仮面ライダー×真・恋姫†無双 魏編 第1章
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一刀が華琳に拾われて2日ほど経った。一刀は自分が何をすればいいのか分からずベットに寝転がっていた。

 

「俺のこの世界の役目は何なんだ」

 

思わずある仮面ライダーの主人公が言いそうな台詞をつぶやくするとそこに華琳が扉を開けて入ってきた。

 

「入るわよ、一刀」

「もう入ってるのに言う台詞か」

 

華琳は部屋に入って早々に一刀のいるベットに蹴りを入れる。

 

「うわぁ!」

 

一刀は思わず跳ね上がり、急いで床について正座をする。

 

「あの何ですか?」

「何じゃないわよ。あなた、ここに来てから何もしてないみたいね」

「まあな」

「まあなじゃないわよ。ここは何もしない人を置いてられるほど寛大じゃないわよ」

 

それは一刀もわかっているのだが、何をすればいいのかわかっていないのだ。

 

「とにかく何か仕事を探しなさい。自分の意思でね」

「はいはい」

 

一刀は仕事を探しに行くのだが、これといったものはなかった。

 

(そりゃあ、仮面ライダーになれば戦闘でも役立つから戦闘訓練に参加すればいいんだろうけどよ、生身で参加しないと意味ないだろうし、生身じゃ春蘭達の特訓にはついていけないよな)

 

そんなこんなで仕事をしない日々が何日か続きとある日、盗賊退治に行くことになった。

 

「さてとここにいるのか?」

 

一刀はとりあえず華琳から糧食の最終点検の帳簿を受け取るに命令され、それを持ってる監督官なる人物がなかなか見つからないがようやく見つけた。

 

「お前か?」

「…………」

 

監督官と思われる少女を見つけるのだが返事がない。

 

「お前か?」

「…………」

 

また反応がない。

 

「お前か?」

「聞こえているわよ! さっきから何度も何度も何度も何度も……いったい何のつもり!?」

 

どうやら一刀の呼び声は聞こえていたがあえて無視していたようであった。

 

「俺は俺のつもりだ」

「そういうこと聞いてるんじゃないわよ!」

 

その少女はかなりピリピリしていた様子であった。

 

「そんなに呼びつけて、何がしたかったわけ?」

「糧食の最終点検の帳簿を受け取りに来たんだ。そいつを貰いに来た」

「なんであんたにあげなきゃいけないのよ?」

「華琳に言われたからだ」

 

一刀は少女に華琳の命令だと聞くと驚きを見せた。

 

「ちょっと、なんであんたが曹操様の真名を呼んでるのよ!?」

「本人が良いと言ったんだから呼んでるんだ。文句あるか?」

「信じられない……なんで、こんな猿に……」

「おいおい」

 

猿という言葉に一刀は思わず苦笑いする。

 

「あんた、この間曹操様に拾われた天界から来たと言う猿でしょ? 猿の分際で曹操様の真名を呼ぶなんて……ありえないわ…」

「そういう場合はありえないじゃなくてこう言うんだな」

「え?」

「ウゾダドンドゴドーン!!」

 

一刀は膝まづいて両手を地面につけて叫んだ。

 

「ちょ、ちょっとあんた何してんの!? と言うか何言ってるのよ!?」

 

さっきまで態度がでかかった少女も一刀の突然の行動で動揺した。

 

「今のは『嘘だそんなことーーー!!』っと言ったんだ」

「絶対そんなこと言ってないでしょ!」

 

一刀のオンドゥル語に色々突っ込む少女だが時間がもったないとようやく折れたのか帳簿を一刀に渡し、一刀も帳簿をもらって華琳のところに戻った。

 

「一刀、さっきあなたの叫び声が聞こえたけど何かあったの?」

「いや、ちょっとした指導をしてただけだ。ああそれとこれな」

 

一刀は華琳に帳簿を手渡し、華琳も手渡された帳簿を見る。帳簿を見ていくうちに華琳の表情が険しくなっていった。

 

「秋蘭、この監督官と言うのは、一体何者かしら?」

 

華琳の問いに秋蘭は答える。

 

「先日、志願してきた新人で、仕事の手際が良かったので、今回の食料調達を任せてみたのですが…何か問題でも?」

「ここに呼びなさい、大至急よ」

 

