艦隊 真・恋姫無双 165話目 《北郷 回想編 その29》
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【 判断 の件 】

 

? 南方海域 連合艦隊 華琳視点 にて ?

 

 

私の目の前に、自責の念に駆られ押し潰されそうになっている『今の一刀』が居る。 

 

過酷な戦場を生き抜いた軍人としての立派な面構え、服上からでも分かる引き締まった体躯。

 

そして、艦娘と呼ばれる一騎当千の将達を引き連れた、私にも引けを取らない王の資質を持つ男が、人目を気にせず号泣していた。

 

 

『……………ねえねえ、話が進んでいないようだけど、どうかしたの?』

 

『ん、雪蓮か? 華琳様の行うことだ、何か深い考えがあるのだろう。 邪魔をしないように、静かにしてくれ』

 

 

あの時………于吉からは《一刀の生まれ変わり》と事前に聞いていたけど、最初に会った時は信じられなかったわ。 

 

天の御使いと囃された頃と違い、遥かに精悍な姿へと変わっていたのも、あったかも知れないけど、私には……彼を一刀と思えなかった。

 

あの時、壊滅の危機に駆けつけ、やっと逢えたと思っていた愛しい人の視線は、警戒という壁越しに見える冷たい目で、私を射抜いていたのよ。

 

 

『………じゃあ、戦場で数々の武勲を立て、華琳からも寵愛される、魏で最強の武を誇る大剣サマに、どうしても聞きたい事があるんだけど?』

 

『ま、まあ……どんな問いか知らないが、この三国でも名高い魏武の大剣が、特別に、特別にだぞ! 分かる事ならば答えてやろう!!』

 

『ふふ、ありがとう。 じゃあ、聞きたい事はねぇ───』

 

 

今の一刀にとって、大事なのは………艦娘という彼女達。 現に命懸けで彼を護ろうとした彼女達に向けられる目は……優しく温かった。

 

そんな彼女達を横目に、私は普段しているような曹孟徳として立ち振舞い、この難局を共同で乗り切ったわ。 

 

そう、乗り切ったけど………

 

その間、この私が隣に居るのに気付く素振りもなかった。 ただの援軍として、ただの戦友として、ただの見知らぬ他人として接しただけ。

 

あんなに愛し愛してくれた、覇王たる私を……いえ、寂しがり屋の少女を……完全に忘れられていたのが、酷く哀しく………辛かった。

 

だから、私は───覚悟を決めたのよ。 

 

一刀との関わりを、これに最後にしようと。

 

今の一刀は、私と関係ない人物。 彼には彼の生活があり、様々な交友があり、そして……愛する人が居るのだろう。

 

そんな中に、遥か昔の女なんて……迷惑なだけ。 今の世と、何の関わりも無い私が居ても。

 

 

『──────成る程ね、よぉく分かったわ!』

 

『ふん、華琳様の事ならば、何でも知ってる私だからな。 伊達に寵愛されてなどいないさ』

 

『よしっ! それじゃあ、大事な家族のために一肌脱ぎますかっ!!』

 

『お、おい! 雪蓮ッ!?』

 

 

 

◆◇◆

 

【 追憶 の件 】

 

?  亡国 とある墳墓 華琳視点  にて ?

 

 

私達が此処へ現れる事が出来たのは、皮肉にも私達と敵対していた、あの左慈の来訪だった。

 

─────時は、三国鼎立から幾星霜。

 

三国の世での役割など全て終えた人生、後世の出来事は後者の責任とばかり、私達は悔い無き眠りに其々が就いていたわ。

 

だから、当時の壮健な肉体など疾うに無く、儚い存在だった精神のみが残る、そんな状態だった。

 

そんな折、私達の眠る場所へ左慈が赴くと、持って来た水晶球を掲げ大声で呼び掛けたわ。

 

 

《 俺にはどうでもいいことだが、現世の北郷の命は風前の灯だ! 嘘だと思うのなら、この水晶球に映し出される映像を見るがいい!》

 

《 もし、北郷を助けたいと望むなら、不愉快だが力を与えてやる! だが、その代償に……貴様らが、この世界から消滅する覚悟があればな!!》

 

 

その言葉を聞き、私の朦朧としていた意識は急速に覚醒、最後の最後まで懸念していた消え去った一刀を思い出し、水晶球へと向かう!

