真・恋姫†無双 時空を超えた刺客 破滅の未来と絡繰人間 |
一刀と響窃の融合体・一窃の誕生
その強さは龍天をも遥かに凌ぐ現状最強の戦士であった
そして、その戦いも着実に
幕引きへと向かっていった
十節 〜最終決戦 一窃VS龍天〜
一窃「「………お?」」
一窃は皆と会話している最中、何かを感じ取り振り返る
左慈「どうした?」
左慈が一窃に聞くと
一窃「「アイツが来るな……さて、休憩は終了だ」」
一窃はそう言うと残ったお茶を一気に飲み干し、歩み出す
雪蓮(未来)「え?特に何にも感じないけど…………」
華琳「………私達には到底踏み入れない領域かしらね……だからこそ、龍天を感じ取れたと思うわ」
一窃の言う通り、遥か彼方から龍天らしき人影が超高速で接近していた
だが、肉眼では全く見えない
一窃「「さて、行くか…………」」
愛紗「…………一窃殿っ!!!」
一窃が戦地に赴こうとした時、愛紗に呼び止められ、振り返る
一窃「「ん?」」
愛紗「……お気をつけて」
愛紗の真剣な瞳の奥にある愛情に、一窃は微笑みながら返す
一窃「「おう、任せろ」」
一窃は両手をポケットに突っ込み、再びゆっくりと歩き出した
数十病後、龍天が再び君臨した
再び合間見えた一窃と龍天
一窃「「よう、頭は冷えたか?」」
龍天「ふっ………お陰様でな」
龍天は一窃を睨み付けながら答える
因みにこの道中で、龍天の体力は全快していた
龍天「確かに貴様の強さは認めよう
だが、勝つのはこの龍天だ」
一窃「「悪いな、勝利を譲る訳にはいかないんでね」」
龍天「………だが、私も馬鹿ではない」
龍天はニヤリと笑う
龍天「今のままでは貴様を倒しきるのは困難だ
ならば、此方も相応の『進化』で潰してやろう」
一窃「「ほぅ?」」
龍天「喜べ、この龍天の『制限解除』を見るのは貴様が初めて………」
その言葉に未来の戦士達は絶句する
璃々(未来)「っ!!?龍天の『制限解除』っ!!?」
愛紗(未来)「奴の『制限解除』は見たことがない………過去に実例がない、斬魔同様に謎に包まれた絡繰人間だ」
秋蘭(未来)「その強さは………計り知れぬぞ」
龍天「そして、これが最後だ………『制限解除』、起動っ!!!」
龍天がそう高々と宣言すると、龍天から機械音が鳴り出す
見た目は他の絡繰人間と違い、変化がまるでない
龍天「『制限解除』、完了だ
思い知れ、絡繰人間の王の力を」
一窃「「いいぜ………幕引きといこうじゃねぇか」」
一窃と龍天は互いに構える
龍天「『龍の宝玉』」
龍天の右手に明らかに先程よりも大きい『竜の宝玉』が出来上がった
龍天「『制限解除』をした今、徹底的に貴様を殺してやろう」
言い終えた龍天はパワーアップした『龍の宝玉』を一窃に投げつける
一窃「「おっと、これは厳しいな………」」
一窃はゆっくりと構え、
一窃「「『紅蓮掌打』」」
『龍の宝玉』を蹴り返さず、『紅蓮掌打』で弾き返した
弾き返された『龍の宝玉』は地平線まで飛ばされ、巨大な爆発を起こした
その爆発は瞬く間に茸雲へと変貌する
春蘭(未来)「あり得ん、何だあの力はっ!!?」
一窃「「成る程、強くなったのは満更嘘じゃないみたいだな」」
龍天「その余裕がいつまでもつか、見物だな」
龍天は高速で一窃へ接近する
一窃「「さて、決戦といこうかっ!!!」」
一窃は攻撃体勢をとり、龍天を迎え撃つ
龍天「王の力を思い知れっ!!!」
フォンッ!!!
フォンッ!!!
フォンッ!!!
フォンッ!!!
一窃「「魔人の力、その記憶に刻み込めっ!!!」」
フォンッ!!!
フォンッ!!!
フォンッ!!!
フォンッ!!!
一窃と龍天の近距離の猛攻が開始される
2人の攻撃は武将の目をもってしても、追いきれない
一窃「「そらっ!!!」」
フォンッ!!!
ドカッ!!!
一窃の右足の上段蹴りは龍天に直撃する
龍天「ぐっ!!!はぁっ!!!」
フォンッ!!!
ドカッ!!!
