〜真・恋姫?無双 孫呉の外史 幕間
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〜真・恋姫?無双〜 孫呉の外史 幕間

 

 

 

 「一様、これから戦が始まるのですね?」

 快活さを感じる声が尋ねてくる。それに一度頷いてから、一刀は応える。

 「ああ、そうだよ氷花。・・・燕、いけそうかな?」

 応えた後に、自分の左隣にいる少女に問いかける。

 少女は何も言わずに黙っていたが、静かに口を開く。

 「つばめは・・・平気で無問題。いつでもいける。だから・・・一刀は必要な事をつばめに言えばいい」

 少女の声は淡々としていた。それでも一刀にはその淡々とした声の中にもちゃんと親しみが込められているのを感じた。

 「・・・かずと、・・・怖いのか?」

 「孫権さんにも聞かれたなぁ、それ」

 しみじみと一刀はそう言った。二人の少女は黙って言葉の続きを待つ。

 二人と一刀は、まだ出会ってさほど時間は立っていない。だが、それでも二人は一刀の横に立つことに何の迷いも持っていなかった。

 「怖いよ。無駄に心臓はバクバク言ってるし、不安だし・・・。情けないとは思うんだけどね」

苦笑する一刀に、二人の少女は「それは違う(います)」と首を横に振った。

 「一様、それを情けないなんて思っちゃだめです。戦が怖いと思う事は決して恥ずかしい事ではありません」

 「ひばなの言うとおり。・・・怖くない戦なんてない。・・・怖くて当たり前」

 一刀を励まそうとする二人の少女を見て、一刀は二人と出会った頃のことをふと思いだしてみた。

 

 ――快活さを感じる声の持ち主、諸葛瑾 子瑜。真名を氷花(ひばな)という少女と。

 ――口数の少ない少女、賀斉 公苗。真名を燕(つばめ)。

 

 この二人と一刀が出会ったのは、今からひと月ほど前だった。

 

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 「一刀さ〜んいらっしゃいますかぁ?」

 机に山積みの竹管を相手に奮闘していたある日の事。暇を持て余していた冥琳が手伝ってくれて感謝していたら、突然一刀を呼ぶ声がした。

 真面目に仕事をしていた雰囲気どっちゃらけ、この間の伸びきった声は一刀や冥林の知る限り一人しかいない。

 「穏だね」

 「穏だな」

 はぁ、とお互い顔を見合わせて息を吐いた。

 「あ、いましたね♪おや?冥琳様もご一緒だったんですね」

 「ああ」

 そこから冥琳がここにいた理由やらを説明しはじめる。しばらく話をした後、冥琳は穏に用事があったのではないかと尋ねた

 すると「ああ、そうでした」と思い出すように言う穏。あの一瞬で忘却するというのであればそこまで大した用事ではないように思える。

 だが、穏の口から出たのはそんな呑気な内容ではなかった。

 

 ――「雪蓮様と香蓮様がお呼びしてたんですよ」

 

 一瞬で全身から血の気が引いた。頭の中では五月蠅いぐらいに警鐘がなっており、体はガタガタと震えている。全身に鳥肌が立ち、冷汗が止まらない。

 あれからどれくらい時間がたった?多分だが、言うほどではないにしろ十分以上は間違いなく過ぎてしまっている。

 「・・・・・・北郷」

 冥琳に呼ばれるまでガッツリ時間をつぶしてしまった。

 「腹を括って地獄へ行って来い。後で骨くらいは拾ってやろう」

 「冥琳サン、穏サンハ?」

 「生憎と穏は大事な弟子でもある。死地と分かっている場所に行かせるわけがないだろう?」

 御尤もではあるがあんまりなご意見である。

 「そんなことはともかく、どういう結果になるにしろ、行かなければより悲惨な事になるだけだぞ」

 次の瞬間我に返った一刀は矢のごとく俊敏に部屋を出て行くのだった。

 