そしてさっき一刀と揉めた少女が呼び出された。

どうやら華琳が指定した半分しかなかった事が判明したのだ。その事で華琳は怒り少女を呼び出したのだ。

しかし少女のそれは計算の範囲であった事がわかった。少女は曹操を試し、自分を軍師として売り込むためのものだった。

そして華琳は少女の話を聞いてその少女を気に入り軍師として取り入れることになった。

その少女の名は荀ケ、真名を桂花(けいふぁ)と言った。

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盗賊退治への行軍中、進路前方に正体不明の集団が数十人おり、その偵察に春蘭と一刀が行くことになった。

 

(ブレイドの力を見るにはいいかもしれないな)

 

言われた場所に行ってみるとどうやらどこかとどこかどうしが戦ってるように見えたが実際は大の大人が小さい子供一人相手に集団で攻めていたのだ。

その事に気付いた春蘭と一刀は急いだ。しかし春蘭は馬に対し、一刀は徒歩。着くのに時間の差が出る。

そして春蘭は一人で戦っていた子供、しかも女の子のところに到着し、野党達を追い払った。

 

(たく、バイクがあったらいいのにな……)

 

一刀はようやくたどり着いたがもうすでに野党達は逃げていた。

 

(力を試すのはもう少し後か……)

 

そして春蘭と一刀は一人で戦っていた少女から事情を聞こうとすると華琳達本隊がやってきた。

 

「一刀、謎の集団とやらはどうしたの? 戦闘があったという報告を聞いたけれど……」

「やっこさんたちは春蘭が追い払ったが、追跡のため何人か後を追わせているよ」

「あら、なかなか気が利くわね」

「そう言われると嬉しいね」

 

そのやり取りに少女は尋ねる。

 

「お姉さん達、国の軍隊?」

「まあ、……そうな……」

 

春蘭が言い終える前に少女は先ほどまで振り回していた鉄球を春蘭に目掛けて投げるが、春蘭は見事、剣でガードした。

 

「き、貴様、何をっ!?」

「国の軍隊なんか信用できるもんか! ボクたちを守ってくれないクセに税金ばっかり持っていって!」

 

そういうと少女は再び春蘭に向けて鉄球を投げ、春蘭はまたガードする。

 

「だから一人で戦っていたと…」

 

一刀が少女に問う。

 

「そうだよ!ボクが村で一番強いから、ボクがみんなを守らなきゃいけないんだっ! 盗人からも、お前たち役人からも!」

「なるほど、だいたいわかった」

 

そう言って一刀は春蘭の前に立つ。

 

「北郷!?」

「だがな、きちんと話を聞かない子供にはお尻ペンペンしないとな!」

 

一刀はバックルにカードを入れてベルトを作り出した。

 

「お兄ちゃんも役人なら容赦しない!」

 

少女が一刀に向かって鉄球を投げる。丸腰の一刀に鉄球を防ぐ術は本来はない。だが!

 

「変身!」

「ターンアップ」

 

ターンアップハンドルを引いてリーダーを裏返し、リーダーからオリハルコンエレメントが現れ青い壁は鉄球をはじき返した。

 

「え!?」

 

一刀は壁に向かって走り、仮面ライダーブレイドへと変身する。

一刀はブレイラウザーを引き抜き、少女と対峙をする。

そこに華琳が間に入り怒鳴る。

 

「剣を引きなさい、そこの少女も一刀も春蘭も!」

「は……はい!」

 

少女は華琳の気迫に思わず返事をして鉄球を地面に落した。春蘭も剣を納め、一刀は変身を解いて元に戻る。

その時の鉄球の重みがすごく地面が陥没した。

 

(どんだけ重いんだよ)

 

鉄球の重みに一刀は少々冷や汗をかいた。

 

「春蘭、この子の名は?」

「あ」

 

春蘭も一刀もまだ少女の名は聞いていなかった。そこへ少女が名乗った。

 

「許緒と言います」

「許緒、ごめんなさい」

 

華琳は許緒に謝罪に言葉を言い、自身の紹介をした。

許緒は華琳の事を聞いて謝った。どうやら華琳の評判は良いものであったようでそんな人間に手を上げたと知り懸命に謝る。

そして華琳は許緒の村を脅かす盗賊を退治するため許緒に力を貸すよう頼み許緒も承諾した。

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許緒を軍に加え、華琳達は盗賊団の本拠地を見つけた。

 

