対決!小早川瑞樹vs東豪寺麗華vs天王寺うらら fromアイドルマスターコミカライズ
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_『アイドルアトラクションレースin〇〇市新設テーマパーク(仮題)!』

 今回のロケの台本の表紙にはそう書かれていた。

瑞樹「たまにはこういう身体動かす仕事もいいかなぁ。」

 私の名前は小早川瑞樹、高校生兼 西園寺プロダクション所属の人気アイドル、

今日は遠征して地方都市のロケに来ている、町おこしとして新設されたテーマパーク

での特別番組に出演するのだ。

麗華「しかも各プロダクションから選出されたアイドルで対決するなんて、

 おもしろいじゃない。」

 控え室で私の隣に座っている麗華がそう言った。

瑞樹「選出って、あんたの場合 自分から出演決めたんでしょ。」

 この東豪寺麗華は東豪寺プロダクションのユニット「魔王エンジェル」のリーダー

でプロデューサーも務めている、さらには東豪寺プロの社長令嬢、アイドルで

ありながらもいろんな権限を持ってるちょっと凄い娘だ、自信に溢れた

立ち振る舞いからファンからは「麗華様」と呼ばれている。

 以前ふとしたことから知り合いになって仕事で顔を合わせる時もこうして

軽く話をするようになった。

麗華「衣装合わせは手短に済んだのね、今回は。」

瑞樹「う、障害物競走みたいなものだからスポーティーで動きやすい服で

 いいのよ。」

 今回の番組の内容はテーマパーク内でのレース形式となっている、

各プロダクションのアイドルが場内やアトラクションスペースの一部を使って

障害物を避けながら1位を目指すのだ。

瑞樹「それにしても出演するのがうち含めて3社なんて少ないわね、あんたの所が

 何か手回ししたんじゃないのぉ?」

麗華「そんなことしないわよ、テーマパークを建設したてで先方が予算を派手に

 使えないんですって。」

 まぁ正直 私は自分が目立てればそれでいいんだけど、だったら残りの

出演するアイドルは・・・?

うらら「あなた達が今回の共演者ね。」

 私達の後ろから、長いポニーテールをふたつに分けている見慣れないアイドルの

娘が近づいてきた。

瑞樹「あんたは?」

麗華「ああ、貴女は確かコスモプロダクションの「天王寺うらら」さんね。」

うらら「まぁっ、社長令嬢の麗華さんに知ってもらえてるなんて嬉しい!」

 その娘は麗華に名前を当てられ軽くリアクションを取った、

        コスモプロダクションの天王寺うらら・・・、

正直知らないアイドルだった、でも今回の収録に出演するということはそれなりに

プロダクションから期待されてるアイドルなのだろう、背丈や体格が私と近いのが

なんか気になるけど。

うらら「それと隣のあなたはー。」

瑞樹「小早川瑞樹よ。」

 とっさに自分から名乗ってしまった、万が一「あなた誰だっけ?」なんて軽口を

言われて気分を乱したくないと思ってしまったからだ、セルフマネジメントよ。

うらら「よろしく 小早川さん、共演するのは初めてね、西園寺プロの売れっ子

 なんですってね♪」

 当然よ、うららという娘は丁寧な物腰で近づいて来た、挨拶だけしたいわけじゃ

なさそうだ。

麗華「改めて、二人とも今日はよろしくね、それで?何か話したいことが

 あるのかしら。」

うらら「そうそう、収録が始まる前にお二人と収録の流れを打ち合わせをしたいと

 思ってたの。」

 にこやかだけど作り笑いをしてるようにも見える、そんな印象を受けた。

瑞樹「何かしら?私はだいたい頭の中に入ってるけど。」

 にこっと笑顔を作りうららは、

うらら「今回のレース、1位のアイドルには専用に告知タイムが貰えるそうよ。」

麗華「そうね。」

うらら「二人とも事務所を代表する人気アイドルじゃない?地方ロケの特番で

 わざわざ人気取りするほどでも無いと思うなー。」

だんだんこの娘の魂胆が見えてきた。

瑞樹「それで?」

うらら「だから、今回のレースは私に1位を取らせてくれない?私

 「プチプラ☆ネット」ってユニットで売り出し中なのよ〜。」

 うららは両手を合わせ可愛らしくウインクした、何を言い出すかと思えば

「やらせ」をお願いしてくるなんて・・・、やっぱり作り笑いの裏には欲深いのを

隠し持っていたのね、でもねこの私がそんなお願い聞くわけないじゃない、

当然突っぱねてやろうと思っていたらー

麗華「あら、何を言い出すかと思えば、そんなに自分の実力に自信がないの

 かしら。」

 麗華が先に答えた、麗華もにこやかだけど威圧感が漂ってる、

それに臆さずうららは、

うらら「そうじゃないけど、売り出し中のアイドルが頑張る姿って"華"が

 あるじゃない?番組的にもそのほうが映えるんじゃないかな〜。」

 話にならないわね、私ははっきり、

瑞樹「お断りね、チャンスは自分で掴み取る、じゃないと人気なんて

 取れないわよ。」

麗華「私も同意見よ。」

うらら「あら、残念〜。」

 私達に突っぱねされてもうららは平然としていた。

スタッフ「すみません!収録の準備できました、現場入りお願いしまーす!」

 そんな話をしていたらタイミング良くスタッフから収録開始の声がかかった。

瑞樹「勝のは私よ。」

麗華「いいえ、私よ。」

 やれやれ 今回の収録、どうなるのかしらね。

 

