英雄伝説〜黎の陽だまりと終焉を超えし英雄達〜
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9月1日、8:30、HR―――――

 

〜アラミス高等学校〜

 

「―――――みんな、おはよう。HR(ホームルーム)を始める前に、今日からこのクラスに編入することとなった編入生達を紹介するわね。」

「編入生……!?」

「しかも”達”って事は複数いるって事だよな!?」

「可愛い女の子だったらいいな〜!」

アニエスのいるクラスでいつものように担任がHRを始めたが、担任が口にした驚愕の事実に生徒達は驚き、騒ぎ始めた。

「静かに。――――二人とも入ってきて。」

手を叩いて生徒達に静かにするように指示をした担任は出入口に視線を向けて指示をした。

「は、はい。」

「了解した。」

すると出入口からそれぞれアラミスの制服を身に纏ったアンリエットとレジーニアが教室に入ってきた。

 

「よっしゃあ!編入生達は二人とも女の子……しかも、可愛いとか最高の展開じゃねぇか!」

「可愛い〜!グリーンブラウンの髪の子、まるで人形のように見えてとても可愛いわ〜!」

「そ、それに金髪の女の子の方は背中に白い翼がある上、頭の上に光の輪っかって……!」

「も、もしかして”天使”……!?」

二人の登場に生徒達はそれぞれ興味ありげな様子で二人を見つめ

「ええっ!?」

(な…………あの天使はまさか…………権天使レジーニア!?この世界に来る前にあの者は行方知れずという事は報告に聞いていましたが、何故この世界に…………それのもう一人の生徒、あの者は……………………)

一方アニエスもレジーニアを目にすると驚きの表情で声を上げ、メイヴィスレインは驚きの表情を浮かべてレジーニアを見つめた後、真剣な表情を浮かべてアンリエットに視線を向けた。

「それでは二人とも自己紹介をお願い。」

「は。はいっ。え、えっと………私はメンフィル帝国から来ましたアンリエット・セミフと申します。幼い頃は実家の事情で日曜学校に通う事ができず、勉強は家庭教師の人達に教えてもらっていたので、こんなにも大勢の人達と一緒に勉強を学ぶのは初めてで色々とご迷惑をおかけするかもしれませんが……よ、よろしくお願いします……!」

「同じくメンフィル帝国から来たレジーニアだ。見ての通りあたしの種族は”天使”の為、天使の文化の関係で君達のようにファミリーネームはないんだ。だから、気軽に名前で呼んでもらって構わないよ。」

担任に自己紹介を促されたアンリエットは緊張した様子で自己紹介をした後頭を下げ、レジーニアは落ち着いた様子で自己紹介をした。

 

「ついにこのアラミスに異種族の人、それも天使が編入してくるなんて、アラミス始まって以来の出来事じゃないっ!」

「アンリエットちゃんもレジーニアちゃんも、マジで可愛すぎだろ〜!?」

「しつも〜ん!二人は知り合いなの!?」

「フム、あたしとアンリエットの関係を示すとすれば”知り合い”では薄いかな。」

「え、えっと、レジーニアさん。その言い方ですと、皆様に誤解を与えてしまうと思うのですが……」

二人の自己紹介に対して生徒達は拍手をしながら歓迎し、生徒の質問に答えたレジーニアにアンリエットは冷や汗をかきながら指摘し

(メイヴィスレイン、レジーニアさんは貴女と同じ天使のようだけど、もしかして知り合いなの?)

(…………確かに私が知っている天使に”レジーニア”という名の者はいます。あの者が私が知るレジーニアかどうかを確かめる為に、後であの者と私達のみで話せる状況を作って下さい。)

(わかったわ、何とかレジーニアさんと二人っきりで話せるようにしてみるね。)

生徒達が興味ありげな様子でアンリエット達に話しかけている中、アニエスはメイヴィスレインと念話をしていた。

 

12:30、昼休み――――

 

〜生徒会室〜

 

昼休みになり、それぞれが昼食を終わらせた頃アニエスは関係者以外滅多に人が来ない生徒会室にレジーニアを連れてレジーニアと二人っきりになった。

「それで、わざわざ二人っきりになってまであたしと話したい事とはなんだい?――――ああ、もしかして愛の告白とやらかい?同姓同士の”愛”にも興味はあるが、生憎あたしには既に将来の伴侶がいるので申し訳ないが断らせてもらうよ。」

