SHUFFLE!&リリカルストーリー 19 後編 |
第十九話 後編 先輩への報告
場面は移り麻弓の一押し(行ったことはない)だというお店に向かっていた
ここにくるまでに麻弓と(ユーノとフェイトとしてはあまりかかわらせたくない)樹のエリオとキャロへの紹介は終わっている。もちろん樹をのぞく全員でキャロには樹にあまり関わらないようにと言い含めるのも忘れていない(もちろんエリオにもであるが)。
「ここなのですよ〜。入学する前から来てみたかったのよねぇ〜ここ。ケーキなんかが評判らしいのですよ〜」
麻弓がハイテンションにそう言いながら指差す先、そこには‘喫茶フローラ’とあった。
「そうなんだ?」
「はい、ここのケーキはおいしいですよ」
「うんうん、ここのケーキは食べると幸せな気持ちになれます」
フェイトの呟きに楓と桜が答える。実はこの店、光陽町では若者に人気の店として定評があり、稟や楓、桜なんかも亜沙などにつれられて入ったことがある。まあ自分ではあまり入らないのだが
「あ、楓たちここ来たことあるの?だったらおススメをおしえてほしいのですよ〜」
「あ、それやったらわたしにもお願いな、楓ちゃん、桜ちゃん」
「う〜ん、うちのお店(実家)のとどっちがおいしいか勝負だね」
「何たのんでもいいからね、エリオ、キャロ」
「「はい!!」」
エリオとキャロはユーノとフェイト限定だがある程度は素直に甘えることに抵抗がなくなったようで素直にユーノの言葉にうなずいていた、いい傾向である。
ちなみに実家がお菓子屋のなのはは変な対抗意識を燃やしているがそういう家に生まれた子供の性なのだろうからしょうがない。
そんな話をしながら中に入っていく。
『いらっしゃいませー』
これだけ多人数で入ると席を確保するのが大変なようで定員さんがちょっと困っていたのはしょうがないことだと思う。ちゃんと席は用意してもらえたので問題なしである。
稟と楓、桜は席の方へ歩いて行く途中にある人物を見つけたのでみんなに一言いった後その人物に声をかけることにする
「「「こんにちは、亜沙先輩」」」
「ん?あ、ハロー稟ちゃん、楓、桜。けど、どうしたの?
稟ちゃん達がここに来るなんて珍しいわね」
稟達は亜沙のその物言いに苦笑しながら自分たちが行く予定の席の方を見るように促した。
「えっと」
「実は……」
「こういうわけです」
「ふむふむ、クラスの子たちと一緒に来ることになったと。
しかし稟ちゃんだけあってメンツが豪華ね〜、留学生に楓に桜、最近女の子に人気の高い緑葉くんに美少女(麻弓)と」
???「亜沙ちゃん?こちらの方々は……」
そこに亜沙の陰に隠れて見えなかった人物から声がかかる。
稟がそちらに目を向けると金髪の長い髪に尖った耳、整った顔立ちの稟たちと同年代の神族の少女がいた。
さっきの様子から考えて亜沙の同級生だろうと稟は当たりをつける
「ああカレハ,まえに話したことあったでしょ、わたしの中学時代の後輩のこと。
彼が土見稟ちゃん、後ろにいるオレンジの髪のかわいい子が芙蓉楓、黒髪のロングの子が八重桜、あとは……ついでだから稟ちゃん奥の方の子たちの紹介もお願い。
稟ちゃんたちと一緒ってことはこれからも会うことありそうだし」
稟たちと亜沙は浅からぬ付き合いがあるのだから当然と言えば当然かもしれない
「わかりました。ここでっていうのもなんですから俺たちの方に来ませんか?二人ぐらい増えても今さらですし」
「ん、了解、稟ちゃん。カレハもいい?」
「もちろんですわ、亜沙ちゃん」
稟一行に美少女二名が加わった!!!!!稟への周りからの嫉妬度が20UPした!!
