英雄伝説〜灰の騎士の成り上がり〜 |
〜クロスベル市・港湾区〜
「それにしても並行世界のエレボニアもそうですが、クロスベルの話にも驚きましたよね……」
「クロスベルが独立どころか”帝国”になって、異世界の大国と連合を組んで二大国の領土を奪ったとか、滅茶苦茶過ぎる話でしたよね。」
「しかも警備隊の連中が”星座”の連中を皆殺しにしたとか、どうやったら警備隊の連中を短期間でそこまで強くできたんだよ、そっちの世界の”六銃士”とかいう連中は。」
「おまけにフランさんはクロスベル皇帝の妃の一人になった上、セシルさんはメンフィル帝国の前皇帝の妃の一人になったとか、エレボニアとクロスベルを改変し過ぎでしょう、並行世界のキーアは……」
「う、う〜ん……確かに”零の至宝”になった時のキーアもロイド達やクロスベルの為に様々な因果改変は考えたけど、さすがにそんな滅茶苦茶過ぎる改変は考えた事はないよ。」
「ううっ……並行世界の話とはいえ、セシル姉が兄貴以外の男性と結婚して幸せになったのは嬉しいけど、その相手が前皇帝で、それも複数の妃がいる男性なのは複雑でもあるよ…………って、エリィ、ユウナ、二人ともどうしたんだ?」
その後レンの提案によって一時的に混乱したその場が一端収まると自分達にとっての並行世界のクロスベルの状況を思い出した”リーシャ”と”ノエル”は苦笑し、”ランディ”は疲れた表情で呟き、”ティオ”はジト目で呟き、”キーア”は困った表情で呟いた後苦笑し、疲れた表情で呟いたロイドはそれぞれ複雑そうな表情で黙り込んでいる”エリィ”と”ユウナ”に気づき、二人に声をかけた。
「うん……並行世界では形は違えど、クロスベルが既に独立を果たしたのは嬉しいのだけど、その為にディーターおじ様は殺害された上、ベルも”碧の大樹”で暗殺された事は並行世界の話とはいえ、色々と複雑なのよ……」
「しかもイアン先生どころかアリオスさんまで世紀の大悪党扱いされて、”碧の大樹”の件が解決した後は逮捕されてノックス拘置所で服役中でアリオスさんに関してはシズクちゃんとの親子関係を無理やり切らされたなんて、あたし達の世界とは関係ない話とはいえ、それでも思う所は色々とあるんです。」
「それは………」
「「……………………」」
それぞれ辛そうな表情で答えた”エリィ”と”ユウナ”の話を聞いたロイド、エリィ、ユウナはそれぞれ複雑そうな表情を浮かべ
「”並行世界の俺達”の事を気にする必要はない、クロフォード。当時の俺や先生達が犯した業によって起こったクロスベルや世界中の混乱を考えれば、そのような”末路”になってもおかしくないし、シズクに関してはむしろ温情をかけてもらえたくらいだと俺も思っているし、恐らく並行世界の俺も同じ事を考えているだろう。クロスベルや世界中を混乱させた元凶の娘としてクロスベルの人々に憎まれ、俺に恨みを持つ世界中の人々から狙われてもおかしくなかったシズクが、並行世界のクロスベルの独立関連で大きな恩がある大国――――――メンフィル帝国の前皇帝の養子にしてもらう事でそれらの心配はなくなり、更にシズクの実質的な”親”になってシズクを育ててくれているのはシズク自身も心から慕っている人物――――――セシルなのだからな。」
「アリオスさん………」
「ったく、世界は違えど、自分に厳しいのは一緒だな………」
重々しい様子を纏って答えた”アリオス”の話を聞いた”ユウナ”が辛そうな表情を浮かべている中、ランディは疲れた表情で呟いた。
「――――――君達はクロスベルの市民達に応える為に『クロスベルの英雄という幻想』に自らを当てはめて歪みかけたかつての俺達のようにならないでくれ。」
「ああ……肝に銘じておく。」
「ま、俺達の世界では『クロスベルの英雄』は局長達”六銃士”の連中が自分達からそうなるように振舞ってくれているから、大丈夫なんじゃねぇのか?」
「……ですね。しかもヴァイスさん達の場合、クロスベルの人達が自分達を『クロスベルの英雄』扱いする事を存分に活用して行動していますから、ヴァイスさん達が並行世界のわたし達のように歪む心配はないと思いますよ。」