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 「ごめん!おそ・・・ぐえっ!」

 つぶれた蛙の様な声が出た後、自分が押し倒されている事に気がつく。ふと横を見れば大剣が刺さっている。

 「龍≠ノ虎=E・・亀≠ニ鳳≠ヌれがお好みだ?」

 かなりの迫力を孕んでいるではありませんか。というかそれ以前に、どれもこれを選んだところでロクな結末が待っていない気がする。

 「出来ればどれもご遠慮したく存じ上げます・・・・・・本当にごめんなさい」

 香蓮に馬乗りされているため身動き一つできない状態にあるが、心の中では全身全霊で土下座している一刀であった。

 「・・・雪蓮にも平謝りしておけ。遅れた理由については大体の見当は付いているが、な。それでも遅れたことには違いない」

 「・・・りょーかい。ところで・・・その雪蓮の後ろにいる二人は誰なのさ?多分初めて見る顔だと思うけど・・・」

 「詳しくはあの馬鹿に聞け」

 香蓮の後についてきながらどうお詫びをしようか考える一刀

 (お酒・・・っていうのは安易すぎるかな・・・こういうときはどうしたらいいのかなぁ・・・)

 などと考えていたら直ぐについてしまった。

 「・・・・・・」

 不機嫌モード全開、なんかもう色々マズイ事になってる。

 「「・・・・・・」」

 雪蓮の気に充てられた故か背後に立つ二人は無言でこちらを見ている。顔にはありありと興味の色があった。

 

 一刀から見て右側にいる一人は、綺麗なブロンドのロングヘアーの快活さを感じさせる少女。

もう一人は鮮やかな紫色のショートが特徴的な少女

 

 「・・・・二人とも、自己紹介なさい」

 雪蓮の低めの声に二人はビクリと背筋を伸ばしたあと、一歩前に出た。

 「初めまして、ボクは・・・諸葛瑾 子瑜と申します」

 「賀斉・・・・・・公苗」

 ――は?

 諸葛瑾に賀斉だって?いや、この世界の歴史が俺の知る歴史と違うのは充分に承知しているんだ、今更驚くわけにもいかない。

 (どこまで役に立てるのものかな・・・歴史の面においては・・・かなりきついか)

 「・・・と・・・・の子・・・」

 (でも、俺だって役に立てる事はある・・・)

 「・・・・・・いてるの?」

 (後ろ向きに考えても仕方ないか、とにかくやれる事をやるしかない)

 「・・・・・・ッ」

 瞬間、殺気が一刀を襲った。これまで幾度か香蓮や雪蓮、祭と手合わせしている彼だ。本能的に腰に下げた徒桜≠フ柄に手を伸ばし刃を抜く。

 ――ギィィィンっ

 刃と刃のぶつかり合う音が響く。我に返ってみれば目の前には、先程よりもまして不機嫌になった雪蓮の顔があった。

 「人の呼び出しには遅れてきた揚句に、大事な話をしてみれば考え事?貴方、本当にいい度胸をしているわ」

 「・・・・・・ごめん」

 言い訳などの飾りつけのない素直な一言だった。だが、飾り気のない言葉だからこそ、その言の葉に込められた思いが伝わってきた。そのせいか、雪蓮は「ふう」と息を吐いた後で「いいわ」とだけ言葉にした。

 

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 「二人を俺の部下に?」

 「そうよ。貴方の知識の面においては氷花が支えてくれるわ。武の面では燕がその役に就くわ。氷花は武官としても優秀なんだけどね。優先順位は文官よ」

 ありがたい申し出ではあった。確かにこの二人が自分の部下になってくるというのなら、それは俺にとっての天の助け≠ニいえるだろう。

 ――だけど。

 「雪蓮や香蓮さんはそれでいいの?二人の意見を無視するような言い方になるけど、それだけの人材なら二人の部下にした方がいいんじゃ・・・・」

 「・・・生憎と不要だ。それ以前に、天の御遣い≠ナあるお前に、相応の護衛を付けないわけにもいかん」

 「そういうこと。貴方は人の上に立つ立場にいるんだから。素直に受け入れなさい。それはそうと、燕、一刀の武は充分に判ったでしょう?私の一閃に反応出来るんだから充分じゃないかしら?」