 

左慈は無愛想な顔で、持っていた水晶球を地面に置くと、数歩後方へ退き腕組みをしながら立ち止まり、その位置より動く事はしなかったわ。

 

そんな左慈の様子に構うことなく、水晶球に近づき手を伸ばせば、誰かの手と当たる。 

 

誰かと思えば、あの桂花が気まずそうな様子で手を引っ込める様子が見えた。

 

思わず可愛らしい態度に微笑むと、既に魏国の将達は全員集まり、水晶球の映像に固唾を呑んで見守ったわ。 

 

……………というか、それしか出来なかったのよ、当然だけど。

 

そんな中、左慈が見せる水晶球には、一刀が乗船していると思われる先登 (せんとう)のような船が一隻。

 

かなりの速度で水上を走る船に、無数と思える人のような奇怪な者達が追尾し、状況は最悪を越え、既に手遅れとしか思えない。

 

普段は全くと言うほど静粛な墳墓群に、緊迫した空気が漂い、声にならない怒声や絶叫が響く。

 

幾ら叫ぼうが、声は届かない!

幾ら触れても、助ける事が出来ない!

幾ら悔しくても、私達では力になれない!

 

もし、あの頃の身体と力があれば、あんな敵などと切歯扼腕しながらも、皆が水晶球を更に注視するけど、時間も距離も……何かも足りない。

 

もはや、絶望視したも同然だった。

 

 

─────しかし、そんな大騒ぎする私達を尻目に、船より一人の将らしき者が飛び出すと、その集団に果敢にも戦いを挑んだのよ。

 

既に装備は破損、身体も満身創痍、呼吸も荒く疲労困憊と、どう見ても衆寡敵せずどころか、無謀な突撃としか言えない有り様だったのに。

 

だけど、その将は……笑っていたわ。 

 

何が楽しいのか、笑いながら多数を相手に奮戦するけど、やはり呆気なく力尽き、多数の敵に呑み込まれてしまった。 

 

呑み込まれて姿が消える、最後の最後まで……笑みを絶やさなかったまま。

 

まるで、己の役割を果たし満足したかのように。

 

 

…………その姿を見て、私は決断したの。

 

普通ならば断固拒否する話。 

 

振ってきたのも、胡散臭い敵対する相手の一人。

 

一刀が本当に乗船しているかも分からない。

 

 

…………だけど、私には分かったの。

 

その将は……同じ男を愛し、その男に殉じる覚悟で、敵に向かって行ったのだと。

 

己の命を盾に変え、愛する男を護ろうと。

 

更に、その将は呑み込まれる直前、呟いたのよ。 

映像だけだから音は聞こえなかったけど、口の動きで判断できた。 読唇術……情報収集に便利だから覚えたけど、芸が身を助けるとは本当そうね。

 

 

唇の動きは……【 か・ず・と 】……と。

 

 

ここまで見ていた私が、どういう感情を覚えたか予想するのは容易いでしょう?

 

現に私だけでなく、周囲に居る春蘭や秋蘭、一刀を慕っていた三羽烏、霞達の武将達、更に頼りになる軍師達さえも剣呑な気配を纏っているわ。

 

義憤に駆られた、悲憤慷慨した、そんな難しい言い方で私達の行動原理は言い表せない。 寧ろ、単純明快にした方が、実に伝わりやすいわ。

 

 

それは────

    

 【 あの敵勢は、我ら魏を、怒らせた! 】

 

          ─────と言うこと!!  