「陛下達が私達に近い将来支援課を解散してそれぞれの新たな未来を歩む事を私達に提案してきたのも、もしかしたら私達まで並行世界の私達のように歪む事で陛下達の政権に反感を抱くかもしれないクロスベルの市民達が私達を陛下達に対する”反乱の象徴”として祀り上げる事も懸念されていたからかもしれないわね………」
「……………………」
”ロイド”の忠告に対してロイドは真剣な表情で頷き、苦笑しながら呟いたランディの推測にティオは頷き、複雑そうな表情で呟いたエリィの推測を聞いたユウナは複雑そうな表情で黙り込んでいた。
「話は変わるけど、僕達の世界のロイドもリィン総督のように君達の世界のロイドと比べれば相当改変されていると言っても過言ではないよ?」
「ワ、ワジ?一体何を……」
「お、”俺”が……?そういえば、”逆しまのバベル”でのイシュメルガとの決戦の際に”そちらの俺”は天使や悪魔を呼び出していたが……」
するとその時重苦しい空気を変える為にワジが口元に笑みを浮かべてある事実を口にし、ワジの言葉を聞いたロイドが戸惑っている中、”ロイド”は不思議そうな表情でロイドを見つめ
「その呼び出した”天使”も含めて、僕達の世界のロイドはリィン総督のように、複数の恋人がいる――――――つまり、ハーレムを築いているかつ更に告白をされて、まだ返事をしていない女性も数人いるんだよね♪」
「え”。」
「ワジ!!」
ワジの口から語られた驚愕の事実に”ロイド”は表情を引き攣らせて声を出し、ロイドは慌てた様子で声を上げ、周囲の人物達は冷や汗をかいて表情を引き攣らせた。
「あ〜……並行世界のリィンがハーレムを築いている話を聞いた時からもしかしてと思っていたが、やっぱりこの攻略王もハーレムを築いていやがったか。」
「そうなると。そちらの10年後から来たという未来のキーアがロイドさんのファミリーネームである”バニングス”を名乗っているのも、”養子だからではなく、ロイドさんの奥さんの一人だからという疑惑”も浮かんできましたね。」
「それを考えると、”私達の世界の方のキーアちゃんも将来は並行世界のキーアちゃんのようになる”かもしれないという心配も出て来たわね。」
我に返った”ランディ”は疲れた表情で呟いた後悔しそうな表情を浮かべてロイドを睨み、ティオはロイドを、”エリィ”は”ロイド”をそれぞれジト目で見つめて呟いた。
「だから違うって言っているだろう!?未来のキーア自身も養子だって認めたんだぞ!?」
「ううっ、何で俺まで疑われる事に………」
「アハハ……だって、”ロイド”だもん。」
「いいなー。キーアも10年経ったらそっちのキーアみたいに、背がいっぱい伸びて胸もセシルやリーシャ、エリィやユウナみたいにおっきくなれるのかな〜?」
ロイドは必死の様子で反論し、”ロイド”は疲れた表情で肩を落とし、苦笑しているキーアを”キーア”は羨望の眼差しで見つめた。
「アハハハハハハッ!で?そっちの世界のロイドと既に恋仲状態になっている女性達は何人で、誰がそうなんだい?」
「実際に恋仲状態になっている女性は3人で、一人は”そっちの僕”も目にしたイシュメルガとの決戦時にロイドが呼び出した天使で、残りの二人は――――――」
一方”ワジ”は腹を抱えて大声で笑った後口元をニヤニヤさせてワジに訊ね、訊ねられたワジが口元に笑みを浮かべて答えかけたその時
「それ以上余計な事を言わないでくれるかしら、ワ・ジ・君?」
エリィが膨大な威圧を纏って微笑みながらワジに制止の言葉をかけた。
「エリィさん、それだと自白しているようなものですよ。」
「うっ………」
「ううっ、並行世界の話とはいえ、”私”自身の事だから色々と気まずいわね……」
しかし静かな表情で呟いたティオの突っ込みに唸り声を上げたエリィは図星を突かれたかのような表情を浮かべ、”エリィ”は疲れた表情で呟き
「フフ、まあ予想通りだね。で?後一人は誰で、告白をして返事がまだな女性達は誰なんだい?」
「後一人はリ―――」
「「いい加減にしろ、ワジ!!」」
口元に笑みを浮かべて呟いた”ワジ”に訊ねられたワジが答えかけたその時、二人のロイドが制止の声を上げ、その様子を見ていたその場にいる全員は再び冷や汗をかいて表情を引き攣らせた。
(並行世界のワジ君、並行世界のロイドさんと実際に恋仲状態になっている後一人の女性の名前も言いかけましたよね?)
