第十二章

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[本節テーマ：五胡の凶賊]

金と昇進に目がくらんだ兵たちの強さは、まさに魔物の如く。

恋慕の炎に焦がれて病み荒んだ将達の強さは、まさに鬼神の如く。

五胡の異民族軍団と孫呉の大決戦が、ついに始まった。

地獄の釜が、今、開けられる。

呉軍兵士「金鉦鐘かねカネKANEええええええぇぇぇぇぇぇええええーーーーーー！！！！！」

呉軍兵士「昇進正真衝心傷心小心焦心焼身しょうしいいいいいぃぃぃぃんんんん！！！！！」

五胡兵「な…なんだこいつらは！！？　無茶苦茶強えぇ！！」

五胡兵「背中から真っ黒い炎のようなものが揺らめいてるぞ！！」

欲望のままに目を血走らせて戦うものたち。

病琳「フ…フフフフｆｆｆｆ……　春蘭、秋蘭…私はね、あの男がとても欲しいのよ……？

　　　今まで散々私との閨を拒み続けたあの男をね、屈服させたいのよ……

　　　二人とも、私の願いに応えてくれるわよね？」

春蘭「はっ！！　この夏侯元譲、これより敵兵一万を始末してまいります！！！」

秋蘭「無論ですとも。　この夏侯妙才、必ずや、華琳様の下に北郷殿を連れてまいりましょう」

病琳「期待しているわ、二人とも………さぁ、狩りを始めましょう……フフフフｆｆｆｆｆ……」

五胡兵「ぎいいいぃぃぃやあああぁぁAAAAAぁぁぁぁああああああーーーーーーー！！！！！！！！！」

欲しいものが手に入らず、我慢できずに病み出した覇王。

病華「クスクスクス…ネえさマ、ぜっタい、カずとヲもノニしまショうね……ウフフフ………」

病蓮「エェ…カズト、マッテテネ。　コンナごみミタイナレンチュウニ、オクレハトラナイカラ……ククククク」

五胡兵「あんぎゃああああああああああぁぁぁぁぁああああーーーーー！！！！！！」

愛する者と夜を共にすべく、百獣の王と化した虎たち。

病紗「ご主人様…私はこんなにもこんなにもこんなにもこんなにもこんなにも

　　　貴方様のことを慕っておりますのに……」

霞「お…おい愛紗、おま、気を確かにせぇ！」

思い焦がれるあまり暴走した者。

貂蝉「ぶうううぅぅぅぅるるるあああああぁぁぁぁぁぁああ！！！！！！」

卑弥呼「ふんうううううううううぅぅぅぅぅううううう！！！！！」

漢女軍団「ウホホッ！　ウホホッ！　ヤラナイカー！！」

漢女軍団「ウホホッ！　ウホホッ！　ヤラナイカー！！」

むくつけき筋肉軍団。

羌族兵「ほわああああああああああぁぁぁぁぁぁぁAAAAAAAAああああああああ！！！！！！！！」

羌族兵「ほおおおおおうううううわああああああああああ！！！！！！！！」

羌族兵「うっっほおおおおおあああああああああああああああああ！！！！！！！！」

天和「みんなー、悪い五胡の連中をやっつけちゃってー」

羌族兵「てええええええんんんんほおおおおおおちゃあああああああんんんんん！！！！！」

地和「今まで出番なかったけど、これからはあたしたちが主役だよぉーーー！！」

羌族兵「ちいいいいいいほおおおおおおおちゃああああああああんんんんんんん！！！！！！！」

人和「わたしたちは孫堅様の味方だよーーーーー！！！」

羌族兵「れえええええええええんんんんんんほおおおおおちゃああああああんんんん！！！！！！」

敵だったはずの羌族の軍勢三十万を歌で離反させ、孫呉側に寝返らせた者たち。

病煌「おおおおおるるるるああああああぁぁぁぁ！！！！！　坊主との一番槍は

　　　このあたしのものじゃあああああああぁぁぁぁぁあぃいいいいいいい！！！！！

　　　邪魔はさせん！！！！！！」

五胡兵「ひいいいいぃぃぃぃ！！！！！　殺されるううううううぅぅぅぅぅ！！！！」

鬼神は愛に焦がれて進化し、地獄の帝王となる。

冥琳「なぁ孔明よ…最近、我らの影が薄いような気がするのだが…」

朱里「それは言ってはなりましぇん！！！！」

白蓮「というか、あたしの出番が全然ないじゃないか…」

亞莎「私なんて、私なんて…」

陳宮「おのればかちんこ！！　前半はお前にゆずったけど、中盤では覚えているのです！！！」

悲哀の軍師たち。

煌蓮「勇敢なる孫呉の戦士たちよ！！　今までよくぞ戦った！！　よくぞここまで耐え忍んでくれた！！

　　　ついにこの日がやってきたのだ！！

　　　これより我は孫呉の大号令を発する！！

　　　我ら孫呉重代の悲願は、この日を以ってついに達成された！！！

　　　ここに我、孫文台は宣言する！！　我ら孫呉は、漢王朝に代わり、

　　　新たな王朝、呉王朝を建立せんことを！！！！

　　　さぁ、戦士たちよ！！　我らが孫呉の大地に向かって、祝砲を撃てえええぇぇぇーーーー！！！！！」

呉軍兵士「オオオオオオオォォォォォォーーーーーー！！！！！！！！」

この戦で五胡連合の軍勢は百万以上の損害を出し、ほうほうの体で北方の地へと引き上げていった。

対する孫呉の損害二十万ほど。

連戦連勝の無敵孫呉軍、百戦百勝孫文台とそれを支える天の御遣いの勇名は、大陸全土だけでなく、

はるか南蛮や大月氏国、さらには海を越えて倭国にまで広まった。

これより孫呉は、内政という第二の戦に向けて足を進めていくのであった。

鬼畜王文台　蘇りし虎は曹魏を食らう　　これにて終幕