Rain in the Dance |
今夜はどうしても君と過ごしたくて、普段なら断ることのない舞踏会もキャンセルした。
今日は、聖夜だから……
「こんばんは、シーヴァス」
窓越しにふわりと降りた赤毛の天使、ユーリア。
私が唯一本気で愛している天使。
「よく来てくれた。忙しかっただろうに悪かったな」
「いえ、お気になさらないで。あなたのお呼びならすぐに来ます」
「ありがとう」
将来を約束した、私だけの天使。
「今日は、何のようですか?」
窓にもたれ掛かって柔らかく微笑みかけてくる。私は彼女に近寄って窓の外を見た。
「今日は特別な日だから君を呼んだのさ」
「特別な日?」
ゆっくりと頷き、そっと彼女の赤くて艶やかな髪をまとめるように肩を抱いて外の景色を指をさし、その方向にユーリアは視線を動かした。
広場の真ん中には鮮やかに飾り付けられた大きな樅の木が置かれていた。
「わぁ……綺麗ですね」
楽しそうに窓の外を眺めている。まるで、子供のように。
「でも、私はもっと綺麗なものを知っているよ。ユーリアという名の宝物を」
「……もう、シーヴァスったら……」
ウィンクをしてそう言うと、ユーリアは顔を赤らめて俯いてしまった。
しかしそう言った行動一つ一つがとても愛おしくて……
「屋上に行こうか」
「屋上ですか?」
「あぁ。あそこならもっと綺麗に樅の木が見えるだろうから」
コクッと一つ頷くと、私が差し出した手をとり、屋上へと向かった。
(つづく)
説明 | ||
十年前の作品。 元ネタは「Favorite Dear」というゲームから。 友人のサイトで「テーマはクリスマスと雨」という条件で書いたものです。 (都合により途中まで。全文はサイトにて) |
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Favorite Dear シーヴァス クリスマス フェィバリット ディア 二次創作 | ||
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