英雄伝説〜灰の騎士の成り上がり〜
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〜クロスベル市・港湾区〜

 

「エステルちゃんによる並行世界の自分自身への何気ない質問から外交レベルの話に発展するとか、とんでもないね〜。」

「全くだ……そういえば、結局並行世界のエステルに翼が生えた理由は何だったんだ?」

エイドスとブライト家関連の話の様子を見守っていたナーディアは苦笑しながら呟き、ナーディアの意見に疲れた表情で頷いたスウィンはある事を思い出してエステルを見つめて疑問を口にした。

「ああ、”翼”?あの翼はあたしが”契約”している”天使”のニルや”女神”のフェミリンスの力を借りて翼を具現化しているのよ。――――――ほら、こんな風に。」

「その”天使や女神と契約している”という話にも突っ込みたい所が多々あるのですが………話を戻しますが、わたし達の世界のエステルさんも訊ねたその”剣”も結局何なのですか?その”剣”から凄まじい霊力を感じ続けるのですが……」

スウィンの疑問に目を丸くした後答えたエステルは自身の背中に白き翼を具現化させ、それを見た並行世界の面々が冷や汗をかいて表情を引き攣らせている中ジト目で呟いた”ティオ”はエステルの腰に鞘ごと刺されている剣――――――天秤の十字架(リブラクルース)に視線を向けて訊ねた。

「この剣――――――天秤の十字架(リブラクルース)は簡単に説明すれば、将来あたしの娘として生まれてくるサティアさんから預かっている”サティアさん専用の剣”よ。」

「へ………」

「将来”エステルの娘として生まれてくる人から預かっている”って一体どういう事なんだい?」

エステルの説明を聞いた”エステル”は呆け、”ヨシュア”は困惑の表情で訊ねた。

 

「レン達の”影の国”の時に現実の世界ではとっくの昔に既に滅んで魂だけの存在になっていた”異世界のある女神”も巻き込まれていてね。その”異世界のある女神”が”影の国”に巻き込まれた理由はエステルの無自覚による想念によるものでね。”影の国”に巻き込まれた事で”異世界のある女神”は偶然にもレン達のように”影の国”に巻き込まれた自分の死後もずっと生き続けていつか生まれ変わる事になる自分を探し続けた恋人とも再会する事ができてね。それで”影の国”からの帰還時、エステルのお陰で恋人と再会することができた事にエステルに心から感謝していた”異世界のある女神”は”感謝の証”として、その女神専用だった”神剣”をエステルに託した後”影の国”の”想念”の力を利用して自らの存在を魂へと変えてエステルの身体に宿ったのよ。」

「そして”異世界のある女神”の魂がエステルさんに宿った事で、”異世界のある女神”はエステルさんの娘として生まれ変わる事が確実になり……その女神専用だった”神剣”を扱えるエステルさんの娘が、生まれ変わった異世界の女神になるのです。その為、”異世界のある女神”の魂がエステルさんに宿っている影響で、エステルさんもその女神専用だった神剣を使用可能になっているのです。」

「ちなみにこれは余談ですが、”エステルさんの娘として生まれ変わった異世界のある女神”も、エイドス様達やキーアさんのように未来のミントちゃんによってあたし達の時代に連れてきてもらって、”碧の大樹”や”巨イナル黄昏”の解決に協力してくれたんです。」

レンとプリネ、ツーヤの説明によって判明したエステルに関する驚愕の事実を知った並行世界の面々はそれぞれ冷や汗をかいて表情を引き攣らせ

「うわ〜……エステルの方がリィンやロイドも比べ物にならないくらい改変されているね〜。」

「あ、あまりにも非常識過ぎる話の連続じゃないか………」

「し、”神剣”って……!しかも”神専用の神剣”って事は古代遺物(アーティファクト)……いや、”至宝”すらも超える”神器”なんちゃうんかいな……!?」

我に返った”ミリアム”は表情を引き攣らせながら、”マキアス”は疲れた表情で呟き、”ケビン”は疲れた表情で声を上げ

「”無自覚による想念で遥か昔に滅んだ女神の魂が影の国で具現化”したとか、どうやってそっちのあたしはその”遥か昔に滅んだ異世界のある女神”の事を知って、何でそこまで”異世界のある女神”の事を考えていたのよ?」