 収録開始前にコース全体を見渡しスタッフからの説明が入る、本格的な競技

というよりはテーマパークの情景を写しながらのゆるい感じに進行していくらしい、

それでも私が勝つけどね、ちょうど新曲のリリースも控えてるし。

 麗華も自信あり気な様子でうららもさっきのやりとりなど気にとめてない様子だ。

スタッフ「それでは本番始まります!!3、2、1、!!(指で合図)」

司会「始まりました!アイドルアトラクションレースinハッピーピーチランド!!」

 テンションの高い司会が始まる。 

司会「このレースでは各プロダクションから選ばれたアイドルにテーマパークを

 駆け巡り対決していただこうと思います、先にゴールフラッグをゲットした

 アイドルの勝ち!豪華賞品が待っております!!」

 「頑張れー!」「みんな可愛いー!!」「麗華様ー!」

 ギャラリーは地元の人達やファンの人も混じってるみたい、応援席からも

手を振っている女性達が居る。

司会「選手紹介!東豪寺プロダクションより東豪寺麗華!!

        西園寺プロダクションより小早川瑞樹!!

        コスモプロダクションより天王寺うらら!!」

 ギャラリーの黄色い声援が飛び交う、そして司会者は応援席の方を指した。

司会「しかもうららさんのために、プチプラ☆ネットのメンバー、

 逢海キサラさんと古渡恵衣さんも応援に来ています!」

 なるほど、うららの仲間だったのね・・・あれ?魔王エンジェルのあと二人は

来てないのかしら、まぁいいわ。

スタッフ「それでは位置に付いて、よーい・・・スタート!!」パンッ

 ピストルの合図と共にスタートだ、まずは見渡しの良い通路、見ると

桃色のたぬきの着ぐるみが何匹か待ち構えていた。

「タヌタヌ」「タヌタヌ」

司会「アイドル達の行く手をふさぐのは我が〇〇市を代表するマスコットキャラ

 「桃タヌ」です!それが集まり我らが精鋭、その名も桃タヌ隊!!」

 これが障害物みたいね、でも足は短く動きは鈍そうだ、こんなの避けるのは

簡単だけど・・・。

「タヌっ」

瑞樹「いやあ〜離してぇ〜。」

 私はわざと1匹のたぬきに捕まる、こうして愛嬌を振りまくのも大切なのだ、

台本にあったとおりたぬきは簡単に離してくれた。

司会「おお〜っと、瑞樹ちゃん出遅れたか〜。」

 これも計算のうちよ、ゴール近くまではテーマパーク内の施設がなるべく

カメラに移るように走ればいいってこともわかってるんだから、通路が枝分かれ

してるから麗華やうららが通って無い方を走るわ、順調ね。

 ---

司会「各アイドル達がいよいよゴールに迫ってきました、だがその前には

 ボルタリングの坂が待ち構えているぅー!」

 司会者が大げさに実況してるけどファミリー向けの優しいボルタリングの坂だ、

しかも目立った障害物は無いし私が一番乗り、このまま一気にゴールまで

駆け抜けるわよ!

瑞樹「楽勝ね!」

 順調に坂を登っていくと、

ドン!いきなり横から何かがぶつかってきた、その方向を見るとあのうららとか

言う生意気なアイドルが私にタックルを仕掛けてきたようだった、

なにすんのよ痛いわね!