 

私は直ぐに決断を皆に伝え、全員で左慈の誘いを受けることにしたのよ。 

 

 

  私達の愛した、北郷一刀を救う為に!!

 

 

◇◆◇

 

【 偏愛 の件 】

 

? 南方海域 華琳視点 にて ?

 

 

一刀達を救出し敵勢も退け、こうして冷静に対応して見れば……如何にも感情の暴発には、我ながら怖くなる。

 

こうなる事は分かっていたのに。

 

今の彼女達が、前の私達の立ち位置。

 

あの一刀なら、己の限界以上の力を出し成果を出すのは当然。 私達の時も一刀のお陰で助り、秋蘭や季衣の命、そして魏の建立さえもなかった。

 

だから、これで一刀のくれた恩義は全部返し、全ては白紙と変え、大人しく消滅を待とう。

 

……そう覚悟をしていたのに。

 

 

『本当に、本当に………ごめん!!』

 

『………………………』

 

 

────この想いを漸く断ち切る覚悟が、やっと出来たと思えば、当の一刀から告げられるのは、更なる青天の霹靂。

 

私が苦渋の決断した矢先に、天の国で最上位の謝罪姿勢と伝わる《 土下座 》を決めた一刀から、爆弾発言が口から飛び出し、今に至る訳だけど。

聞けば、まさかの……記憶の復活。

   

念のために問えば、名前は全員の真名まで。 当時の状況、その時の様子までも語ってくれた。

 

因みに、当時の一刀と私しか知らない話も内緒で聞いたら、顔を真っ赤にしながらもハッキリと答えてくれたわよ。

 

《 質問が既に……『拷問』へ変わっていた 》なんてブツブツと言っていたけど、何を失礼なこと言ってるのかしらね。

 

…………因みに質問内容は黙秘よ。 誰が言うもんですか、あんな恥ずかしい事。 

 

 

まあ、それはさておき……………

 

私は更に追及しようと身構える。

 

何故、私と初めて出会った時に冷たい視線を向けたのか。 幾ら記憶が無かったといえど、あまりにも薄情ではないの、と。

 

そんな一刀は、更に絶望した表情を見せて、これ以上は止めてくれと、必死に土下座して私に請うのだけど、当然無視よ無視。

 

まるで、浮気をしてバレた夫が正妻に言い訳をかまして、必死に謝罪しているように見え、思わず頬が緩んでしまったのは、皆に秘密だけどね。

 

だって、私が聞きたいことは、たかが四半刻(約三十分)ぐらいでは聞き足らないし、まだまだ問い詰めければ、魏王の沽券にも関わるわ。 

 

そして、二人きりで……今までの鬱憤を全部吐き出し、蟠(わだかま)りを消滅させた後、また前みたいに……じゃなくて!! 

 

そんな事より、記憶がどうかなんて今更言われても、私の決めた覚悟が─────

 

 

『─────えいっ?』

 

『いっ、痛ぁぁぁッ!? だ、誰よッ! 人の頭を思いっきり引っ叩くのはッ!?』

 

( #^▽^)彡☆( §/ロ° ;)/

 

 

『あっ、ごめんなさいね。 なんかイチャイチャしている華琳に腹が立って……じゃなくて、話が進まないから注意しに来たのよ』

 

『だ、誰がイチャイチャ………って雪蓮! 貴女は後方で待機────』 

 

『退屈だったから……来ちゃった。 エヘッ☆』

 

(  ノ≧?≦ ) Σヽ(?言? §;)

 

 

…………色々と、物凄く突っ込みたいところではあるが、敢えて無視。 突っ込めば突っ込むほど泥沼になるのは、既に理解しているのよ。

 

だから、いつものように私は振る舞えば、ここは正解。 軽く叱りつけた後、要件を聞けば……

 

 

『ふぅ………春蘭から聞いたわよ。 ったく、華琳らしくもないわねぇ』

 