「あ、あはは………レジーニアさんに”将来の伴侶”がいる事については興味深い話ですけど……えっと、実はレジーニアさんに用があるのは私じゃなくて、私が契約している天使なんです。――――――メイヴィスレイン。」

レジーニアの話と指摘に苦笑したアニエスは気を取り直して要件を告げた後メイヴィスレインをその場に召喚した。

「ほう?異種族と契約している人間は主を含めて非常に限られた人物しかいないのに、まさかアニエスがその非常に限られた人物の一人で、それも契約相手があたしにとってのかつての上司でもあった君だったとはね――――――”力天使”メイヴィスレイン。」

「ええっ!?あ……そういえば、メイヴィスレインは元々いた所では”司令官”のような役割を務めていたという話だったわね……」

メイヴィスレインの登場に目を丸くしたレジーニアは興味ありげな表情でアニエスに視線を向けた後メイヴィスレインに視線を向け、レジーニアがメイヴィスレインの部下だったという事実に驚きの声を上げたアニエスだったがすぐにメイヴィスレインがゼムリア大陸に現れる前に就いていた役割を思い出した。

「……久しいですね、権天使レジーニア。貴女が行方不明になったという報告を受けた時は自らの欲の強さによって魔に堕ちて魔族側についたか、もしくは”はぐれ”と化したかと思っていましたが……よもや、こんな所で再会することになるとは思いませんでした。」

「いや〜、まさかそんな風に思われていたなんてね。――――ああ、それとあたしは主と”守護天使契約”を交わした事であたしの位階は”能天使”に上がっているから、以後間違えないでくれよ?」

メイヴィスレインに話しかけられたレジーニアは呑気な様子で答えた後ある指摘をした。

「……なんですって?まさか、貴女のような欲深い天使と”守護天使契約”をする酔狂な者がいるとは………」

「えっと、メイヴィスレイン。”守護天使契約”って何なの?私との”契約”とは違うような言い方だけど……」

レジーニアの話を聞いて眉を顰めた後信じられない表情で呟いたメイヴィスレインの話が気になったアニエスは不思議そうな表情でメイヴィスレインに訊ねた。

 

「……”守護天使契約”とは仕える主を守り、間違った道を進もうとした時に正す――――――つまり、文字通り天使が己の全てを主の為に一緒をかけて添い遂げる事を誓う事で”守護天使”として契約する事です。」

「ちなみに主が異性の場合は、その天使にとっては君達人間でいう”伴侶”に相当するよ。」

「は、”伴侶”!?あ……もしかして、レジーニアさんが先程”将来の伴侶”がいると言っていたのも……」

アニエスの疑問にメイヴィスレインが答えた後に捕捉の説明をしたレジーニアの説明を聞いたアニエスは驚いた後すぐにある事を思い出してレジーニアを見つめ

「その通り。あたしの主は異性――――――つまり、男性なのさ。それで?あたしに何の用なんだい?」

「……貴女が突如行方不明になった件は、やはり貴女も私の時のように原因不明の何らかの要因によってこの世界に転位したのですか?」

「ああ、そうだよ。その口ぶりだと君もあたしやルシエルみたいに、”謎の現象によって”このゼムリア大陸に転位したようだね。」

「……ルシエルですって?まさか彼女もこの世界に転位したのですか?確か彼女は私が敗北した魔族の魔力を宿した人間――――――”クラウス”とやらが率いる魔族軍とそれとはまた別の魔族軍との三つ巴の戦闘によって生死不明になった事で、戦死したものだと思っていましたが……」

レジーニアの口から出た意外な人物の名前を耳にしたメイヴィスレインは若干驚いた様子でレジーニアに訊ねた。

 

「ああ。それと生き残った彼女の部下の天使達もだね。――――――ちなみにルシエル自身はあたしの主と”守護天使”として契約していて、部下の天使達はルシエルのように契約はしていないがあたしの主に仕えているよ。」

