仮面ライダー×真・恋姫†無双 魏編 第7章
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官渡の戦いから一ヶ月以上が過ぎた。とりあえずは盗賊退治以外はこれと言った戦闘はしていない。

袁紹の河北四州を手に入れ華琳の勢力範囲は一気に倍増したのだが、その為、華琳は周囲の諸侯から今まで以上に警戒される存在になったため、

国境警戒と袁家に縁のある豪族の制圧のための出動が皆、多くなったのだ。もちろん一刀も…。

 

「ふぅう、めんどさくさいな〜」

「文句を言うなです」

 

一刀は国境付近で暴れていると言う盗賊退治のため、自分についてきた恋とねねをつれて出掛けていた。(月と詠もいるが基本的に兵達や一刀達のお世話係)

ブルースペイダーの上でゆっくりと行軍している一刀は後ろの兵達を見て愚痴をもらすのをねねが怒る。

 

「めんどくさいのはお前だけじゃないのです!」

「そりゃあ、そうだけどさ…。ここまで出撃が多いとなると…」

 

一刀の戦い方は人を殺さないもの。そのため殺さない戦いは盗賊にしろと華琳の命令を受けて盗賊退治の出撃回数はいつのまにか一番になっていた。

 

「一刀…」

「うん?」

 

恋が一刀に声をかける。(最初恋は一刀を自分のご主人様と言いそうになったが、一刀は華琳の部下であり、一刀もむずむずすると言い呼び捨てにさせた)

 

「…恋もがんばるから、…一刀も頑張る」

「そうか……」

 

恋の励ましに一刀は心が潤った気分になり、笑顔を見せる。

 

「それに俺が聞いた話によると、今華琳の所には真桜に風に桂花しかいないみたいだからな。

何かあるといけないから、ちゃっちゃっと終わらせようか!」

「任せるのであります!」

 

そして一刀達は自分達の退治する盗賊の砦に到着、ねねと詠の知略、恋と一刀の力により盗賊退治は着いてその日のうちに終わった。

しかし盗賊退治は終わったが、一刀には盗賊からとんでもない事態を耳にした。

 

「何!? お前それは本当か!?」

 

一刀が盗賊団の首領の服を無理やり掴んで首領を前後に振り回す。

 

「ほ、本当だよ。劉備が曹操のところに行くってのは俺がこの目で見たんだ。

だから俺はこれを機にここで……」

「くそ! ほとんど囮じゃないか!」

 

一刀は首領を突き放して、隊員に首領の捕縛を命じ自身は急いでブルースペイダーに乗り込む。

 

「一刀さん、何かあったのですか?」

 

月がなにやら慌しい様子の一刀を見て尋ねた。

 

「劉備軍が華琳の所に言ってるらしいって聞いた。嘘の可能性はあるかもしれないが、

どうも心配になってきたから、俺だけ先に帰る。恋達にも可能な限り早く帰るように伝えてくれ」

「わかりました」

「後の処理とかは詠やねねに任せるからな」

 

一刀はそう言ってブルースペイダーを急いで動かして、華琳の元へと急ぐ!

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その頃華琳のいるところでは一刀が聞いたとおり、劉備軍に攻められており、

華琳の元には今は将が真桜くらいしかおらず、華琳も前線に出ていた。

その華琳は関羽と戦っていた。

 

「伊達に前線に立つわけではないか。……なかなかやる!」

「舐めてもらっては困るわね。しかし…さすが関羽…良い腕だわ。どう? 私のもとに来ない?」

「この状況で減らず口を…!」

 

戦闘中に関羽を勧誘する華琳。しかし言ってるほどの余裕はそんなにない。

 

(さすが天下に謳われる関雲長。まともにやり合えば保ってあと数合というところかしら)

「ここか!」

 

関羽と華琳に戦いに趙雲も参入する。

 

「星。お前は周りを頼む。私は曹操を!」

「いや、周りはもう既にいない…、曹操覚悟!」

 

関羽と趙雲、二人の攻撃に華琳も限界が来る。

 

(だめ、もう保たない!)