『───────えっ?』

 

『戦場の緊迫している時に、後ろから声かけるなんて。 久々に逢えて有頂天になっていたの?』

 

『……………………』

 

『そもそも、自軍内とはいえ緊張感あふれる戦場で、味方では無い者から声を掛けて近寄れば、誰でも疑うものだと思うけど?』

 

『そ、それは………』

 

『それによ! 当時の記憶を照合するとか何とか言っちゃてるけど、結局は華琳と一刀の思い出話じゃない! 私達の事はどうしたのよ!!』

 

『…………………』

 

?ジト( ?_?)──   煤i°□°§; )

 

 

あ、あれ? 

 

この私が……雪蓮に……正論を言われている?

 

 

◇◆◇

 

【 隠蓑 の件 】

 

? 南方海域 連合艦隊 にて ?

 

 

雪蓮が華琳に詰め寄っている頃。

 

 

記憶の相違が無いかの確認……と言うことで根掘り葉掘りと質問された一刀だったが、既に《 拷問 》と変わっていたことに気付かなかった。

 

雪蓮のお陰で漸く解放されたが、肉体的、精神的にグッタリとしてしまった一刀。 乗って来た小舟に倒れ伏せたまま、動けない状態である。

 

だが、この男には更なる悲劇が訪れた!!

 

 

『ねぇ……提督は私と天龍ちゃんを弄ぶ悪い子かしら? もう、そんなに早く死にたいのなら……』

 

『お、おおいッ! 提督!! 今そこで龍田が提督の話を聞い────待てぇ、龍田ッ!!』

 

 

『提督の馬鹿ぁ! このPhilanderer(浮気者)! 絶対絶対絶対ぜっっったい、許せないネ!!』

 

『金剛さん、落ち着いて! ねぇ、落ち着いてよぉ!! そんなんじゃ、司令官に会わせられない、会わせる訳にはいかないわ!!』

 

 

『名もいらぬ、光もいらぬ。 この長門が望むものは………そう、ただ提督のみ!!』

 

『はわわわ! 長門さんが……世紀末の怖い大きい人みたいに!? こ、怖いけど……駄目なのです! こ、ここからは通しませ……はにゃあーっ!?』

 

 

秘密にしていた華琳の話が《 何故か 》漏れたため、◯◯鎮守府の古参艦達( 一部を除く )が一刀に詰め寄り、深刻な事態になっていた。

 

因みに、電の悲鳴は長門を動かせない様に、腰に

抱き付いていたのだが、悲しいかな所詮は戦艦と駆逐艦、馬力と体格差での力不足。

 

つまり、長門は何もせず、電を腰に張り付けて歩を進めただけの話であったのだが。

 

 

──────閑話休題

 

 

そもそも、数十分前の金剛達が豹変し、こうして一刀に詰め寄ってきたのは、戦いが終わった後に流れてきた、とある噂のせいであった。

 

 

《 摩訶不思議なる軍勢が駆け付けてくれたのは、提督と偕老同穴の契りがあるからだ 》

 

 

この噂は、即ち《 この救援があったのは、一刀は駆け付けた将と恋仲だったからだ 》という意味。 

 

これを聞いた艦娘、特に古参艦が簡単に黙殺できるわけがない。 それを裏付けたのは、皮肉にも華琳が行った尋問……という想い出話。

 

幾ら小声でやったところが、艦娘なら十分に聞こえる。 特に一刀の話となれば、地獄耳と化すのもやむを得ないだろう。

 

それが、事実と理解できれば、後は当然の結果である。

 

この様子を見て、驚き呆れたのは天龍と雷電姉妹。 掻い摘んで話を聞いたが、納得いかないと言わんがばかりに止めに入った。

 

確かに、数字の上では三対三。 しかし、戦力も馬力も金剛達の方が圧倒的に上。 奮戦するのだが、やはり力不足で押し込まれ気味になる。

 