「敵の数はわかる?」

「はい、およそ三千との報告がありました」

「我らの人数は千と少しだからだいたい三倍くらいか」

「もっとも連中は、集まっているだけの烏合の衆。統率もなく、訓練もされておりませんゆえ…我々の敵ではなありません」

「ま、油断大敵なのは大前提だがな」

 

一刀の意見は当たり前として桂花は無視して華琳に自身の策を提案。そして策により華琳は正面、春蘭と秋蘭は左右、残りは砦の後ろの崖から攻めることになった。

 

「てことは俺は後ろの部隊か」

「いえ、一刀は私と一緒よ」

「なっ!」

「ウェ!?」

 

華琳の意見に桂花と一刀は驚いた。

 

「北郷! 貴様、華琳様に何かあったらただではおかんからな! 盾になってでもお守りするのだぞ!」

「安心しな、そのつもりだ。だろ?」

「ふふ、どうかしらね」

 

一刀に対して華琳は小悪魔な返事を返す。

 

「各員、持ち場につけ!」

 

華琳の号令に従い、兵達は所定の位置へと向かう。華琳の部隊に入ったのは一刀だけでなく許緒もであった。

 

「許緒ちゃんもこっちか」

「季衣でいいよ。春蘭様も秋蘭様も真名で呼んでいいって」

「そうか。季衣は華琳の護衛って言う大役だからな、頑張れよ」

「大役か……、緊張してきた」

「それは俺もだよ。俺も戦場は初めてだからな」

 

そう言いながら一刀には多少の迷いがあった。

自分はこれから戦場に出て人がたくさん死ぬのを見る。アニメとかでなら見ることは多かったが、実際で見たことなんてない。

戦争は日本とは別の場所で起こっているとはいえ、戦争を知らない一刀にとってはかなりの事だった。

 

(俺のこの手も真っ赤な血に染まっていくのだろう。だがそれは季衣も同じだ。

いくら時代が違うからってそれを言い訳になんかできないな。力があるのならそれを使わないといけない時がある)

 

一刀は数日前、華琳に言われて仕事を探していたが、全然見つからず華琳のお説教を聞かされた時に華琳にこう言われていた。

 

「この大陸はね、一刀。あなたの世界とは違うの。人に話を聞いて欲しければ、声を張り上げて、相手の耳を引っ張って、力ずくで引きずり倒して言い聞かせないと……伝わらないのよ」

 

その時はなんとなく程度で理解していたが、今は華琳の言いたかったことがよくわかっている。

 

(話を聞かせるにしても何にしても力で相手をどうにかしないといけない時がある。なら俺は……俺は……戦う!)

 

作戦を始めるが出だしは予想以上で、華琳の部隊が銅鑼を鳴らすと敵は思いっきり突撃してきた。

 

「桂花、これは想定していたことかしら?」

「いえ、想定外です」

「まさかここまで馬鹿とはな……」

 

作戦通り敵を分担させることに成功し、華琳達は逃げたふりをし盗賊達に戦いを挑む。むろん一刀も……。

 

「変身!」

「ターンアップ」

 

オリハルコンエレメントをくぐり一刀はブレイドに変身、盗賊達に戦いを挑む。

 

「ウェエエエエエエエイ!!」

 

一刀は可能な限りブレイラウザーを使わず、素手で敵に戦いを挑んだ。

いくら一刀が敵を斃す力を手に入れていようが、所詮は現代の日本で生きてきた日本人。人を殺すのにはかなりの抵抗があるのだ。

もっともブレイドは名前のとおりブレイラウザーの剣主体で戦う仮面ライダーだが変身してブレイドアーマーを身につけている時点で既に常人の能力は超えていた。

そのため拳といえど当たり所が悪ければ死ぬかもしれない。一刀はそのことを気にしながらも襲い掛かってくる盗賊達にパンチとキックだけで対抗する。

何度か剣で体を斬られるが、ブレイドアーマーに普通の刀の攻撃など蚊が止まった程度にしかならず一刀はダメージを気にせず攻撃を続ける。

 

「ウェエエエエエエエエエエエエエイイ!!!」

 

一刀の叫びは戦場すべてに響き渡った。

 

 

 

そして戦闘は終わり、盗賊のせん滅に成功した。

帰りの中一刀は考える。

 

(俺のやってることは正しいのか、間違っているのか?)