「Clock over」

「ぐわ!」

「ぐっ!」

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華琳が覚悟を決めた瞬間、突然関羽と趙雲が吹き飛ばされたのだ。

華琳はその時思わず目を閉じていた。華琳が関羽と趙雲のやられる声を聞いてゆっくりと閉じた目を開ける。

華琳の目に映るのは謎の戦士の後姿。いや華琳は知っている。

華琳の前にいたのは仮面ライダーカブトに変身した一刀であった。

 

「一刀!」

「本当にギリギリ間に合ってよかったよ、華琳…」

 

一刀が華琳の方を振りむく。

 

「どうしてあなたがここに? 盗賊殲滅に行ったんじゃ?」

「行ったよ。すぐに終わったんだが、盗賊の頭からお前が劉備軍に襲われると聞いてな。心配になって一人だけで帰ってきた。

それと見るからにもう戦える兵がいないぞ。城に下がったほうが良い」

「ここで兵を引けというの!? 劉備を相手に負けを認めろと?」

「ああ、だがまだ死んだわけじゃない。城まで下がって、春蘭達の合流を待てばいくらでも活路は見出せる」

 

一刀の意見に華琳は猛反発する。

 

「嫌よ! あの子のように甘い考えに膝を折るなんて…この私の誇りが許さないわ!」

「だから関羽と趙雲の二人と正面から戦っていたのか? 俺にしたらそっちのほうが馬鹿げてるぞ」

「馬鹿で結構。理想を貫くことを馬鹿と言うなら、それは私にとっては褒め言葉だわ。

それで野に散ったとしても、それこそ本も…」

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華琳が言い終える前に、一刀は華琳に平手打ちを与える。もちろんカブトも常人以上なのでかなり手加減をしている。

 

「俺はそんなに馬鹿は嫌いじゃない。だがな……自分の命を大事にしない奴なんて馬鹿じゃなくても嫌いだ!」

「かず……と……」

「それにな、この一戦で負けただけで、華琳が劉備に負けたことになるのか!?

そんな訳ないだろ! お前はまだ生きている! 負けってのは膝を折って、死んだときだろ? 信念が折れたときだろ? 

それを俺に言ったのはお前だ、華琳! あの言葉を嘘にするつもりか!?」

 

一刀に初めて心の底から怒鳴られる華琳。今まで華琳のちょっとしたおふざけに一刀は怒ることは多々あった。

だが重大なところで一刀が怒ったことは一度もない。今初めての経験である。

 

「……」

「……今は城に引け。城に戻って、体制を立て直して籠城する力くらいは残ってるだろ?

春蘭や秋蘭、それに恋達が戻ってくるまで持ちこたえれば最後は勝てる。絶対に!」

「一刀……」

「春蘭や秋蘭がいないところで華琳が死んだらあの二人にどう説明すればいいんだ? あの二人俺以上に強くなって俺が死んじまう。だろ?」

「ふふ、そうね」

 

華琳の顔に笑みが浮かぶ。

 

「落ち着いたようだな」

「ええ、どうやら劉備との舌戦で少し頭に血が上っていたようね」

「華琳が劉備に何を言われたが知らないが、いつものお前らしくないってのはすぐに分かったよ」

「一刀の言うとおり、一度城に退きましょう。一刀、風と桂花、それに本隊にも撤退命令を出して。

後、可能であれば殿をお願いしたいのだけど……」

「任せな、カブトエクステンダーも少しなら勝手に動くし、クロックアップで足止めしておく」

「それと……」

「うん?」

「私は嘘をつく気はないわよ」

「そうかい…」

 

カブトの仮面の下で一刀は微笑んだ。

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一刀の足止めにより、兵達は何とか全て城に収容され、門が閉じるギリギリに一刀もカブトエクステンダーに乗りこんで滑り込みで入った。

一刀はいったん変身を解いて、桂花に尋ねる。

 

「ところで真桜はどうした?」

「真桜は別の作戦があるからそちらを任せているだけ」

「そうか、ならいい」

「よし! 総員城壁の上に待機! 籠城戦で敵を迎え撃つわ! 何としても春蘭達が帰ってくるまで耐えきってみせるわよ!」

 

籠城戦が始まり、劉備軍は普通に攻めてくるわ、抜け道を見つけて攻めてくるわの連続だったが、何とか華琳達は耐えていた。

一刀は敵が隊を分けて、休む部隊と攻める部隊に分けていることに気づき、華琳も同じ事をしようとした時、ついに来た。

それは各地に散らばっていた華琳の将達である。

 

「あれは春蘭に霞に秋蘭に凪、それに真桜と恋達も……どうやら同時に着いたみたいだな!」

 

一刀はカブトゼクターを手に持つ。

 

「悪いが先に行かせて貰う。変身!」

「Henshin」

 