「あ、それとこの子はカレハ、私の同級生で料理部でも一緒なの」
「よろしくお願いしますわ。稟さん、楓さん、桜さん」
「あ、はい。よろしくおねがいしますね。カレハ先輩」
「よろしくお願いします。カレハ先輩」
「こちらこそよろしくお願いします」
楓、桜、稟と順番に返事をした後、稟は四人を伴って自分たちの席の方に行ったのだった
「あれ、そっちの二人は……料理部の双璧とも呼ばれる時雨先輩にカレハ先輩じゃないかい!!!!」
稟が席の方に行くと樹がそんなふうに声を上げたのでみんな驚いている
「…………とりあえず聞くが樹、何故お前は二人のことを知ってるんだ?」
「愚問だね稟、俺様が自分の通う学校の美少女についてリサーチしていないわけないじゃないかい」
「………………そうか」
とりあえずこのときみんなの顔は引きつっていたのは想像に難くないと思う
「エビふりゃー!!」
「ちょっ、ま、麻弓!?何をするんだい?ってぐふっ」
麻弓はそういう樹には答えずどこからか出した鉄製の縄で簀巻きにし、猿ぐつわののようなものを口にしたあと殴って気絶させた
「じゃうるさいのはいなくなったことだし注文するのですよ〜。あ、緑葉くんのおごりだからジャンジャン頼んじゃっていいわよ」
「とりあえずタイムさん、エリオとキャロの分はぼくとフェイトで出すよ」
「うん、なんか緑葉くんに払ってもらうのは後々にキャロとエリオに危険をもたらす気がするから」
「……………それもそうかもね」
とりあえず樹に対しては誰もつっこまない、というか目にさえ入れない。気にしたら負けなのだ。
とりあえず亜沙たちに自己紹介する前に注文をすることにした稟たち一行だった
注文をした後とりあえず稟は亜沙とカレハをみんなに紹介することいする
「みんなは会うの初めてだろうから紹介するな、時雨亜沙先輩にカレハ先輩だ」
「はじめましてみなさん時雨亜沙です。後輩の稟ちゃんと楓に桜がお世話になってます」
「カレハと言います。はじめましてですわ」
そんな二人に稟以外のみんなは自己紹介を返す
「芙蓉楓です。カレハ先輩よろしくお願いしますね」
「八重桜です。カレハ先輩、亜沙先輩がご迷惑おかけしてます」
「ちょ、ちょっと!さ、さくら〜」
そんな桜のものいいに笑いが起きる
「ユーノ・スクライアです。よろしくお願いします時雨先輩、カレハ先輩」
「フェイト・T・ハラオウンです時雨先輩、カレハ先輩よろしくお願いします」
「アルフだよ。よろしくね、亜沙、カレハ」
「エリオ・モンディアルです」
「キャロ・ル・ルシエです」
ユーノ一家が続いて自己紹介する
「あれ?この子たちって、ユーノくんにフェイトの兄妹か何か?」
「当たらずとも遠からずですね。社会的な関係は保護者と後見人に被保護者になります。あ、アルフはフェイトの使い魔です」
「まあ、やっぱり世界が違いますと社会のルールも違うのですわね」
「そういうことです。まあわたしとユーノがそれなりの地位にいることも関係してはいるんですけど」
とりあえずは初対面の相手には一回は聞かれることになる質問に答えていく
「高町なのはです。ユーノくんとフェイトちゃん、はやてちゃんとは幼馴染になります。よろしくおねがいします時雨先輩、カレハ先輩」
「八神はやてです。よろしゅうお願いします。時雨先輩、カレハ先輩」
「じゃ、わたしで最後ね。麻弓・タイムなのですよ。よろしくなのです亜沙先輩、カレハ先輩。
あとそこに転がってるのは緑葉樹っていう女の敵だから近づかないようにした方がいいのですよ」
「あ、あはは…………。と、とりあえずよろしくね、なのは、はやて、麻弓」
「まぁ!緑葉さんは女の敵ですのね。緑葉さんが亜沙ちゃんに………まままぁ!!」
亜沙は触れないようにしていたところに麻弓が触れたことから苦笑いで答える。心の中では何で稟ちゃんの周りには個性的なのがあつまるかな〜とか思っている……ちなみに自分もその一人だということには気付いていない……
カレハはなんだろうかどこかに飛んでいる気がする。顔はどこかさっきよりも輝いている気がする