そして、頼みの綱である一刀は………

 

 

『おい、提督! 黙ってないで何か言ってやれよ!! それから、指をくわえて見ている腰抜けども、戦えないなら妨害ぐらいしてくれよ!』

 

『『……………………』』

 

『チッ、このぉ────馬鹿野郎どもがァァ!!』

 

 

華琳の厳しい尋問、長い戦いの肉体的精神的な苦痛により極度の疲労困憊。 それに負い目という罪悪感もあり、自分から動こうとしない。

 

また他の艦娘達も助けようにも限界に近く、また鬼気迫る古参艦の迫力に怯え、虚しく距離を開けて見守るのみ。

 

正に、第二の危機と言える修羅場。 こんな場所に入る奴は、余程の命知らずの猛者と言えるだろう。 誰だって、近寄って来ない筈────

 

 

『……………ふん。 アンタ達の絆なんて、多少の衝撃を加えるだけで、脆く崩れる子供の玩具みたいな関係だったようね』

 

『─────!?』

 

 

突如と、一刀の前に現れたのは、猫耳頭巾を被る小柄の少女。 一刀が虚ろな目をしながら声の響く方角に首を向けると、驚愕の表情を見せた。

 

そのまま何かを喋ろうとするが、猫耳頭巾の少女……桂花は、一刀の唇を指で軽く押さえて黙らせた後、嫉妬に燃える艦娘達を睨み付ける。

 

 

『What do you mean!?(どういう事!?)?……じゃなくて、どういうわけデスカッ!?』

 

『聞こえなかったの、間抜けな小娘さん。 私の流した醜聞を聞いて、今の一刀に付き従う仲間達の反応は、どんな物か試したと言ったのよ』

 

 

『うふふ……私を本気にさせるなんて、悪い子ね。 そんなに早く無様に沈みたいのかしら〜?』

 

『ふん、囀(さえ)ずるだけなら誰だってできるわ。 負け惜しみを聞いてる暇なんてないから、さっさと消えなさい、邪魔よ!!』

 

 

『………………愚か者の名を聞こう』

 

『愚か者なんて、そんな戯れ言を言える立場? 私は策を謀り、アンタは馬鹿みたいに引っ掛かった。 どちらが愚か者か一目瞭然じゃない!』

 

 

三隻三様に毒舌を放った桂花は、更に言葉を続けた。

 

 

『アンタ達が何者なんて知らないし、興味なんてない。 だけど、簡単な思考誘導で仲間内で揉めるなんて、本当に一軍の将なのかしらね』

 

『将とは豊富な知識、冷静な対応、俯瞰的な見方って、何か文句でもあるの? これだから男って……ごほん! ま、まあ……何でもないわよ!』

 

 

他にも何か言いたい雰囲気であったが、桂花は一刀の視線に気付くと急に毒舌が萎み、少しの間を置くと、一刀だけに聞こえる謝罪の言葉を呟く。

 

 

『(………また、謝罪したい相手を貶(おとし)めようなんて。 ごめんなさい、一刀。 貴方にキチンと謝りたかったのに、こんな面倒な女……)』

 

『(だけど……お願い。 どうか、私の言葉の中にある真意に気付いて。 そして、一刀を────)』

 

 

そう小さな声で、祈りのような言葉を語った後、桂花は……最後に特大の爆弾を落とした。

 

この言葉に、艦隊全体に激震が走る!!

 

『アンタ達みたいな脳筋どもに教えるなんて、死ぬほど嫌だけど、話が進まないから語ってあげるわ、感謝なさいよ!』

 

『私は魏国に仕えし筆頭軍師、姓は荀、名はケ、字は文若! 過去に……一刀と出会い、紆余曲折の末に結ばれ、子供を授かった女よ!!』

 

 

そして、金剛達の狂気が更に数段強まり、悪鬼羅刹の形相となったのは、言うまでもなかった。

 

 

 

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