”エステル”は困惑の表情でエステルに訊ねたが

「アハハ、まあ色々あったのよ。けど、その”異世界のある女神”も結局は困っている人達の内の一人と言えば、何をすべきか”あたし”ならわかるでしょう?」

「あ〜……なるほど。確かに困っている人達の力になるのがあたし達――――――”遊撃士”の役目だもんね。」

「”それだけ”で納得するんだ、エステルは……」

「さすが同一存在だけあって、レンですら理解不能な思考回路も一緒ねぇ。」

「やれやれ、娘(エステル)がそのような訳のわからない状況になっている”そちらの俺”には同情するぞ。――――――ちなみにだが、”異世界のある女神”に”恋人”もいる話もしていたが、話によればその”恋人”とやらはレグナート達のように我々”人”とは比べ物にならない相当な長寿である事から大方”異世界のある女神”のように”神”かそれに近い存在なのだろう?」

苦笑しながら誤魔化して答えた後笑顔を浮かべて問いかけたエステルの問いかけに対してすぐに納得した”エステル”の様子にその場にいる多くの者達が冷や汗をかいて表情を引き攣らせている中”ヨシュア”は疲れた表情で呟き、”レン”は苦笑し、”カシウス中将”は溜息を吐いた後エステルに訊ねた。

 

「うん。”セリカ”っていう名前で、あたし達の世界では”嵐の剣神”って言う二つ名を轟かせている”双界最強の剣士”と言っても過言ではない超凄腕の魔法剣士よ。」

「”嵐の剣神”……それも並行世界のエステル殿達にとっては”双界最強の剣士”と言っても過言ではない使い手なのだから、とてつもない高みに到っている剣士なのだろうな。」

「それも”魔法剣士”という事はそんな凄まじい剣術の使い手である事に加えて”魔法”の使い手としてもとてつもない高みに到っているのかもしれませんね。」

「そりゃそうでしょ。”神”かそれに準ずる存在と推定されている”超越者”なのだから、当然保有している霊力(マナ)も凄まじいでしょうからね。」

エステルの説明を聞いた”ラウラ”は興味ありげな表情を浮かべ、信じられない表情で呟いた”エマ”の推測に頷いた”セリーヌ”は真剣な表情で更なる推測をした。

「あの……今の話を聞いて気になっていたのですが、”異世界のある女神”が”影の国”で並行世界のエステルさんに宿ったという事は当然、エステルさん達と共に”影の国”で巻き込まれ、”異世界のある女神”と再会できたというそのセリカさんという方も長い間離れ離れになった恋人がエステルさんの娘として生まれてくることもご存じなのでは……?」

「当然セリカさん達も知っているよ。だからこそ、その件でエステルに大きな恩ができたと感じているセリカさん達はエステルが頼めば、いつでも力になる為に異世界から駆け付けてくれるよ。」

「現に凄く忙しいクロスベル支部を助ける為にママがセリカさんに協力を頼んだから、クロスベルの”D∴G教団事件”が起きた直後に偶然クロスベルに到着して事件の解決を手伝ってくれたし、事件を解決できた後はママの頼みでクロスベルに残って”クロスベル独立国宣言”が起こった時までクロスベル支部の”協力者”としてクロスベルの遊撃士の人達を手伝ってくれたんだよ。」

「また、セリカ・シルフィルは”クロスベル独立国宣言”後一端故郷に帰還しましたが、”クロスベル解放”や”碧の大樹”攻略にも協力しましたし、メンフィル帝国が”身喰らう蛇”を壊滅状態に陥らさせた際もリウイ前皇帝達と共に”盟主”を討ち取りましたし、”巨イナル黄昏”では”全ての元凶(イシュメルガ)”をエイドスと共に滅ぼしていますわ。」

「あのイシュメルガを滅ぼしたじゃと!?」

「しかも結社のトップの”盟主”まで討ったとか、マジで何者なんだよ、そのセリカっていう野郎は……」

「エ、エイドス様は”空の女神”だから理解できるけど、そのセリカさんは一体どうやってあのイシュメルガを……」

”クローディア王太女”の疑問に答えたヨシュアとミントはそれぞれ説明し、二人の説明を捕捉したフェミリンスの説明によって判明したら驚愕の事実を知った並行世界の面々がそれぞれ血相を変えている中”ローゼリア”は驚きの表情で声を上げ、”トヴァル”は疲れた表情で呟き、”トワ”は信じられない表情で呟き

「かの剣士はゼムリアでは”嵐の剣神”という異名を轟かせていますが、かの剣士は異世界での本来の異名はこう呼ばれ、世界の人々に恐れられています――――――”神殺し”と。」

「”か、神殺し”……!?」

「フフ、確かに”神をも殺した存在”であるならば、エイドス様――――――女神が残した”至宝”同士のぶつかり合いによって誕生した”全ての元凶”を滅ぼす事も容易でしょうね。」