「……………………新たに色々と聞きたい事が出てきましたが……今は貴女の事について聞きます。何故、学生としてこの学び舎に現れたのですか。」

「それについては”主の故郷”――――――メンフィル帝国の思惑も関係しているから、詳しい事は話せないが………異世界であるこの世界を学ぶ為にもあたしにとってもちょうどいい機会だから、こうして学生をさせてもらっているのさ。他の天使達と比べると背が低く、容姿も幼いあたしなら学生をしていても、違和感はないだろう?」

「あはは………えっと、ちなみにレジーニアさんの”主”って何者なんですか?メンフィル帝国――――――国の思惑が関係している事を考えると、もしかして政府の関係者ですか……?」

メイヴィスレインの質問に答えたレジーニアの答えにアニエスは冷や汗をかいて苦笑した後レジーニアに自身が気になっていた事を訊ねた。

「いや、主は貴族だよ。………まあ、政治にも携わっているから”政府の関係者”というのも強ち間違ってもいないけどね。」

そしてアニエスの質問にレジーニアが答えると予冷のチャイムが鳴った。

「そろそろ休憩時間は終わりのようだから、あたしはこれで失礼させてもらうよ。――――――ああ、一つ言い忘れていた。アンリエットは主の”守護霊”として契約しているから、間違っても彼女を”浄化”しようとしないでくれよ、メイヴィスレイン。」

「彼女は”守護霊”ですか……貴女やルシエル達の件といい、貴女の主は人間の中でも相当特異な人物のようですね……」

「え………アンリエットさんもレジーニアさんと同じ”主”と”契約”しているって事はまさか……アンリエットさんも異種族の方なのですか……!?」

レジーニアの指摘を聞いたメイヴィスレインが考え込んでいる中、レジーニアのメイヴィスレインへの指摘を聞いてある事に気づいたアニエスは驚きの表情でレジーニアに訊ね

「フフ、それについてはメイヴィスレインなら詳しく知っているから彼女に聞くといい。――――――それではあたしは失礼する。」

訊ねられたレジーニアはメイヴィスレインに視線を向けて答えた後生徒会室を出た。

「えっと、メイヴィスレイン?」

「……説明をすると長くなりますので、アンリエットの件については折を見て説明します。――――――それよりも早く教室に戻らなければ授業に遅れますよ。」

レジーニアが出て行った後アニエスはメイヴィスレインに視線を向けて訊ねたがメイヴィスレインは答えを誤魔化した後アニエスに教室に戻るように促し、アニエスの身体の中に戻り

「あはは……レジーニアさんとの話で余計に気になる事が増えたのだけど……………………」

メイヴィスレインが戻った後アニエスは苦笑しながら呟いたがすぐに気を取り直してメイヴィスレインの忠告通り教室へと戻って行った。

 

 

同時刻――――――

 

〜二区サイデン地区・北カルバード州警察・サイデン本署〜

 

一方その頃ロイドとルファディエルはサイデン本署の中へと入っていき、受付に近づいた。

「サイデン本署にようこそ、御用件は何でしょうか?」

「自分はCrossbell Central Police Department(クロスベル中央警察)の捜査一課所属、ロイド・バニングス捜査官です。中央政府並びにクロスベル皇家からの指示により”A”の捜査を担当する事になりましたので、こちらでの”A”の捜査を担当している捜査官達との面会をお願いします。」

「同じくCrossbell Central Police Department(クロスベル中央警察)の捜査一課所属、ルファディエル警視よ。面会もそうだけど、”A”に関する捜査資料の開示も要求していると伝えておいて。」

受付の女性警察官に用向きを訊ねられたロイドとルファディエルはそれぞれの捜査手帳を受付に見せて用向きを告げた。

「ええっ!?ちゅ、”中央警察”――――――それも”捜査一課”……!?しょ、少々お待ちください……!」

二人の用向きを聞いた受付は驚いた後内線でどこかに通信し、周囲の警官達もロイドとルファディエルを注目して騒めき始めた。

「ルファ姉、さすがに面会と同時に捜査資料の開示の要求は厚かまし過ぎると思うんだけど……」

「私達はこれから、北・南カルバード両州で”A”の捜査をしなければならないのよ?効率的に捜査をする為にも、既に地元の警察が手に入れた手がかりは先に頭に入れておくべきよ。――――――どうせ向こうも私達の存在は色々と思う所はあるでしょうから、向こうとのやり取りは必要最低限にして、後は捜査に集中すべきよ。――――――それよりも来たようよ。」