 雪蓮の問いかけに賀斉は頷いてそれに応えた。

 一方の諸葛瑾はニコニコと笑っている。

 「二人とも、最初に話した通り、いつかは貴女達の夫となるかもしれない子だから、真名を預けなさい」

 「はい、孫策様」

 「・・・・・・うん」

 「あ、それと真名を預けたでしょ?私の事は雪蓮でいいわ。以後は真名で呼びなさい。母様も、ね?」

 「ん?ああ、勿論だ」

 頷いて答える香蓮。二人はというと緊張した様子で「「は、はい」」と応じた。

 「あ〜・・・その、俺は北郷一刀っていうんだ。二人が俺の事をどう話したかは知らないけど、よろしくね」

 話を切り出した後、一刀はそっと右手を差し出した。二人はなんだろうと首を傾げたため、一刀は苦笑して差し出した手の意味を話した。

 「これからよろしくって意味だよ。雪蓮や香蓮さんみたいに頼りになるかはわからないけど、精一杯頑張るから。二人も一緒に頑張ってもらえると嬉しいな」

 「「・・・・・・」」

 手を差し出したまま笑顔をつくる一刀を、二人はポカンとしたまま見ていた。雪蓮と香蓮はというと、些か面白くなさそうな顔をしている。

 ほんの少しの間があった後、諸葛瑾が差し出した一刀の手を握った。

 「姓は諸葛、名は瑾。字は子瑜・・・真名は、氷≠フ花≠ニ書いて氷花(ひばな)といいます。よろしくお願いしますね。御遣い様」

 「賀斉・・・公苗。真名・・・つばめ。よろしく・・・御遣い」

 よろしくと賀斉の手も握り返した。

 

 ――二人と握手を交わした後で、一刀は二人に頼みごとをした。

 「あのさ、できれば御遣い≠ナ呼ばないでほしいんだ。名前の方で・・・北郷でも一刀でも好きな呼び方でいいからさ」

 へ、と疑問が顔に出た後、急におたおたし始める氷花、一方の燕はというとどこかのんびりと落ち着いている。

 「え、ででですが・・・えっと・・・では、一様≠ナいいでしょうか?」

 「うん、構わないよ。改めてよろしくね氷花」

 紅潮した頬のまま、おずおずと一刀の手を握り返した氷花。握手したままの一刀の袖を燕は何度か引いた。

 「つばめは・・・かずとと呼ぶ。よろしくする」

 さっと燕の方から差し出してきた右手を一刀は優しく握りしめた。一刀は気付く事はなかったが、燕の頬も、氷花ほどではないにしろ、朱に染まっていた。

 「・・・・・・一刀の笑顔にやられたか」

 「幾らなんでも早すぎよ・・・」

 聞こえない聞こえない聞こえてません。二人の不満そうな声なんて聞こえません。もし聞こえでもしたなら何を要求されるかわかりません。

 ――だから、気にしません。

 

 結局、その後一刀は氷花と燕を含めて四人に奢る事になるのだった。

 

 ――泣いていいですか?