(ああ。名前を言いかけようとした時、最初の名前が”リ”って言ってたぞ。)
(”最初の名前がリで、ロイドさんの恋人になる可能性がある女性”と言えば、一人しか思い当たりませんね。)
(そうね……)
”ノエル”は苦笑しながら小声で”ランディ”と会話し、二人の会話を聞いていた”ティオ”とエリィはジト目になって自分同様察しがついた”ノエル”や”ランディ”と共にある人物に視線を向け
(ア、アハハ……でも例え複数の女性達と一緒とはいえ、ロイドさんへの想いを叶える事ができた並行世界の私は羨ましいな……いっそ、私もそうしようかしら?)
”エリィ”達に視線を向けられたある人物――――――”リーシャ”は冷や汗をかいて苦笑しながら並行世界の自分を思い浮かべた。
「ふふっ、ハーレムの件で思い出しましたが、そちらの世界のリィン教官が侍らせている女性達の詳細もまだ伺っていませんでしたわね♪」
「……並行世界の方の兄様?レボリューションからアルセイユUに通信してきたそちらの世界のレンさんの話によると兄様はそちらの世界の”私”やこの世界には存在していない”私”の双子の妹にミルディーヌどころか、姫様まで侍らせた挙句侍らせている女性の数は十数人らしいとの事ですが、その残りの女性達の事についても是非教えて頂けませんか?」
「ブっ!?ちょっ、レン皇女殿下!俺達が魔煌機兵達と戦っている間に並行世界のエリゼ達に一体何を吹き込んだんですか!?」
するとその時ある事を思い出した”ミュゼ”がからかいの表情を浮かべてリィンを見つめ、”エリゼ”は膨大な威圧を纏って微笑みながらリィンを見つめて問いかけ、二人の話を聞いたリィンは思わず噴き出した後慌てた表情でレンに問いかけ、その様子を見ていたその場にいる全員は冷や汗をかいて表情を引き攣らせた。
「うふふっ、レンは”息抜き代わりのちょっとした雑談”をしただけよ♪」
「いや、内容が全然”ちょっとした雑談”じゃありませんよ……」
悪びれもなく小悪魔な笑みを浮かべて答えたレンにツーヤが呆れた表情で指摘し
「私達の世界の兄様が侍らせている女性達の詳細は今挙げた4人を除けばセレーネと兄様が”契約”を交わしている異種族の方達――――――亜人が一人、魔神が一柱、天使が3人、飛天魔族が一人、幽霊が一人、そして女神が一柱です。」
「しかも”更に増える可能性が高い女性”が数人いる状況です。」
「エリゼ!?エリス!?」」
「うふふ、お二人とも、わたくしの事をお忘れではありませんか♪」
「シャロン、貴女ねぇ………」
「まあ……ふふっ、”そちらのわたくし”とリィン様の間に一体何があったのか、是非伺わせて頂きたいですわね♪」
「ええっ!?シャ、シャロンにまで手を出したって……!というかZ組には誰も手を出していないのに、どうしてシャロンには手を出したのよ……!?」
静かな表情で答えたエリゼとジト目で答えたエリスの説明にリィンは表情を引き攣らせて声を上げ、からかいの表情で呟いたシャロンをアリサはジト目で見つめ、シャロンの話を聞いて目を丸くした”シャロン”は興味ありげな表情を浮かべてリィン達を見つめ、”アリサ”は驚いた後顔に青筋を立ててリィンを睨んだ。
「異種族や天使もそうですが、魔王や女神と”契約”しているという話も信じられませんが、まさか幽霊とまで契約しているなんて……」
「元々見境がない男だったのに、並行世界ではそれが更に強化されていたみたいね。」
「ちょっ、何でそこで俺まで比較対象にするんだ、セリーヌ!?」
”エマ”は表情を引き攣らせながらリィンを見つめ、ジト目で呟いた”セリーヌ”の言葉を聞いたリィンは表情を引き攣らせて反論した。
「うふふ、そろそろ私の出番ね♪」
「ベルフェゴール!?」
「あ〜あ、ベルフェゴールが出て来た以上向こうのわたし達も知りたくもない情報を知る事になるだろうね。」
「そしてその話を聞かされる事で、間違いなくこの場は更なる混沌とした状況になるだろうな……」