一刀は城壁から飛び降りながら、カブトマスクドフォームに変身し、着地する直前にキャストオフし、ライダーフォームにチェンジする。

 

「Change Beetle」

「またきやがった…、赤い奴だ……」

 

劉備軍の兵はカブトの姿を見て恐れる。

 

「恐れるな! いくら強いと言えど奴も人の子。勝てないどおりはない!」

「それはお前たちも同じだ」

 

関羽の言葉に一刀が相殺の言葉を送る。

関羽達が一刀と戦うがさすがにクロックアップには対応できない。

一刀は体の負担もあるが、あまりやりすぎてはいけないと礼節を持っているようでクロックアップをそこまで多用はしてないが、

それでも特訓を重ね、仮面ライダーの力もあいまって、単純な力比べこそ負けるが、一刀の総合的な力は関羽にも負けないものとなっていた。

そしてやってきた援軍と共に見事劉備軍を退けることに成功した。

 

「劉備の軍が撤退していく…」

「ようやくひと段落だな」

 

変身を解いていた一刀が華琳の元に寄る。

 

「そうね……」

「しかし恋はともかく、春蘭達もこんなに早く着くとは思わなかったぜ」

「本当は今日の日暮れ頃に着くはずだったのよ。それがこんなに日が高いうちに来てくれるなんて…私だって思わなかったわ」

「やはり華琳は愛されてるって事だな」

「そうね、帰ったら、秋蘭と一緒にたくさん可愛がってあげないと…」

「しかし今回の戦いはすごく疲れた」

 

一刀は疲れたそぶりで座り込む。

 

「あら。初陣でもあるまいし」

「あのな、盗賊退治の連続だけじゃなくて、戦闘中のクロックアップ多用。それだけでもかなり疲れるもなんだぜ」

「……何よ。だらしないのね」

「いいだろ、別に……」

 

華琳は突然、一刀の顔を自分の胸元に近づけた。

 

「ウェ!? 華琳さん…?」

「いいから、黙っていなさい」

「ああ」

「今日はありがとう。一刀のおかげで死なずに済んだわ」

「……」

「何か言いなさいよ」

「いや、黙ってろって言ったからさ」

「ばか」

 

二人はしばらくそのままで長い沈黙が続く。

 

(この子の笑顔、また見れてよかった)

 

一刀はまた改めて、華琳のために戦うことを決意する。

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おまけ

 

 

作者「どうかな? 仮面ライダー×真・恋姫†無双 魏編 第7章」

一刀「まさか予告になしに第6章と同じ日に投稿するとは思わなかったぜ」

作者「まあ投稿を決めたのは急だったからな」

一刀「何かあったのか?」

作者「明日は何の日だ?」

一刀「クリスマスイブだが?」

作者「その通り。で次の話は物語が少し飛んで結構大事な話になるから、そんな大事な話はこういった日に送るべきかなと思ってな」

一刀「一体どんな話なんだ?」

作者「それは明日のお楽しみだ。それと本編とは別の超外伝としてクリスマスイブネタを投稿しようと思っている」

一刀「マジでか!?」

作者「それに合わせるようにしたいからとりあえず第7章を今日投稿して、第8章を明日投稿して、超外伝を投稿しようと思っているんだ」

一刀「つまりその超外伝と第8章はリンクしているのか?」

作者「リンクと言うわけではないが、まあ超外伝を先に投稿すると第8章のネタバレになっちまうから、それを防ぐためだ」

一刀「第8章にいったいどんな事が…」

作者「それではまた…!」

説明
基本的には真・恋姫†無双の魏ルートの話ですが、もしも北郷一刀が仮面ライダーの力を手に入れたらという妄想から生まれました。
そして流れも基本的に原作のままですが、仮面ライダーの力があるためセリフや一刀の態度が違うところや話そのものが大きく違うところも出てきたりします。
そのためそんなの嫌だという方は閲覧をご遠慮願います。
先に言いますが一刀が手に入れる仮面ライダーの力は全部で3つです。何が出るかはお楽しみ。
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コメント
ライダーキックで敵を倒したら終わり(渡部一刀)
期待大です。(ブックマン)
気になるね〜(スターダスト)
おぉ〜良いねぇ〜やっぱカブトは強くなくては!!(アキエル)
タグ
真・恋姫†無双 仮面ライダー×真・恋姫†無双 魏編 第7章 一刀 仮面ライダー 真・恋姫無双 仮面ライダーカブト 

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