一窃「「っ!!!」」
すかさず、龍天も右足の蹴りを一窃へ直撃させる
一進一退の攻防が続く
龍天「『龍の火炎』っ!!!」
龍天は至近距離で『龍の火炎』を放つ
一窃「「それっ!!!」」
一窃は即座に『龍終』を引抜き、『龍の火炎』を仰ぐ
一窃「「なかなか、熱いじゃねぇか
さっきのとは比べものにならないぜ?」」
龍天「まさかこれで満足と思っていないか?」
龍天は左手に力を集中して玉を作り出して投げつける
一窃「「『龍の宝玉』か」」
龍天「まだまだあるぞ?」
龍天は地面に右手をつける
一窃「「おっと?」」
一窃は龍天の行動に目を見開く
龍天「吹き飛べ、『龍の潜水』」
ドオォォォォンッ!!!
ドオォォォォンッ!!!
龍天の放った『龍の宝玉』と『龍の潜水』により爆発が巻き起こる
卑弥呼「ぐぅっ!!!なんという威力じゃ………!!!」
翠「ご主人様は無事かっ!!?」
何名かが土煙が立ち上る周囲を探し出す
龍天「………跡形もなく消えたか…」
龍天は『万能眼鏡』により、周囲を詮索する
すると
龍天「……………っ!!!そこかっ!!!」
フォンッ!!!
『万能眼鏡』により、反応があった場所に目掛けて『龍の斬撃』を放つ
ガキンッ!!!
『龍の斬撃』の着弾点から金属音が鳴り響く
一窃「「ったく、危ねぇなぁ」」
土煙の中から、一窃が『龍終』を引っ提げて現れる
龍天「………上手く躱したようだな、無傷か」
一窃「「まぁな、危うく当たるところだったぜ」」
余裕綽々な表情で歩み寄る一窃
龍天「まだ、この龍天を下に見ているようだな」
龍天は静かに怒る
一窃「「現実だ、目を背けんじゃねぇよ」」
一窃は龍天を煽り返す
龍天「あまり調子に乗らぬことだ、『龍の封印』」
龍天は右手を差し出すと、一窃を中心に円陣が発生する
だが、
一窃「「何度も喰らうかよ」」
一窃は瞬時に後方へ移動して、難を逃れる
一窃「「『制限解除』しても、その程度か?」」
龍天「……………」
一窃の煽りに対して、龍天は黙る
一窃「「(おっと、同じ手は通用しないか………)」」
龍天「…………『これ』をする気はなかったが、やむを得まい…………」
龍天は一窃を見据えて言う
一窃「「何だ?まだ何かあんのか?」」
龍天「私を誰だと思っている?絡繰人間の王・龍天であるぞ?
『制限解除・完全解放』っ!!!」
龍天が高らかに宣言する
璃々(未来)「『制限解除・完全解放』?そんなの、聞いたことない………」
すると、龍天の姿がみるみるうちに変化していく
龍天「ふふふふふ………」
華琳「なに?何が起きているの?」
全員が龍天に変化に困惑する
そして
龍天「どうだ、神々しいであろう?」
龍天の姿は半人半龍の姿に変貌した
表面は龍のような鱗となっており、爪は鋭く伸びている
特筆すべきは背中に出現した巨大な両翼
全身が黒龍の姿へと変貌しているが、見た目の形状は人間の骨格に近い
だが、先程より2回りも大きい
龍天「これが私の真の姿だ」
一窃「「成る程………桁違いに強くなってやがるな………
これは楽しめそうだぜ」」
龍天「愚かな………この姿、『龍神(りゅうじん)』に変化した以上、貴様の勝ち目などない」
龍天が軽く腕を振るうと
フォンッ!!!
ザシュッ!!!
一窃「「っ」」
超強力な『龍の斬撃』が一窃に放たれる
一窃から鮮血が吹き出る
龍天「いくら貴様といえど、この攻撃力の高さでは防御もままならぬであろう?」
一窃「「……………やるじゃねぇか」」
一窃はニヤリと笑い、龍天を見る
龍天「この『制限解除』は攻撃・防御・速度、全て絡繰人間の頂点に君臨する
これで、必ず貴様を抹殺できる」
一窃「「できるといいな」」
互いに構え直し、呼吸を整え
一窃「「いくぞ、龍天っ!!!」」
龍天「消えよ、一窃っ!!!」
同時に駆け出し、衝突した
一窃の高速の攻撃と龍天の強力な攻撃が衝突しあい、その度に岩などが巻き上がり、地面が陥没・地割れが発生する
ある種の地獄絵図に近い状況であった
星「くっ、凄まじい戦闘だ……!!!」
桔梗「このままでは、此処も巻き込まれるぞ」
雪蓮「後方へさがって、急いで!!!」
全員が身の危険を感じ取り、駆け足でその場から離れる
一窃「「そらっ!!!」」
フォンッ!!!
ドカッ!!!
龍天「んぬぅっ!!?」
一窃の強烈な蹴りは龍天の鳩尾にめり込む
一窃「「『紅蓮掌打』」」
フォンッ!!!
ドカッ!!!