「あ〜、カレハ、スイッチはいっちゃったみたいね」
亜沙は苦笑しながらそういう。みんなはよくわかっていないのか「スイッチ」と呟きながらキョトンとしているが
「あの〜亜沙先輩、いったいどういうことなんですか?」
とりあえずみんなを代表して亜沙と付き合いの深い楓が質問する
「実はね、カレハは過度の妄想癖があってたま〜に……いやよくこうなちゃうのよね」
その言葉をきいたあとみんなはもう一度カレハの方を見る
「まままぁ!!」
「「…………………………」」
「「「「「「「あ、あはは…………………」」」」」」」
「「???」」
沈黙する男性陣、苦笑いする女性陣、そしてよくわかってない子供たちという構図である
この微妙な雰囲気に注文の品を持ってきた店員は不思議そうな顔をしていたが
ちなみに女性陣はケーキもしくはパフェに紅茶、ユーノと稟はコーヒー、エリオとキャロは麻弓に勧められたパフェというのが今回のオーダーである。
麻弓以下女性陣はどうせ樹が払うのだからとこの店でも高い物を注文した。
しめて一万円はくだらない、哀れ樹
「まあ、注文の品も来たことだし食べましょうか。あとわたしのことは下の名前でいいわよ」
亜沙はパフェを見てキラキラと目を輝かせているエリオとキャロを見ながらそういう
「そうですね。じゃ食べましょうか」
稟がそういうとみんな一斉に食べ始める。結構みんなたのしみにしていたようだ
ちなみにエリオとキャロは背が足りず食べにくいとのことから、それぞれフェイトとユーノの膝の上である。もしかするとただ甘えたかっただけかもしれないのだが
「こうしてみると兄妹よりもどちらかっていうと親子みたいね、ユーノくん達」
その様子を見ていた亜沙がそうこぼす
「あながち間違いでもないみたいですよ?エリオくんもキャロちゃんもユーノくんとフェイトちゃんをお父さん、お母さんって呼んでますから」
「フェイトちゃんとユーノくんも満更じゃないというか喜んでますし」
その呟きを隣に座って聞いていた楓と桜が亜沙にそう返す
「そうなんだ…………」
そう相槌を打った後に亜沙の瞳にいたずらっぽい光が宿る
「ふむふむ、で、二人は稟ちゃんとの間にあんなかわいい子供がほしいと」
「そうですね、“わたし達”稟くんの恋人ですから、ね、楓ちゃん」
「えっと、そのできるなら…………稟くん?」
「…………え〜っと、楓?桜?」
ふたりの発言に当事者とユーノとフェイト、アルフに子供達以外の全員の空気が凍りつく、稟と桜、楓はやっちゃったてきな表情をしている。ちなみにいま入ってる客は稟たちだけであったのが唯一の救いだろう
「えっと、亜沙先輩、実は入学式のころから俺たち付き合ってます」
この場で誤魔化しは不可能と判断した稟が居住まいを正して亜沙に向かってそう切り出す。
周りのみんなは雰囲気にのまれていた。
ユーノ達だけはフツーに続けて食べていたが(エリオとキャロに気を使わせないように)その辺はわかっているのか稟も亜沙もとがめなかった。
本当は最初に報告するのは桜と楓の両親と決めていたのだがこうなってはしょうがない(出張中で幹夫がいなかったため報告できなかった)。
ちなみにその次は亜沙に報告するつもりだったので一番と二番が入れ換わっただけなのだが
「………それは稟ちゃんと楓と桜の二人がってことでいいのよね」
「「「はい」」」
まじめな表情で亜沙は静かにそう聞き、三人がしっかりと答える
「楓、桜、あなたたちは二人とも納得してるのね?」
「「はい」」
「そう」
そして亜沙は黙り込む
「………………そっか、それならわたしからは何も言うことはないわね。稟ちゃん!」
「!!はい」
そうして晴れやかな顔になった後、稟の名前を呼ぶ
「楓と桜のふたりをちゃんと幸せにすること、いいわね!!」
「わかってます。俺にとって一番大切な人なんですからもちろんです」
「うん、いい返事ね。さすがおとこのこよね」
そういうと亜沙は笑う、とてもたのしそうに
「じゃは明日にでも“稟ちゃん達カップル成立おめでとうパーティー”を開催します!!場所は楓の家、いいわねみんな!!」