 

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 「はぁ〜それでは一様の考えだったのですね。警備隊・・・素晴らしい発想だと思います。兵役を主体とせず、警羅こそを主とする。・・・ですが、区画によっては、やはり人手不足が目につきますね」

 「まぁね。暇さえあれば祭さんとかが部下を手伝わせてくれたりするんだけど・・・ね」

 「・・・でも、ああやって・・・鎧を着た人が・・・歩いているのを見かけたら・・・悪い事はやりづらいと思う」

 氷花と燕は、一刀に連れられて警備隊の仕事やらを説明しながら街を歩いていた。

 その道中。

 「隊長」

 「や、お疲れ様。どう?警備隊の仕事は」

 「民のために何かできる事があり、自分がその手伝いができるというのは、とても嬉しい物なのですね。自分は、隊長の部下になれて良かったと思っています」

 「大げさだよ。警備隊だってまだまだ始めたばかりなんだから。無理せずにね」

 とても上司と部下の会話とは思えない親しさを、一刀と警羅に当たっていた兵との会話に感じる二人だった。

 「隊長、そちらのお二人は?」

 「ん?ああ、俺の副官と副官補佐だ。さっき雪蓮と香蓮さんに紹介されてね」

 「そういうことでしたか。では街の案内をされていたのですか?」

 「そういうこと。それと、仕事の内容とかね」

 「ではこれ以上お引き留めするわけには行きませんね。自分は警羅に戻らせていただきます」

 「うん。頑張れって他の皆にも言っておいて」

 「はっ!」

 きびきびとした動きで兵は去っていった。その先には同僚と思われるものが三人ほど立っており、合流した後、こちらに向かって頭を一度下げ、去っていった。

 

 「一様は、兵の方とも親しいのですね?」

 「うん?別に珍しい光景じゃないと思うんだけど」

 案内を再開した途中に氷花がその事を聞いてきた。

 「珍しいですよ。確かに、将が兵を信頼し、兵が将を信頼し尊敬するというのは、理解できます。ですが、一様の場合は、なんといいましょうか・・・そう、立ってる場所が同じなのです。一般的な将と兵では、どうあろうとやはり率先すべき将が上の立場になるのです。しかし、一様はそうではありません。先程の兵との会話もそうですが、雪蓮様や香蓮様との会話も、ボクからすればあり得ない♂話です。言葉の中に・・・なんといいますか・・・立場の差異を感じませんでした。尊敬の念ももちろん感じられましたが、どちらかといえば・・・そう、ボクが燕ちゃんに話しかけるのと同じ感じでした」

 ああ、そういうことか。つまり彼女が言いたい事はこうだ。

 ――何故、あれほど立場の砕けた関係を築いているのか。

 ――何故、天の御遣い≠ニして尊敬や畏怖の念を集めていないのか。

 そうではないかと聞いてみると氷花はコクリと頷いた。一方、燕はというと、黙って話を聞いていた。

 ふむと顎に手を当てた後ややあって一刀は答えた。

 「そうだね・・・たしかに、俺は御遣い≠ネんていう立場で、そういう扱いを受けてる。香蓮さん達に保護されるきっかけもそうだしね。でも、俺はあんまり自分の事を御遣い≠セなんて思ってないんだ。だからかな・・・そりゃあ街の人からは御遣い様≠ネんて言われてはいるけどね。で、なんであんなに親しげかというと単純にこのあたりで食事したりして・・・散歩して・・・今は警羅もして・・・その中で自分から積極的に話しかけたからだよ。そしてそれを続けただけ・・・ただ、それだけなんだ。兵に関してもそれは同じ。一緒に食事したりしてさ・・・。で、香蓮さん達と友達感覚で話してるのは・・・初めて逢った頃にね・・・・その気色悪い話し方は止めろ≠チて言われたからなんだよなぁ・・・。初対面で敬語になるのは何も不思議じゃないと思うんだけど」

 などとしみじみと言う一刀を、氷花と燕は、何か眩しい物を見るかのような顔をしていた。

 二人は何となくだが、北郷一刀という一人の人間を少しわかった気がした。

 

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 ――この人は、普通なら誰もが意識してしまう立場の境界線≠意識してない。自覚はきっとしている。

