる小蓮の前に簡単に回り込む。

 

「ダイジョウブ・・・ワタシハヤサシイカラ・・・」

 

「お、お姉ちゃん・・・言葉が片言みたいになってるよ・・・」

 

も〜可愛いわね〜小動物みたいに涙目になって震えて・・・フフフ・・・カワイガリタクナッタワ・・・

 

「安心して・・・師匠達みたいな事言わないから・・・」

 

「ちなみに何て言ったの・・・?」

 

小蓮の質問に私は満面の笑顔で答える。

 

「『弟子には人権なんて無いもんね〜〜〜〜〜〜〜〜!!』だそうよ・・・

 

安心して・・・アナタニハジンケンクライアゲルカラ・・・・・・」

 

「雪蓮姉さま〜〜〜〜〜〜〜〜〜!! 助けて〜〜〜〜〜〜〜!!」

 

「頑張れ! 小蓮! アナタのことは忘れないわ!」

 

「・・・酷い・・・」

 

「ああ・・・思春、穏、亞莎、明命・・・小蓮と一緒に訓練しましょう・・・」

 

「「「「いえ・・・私達は・・・」」」」

 

「・・・ナニカ・・・イッタカシラ・・・?」

 

「「「「ひいいいいいいいいいいいいいいい!! 何でもありません!! 何でもありません!! 喜んで参加させていただきます!!」」」」

 

「じゃあ・・・明日から殺{や}りましょうか? 皆?」

 

私はにこやかにそう言う。

 

(((((字が絶対違う〜〜〜〜〜〜!! 殺すのやりましょうになってる!!))))

 

「「「「「はい・・・・・・・」」」」」

 

私はその返事に満足し自分の部屋に帰った。

 

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絶望に崩れる5人を見ながら雪蓮、冥琳、祭は手を合わせてこう言った・・・

 

「「「ご愁傷様・・・・・・みんな・・・」」」

 

と・・・・・・・

 

その後、この状態のことを呉の重鎮達はこう呼んだ・・・

 

クロイ蓮華サンと・・・

 

 

 

説明
恋姫無双の愛紗ルート後の二人が真の世界にやってきたら?
という妄想から生まれた駄文です。
読んでもらえれば幸いです。


蓮華帰郷編です
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コメント
みんな強くなったと同時に黒くなった?!(キラ・リョウ)
殺りますか?殺りませんか?・・・一緒に逝きましょうw(nayuki78)
呉でこんな感じだから・・・・やべぇ、魏だと地獄絵図しか思い浮かべねぇ。(ハルくん)
今度は蓮華がドス黒くなった、次は華琳か・・・(samuraizero)
闇華だと・・・?!また新種がこのサイトでうまれてしまったか・・・。(りばーす)
更新お疲れ様です! 蓮華が黒く・・・ 呉の皆さんはご愁傷様としかw って・・・華琳どうなるんだああああああ 魏は最早天災レベルになるんじゃないのか・・・? それとも華琳はあくまで普通に黒い状態なのか・・・ 続きが気になる!(鳳蝶)
病華を超える闇華・・・一刀たちはやっぱり凄いですね。(ブックマン)
病華ならぬ闇華、降臨wwwww 呉の皆さま、ご愁傷様wwwww(峠崎丈二)
妖術で強くなったならばどれほど良かったか…肉体的・精神的な修行の上に出来たクロイ蓮華サンが呉に襲い掛かる!?御愁傷様ですw(自由人)
合掌!(乾坤一擲)
よ、夜の闇というよりか、マジックで塗りつぶした様な闇ですねwww(Peace)
・・・・・・・・・・誰コノヒト?(スターダスト)
蓮華さん!!あなたある意味闇の覇王ですねwww(ほわちゃーなマリア)
しかし、いつその矛先が雪蓮、冥淋、祭の方に向くかひえひえものですな。(aki3世)
蓮華さん訂正しよう!10貫?三里?ふざけたことを言っちゃいけないw最終的にはもっと長い距離を!もっと重たいものを背負って走っていたじゃないかw気付かなかったようだけどw(サイト)
ヤンファならぬ、闇・華・降・臨!!!(tomato)
もう一度言おう、ご愁傷様(ー人ー)(JIN)
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