「それにそんな”超越者”なら、あの盟主(グランドマスター)すらも討たれたという話も納得ね。さすがの盟主(グランドマスター)と言えど、アリアンロードやアリアンロードと互角、もしくはそれ以上の異世界の使い手に”神殺し”なんてメンツが相手だと確実に滅ぼされるでしょうし。」

リアンヌの説明を聞いた並行世界の面々が再び血相を変えて驚いている中”アリサ”は驚きの表情で声を上げ、”シャロン”と”クロチルダ”は苦笑していた。

 

「ハッハッハッ、並行世界とはいえ、多くの異種族や帝国を遥かに超える大国の皇家に加えてそんな凄まじい人物との人脈を無意識で作るなんて、さすがはエステル君だね。」

「この世界のエステルを遥かに超えるハチャメチャな並行世界のエステルに振り回されているそっちのあたし達には同情するわ……あら?そういえば、その”神殺し”とやらの恋人が並行世界のエステルに宿った”異世界のある女神”とやらという事はもしかして、”異世界のある女神が滅んだ理由もその神殺し”とやらが関係しているのじゃないかしら?」

”オリヴァルト皇子”は呑気に笑い、シェラザード皇子妃は疲れた表情で頭を抱えた後ある事に気づいてエステルに確認した。

「わっ、凄いシェラ姉!セリカ達の事はあんまり詳しく話していないのに、”そこまで”気づけたなんて。」

「先に誤解のないように説明しておきますが……セリカさんが”神殺し”になったのも”事故”のようなもので、セリカさん自身の意思ではないそうなんです。」

「だからこそ再会が困難――――――いえ、絶望的であったセリカ様にとっての恋人――――――サティア様との再会の要因となったエステルさんにはサティア様もそうですが、セリカ様も深く感謝しているので、エステルさんに協力を求められればいつでも全面的に協力してくれるんです。」

「フフ、”そういう所”もエステルさんらしいですね。」

「はい……!」

「つーか、そんなとんでもない野郎がヨアヒムの野郎によるクロスベルの襲撃の直後に到着してそのままエステルちゃんや俺達を手伝った後しばらくクロスベルに滞在した上、クロスベル解放や碧の大樹の攻略も手伝ったっていう話を考えたら、ヨアヒムの野郎の時から俺達よりも相当楽したんじゃねぇのか、そっちの俺達は。」

「いや、セリカの野郎やセリカの仲間達が俺達と共に戦ってくれたタイミングは割と限られていたから、実際はそんなに楽できていねぇぞ。」

シェラザード皇子妃の推測にエステルは驚き、ヨシュアとプリネは推測についての捕捉を説明し、ヨシュアとプリネの話を聞いた”クローディア王太女”と”ティータ”は微笑み、疲れた表情で指摘した”ランディ”に対してランディは苦笑しながら答えた。

 

「ちなみにサティアさん――――――”異世界のある女神”はエイドス様すらも超える”格”の女神やってんで?」

「おいおい……”空の女神”を越える”格”の女神って、一体どんな神やねん、その”サティア”とかいう女神は。」

苦笑しながら答えたケビンの説明を聞いた”ケビン”は表情を引き攣らせながら疑問を口にし

「”サティア”という名前は”人”の世界で活動する時の”人としての名前”でサティアの本当の名前は”アストライア”で、”正義”を司る古の大女神ですわ。」

「せ、”正義”を司る”女神”で、名前は”アストライア”という事は……!」

「オリンポスの神の一柱にして”星乙女”――――――”正義の女神”アストライアか……!確かにかの女神であるならば、”空の女神”をも超える”格”の女神という話も納得じゃの……」

フェミリンスの説明を聞いた”ガイウス”達星杯騎士団の関係者や”エマ”達”魔女”の一族がそれぞれ血相を変えている中”エマ”は信じられない表情で声を上げ、”ローゼリア”は驚きの表情で声を上げた後納得した表情で呟いた。

 

「えっと……その”正義の女神”っていう女神様はそんなに凄い女神様なんですか……?」

「うむ。”空の女神(エイドス)はゼムリアという一つの世界に認識されている女神”だが、アストライアは”星乙女”という異名通り夜空に無数に輝く星々――――――つまり、この”ゼムリアという星とは別の星にも存在していると思われる無数の世界にも認識されている女神”故(ゆえ)、エイドスと比べても”神としての格”はアストライアの方が上だ。」