 だけどそれを意識していない。そう、自分は特別な存在≠ネのかもしれない・・・でも、他の誰とも変わらない、普通の人≠ネのだと。

 呉の今と先代の王が認めるほどの武を持ちながらも、天の御遣い≠ニ呼ばれながらも・・・この人は決して特別≠ナはないのだ。

 先の二つを踏まえると、この言葉には矛盾がある。

 だけど決して間違った表現じゃないと、ボクは・・・そう思う。

 (もしかしなくても、ボクと燕ちゃんは・・・本当に凄い方の部下になれたんだ)

 そう思った瞬間、出会って間もないにも関わらず、そうである自分がとても誇らしく感じた。

 

 ――変な人。・・・うん、変。

 でも・・・不思議な人・・・だと思う。

 つばめは、ひばなみたいに頭が良くない。よくないけど・・・かずとが凄い人だっていうのは・・・なんとなくわかる。

 握った手は暖かかくて・・・笑顔が・・・優しい。お日様みたいな人・・・温かくて、きっとひばなとおんなじように・・・友達なれる。

 あったばっかり・・・だけど、そう思える。

 (変で不思議・・・・・・でも・・・そう・・・いい人)

 よくはわからないけど、今日という日を忘れずにいようと思った。

 

 ――二人は、自分たちを案内しながらも、民と言葉を交わし、笑顔を浮かべる一刀を見ながらそう思っていた。

 

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 「さて、大体は説明終わったかな?暫くは俺と一緒に仕事をしてもらうけどいいよね?」

 「はい、問題ありません」

 「平気で大丈夫・・・無問題」

 丁寧な応対をする氷花ととびっと親指を立てて凄く簡素で同じ意味合いの言葉を言う燕。何となくそれがおかしくて、一刀はつい苦笑してしまった。

 気になったようで、どうかしたのかと聞いてきた氷花に何でもないと返す一刀であった。

 

 二人と別れた後、部屋に戻る道中に、先刻、何の躊躇もなく処刑場に送ってくださった冥琳さんとはち合わせた。

 「その様子ならば特に問題はなかったようだな」

 「いやいや、一歩間違えてたら香蓮さんの技のフルコースくらってたって。雪蓮の逆鱗も軽く触っちゃったし・・・普段の鍛錬に本当に感謝したよ・・・・・ってか、冥琳知ってたね?氷花と燕の事」

 「ああ、半月ほど前にお前と穏、祭殿を留守番させた事があっただろう?その時にな」

 「なら教えといてよ・・・知ってたら・・・いや、結果は変わらないならいいか」

 「そういうことだ。しかし、あの二人は本当に優秀だぞ?持て余してくれるなよ」

 「ああ、そんなことしたら巡り合わせてくれた三人とあの二人に申し訳ないからね」

 是非そうしてくれと冥琳は去っていった。

 のを、一刀は呼びとめた。

 

 ――「冥琳、俺って変わってるかな」

 

 一刀の問いかけに、冥琳は一瞬だけ目を丸くして一言。

 「今更だな」

 

 軽く傷ついた。

 

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 「一様?」

 呼び声にはっとなった。

 「ああ、ごめんね。ひと月前の事思い出してたから」

 「つばめたちと・・・会った日の事?」

 ああ、と頷くと、燕は素っ気なく「そっか」とだけ返した。

 「あの日の事は決して忘れません・・・大袈裟かもしれませんが、一様と出会ったあの日・・・ボクの世界は変わりました。きっと燕ちゃんもそうだと思いますし・・・雪蓮様達もきっと・・・」

 「氷花の言葉に恥じないように頑張らないとなぁ・・・」

 苦笑する一刀に氷花は言葉を続ける。

 「だから、孫権様もきっと一様の事をわかってくれますよ」

 「そーそー・・・かずとはかずとのまま接すれば、たぶん・・・間違いなく平気で大丈夫。無問題だよ」

 多分で間違いなくとは、言うまでもなく矛盾している。だが、それでも燕なりの励ましにそんな小さな文句をつけるなんて失礼極まりない。

 ただただ、「ありがとう」とだけ答えると、燕は満足そうに「ん」とだけ言った。

 すると、そこに祭がやってきた。

 「北郷、そろそろ時間じゃ。儂はもちろんじゃが、興覇も幼平も準備は整っておる。あとはお主等じゃ。いけるかの?」

 「もちろん。さ、いくよ、二人とも」

 一刀の呼びかけに氷花と燕は声をそろえて言う。

 

