『女の一生』
説明
去年10月、新橋演舞場で舞台『女の一生』を観に行った。
森本薫原作、明治38年日露戦争後の日本。貿易商を営む堤家に戦争孤児の「布引けい」が拾われるトコロから話が始まる。
強くたくましく成長したけいは堤家の次男栄二と良い仲になるが、堤家を支えて欲しいという堤家当主の妻「しず」の頼みを受け入れ、長男の慎太郎と結婚をする人生を選ぶ。
細かいんだが、伸太郎が中国画家八大山人が好きという事で、一月前全日本プロレス武道館大会の日に、、六本木の泉屋博古館で八代山人の安晩帖叭々鳥図の画を見てきた。あの日は凄まじい土砂降りだったなあ。
気丈に振る舞うほど、そのけいの考えについていけず、家族は皆けいから離れていく。再会した栄二すらも、元共産党員という事でけいは警察に付き出す。全ては堤家のためという信念を持って。
人物同士の掛け合いからくる笑いも豊富にあって、時代背景の古さは感じず、戦後資本主義社会へと進み始める混迷の日本の中で生きる一人の女性の生き様を、楽しみながら最後まで観る事ができた。
戦火で燃え尽きた堤家「だった」場所に、一人年老いたけい。そこに現れたのはかつて別れた栄二。
二人で過ぎ去った過去を思いながらこれからの未来に希望を抱く。
けいは、「自分のこれまでの一生はこれからの一生のためにあったのだ」と。
栄二に「カドリーユを踊りませんか」
と誘われ応じるけい。非常にロマンチックなラストだった。
時代の混乱の中でどう立ち回るか、あるいは動かず守り抜く事を是とするか。観た人の境遇によって様々な答えを受け取れる作品だったと思う。
一生を描く作品という事で、大竹しのぶさん達が登場人物の若い頃から出演。
栄二の学生時代を高橋克実さんが黒の学ランにフサフサのカツラをつけて颯爽と登場。
あれで笑うな、というのはムリがある。
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