周囲の反応を見たロイドは気まずそうな表情でルファディエルに話しかけ、話しかけられたルファディエルは答えた後自分達に近づいてきたダスワニ警部とネイト捜査官に気づいた。

 

「中央警察――――――それもエリート揃いの捜査一課の捜査官達が突然訪ねてきて何の用かと思ったが、よりにもよって”A”の捜査の介入とはな………立場上”地方”の警察の俺達は”中央”の警察であるそちらの捜査への協力義務がある事は理解しているが………せめて介入をするのならば、前もって連絡をして欲しかったのだがな。」

「そ、そうだぞ!幾ら”中央”だからと言って、突然こっちの縄張りに介入した上捜査資料の開示まで要求するなんて幾ら何でも横暴なんじゃないか!?」

ロイドとルファディエルと対峙したダスワニ警部は溜息を吐いた後真剣な表情で二人を見つめて指摘し、ネイト捜査官もダスワニ警部の意見に同意して二人を睨みながら指摘した。

「す、すみません。何分突然決まったばかりでして………」

「――――――中央警察ではないけど、北カルバード州総督府を通じて中央政府から前もって通達があったはずよ。”A”の捜査に”中央”とメンフィル帝国による合同捜査隊がこの北・南カルバード両州で捜査する事を。」

二人の指摘に対してロイドは疲れた表情で謝罪し、ルファディエルは静かな表情で指摘した。

「何………」

「ちゅ、”中央とメンフィル帝国による合同捜査隊”って事は、まさかお前――――いえ、貴女達が”例の合同捜査隊”のメンバー………!?」

ルファディエルの指摘を聞いたダスワニ警部は驚きの表情を浮かべ、ネイト捜査官は信じられない表情で二人を見つめて声を上げた。

「改めて名乗るわ。――――――Crossbell Central Police Department(クロスベル中央警察)の捜査一課所属にして、メンフィル・クロスベルの合同捜査隊”エースキラー”のメンバーの一人、ルファディエル警視よ。」

「同じくロイド・バニングス捜査官です。………中央警察の俺達がカルバード両州の捜査に介入する事について色々と思う所はあるかもしれませんが、カルバード両州――――――いえ、メンフィル・クロスベル両帝国市民の方達の平和の為にも捜査のご協力をお願いします。」

「中央警察内でも名高き”叡智”に”初代特務支援課リーダー”か………そんな人物を寄越す程”中央”とメンフィルの”本国”は”A”の拡大化を危険視しているという訳か………――――――先程は失礼した。北カルバード州警察捜査一課所属のダスワニ警部だ。」

「同じくネイト捜査官です!」

ルファディエルとロイドがそれぞれ敬礼をして名乗ると二人の名前を聞いて二人の事を知っていたダスワニ警部は重々しい様子を纏って呟いた後すぐに気を取り直して敬礼をして自己紹介をし、ネイト捜査官もダスワニ警部に続くように敬礼をして自己紹介をした。

「資料の開示もそうだが、”A”関連での詳しい話をこんな大っぴらな場所ではできないから、場所を変えさせてもらう。――――――こっちだ。」

「わかりました。」

そしてダスワニ警部に促された二人はダスワニ警部とネイト捜査官と共に警察署の別室へと向かい始めた。

 

 

14:00――――――

 

〜八区旧市街・アパルトメント・マーティンの部屋〜

 

昼過ぎ、列車に乗ってイーディスを訪れていたラヴィ達は旧市街にあるアパルトメントへと向かい、メンフィル帝国がそれぞれの為に用意した部屋に荷物を置いた後マーティンの部屋に集合した。

「ハァ………カルバードの首都の拠点を用意したって話を聞いて期待してみたら、これじゃあハリアスクの北の猟兵(わたしたち)の宿舎と大して変わらないじゃない………あの総督補佐め〜、な〜にが『協力してもらうからには、例えメンフィルのかつての敵であろうとも、相応の待遇はする』よ。」

「まあまあ……ベッドもそうですが導力エアコンに冷蔵庫、レンジ、テレビは最初から用意されていた上、家賃はメンフィル帝国が全額負担してくれているとの事なのですから、むしろ自分達にはもったいないくらいの待遇じゃないですか。ラヴィ教官もそう思いませんか?」