 「「はい!!」」

 

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〜epilogue〜

 

 

 

 月夜を眺める一人の女性がいた。

 「おやおや・・・・この物語はイレギュラーが多いですね。順序も何もあったものではありません。が・・・見届けるだけの価値は充分にありますね」

 水の注がれた杯の水面に視線を移す。すると風も何もないにもかかわらず、波紋が産まれる。

 「・・・・・・やれやれ、私の星詠み≠ニしての力が役に立ちませんね。ただでさえ似非占い師などと呼ばれているのに、自身を失くしてしまいそうです」

 座っていた椅子から立ち上がる。

 「むぅ、未知≠フままというのは釈然としませんね。仕方ない・・・か。少々面倒事の予感はしますが、それ以上に興味も湧いた事ですし、行くとしましょう。外史≠ヨ・・・」

 次の瞬間には、静寂が部屋を包んでいた。

 そこにいた筈の女性の姿は、どこにもなかった。

 

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あとがき

 

 

 歴史背景もう滅茶苦茶。

 でも、広い心で見てください。切実な願いです。

 さて、この話以降、燕と氷花も物語の登場人物としてでてきます。

 二人の設定等については、次回に掲載予定です。

 今回は短くこのへんで

 それではまた――。

 Kanadeでした。

 

 名前こそ伏せてますが、最後に出た人の正体に関しては言葉の中にヒントがありますのでそこから推測してください。もっとも、物語の中でちゃんと名前を出しますので、それまで待っていただくのもありかと

 

説明
歴史背景無視
人物像滅茶苦茶
でも、人物像をウィキで読んで名前が気に入ってしまったので無理やり登場させました。

それではどうぞ
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コメント
諸葛瑾の加入は予想できましたが、まさか賀斉がここで加入とは…演義には登場しなかったので活躍を期待…!(はこざき(仮))
ワクワク(readman )
アオオニ さん。修正しました(kanade)
BookWarm さん。その通りです(kanade)
誤字報告です 5p 人で不足→人手不足(アオオニ)
癒し系が増えましたね。(ブックマン)
何気に冥琳の「今更だな」と言う言葉が気に入っています。(^^(minazuki)
更新お待ちしておりました。オリキャラもいいですね!これからも楽しみにしています。(すずか)
闇羽 さん、ご指摘ありがとうございます。うう・・・・どうして誤字に気づけないのだろう(kanade)
さらに誤字追加:7P 処刑上→処刑場かと(闇羽)
なんとなく恋みたいな感じの燕が良いですな。 ところで5Pの「立場の砕けた関係を気付いている」の部分は関係を築いているの間違いかな?(闇羽)
jbjb さん、修正しました。ご指摘ありがとうございます(kanade)
種馬スキルが”またも”発動しましたか?・・・・わかります。w(nayuki78)
ん〜、気がつけば嫁が増えていた!正妻は雪蓮で。(まーくん)
和みます。あ、間違いなのか香蓮と呼び捨ての部分とさん付けの部分、統一されていなかったので報告します。5Pです(jbjb)
かわいいなぁ・・・・つばめがなごむわぁ・・・・(峠崎丈二)
Nyao さん、訂正しました。ご指摘、ありがとうございます(kanade)
新しい人物も増えて、次も楽しみになってきました・ω・。後、誤字かな?5p:気かっけ → きっかけ?(Nyao)
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〜真・恋姫?無双  オリジナル 香蓮  雪蓮 冥琳  一刀 

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