龍天「ぐぉっ!!!」
怯んでいる龍天にすかさず、『紅蓮掌打』を放ち後方へ吹き飛ばすが
龍天「ふん、効かぬな」
強固な鱗の鎧を纏った龍天にはダメージを与えられていない
一窃「「ほぉ〜?思いの外、硬いな」」
龍天「まさか、この『龍神』形態に対応できる強さとはな」
一窃「「まさか、これで本気と思ってるんじゃないだろうな?」」
龍天「やはり、貴様は危険だな
この場できっちりと止めを差しておかなくてはな」
龍天は一窃に向けて両手を伸ばし、手首同士をくっつけ、掌が見えるように向ける
龍天「李典、貴様には記憶に焼き付いているだろう?『この技』を………」
龍天の構えにいち早く反応するのは未来の真桜
真桜(未来)「なっ!!?りゅ、龍天……ホンマに『あれ』を実現化しよったんかっ!!?」
華佗「お、おいっ!!!動いたらダメだっ!!!まだ安静だぞっ!!!」
未来の真桜の慌てように華佗も驚く
真桜(未来)「龍天っ!!!『あれ』は偶然の産物やっ!!!それを兵器に流用するなんて………!!!」
龍天「はっはっはっ!!!愚かなことを………
偶然の産物からあらゆる物は出来上がるのだ
そして、それを見つけたのは李典……貴様であろう?」
一窃「「………どういう事だ?」」
話についていけない一窃が聞き返す
龍天「半年程前、李典が斬魔による洗脳で勤務している時に『ある報告』をしてきた
それが始まりだ」
……………
…………………………
斬魔「おや?それは本当ですか?」
『龍の間』で未来の真桜からの報告に斬魔は目を見開いて驚く
真桜(未来)「はい、間違いありません」
未来の真桜の返答に各々の反応を示す
風刻「そんなことがあり得るのか?」
闇霊「確かに、絡繰人間は改造された元人間……否定はできんな」
炎掌「だとしても、意外だな」
雷昇「意外どころか、盲点だろ」
氷柱「へぇ〜?」
『龍天五獄隊』の反応後に龍天が未来の真桜を見据えて言う
龍天「…………なかなか面白いな
我々絡繰人間にも超微弱ながら『気力』が流れているとはな」
真桜(未来)「絡繰人間には『気力』が流れていなく『気力』による感知ができないという原理は、正しくは微弱過ぎるため、感知できないということに修正されます」
龍天「だが、その微弱な『気力』が何なのだ?ただ報告した訳ではあるまい?」
龍天の質問に未来の真桜は続けて報告する
真桜(未来)「人間の『気力』とは異なり、絡繰人間特有の『気力』となっており、かなり危険性が高いようです
取り扱いを間違えると、絡繰人間としての機能が瞬く間に破損してしまいます」
斬魔「おや?実験したのですか?」
真桜(未来)「かなり少量での実験ですが、13体の絡繰人間が犠牲になりました」
龍天「………それは、なかなかの代物だな」
龍天と斬魔は互いに驚く
龍天「………それを大々的に試してみないか?」
斬魔「と、申しますと?」
龍天の発言に斬魔は聞き返す
龍天「されだけの破壊力を持つならば、兵器に運用できるのではないか?」
真桜(未来)「確かに可能かと思いますが、かなり危険を伴います
『兵器実験場』を使った試験をした方がよいかと」
斬魔「ならば、許可しましょう
どちらにしろ、私の了承が必要ですし」
龍天「ならば早速、取りかかれ」
………………
………………………
現在に戻る
龍天「『兵器実験場』はあらゆる試作兵器の威力などを試す施設だ
そう簡単に壊れぬよう設計されていた」
真桜(未来)「ほんの数mmやった…
絡繰人間の『気力』、通称『異形気(いぎょうき)』と名付けられた『気力』の玉を目標地点へ1つ、放出した」
雪蓮「どうなったの?」
真桜(未来)「施設は崩壊………その場に居た情報を収集する絡繰人間達も損傷が激しく、直ぐ様破棄された
生き残ったのは『龍天五獄隊』とウチ、龍天と斬魔のみ」
凪「危険極まりないという次元の話ではないぞ…………」
未来の真桜は体を震わせながら続ける
真桜(未来)「あまりにも危険と判断した斬魔と龍天により、これ以上の実験は不可として以降の『異形気』については禁止されることになった筈やった………
まさか、裏で動いとるとはな………!!!」
龍天を睨み付ける未来の真桜
龍天「それはただの口実に過ぎん
使える物は全て使う……それだけだ」
龍天の両掌の中心に黒と白が混ざり合わない不気味な玉が出来上がる
大きさは直径5cm程
龍天「時空を越え、天下を取る者の最終兵器………『時空伝過砲(じくうでんかほう)』であの世に行くがよい………」
……終……
説明 | ||
完全な魔人へ進化した一窃と龍天の戦いが始まった ところが、一窃の強大な力の前に龍天すら赤子扱いであった 最早、決着は時間の問題であった |
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