 

そうこう考えていると華琳が声をかけてくる。

 

「一刀」

「ウェ?」

「良く逃げなかったわね。感心したわ」

 

華琳が一刀の功績を褒めてくれる。

 

「逃げたかったさ、でも戦わなきゃいけないからな……」

「まあかなり敵を倒してたみたいだけど、初陣なら逃げ出したいという気持ちを御するだけでもたいしたものよ」

「そうなのかな……」

 

一刀は考える。これは正しい事なのかそうでないのかと。しかし一刀は改めて考える。

 

(戦争なんて自分達が正しいから戦ってるんだよな。だったらこれは正しいことかもしれない。

そう言えば何かで聞いたな、正しかろうがそうでなかろうが自分の進む道を決めるだけだと……)

 

一刀はその言葉を思い出し、胸にしまう。

 

(いちいち考えても鬱になるだけもしれない。日本人としてはだめかもしれないがこの時代と世界で生きていくんだ覚悟を決めないといけないな)

 

一刀は覚悟を決める事をし、改めて華琳の元で戦うことを決意した。

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おまけ

 

 

 

作者「さて、本格的に始まった仮面ライダー×真・恋姫†無双 魏編!」

一刀「しかし何か抜けてる台詞が多すぎないか?」

作者「基本の流れは原作のままだからな。そのまま書いても苦労するだけだからね」

一刀「それが本音だろ」

作者「それはともかく、実は初期段階では一刀はこの時点でブレイラウザーで人を斬ると言うことになってたんだぜ」

一刀「マジかよ!?」

作者「でもそれじゃあ一刀らしくないと思ったから没にしてとりあえずブレイドには不釣合いだけど素手で頑張ってもらった」

一刀「そうだったのか……」

作者「ちなみに最近まで俺は知らなかったが、ブレイラウザーって固定物は何でも斬っちまうみたいだから、人も斬れるだろうね」

一刀「それは怖いな」

作者「まあこのSSでは普通の武器レベルに切れ味は落とすけど、基本は素手で春蘭みたいな武将と戦う時に使って戦うことになるかな」

一刀「ところで今回はカードの力は使わなかったな」

作者「まあカードの力を下手に使えばそれでも人殺しになっちゃうからね。でも今後カードを使う展開はあるとだけ言っておこう」

一刀「ところで作者」

作者「何だ?」

一刀「魏編ってことは蜀編や呉編もあるのか?」

作者「俺の頭の中でならね。おまけに蜀編、呉編に出る仮面ライダーの力も決めてるぜ」

一刀「それは何だ?」

作者「それは秘密だ。まあ蜀編も呉編もこの魏編が終わってからなのは確かだ。もっとも連載するからはまた別問題でな…。それに次回はというとあまり仮面ライダー関係ないかもしれない」

一刀「おいおい…」

作者「でも台詞が原作と変わってる部分もあったり最後のほうで何か重要なことがあるかもしれないから見ておいても損はない……かな?」

一刀「疑問系で言うなよ」

作者「それではこれで……また」

説明
基本的には真・恋姫†無双の魏ルートの話ですが、もしも北郷一刀が仮面ライダーの力を手に入れたらという妄想から生まれました。
そして流れも基本的に原作のままですが、仮面ライダーの力があるためセリフや一刀の態度が違うところや話そのものが大きく違うところも出てきたりします。
そのためそんなの嫌だという方は閲覧をご遠慮願います。
先に言いますが一刀が手に入れる仮面ライダーの力は全部で3つです。それと本来なら戦闘がある場面でも、戦闘描写はほとんどありません。ではお楽しみ。
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コメント
アンデッドはまだ出てこないのですか?あとオンドゥルの前にはさしもの桂花も面食らったようで・・・www(バッキー)
早く必殺技が見たいです。(ブックマン)
魏の後は呉で!(ヒトヤ)
カードまだ使わなかったんですね。でも、使ったときの圧倒的展開を楽しみに待ってます。(投影)
また本郷ww もう本郷でいいやw がんばれKAZUTO!(ジョン五郎)
やべぇΣ(;゚ω゚)何か分からんけどメッチャわくわくする!!!(アキエル)
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真・恋姫†無双 仮面ライダー×真・恋姫†無双 魏編 第1章 一刀 仮面ライダー 仮面ライダー剣 真・恋姫無双 

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