「えっと、亜沙先輩?家主への確認は?」
「稟くん亜沙先輩ですから」
「そうそう亜沙先輩なんだから」
「そうだな」
「ちょっとそれどういう意味?ちゃんと確認はとるわよ……事後承諾だけど……楓、問題ないわね?」
「はい」
こうして土曜日に稟の家でパーティーが開かれることが決定したのだった
その話の後、麻弓がふとこんなことを言う
「そういえば、スクライア君とフェイトって付き合ってるの?」
みんな“そう言えばどうなんだろう?”というような視線を向ける。
周りからみるとエリオとキャロの両親のように見えるのだから当然の疑問かもしれない。
ちなみにはやてにはなのはの後に付き合い始めたことは伝えてある
「えっと」
「実は………」
「「入学式の日から付き合い始めました」」
真っ赤になってそういう、初々しい限りである
「ふ〜ん、やっぱりそうだったのですか」
「わたし達の見立てどうりでした。ね、楓ちゃん」
「はい、そうですね桜ちゃん」
「まったく、そんなとこだと思ってたよ」
「「「まぁ、わたし達は知ってたけど」」」
「「おとーさん、おかーさん(とうさん、かあさん)どうして顔が真っ赤なんですか?」」
とりあえずみんなやっぱりかというような反応である。
むしろこれで付き合ってないなどと言っても信じてもらえなかっただろうから妥当な反応と言えるだろう。
エリオとキャロは話についていけなくてユーノとフェイトが顔を赤くしているのを見て不思議そうにしていたが。
そして知り合ったばかりとは言っても亜沙がこれを見逃すはずもなく…………
「じゃ、パーティーは“稟ちゃん&ユーノくん達カップル成立おめでとうパーティ”に名前を変更します!意義のある人は」
「「「「「「「「意義な〜し」」」」」」」」
ということでパーティーの開催決定!!!!!!!
そしてその後は少し交流を深めるために話した後、解散となったのだった………………ちなみにカレハは最後まで戻ってこなかった(笑)
その帰り道、ユーノ、フェイト、はやて、なのは、アルフ、エリオ、キャロの七人は少し遠回りして家に向かって帰っていた。
地図はユーノの頭の中に入っているため迷うことはないだろう………たぶん。
その途中には幼稚園があるのだがエリオとキャロはその様子に目を輝かせていた。
少し遅めの時間だが幼稚園内には少なくはない数の園児がのっこっており楽しそうに友達と遊んでいたのが羨ましかったのだろう。
ユーノとフェイトはお互いに顔を見合わせる。その幼稚園には張り紙が貼ってあったのだ“園児募集”という
「ねぇエリオ、キャロここに通ってみたい?」
「「え、いえそんなこと………」」
エリオとキャロは迷惑がかかると思ったのかユーノの質問に首を横に振った
「で、本当はどうなのかな?わたしに教えて」
「「でも、めいわk」」
「「迷惑なんかじゃないよ」」
そういう二人に対して言ったフェイトの言葉に迷惑だからと断ろうとする二人を遮ってそういう
「ね、だから」
「ぼくたちに教えて?エリオとキャロがどうしたいか」
「「……………いです」」
「ん?」
かすかに二人が何かを言う
「「通いたいです」」
今度ははっきりと
それならばユーノとフェイトのとる行動は決まっている。もちろんそのあとに月曜には幼稚園に通えるように手続きを行ったのだった
そして冒頭に至るというわけである。
あとがき
こんばんはグリムです。反省してます、前半の冒頭部分のあとまでいけなかった。
ちなみにパーティーの話は番外編として書くつもりですので本編ではさわり程度しか書きません。
では読んで下さった皆様ありがとうございました
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喫茶店での話。料理部の双璧の一人にして亜沙の親友が初登場です。……あまり喋ってませんが。 | ||
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