夢を見る世界と夢を食むモノの事情(What dreams will they be able to eat in this world from now on?)
説明
(ある旅行者の手記より)
「何時からそうしているのかは
判らないのだが、
宙に浮かんで錨を
海に見立てた青い絨毯の上に
下ろしている舟は、
今日も自分が海に浮かんでいるものだと
信じて疑っていなかった。
「ここが海では無いだと?
魚は周りに沢山泳いでいるだろうが」−
彼は沖合に漁に出る為に
その錨が引き上げられる日を
夢見ているのだろうか。

「元居た世界ではある日突然
夢を全く食べられなくなってしまいましてね。
あれだけ広い世界で
ほんの小さな夢すら
食べる事も出来なくなると言うのも
難儀な話というものですが、
仕方がありませんから
家族でこの世界に
ついこの間
移住して来たばかりなんですよ」と言う
バクの親子の身の上話を聞いていた。
彼らはこの世界に来てまだ
それ程経っていないようで、
子供のバクは
この世界で食べる「夢」(と言うもの)に
未だに慣れていないようだ。
「父ちゃん、
ここに来てから食べた夢は
何か苦かったよ」
「そう言う味がする「夢」もこの世界にはあるんだよ。
父さんだって昔はもっと苦い「夢」だとか
直ぐに消えてしまうような儚い「夢」だとか―
中には終わりのないような「悪夢」だって
頑張って食べていたんだからね」
「うへぇ...お腹壊しそう...。
それだったらスーパーで売ってた
夢の方がいいや」
...バクと言えば如何なる「悪夢」でも
食べる存在として
知られている訳なのだが、
少し前に聞いたラジオの話に拠れば
近頃はバクの世界でも
都市化やそれに伴うライフスタイルの変化が
進んでいるのだそうで、
特に若い世代は
スーパーで売られているような
出来合いのインスタントの夢ばかりを
食べる事を好むものが多い事から、
少しでも刺激のある夢を食べただけで
体調を崩す者も
少なくないのだそうだ。
―彼らの住んでいた場所では
そんな出来合いの夢さえも
供給されなくなってしまったと言う事なのだろう。
「まぁ、この子は
まだ(夢なら)何でも食べられる...
と言う訳には行かないんだけれども、
ゆくゆくは色んな「夢」を
この世界で食べさせてあげたいね。
勿論、「加工されて
化学調味料で味付けが施されたような
ありきたりな量産品の夢」なんかじゃなくてね」

彼らは少なくとも暫くは
この世界で暮らすつもりでいるようだ。
この世界に暮らす人やモノ達の夢を食べる事で
彼らもまた
何を夢見るのだろうか。

「ねぇ、父ちゃん。
前にスーパーで買った
サワークリームオニオン味の夢だとか
チョコチップ入りの夢だとか
アイスクリームの上にストロベリーソースが
トッピングでかかってた夢とかって
もう食べられないのかな...」
「そう言うのは
体に良くないからあんまり食べちゃダメなんだよ。
どんな夢でも好き嫌いなくちゃんと
食べられるようにしないとね。
(前にスーパーで特売の時に買ってたあの夢、
ブラックペッパーが効いていて
肴には最高だったんだけどな...)」


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The "Wish Tree" is standing in the town square.
It was decorated with many papers on
which people had written their wishes.

(※BingChat,DeepL翻訳を使用・一部改変しております)
(BingChat, DeepL translation used and partially modified)

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完成後にA4(210×297)サイズ程に切り取った画用紙に
水彩絵の具、水彩色鉛筆、水彩紙で描いたもの。
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