するとその時ベルフェゴールが現れ、ベルフェゴールの登場にリィンは表情を引き攣らせて声を上げ、フィーは呆れた表情で呟き、マキアスは疲れた表情で呟いた。
「ちょっ、何なのよ、貴女!?下着姿じゃない!?」
「確かに改めて見ると目のやり所に困る格好だな……」
ベルフェゴールの扇情的な姿を改めて目にした”ユウナ”は顔を赤らめて声を上げ、”クルト”は困った表情で呟いた。
「私の名はベルフェゴール。さっきエリゼの説明にあったご主人様――――――リィン・シュバルツァーの”使い魔”の一人として契約した魔神――――――いえ、”魔王”よ♪」
「ええっ!?ま、”魔王”!?」
「”魔王”………”ベルフェゴール”………お主……まさかとは思うが”七大罪”の”怠惰”か?」
ベルフェゴールの名乗りを聞いた”エリオット”が驚いている中、ベルフェゴールの正体に気づいた”ローゼリア”はベルフェゴールに確認した。
「ええ、そうよ。」
「ええっ!?あ、貴女が”七大罪”の一柱の魔王だなんて……!?」
「オイオイ……そんなとんでもない存在を”使い魔”にしているとか、滅茶苦茶過ぎやろ、並行世界の”灰色の騎士”君は………」
”ローゼリア”の確認にベルフェゴールが肯定すると”エマ”は驚きの表情で声を上げ、”ケビン”は疲れた表情で呟いた。
「その”七大罪の魔王”とやらは一体何なのだ?」
「”守護騎士”のエセ神父も驚いている様子からして、あの女はそんなにとんでもない存在なのか?」
”エマ”達の反応が気になった”ラウラ”は不思議そうな表情で訊ね、”アガット”は戸惑いの表情で疑問を口にした。
「”七大罪”とはその名の通り、遥か昔に”人”を罪に導く可能性があると神から見做されてきた欲望や感情のことを指す”大罪”の事で、そしてそんな欲望や感情が具現化し、”人”を堕落させる為に”人”の世界に降臨したと言われている存在が古の魔王――――”七大罪の魔王”達じゃ。」
「ちなみに”七大罪”を示す”大罪”とは”傲慢”、”憤怒”、”嫉妬”、”強欲”、”暴食”、”色欲”、そして”怠惰”で、彼女―――ベルフェゴールさんは”怠惰”の欲望や感情が具現化した”魔王”という事になります。」
「それと”七大罪”の魔王達は他の伝承等で出てくる”魔王”達と比べると”格”が圧倒的に上よ。何せ、”大罪”が具現化した存在と伝えられているのだからね。Z組の子達にとってわかりやすい例で言えば『紅き終焉の魔王(エンド・オブ・ヴァーミリオン)ですら絶対に勝てない魔王』と言えば、彼女の凄まじさがわかるでしょう?」
「”影の国”を経験したエステルさん達にわかりやすく説明すれば、”聖典”の悪魔達の中でも圧倒的に”格”が上だったかの二柱の大悪魔――――――”暴虐のロストフルム”や”深淵のアスタルテ”をも”下僕”として使役できる魔王です。」
「何だと!?」
「あ、あの”紅き終焉の魔王(エンド・オブ・ヴァーミリオン)ですら絶対に勝てない魔王”とか非常識過ぎる……」
「”暴虐のロストフルム”に”深淵のアスタルテ”………どちらも、”影の国”で戦った悪魔達の中では”格”が圧倒的に上だった悪魔だったね。」
「はい……ですがそんなとてつもない存在である貴女はどうして、”人”であるリィンさんに仕える事にされたのですか?」
”ローゼリア”と”エマ”の説明の後に答えた”クロチルダ”と”リース”の推測を聞いた”ユーシス”は信じられない表情で声を上げ、”マキアス”は疲れた表情で呟き、真剣な表情で呟いた”ヨシュア”の言葉に頷いた”クローディア王太女”は困惑の表情でベルフェゴールに訊ねた。
「あっ!クローゼ、それ以上は聞かない方がいいわよ……!」
「え……?」
そしてエステルの忠告に”クローディア王太女”が首を傾げたその時
「うふふ、それは勿論私がご主人様に持ちかけた勝負――――――性交渉(セックス)勝負で私を屈服させたからよ♪」
「……………………」
ベルフェゴールがエステルが懸念していた驚愕の事実を口にし、それを聞いた並行世界の面々がそれぞれ石化したかのように固まっている中リィンは諦めた表情で頭を抱えて肩を落とした。