「うん。それと最新式の戦術導力器(オーブメント)であるザイファ(これ)を支給してくれたのだから私からすれば拠点よりもこっちの方がありがたい。――――――それに私達はここに遊びに来た訳じゃなく、メンフィルがノーザンブリアの独立を認める為にメンフィルの3つの大きな依頼の内の一つを達成させる為に来た事を忘れていないよね、イセリア?」

自分達が当面使う事になる部屋に不満がある様子のイセリアをタリオンは苦笑しながら諫めた後ラヴィに同意を求め、対するラヴィは頷いた後ザイファを取り出して答えた後真剣な表情を浮かべてイセリアに指摘した。

「当然忘れてなんていないわよ。でも、せっかくかつての共和国の首都に来たんだから、ちょっとくらい浮かれてもいいじゃない〜。メンフィルもそうだけどクロスベルも”一つ目の大きな依頼”については、達成するには長期間かかるって想定なんでしょう〜?」

「確かにそうだが、総督補佐もそうだが”灰の剣聖”からも話にあったメンフィルとクロスベルによる”合同捜査隊”の連中も既に本格的に”A”の捜査を開始している上ギルドやGIDの連中も”A”の捜査に力を入れているとの事だから、のんびりしていたら連中に”貢献ポイント”に関する事を全て達成されて”一つ目の大きな依頼”に関する”貢献ポイント”が貯まらない事でノーザンブリアの独立が遠のくぞ。」

ラヴィの指摘に対して答えたイセリアの不満を聞いたマーティンは静かな表情で忠告した。

 

「”合同捜査隊”………確か名前は”エースキラー”だったっけ。列車の中での説明でも少しだけ話に出てきたその”貢献ポイント”とやらは具体的に何をすれば貯まって、何ポイントになれば”依頼達成”扱いになるの?」

「―――――ちょっと待っていろ。今お前達のザイファに”貢献ポイント”に関する資料を送る。」

ラヴィの質問に答えたマーティンはザイファを取り出して操作した。するとラヴィ達のザイファにそれぞれマーティンが送ったデータが受信され、ラヴィ達はそれぞれのザイファを操作してデータを確認した。

 

一つ目の大きな依頼――――――”アルマータ”撲滅の貢献ポイントの詳細

 

 

ボスの顔写真の提出 15P

 

幹部の顔写真の提出 一人につき5P

 

※なお、顔写真の提出は既に判明済みだった場合ポイントは無効とする

 

ボスの討伐 50P ボスの捕縛並びに引き渡し 100P

 

幹部の討伐 一人につき20P 幹部の捕縛並びに引き渡し 一人につき40P

 

末端の構成員の捕縛並びに引き渡し 一人につき0.1P

 

アルマータの計画の報告 ポイントは計画の規模による

 

アルマータが関わる事件に巻き込まれた市民達の救出並びに避難誘導 ポイントは事件の規模・救出した市民達の数による

 

合同捜査隊”エースキラー”の応援要請に応じての協力 1回ごとに5P

 

その他 ポイントは上に挙げた内容以外でのアルマータ撲滅に関係する内容・状況による

 

 

依頼達成必要ポイント 200 ※なお、超過分は次の依頼に持ち越せる

 

 

「依頼達成に必要なポイントは200ポイントですか………」

「ポイントが大きいのはやっぱりボスや幹部関連だけど………そもそも、どうやって広大なこのカルバードでボスや幹部の正体を探るかが難点よね〜。」

「マーティ、ちなみにこの『”エースキラー”の応援要請に応じての協力』というのはどういう意味?」

データを確認したタリオンは考え込み、イセリアは真剣な表情で呟いた溜息を吐き、ある事が気になっていたラヴィはマーティンに訊ねてあ。

「エースキラーの連中の方から俺達に応援に来てくれとの要請があった際、その要請に応じてエースキラーの捜査や戦闘に加勢する事だ。当然その時に達成した他の貢献――――――ボスや幹部の写真もそうだが討伐や捕縛等もエースキラーの捜査や戦闘時に協力した際の達成でも達成扱いするとの事だ。」