「それに私は”半神半人”――――――サティアさんやアイドスさんのような”純粋な神”ではありませんからね。」

「”空の女神”自身も”自分より上”だと認めている女神を宿しているとか、並行世界のエステルってもはや、あのマクバーンのような”人外”の存在になっているのじゃないかしら?実際に”翼”まで生やせるし。」

”ユウナ”の疑問に答えた”ツァイト”の説明とエイドス自身の認識を知った並行世界の面々がそれぞれ冷や汗をかいて表情を引き攣らせている中”レン”は呆れた表情でエステルを見つめて指摘した。

「しっつれいね〜。あたしはれっきとした”ただの人間”よ!」

「エステル、今の君の状況を考えたらその言葉には何の説得力もないから。」

「実際ミント達の世界のシェラお姉さん達もママの事を”人外”呼ばわりしているよね〜。」

”レン”の指摘に対してジト目で反論したエステルの反論にその場にいる多くの者達が冷や汗をかいて表情を引き攣らせている中ヨシュアは疲れた表情で、ミントは苦笑しながら指摘した。

 

「ヨシュア達まで……全く、みんな大げさすぎよ。翼を生やせる事とエイドス専用の神技や神術を使えるくらいで大騒ぎして。」

「いや、それ以外にも色々あるから。」

「そもそも”空の女神”であられるエイドス様専用の神技や神術を受け継いだ時点で、”人外”と言っても過言ではない存在なのですが。」

「ブッ!?え、えっと、並行世界のエステルちゃん?そっちのリースが言っていたエステルちゃんがエイドス様専用の”神技”や”神術”を受け継いだってどういう事なん?」

ヨシュアとミントの答えにジト目になったエステルの呟きを聞いたその場にいる全員は冷や汗をかいて表情を引き攣らせている中ヨシュアは疲れた表情で、リースはジト目でそれぞれ指摘し、”ケビン”は思わず吹き出した後エステルに訊ねた。

「言葉通りの意味ですよ。エステルさんが私自身が編み出した”神技”と”神術”を習得したいとの事で、希望通り受け継いでもらっただけです。私の血族でしたら、威力の違いはあれど、継承は可能かつ簡単ですので。」

「そ、”空の女神自身が編み出した神技と神術を習得したいから受け継がせた”って……!そっちのエステルは何でそんなとんでもない事を空の女神に頼んだのよ……!?」

エイドスの説明を聞いた並行世界の面々が血相を変えて驚いている中シェラザード皇子妃は信じられない表情でエステルに訊ねた。

 

「え?単に遊撃士として強くなりたい為だけど。」

「お、おねえちゃ〜ん……」

「そもそもそんなとんでもない術に技、”遊撃士”に使う機会があるようなシロモノじゃねぇだろうが!?」

「というかそんな単純な理由で”伝説”扱いされて当然の術と技を並行世界のエステルさんに受け継がせた”空の女神”も理解不能です。」

「元々そのような細かい事を気にするような性格ではないのだ、女神(エイドス)は………」

エステルの答えに並行世界の面々が冷や汗をかいて表情を引き攣らせている中”ティータ”は疲れた表情で呟き、”アガット”は呆れた表情で突っ込み、ジト目の”アルティナ”の指摘に対して”ツァイト”が疲れた表情で答えた。

「えっと……ちなみにエイドス様ご自身が編み出された”神術”と”神技”というのは一体どういうものなのでしょうか?」

「神術”イリスの焔”は七耀脈の力を創生の焔に変換して敵を焼き尽くし、仲間達には強力な治癒効果がある攻防一体の神術で、神技”セプトブラスト”は同じく七耀脈の力を浄化の力に変えて敵に叩き込む神技です。」

「ちなみにエイドスから受け継いだ神術と神技、両方ともイシュメルガのような悪意の塊には滅茶苦茶効果があるわよ。」

「何ですって!?」

「そういえばイシュメルガが機能停止する直前に女神様が放った焔を受けた時のイシュメルガ、滅茶苦茶苦しんでいたよね〜?」

”エマ”の質問に答えたエイドスとエステルの説明によって驚愕の事実を知った並行世界の面々が血相を変えている中”サラ”は驚きの表情で声を上げ、ナーディアは”逆しまのバベル”での時を思い返した。

 

「ええ。現に私達の世界の方のイシュメルガを滅ぼした時に私が発動したのも神術”イリスの焔”ですよ。」

「ちなみに”呪い”に憑かれてしまった父上から”呪い”を消し飛ばした事で父上を”呪い”から解放できたのもエステル殿によるエイドス様から受け継いだ”神術”と”神技”のお陰だ。」