「な、ななななななななな……ッ!?」
「………どうやら私の想定はまだ甘かったようですね、並行世界のリィン教官の不埒さは。」
「クク、そんなヤバすぎる女が並行世界のシュバルツァーのテクにやられたって事はオレ達の世界のシュバルツァーもテクもとんでもないって事にもなるんじゃねぇのか?」
「皆に誤解を招くような事を言うな、アッシュ!そもそも俺は”そちらの俺”と違って、”そういう事”は未経験だ!」
「え、えっと……そもそも貴女は何故、並行世界のリィン君にそんな破廉恥な内容の勝負を仕掛けたんですか?」
我に返った”ユウナ”は顔を真っ赤にして混乱し、”アルティナ”はジト目でリィンを見つめ、可笑しそうに笑いながら呟いた”アッシュ”に”リィン”が慌てた表情で指摘し、”トワ”は頬を赤らめて困った表情でベルフェゴールに訊ねた。
「散歩の時にたまたま目に入ったご主人様に興味を抱いたから、”退屈しのぎのいつもの勝負”を仕掛けただけよ♪」
「た、”単に興味を抱いただけ”って……」
「しかも”退屈しのぎのいつもの勝負”という言い方からして”彼女にとってその勝負方法は日常茶飯事”なんだろうね。」
ベルフェゴールの答えを聞いたその場にいる全員が冷や汗をかいて表情を引き攣らせている中”アリサ”はジト目で呟き、”アンゼリカ”は苦笑し
「クスクス、ちなみに異世界――――――ディル=リフィーナでは”人と異種族が契約する方法の一つとして性交渉による契約”があってね。ここまで言えば、レンの言いたい事もわかるでしょう?」
「本当にこの子はもう……どうしてこんな子になったのかしら……」
更に小悪魔な笑みを浮かべたレンが並行世界のリィン達にとって更なる爆弾となる驚愕の事実を口にして問いかけ、レンの行動にプリネは呆れた表情で頭を抱えた。
「ひ、”人と異種族が契約する方法の一つとして性交渉による契約がある”という事は………」
「”並行世界の灰色の騎士が契約している異種族全員は灰色の騎士との肉体関係がある”という事にもなるよねぇ?」
”ノエル”は表情を引き攣らせながらリィンを見つめ、”ワジ”は口元をニヤニヤさせながらリィンを見つめ
「ふ……ふふ……うふふふふふふふ………!並行世界の兄様は私達の世界の兄様ではないと理解してはいますが、幾ら何でもふしだらが過ぎると思うのですが、に・い・さ・ま〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!??」
「エ、エリゼ……」
「うっ………」
「ヒィッ!?ガタガタブルブル……!並行世界のエリゼも怒らせたら怖すぎだよ……!」
「うわ〜……何だかエリゼの背後がまるで炎がメラメラ燃えているように見えるね〜。」
「それに今のエリゼからはオレも今まで感じた事のない、凄まじい猛りの”風”を感じるな。」
「クスクス、今のエリゼ先輩は私達ですら今まで見たことがない凄まじい怒りを顕していますわね♪」
「エリゼがあんな今まで見た事ない怒りを顕すのも仕方ないと思うわ。心の中では諦めていたけどそれでもリィンさんの帰還を信じていたのに、並行世界のリィンさんは多くの女性達と”関係”を持ったなんて話を聞かされたら幾らこの世界のリィンさんの事でなくても本気で怒りたくもなるわよ。」
顔を俯かせて笑い声を上げた”エリゼ”は膨大な威圧を纏って、更に目にも見える程の炎を背後にメラメラと燃やしながらリィンを見つめて微笑み、その様子を目にした”リィン”が冷や汗をかいて表情を引き攣らせている中”エリゼ”に微笑まれたリィンが思わずうなり声を上げて後ずさり、エヴリーヌは悲鳴を上げた後その場で蹲って頭を抱えてガタガタと恐怖に震え、”エリゼ”の様子を”ミリアム”は目を丸くし、”ガイウス”は静かな表情で呟き、からかいの表情で呟いた”ミュゼ”にアルフィン皇太女は苦笑しながら推測を口にした。
