聖剣伝説2 another 第7話 〜ちなみの不安〜 |
第7話 〜ちなみの不安〜
<マンダーラの村>
程塚(ほどづか)「ハア、ハアッ…おいカズ、そろそろ自分で歩けよ!?」
和樹「ゴ、ゴメン…」
フラァッ
遊太「ちょ、大丈夫っすかカズさん!?」
姫花(ひめか)「全く、変な技出した途端にへたり込んじゃって。
カッコいいんだか悪いんだか…」
ポポイ「でもさ〜凄かったよなさっきの技!
どうやったんだあれ?」
和樹「あはは、わかんない…何か 勝手に体が動いて…」
ランディ「まあ、みんな話したいことはいろいろあるだろうけど。
まずはあそこに入ろうか」
スッ
ちなみ「あっ…服屋さん?」
プリム「あんた達、元の世界の格好だと
ちょっと目立ちすぎちゃうからね〜」
姫花「わ〜 こっちの世界のファッション気になる♪」
程塚「よし、そうと決まったら…おいカズ、転ぶなよ?」
和樹「う、うん……が、がんばる…」
<マンダーラの村・服飾店>
ちなみ「わぁ、姫ちゃんのそのピンクのブラウス可愛い♪」
姫花「ありがとっ!ちーちゃんのワンピースも すっごく似合ってるよ!」
遊太「いや〜やっぱRPGと言えば 装備調達っすよね!」
程塚「遊太お前…派手すぎじゃねえか?」
遊太「え、冒険者って言ったらこんな感じじゃないすか?」
程塚「…まあ、いいけどよ…って、カズお前それ…」
試着室から最後に出てきた和樹に、全員の視線が集まる。
和樹「……え?へ、変かな?」
程塚「いや、変っつーか…」
姫花「ちょっと和樹、それサイズ合ってなくない!?」
和樹「え?これ この店で一番小さいサイズなんだけど…」
姫花「あー……あんた ちっちゃいからねー、仕方ないか」
和樹(グサッ!!)
姫花の遠慮のない一言で、途端にうなだれる和樹。
和樹「うっ、ううっ…;;」
ちなみ「だ大丈夫だよカズくん!!これから一緒に牛乳飲もっ!」
プリム「……それ、フォローになってる?」
ランディ「…えーっとまあ、とりあえずその格好なら
みんな変な目で見られることは無いかな」
ポポイ「んじゃ、宿屋いこーぜ宿屋!オイラ腹減っちゃったよー」
ランディ「そうだね。みんなも疲れただろうし、
今日はもう休もうか」
姫花「さんせ〜あたし もうクタクタ〜」
<マンダーラの宿屋・寝室>
ランディ「…じゃあ、和樹君も あの技に心当たりが無いんだね?」
和樹「はい…わかることといえば、
あの後めちゃくちゃ疲れたってことくらいです」
ランディ「敬語使わなくていいよw
うーん…グルーロード達が何故襲ってきたのか、
そもそもあいつらが何者なのかも わからずじまいか…」
プリム「あんた達がどうしてこの世界に来ちゃったのかも
どうやって帰ればいいのかも 謎のまま…」
遊太「ま〜わかんないこと考えてても 仕方ないっすよ!
こっちには聖剣の勇者がついてるんだし、何とかなるっしょ!」
姫花「お気楽ねえ…でランディ、明日からどうするの?」
ランディ「うん、僕に考えがあるんだ。
君達を連れてきたフラミーの故郷に行けば
何かわかるんじゃないかと思って」
和樹「あっ…マタンゴ王国ですか!?」
ランディ「よく知ってるね。僕らがフラミーと出会ったのもあの場所だし
手がかりがあるかもしれない」
程塚「雲をつかむような話だが…他にアテも無いしな」
ちなみ「ごめんなさい、私達の為に いろいろしてもらっちゃって」
ポポイ「気にしなくていーぜ!
かわい子ちゃん達の為だからな!」
プリム「そそ。あたし達も 久々にトリュフォーに会いたいしね」
ランディ「じゃあみんな、今日は早めに休むといいよ」
<その夜・宿屋のバルコニー>
程塚「……ん?ちなみちゃん?」
ちなみ「あっ…程塚君!?
ごめんね、私が外に出る物音で起こしちゃった?」
程塚「いや、何となく目が覚めただけ。
ちなみちゃんこそどうしたの?こんなとこで」
ちなみ「うん…何かね、眠れなくて…」
ちなみは物憂げな表情で、景色を眺める。
ちなみ「程塚君は…怖くない?」
程塚「…こんな世界に来ちゃったこと?」
ちなみ「うん。お父さんとお母さん心配してるかなとか、
このままずっと帰れなかったらどうしようとか…
そんなことばっかり考えちゃって」
程塚「……」
ちなみ「あっ、ご、ごめんね!?急にこんな話しちゃって…」
程塚「……大丈夫だよ」
ちなみ「えっ?」
程塚「遊太ほどお気楽になれとは言わねーけどさ。
あんなあぶねー連中にちょっかい出されても 何とかなったじゃん。
だからこの先も 何とか上手くやってけるって」
ちなみ「そ、そっかな…」
程塚「ランディ達も 俺らの為にいろいろ考えてくれてるし。
みんなで頑張れば、絶対帰れるって。
頼りねーかもしんねーけど カズもいるし遊太もいるし…俺もいる」
ちなみ「……程塚君……」
程塚「…そ、それにさ!漫画とかでよくあるじゃん?
別の世界に何年もいたのに、
元の世界だと1日しか経ってなかったーみたいな」
ちなみ「…浦島太郎の逆みたいな?」
程塚「それそれ!だからさ、あんま心配しすぎることないって」
ちなみ「…うん、そうだね。ありがと程塚君!
何かちょっと元気でた」
程塚「…またいつでも 話聞くからさ」
ちなみ「ありがと!私そろそろ寝るね。おやすみ!」
程塚「うん、おやすみ」
ギィッ バタン
程塚「……ふう。何カッコつけてんだ俺…」
(続く)
説明 | ||
※全90話程度。オリキャラ・独自設定多数。 聖剣2の世界観・キャラを使った、オリジナルストーリーに近いです。 聖剣シリーズ以外の要素も、度々登場します。 ※pixivにて完結済の、同タイトルの作品の再掲です(ごく一部に修正点あり)。 闇の神殿で出会った、謎の覆面集団から何とか逃げ切った一行は ひとまずマンダーラで体制を整える。 その夜、一人宿屋のバルコニーに出たちなみは… |
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