「という事はその神術と神技とやらがイシュメルガを直接滅ぼす事ができる貴重な手段でもあったという事か……」

「更に父上を”呪い”から解放したのも、その神術と神技のお陰とは……さすがは空の女神ご自身が編み出した神術と神技だな。」

「”呪い”で気になっていたんだけど、そっちのリィンはどうやってリィンの心臓に巣食っていた呪いから解放されたの?」

エイドスとラウラの説明を聞いた”ローゼリア”は驚きの表情で呟き、”ラウラ”は感心した様子で呟き、”フィー”は首を傾げてリィンを見つめて訊ねた。

「う”っ、そ、それは………」

「――――――先程レン皇女殿下の説明にあった”人と異種族が契約する方法の一つである性交渉による契約”で”女神”であられるアイドス様と契約した事によるものです。」

「うふふ、ちなみにアイドスお姉さんは”処女の血”を対価にリィンお兄さんの心臓に巣食っていた”呪い”を浄化すると共に、アイドスお姉さんの”女神としての力”を宿らせたのよ♪だからレン達の世界のリィンお兄さんは”鬼の力がなくなった代わりにアイドスお姉さん――――――”女神の力”を解放してパワーアップできるのよ♪」

”フィー”の疑問にリィンが答えを濁しているとジト目のエリゼとからかいの表情を浮かべたレンが説明し、二人の説明を聞いた並行世界の面々は冷や汗をかいて表情を引き攣らせた。

 

「そ、そんな方法でリィンの心臓の”呪い”が浄化されたって……」

「不埒過ぎる並行世界のリィン教官らしいといえばらしい方法ですね。」

「つーか、”女神の処女を奪う”なんて世界一うらやまけしからん事をしたのかよ、そっちのリィンは!」

「クク、それに関しては今更だろ。何せそっちのシュバルツァーは女を食いまくっているからな。」

我に返った”アリサ”と”アルティナ”はジト目でリィンを見つめ、”ランディ”は悔しそうな表情で、”アッシュ”は皮肉気な笑みを浮かべてリィンを見つめ

「……なるほどね。『処女』の血には膨大な霊力が秘められている事から古来から『処女の血』は魔術儀式の貴重な素材として伝わっているわ。ましてや”女神の処女の血”なんて神聖かつ膨大な霊力の塊でしょうから、そんなものを”対価”にすれば心臓に巣食っていた”呪い”の浄化も容易だったでしょうね。」

「ちなみに余談だけど、私やエマような普通の人間と比べると霊力が高い”魔女”やシスターのような聖職者の純潔だと、普通の女性の純潔よりも効果は高まるそうよ。」

「まあ、そうなんですの♪――――――という事は女神の純潔に代わる質かつ数の純潔ならば同等の効果も見込めると思われるのですから、霊力が高いアルノール皇家の血を引く私や姫様、私や姫様程ではないにしても普通の人間と比べると霊力が高くかつアーツ適正も高いエリゼ先輩の3人の純潔をリィン教官に捧げれば、リィン教官の”呪い”も浄化された可能性もありえたという事にもなりますわね♪」

「ミルディーヌ!?」

「どさくさに紛れてとんでもない事を言うんじゃないわよ!?」

「い・い・か・げ・ん・に、し・な・さ・い・ミ・ル・ディ・ー・ヌ〜〜〜〜〜??」

”セリーヌ”は呆れた表情で呟き、苦笑しながら答えた”クロチルダ”の話を聞いて目を輝かせた”ミュゼ”は意味ありげな笑みを浮かべ、”ミュゼ”の話を聞いたアルフィン皇太女は頬を赤らめて声を上げ、”ユウナ”は”ミュゼ”を睨んで指摘し、”エリゼ”は膨大な威圧を纏ってミュゼを見つめて微笑み、その様子を見ていたその場にいる全員は冷や汗をかいて表情を引き攣らせた。

 

「―――――ご歓談中の所、失礼します、リィン様。レボリューションの点検、完了したとの事です。帰還に支障がある損傷は特にないとの事ですわ。」

するとその時ルシエルがレボリューションから現れてリィンに報告した。

 

 

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次回で最終話です。何とか年内に終わらせる事ができました。……エピローグは年内に終わらせられるかわかりませんが(汗)

説明
第170話
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コメント
匿名希望様 それ以上の衝撃的事実によってエステル達も暴露するのを忘れたのかもしれませんw(sorano)
こっちではレナさん生きてることは暴露しなかったか…(匿名希望)
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