「うふふ、貴女(エリゼ)がそこまで怒る必要はないと思うわよ。――――――だって、”私達の世界のエリゼやエリスも既にご主人様に処女を捧げた上、私達みたいに何度も経験しているもの♪”」
「え。」
そしてベルフェゴールの口から語られた更なる驚愕の事実を聞くと”エリゼ”は呆けた声を出した後石化したかのように固まり
「ちなみに”私は姫様やエリス先輩達と違ってまだ1度しか経験しておりませんが、エリス先輩達もそうですが、姫様も複数回経験されていますわ♪”」
「ミルディーヌ!どさくさに紛れて、わたくしの事まで答えないでよ……!」
「わ、”わたくし”までリィンさんと……!?そ、それも一回どころか複数回も経験しているなんて……!」
「ハッハッハッハッ!という事はもしかしたら、”そちらの私”やセドリックは既に”叔父”になっている可能性もあるという事じゃないか♪」
「笑いごとではないだろうが、この阿呆……!」
「アハハ……世界は違っても兄上は兄上ですね。」
「まあまあまあ……!並行世界の私達に負けない為にも、この後”ミシェラム”の”デルフィニア”に部屋を取って私と”経験”をしませんか、リィン教官♪」
「いい加減アンタは止(や)めい!!それと並行世界のリィン教官!何でそんなふしだら過ぎる人になったんですか……!」
意味あり気な笑みを浮かべて答えたミュゼが口にした驚愕の事実に頬を赤らめて恥ずかしそうな表情を浮かべたアルフィンがミュゼに注意している中アルフィン皇太女は驚いた後頬を赤らめて興味津々な様子でリィンとアルフィンを見比べ、”オリヴァルト皇子”は呑気に笑った後推測を口にし、ミュラーは呑気に笑っている”オリヴァルト皇子”を睨んで指摘し、セドリックは苦笑しながら”オリヴァルト皇子”を見つめ、”ミュゼ”は目を輝かせた後妖艶な笑みを浮かべて”リィン”に話しかけ、”ミュゼ”の行動に指摘し”たユウナ”は蔑みの表情でリィンを見つめて指摘したが
「ちなみに複数の女性と”経験”したのはリィンお兄さんだけじゃなく、ロイドお兄さんもよ♪」
「「え”。」」
「レン!!頼むからこれ以上並行世界の俺達が知る必要がない事を言わないでくれ!!」
からかいの表情で答えたレンの答えに”ロイド”と共に冷や汗をかいて表情を引き攣らせながら呆けた声を出し、ロイドは疲れた表情でレンに指摘した。
「そこまでバラしちまった以上もうこの際ぶっちゃけるが……そこの攻略王はディーターのオッサン達からクロスベルを解放する決戦前夜に”初体験”しやがったんだぜ!?」
「ああ、そういえばそんなこともあったね。――――――ちなみに僕の天の車(メルカバ)をラブホテル代わりにしたロイドの相手はロイドがセティ達に頼んだ婚約指輪を今も身に着けているよ♪」
「ランディ!!ワジ!!」
「アハハハハハハッ!まさか天の車(メルカバ)をラブホテル代わりにするなんて、そんな僕ですら引くような罰当たりな事をするなんて、さすが”ロイド”だね♪」
「ワジ!?何で並行世界の俺じゃなくて、俺を見てそんな台詞を言うんだ!?」
ランディとワジの更なる暴露にロイドが再び声を上げている中その場にいる多くの者達は冷や汗をかいて表情を引き攣らせ、我に返った”ワジ”は腹を抱えて大声で笑った後口元に笑みを浮かべて”ロイド”に視線を向け、視線を向けられた”ロイド”は反論した。
「”婚約指輪を身に着けている女性が並行世界のロイドさんの初体験のお相手”という事は………」
一方ある事が気になった”ティオ”は静かな表情で呟いた後ワジの話の後咄嗟に指輪を着けている左手を背中に隠したエリィに視線を向け、ティオに続くように並行世界の特務支援課の面々もエリィに視線を向けた。
「え、えっと、並行世界のティオちゃん?どうしてそこで私を見るのかしら?」
「いえ……今までの話の流れやわたし達の世界のロイドさんの女性関係を考えれば、並行世界のロイドさんの”初体験”の相手はエリィさんが最も疑わしい人物ですので。」
「しかも並行世界のエリィさん、今気づきましたけど左手だけ隠していますものね……」