「という事は一番良いのはエースキラーの方々からの応援要請があった際に、応援に向かってエースキラーの方々に加勢し、その際にボスや幹部達を制圧する事ですね。」

「問題は連中の方から私達に応援要請をするかどうかよ。”灰の剣聖”の話によれば北の猟兵(わたしたち)よりも遥かに上のランクの猟兵団――――SSSランクの”斑鳩”まで”A”の捜査に協力している上、その”斑鳩”を率いている”副長”で”灰の剣聖”にとっての姉弟子にも当たる”白銀の剣聖”とやらまでエースキラーのメンバーの一人だそうだし。……そういえば、さっきから気になっていたけどローガンは今回の大きな依頼に関わっているのかしら?てっきり、この拠点で合流すると思って到んけど。」

マーティンの説明を聞いたタリオンが考え込んでいる中、イセリアは溜息を吐いて呟いた後ある疑問を思い出してマーティンに訊ねた。

「あいつは生き残りの連中の中でも選りすぐりの数名と共に別働隊として俺達とは別に行動するとの事だ。――――――話を戻すが、"A"の捜査と並行して、”支援要請”にも協力して欲しいとの事だ。」

「”支援要請”、ですか?それは一体………」

「市民もそうだが警察やGID、果ては政府の様々な要望に応える――――――要するに遊撃士協会(ギルド)の真似(パクリ)の拡大版のようなものだ。」

「それってつまり、私達に遊撃士の真似事をしろってことじゃない……」

マーティンの説明を聞いたイセリアは表情を引き攣らせながら指摘した。

 

「エースキラーの連中も捜査と並行して請けているそうだし、俺達もある程度は請けて協力した方がメンフィルもそうだがクロスベルの印象もよくなるだろうし、”支援要請”を達成すれば”報酬”として内容に応じたミラが振り込まれる上、貢献ポイントにも0.1と僅かではあるが加算されるから全くの無意味という訳ではないぜ。」

”支援要請”について思う所がある様子のイセリアにマーティンは自分達も”支援要請”を請けた時のメリットを説明した。

「……なんにせよ、私達はしばらく旧首都(ここ)を中心にして活動するのだから、ここの地形を把握すべき。」

「そうですね。このイーディスはかつての共和国の首都だけあってハリアスクすらも比較にならない程の広さのようですし、色々と見て回った方がいいでしょうね。」

「さんせ〜い!それじゃあ、早速旧首都の観光がてら街巡りをしましょう♪」

「やれやれ……………」

そしてラヴィの提案にタリオンとイセリアがそれぞれ同意している中、マーティンは溜息を吐いた後ふとある事を思い出して真剣な表情を浮かべた。

 

数日前――――――

 

〜王都ヘイムダル・バルヘイム宮〜

 

「北カルバードの総督――――――ロイ・グラムハートの内偵だと?」

「ああ。情報局はグラムハート総督の政治方針が”ゼムリアの平穏”を乱すかもしれないと危惧してグラムハート総督関連を調べている。あんたにはカルバード両州での””A”の捜査がてら、グラムハート総督に関する情報を調べておいてほしい。」

「”ゼムリアの平穏の為”ねぇ………他国――――――それも、ヨルムンガンド戦役でエレボニアを敗戦させた国の片方にして現在この国を保護しているメンフィルの盟友の総督を調べるなんて事をしていた事実をクロスベルもそうだが、メンフィルにも知られたらエレボニアは不味い立場になるんじゃねぇのか?」

数日前レクターから聞かされた情報局への協力内容を知ったマーティンは真剣な表情でレクターに確認し

「その点に関しては大丈夫だ。グラムハート総督に関してはクロスベルもそうだがメンフィルもそれぞれ探っていて、既に両帝国からもグラムハート総督の内偵の許可は得ている。」

確認されたレクターはマーティンの懸念は無用である事を告げた。

 

〜現代〜

 

「……………………」

「マーティ、どうしたの?」

数日前の出来事を思い返して黙り込んでいるマーティンが気になったラヴィはマーティンに声をかけたが

「……何でもない。それじゃあ行くぞ。」

対するマーティンは答えを誤魔化した。

 

こうして……それぞれの勢力が始動した――――――

 

説明
外伝〜それぞれの始動〜

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