「そういや、俺達の世界の方のロイドとお嬢もディーターのオッサン達からクロスベルを解放する前夜にワジの天の車(メルカバ)の甲板で”イイ雰囲気”をさらけ出していたよな〜?」
「なっ!?ま、まさか貴方達、あの時の私達を覗き見していたの……!?――――――じゃなくて、幾ら何でも私はロイドと”そこまで”進んでいないわよ!?」
冷や汗をかきながら問いかけたエリィの問いかけに答えた”ティオ”に続くように”ノエル”は苦笑しながらエリィに指摘し、からかいの表情で呟いた”ランディ”の話を聞いた”エリィ”は驚いた後必死の様子で否定した。
「よし、ミリアム、隠している左手に指輪があるかどうか確認してこい!」
「オッケー!」
「ちょっとっ!?」
するとその時”クロウ”が”ミリアム”に指示をし、それを聞いたエリィが慌てたその時”ミリアム”は素早くエリィの背後へと飛んでエリィの左手を確認し
「並行世界のエリィ、左手に指輪を着けているよ〜!それも薬指に!」
「な、なななななななななっ!?そ、それじゃあロイド先輩とエリィ先輩は本当にクロスベルを解放する前夜に……!」
「ううっ、穴があったら入りたいわ……」
「それは私の台詞よ………というか、並行世界の私はどうしてあの時点でロイドと”そこまで”関係が進んだのよ……」
”ミリアム”の報告を聞いたユウナは顔を真っ赤にして混乱し、二人のエリィはそれぞれ疲れた表情で溜息を吐き
「カオスすぎる状況ですね。」
「その点に関しては私も同意します。」
その様子を見ていた二人のアルティナはそれぞれジト目になって呟いた。
「……ねえ。まさかとは思うけど、”そっちのヨシュアも”ロイド君やリィン君みたいなことにはなっていないわよね?」
「”あたし”の事だから二人の話を聞けばその心配をすると思っていたわ。安心して。幸いな事に”今の所は”、二人みたいなことにはなっていないわ。」
「”僕も”って、どういう意味だよ、エステル………」
「”幸い”とか”今の所は”って、どういう意味だよ、エステル……」
リィン達やロイド達の状況を知り、ふとある事が気になってジト目になった”エステル”の疑問にエステルが答えると二人のヨシュアはそれぞれ疲れた表情でそれぞれのエステルに指摘し
「アハハ〜、”あらゆる意味”でラーちゃんがこの場にいなくて正解だったね〜。」
「もう滅茶苦茶過ぎるだろう……」
「ふえ?い、一体何が……」
ナーディアは呑気そうな様子でそれぞれ混沌としている様子のリィン達とロイド達を見つめて呟き、スウィンは呆れた表情で呟き、更にそこにレボリューションでの用事を終えてレボリューションから出て来た”ティータ”がそれぞれ混沌としている様子のリィン達とロイド達に気づくと首を傾げて不思議そうな表情を浮かべた。
軌跡シリーズ新作ついに発表されましたね!黎Vと思いきや、まさかの別タイトルなのは驚きましたけど、説明を見た感じ創みたいにヴァン達に加えて別勢力も操作できそうですから、今から楽しみですね♪ちなみに灰の騎士の成り上がりは最終話まで書き終わり、現在各キャラのエピローグを書いている状況です。なお、エピローグは閃キャラを除いてオリビエ等の光と闇の軌跡や運命が改変(戦争回避ルート)で判明している既存キャラのエピローグや後は閃のプレイアブルキャラ以外のサブキャラ達のエピローグは原作と同じなので省略しますが、エピローグの内容が変更されているキャラもいるので、そのキャラに関しては書きます。なお、既存のエピローグが変更されているキャラは今の所はレン、プリネ、エーデル、パトリック、フェリス、ヒューゴ、ロジーヌです。
説明 | ||
第168話 | ||
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他エウシュリーキャラも登場 他作品技あり 幻燐の姫将軍 空を仰ぎて雲高くキャラ特別出演 閃の軌跡 | ||
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