うらら「ごめんなさ〜い、バランス崩しちゃって。」

瑞樹「妨害しといて白々しいわね!」

司会者「おおっーと!ここでアイドル同士のぶつかり合いだぁー!」

 ここではぶつかったくらいじゃ反則にならないらしい、上等じゃない。

瑞樹「あんた随分必死じゃない!お願いを聞かなかった当て付け?」

うらら「・・・勝つためならどんなことでもやってやるのよ、

 トップアイドルになるためならね!」

 控え室でにこやかにしていた時とは裏腹に真剣で気迫に満ちた表情をしてる、

やり方は褒められたものじゃないけどこの娘なりにアイドルの活動には本気なのね

でもー

瑞樹「私だって負けないんだからね!」

 負けじとお互い押し返しながら前進する、すると私達の頭上の方から声がした。

麗華「そのとおり、勝負の世界は厳しいものよ、だから貴女達はそこで

 戯れてなさい、じゃあね♪」

 麗華だ、私達が争ってる隙に追い抜いたのね、そういえばこの女も

そういう奴だったわ。

麗華「ぎゃ!!」

 私達を置いて先に登ろうとした麗華が声を上げた、見ると坂の頂上から

バランスボールのような物が何個も転がり落ちてきた、そのうちの一つが麗華に

ぶつかったのだろう、でも麗華はしぶとくしがみ付いていた。

うらら「な、なに!?」

りん「オーホッホッホ、ゴールへは簡単に行かせないわよ!」

 ウェーブのかかったツインテールのアイドル、魔王エンジェルのメンバーの

朝比奈りんが頂上で高笑いしていた。

麗華「ちょっと"りん"!そんな所でなにやってるのよ!ていうかなんで

 私まで妨害するのよ!」

 どおりで応援席に居なかったわけだ、麗華も知らなかったらしい。

りん「いっひっひ〜、サプライズってやつ〜、今のりんちゃんは桃タヌ隊のリーダー

 なのだ!りんちゃん特製お邪魔ボールをくらいなさい!落ちた娘は

坂の下の子分ちゃん達が捕まえちゃうからね〜♪」

「タヌタヌ」「タヌタヌ」

 いつの間にか坂の下には桃タヌ隊のたぬき達が集まっていた、ここから落ちて

捕まっても大したことないけど明らかにタイムロスで他のアイドルとの

差が開いてしまうわね。

りん「ほらほら、どんどん投げちゃうよ、いひひ〜♪」

麗華「なに楽しんでるのよ〜!!」

うらら「もう!だから地方ロケは好きじゃないのよ!」

瑞樹「あたしらしくないけど根性で登ってやるわ!」

司会「おお〜!りんちゃんのボール攻撃にもくじけずアイドル達が登って

 いくぞー!」

 ---

 「ぜぇ・・・ぜぇ・・・。」

りん「あらら〜突破されちゃったぁ、じゃあ私はこれで失礼〜。」

 なんとかボール攻撃に耐えながら頂上まで登りきった、麗華とうららも

転がり落ちなかったみたいね・・・、後はゴールフラッグを私が先にゲットするだけ、

走りだそうとしたその時にショートヘアーの女性が立ちはだかってきた。

麗華「ともみ、あんたまで!?」

ともみ「私は最後の関門、誰一人ここは通さないわ。」

 魔王エンジェルのメンバーの三条ともみだ、私達の行く手を遮るように

構えている、しかもあの女は身長が高いので厄介だ。

麗華「あんたもサプライズってやつ?いいわ、他の二人を捕まえなさい!」

ともみ「駄目よ。」ガシッ!

麗華「ってなんで私を真っ先に捕まえるのよ!」

瑞樹「チャンス!麗華、あんたの犠牲は無駄にしないわ!」

ともみ「あなたも。」ガシッ!

 麗華が捕まった隙に通り抜けようとしたら私も捕まっちゃった!

しかも"ともみ"の力が強く振り解けない!

うらら「もらったわ!これで私の勝ちね!」パシッ

司会「ゴぉール!!1位はコスモプロダクションより天王寺うららだぁー!!」

 なんてこと・・・、私と麗華が捕まってる間にうららが1位を取るなんて・・・。

 決着は付いてしまった、ほどなくして私達は"ともみ"から解放されて、

締めくくりの表彰式へと移った。

司会「おめでとうございます!うららさん!」

うらら「ありがとうございます!まさか1位を取れるなんて、嬉しいです!」

 さっきは地方ロケは嫌だとか言ってたくせに、私は表情を崩さないながらも

内心悔しかった、けど麗華は落ち着きはらっている。

司会「それでは1位の"うらら"さんには〇〇市名物・特製桃タヌ印の饅頭を

 贈呈しまーす!!」

「タヌタヌ」

 と、うららの前にメロンパンより大きな饅頭をたぬきがワゴンで運んできた、私も、

当然うららも困惑している。

うらら「ええ!?1位になったら告知タイムを独占できるんじゃないの!?」

司会「いえいえ、告知タイムは3人仲良く順番にです、では麗華さんから。」

麗華「 、え!?わ、私の写真集が出まーす「EmpressRed」よろしく♪」

瑞樹「あ、私は今度新曲「WestGarden」が出るわよ、買いなさいよね!」

うらら「わ、私達プチプラ☆ネットはソーシャルゲーム「パズるコスモ」と

 コラボしまーす、是非インストールしてね!」

 あっけに取られる私達をよそに司会者は告知タイムを振ってきた、戸惑いながらも

私達はしっかり自分のアピールするべき事を伝えた、

このレースはなんだったのよ・・・。

 ---

 収録は無事終わり控え室に戻る、魔王エンジェルの3人も控え室に戻っていた。

スタッフ「いや〜すみません、印刷ミスでした!でもプロデューサーからは

 好評でしたよ、じゃあお疲れ様でした!」

 伝えることだけ伝えるとスタッフはそそくさと控え室を出て行った。

麗華「台本を見直したけどはっきり"1位のアイドルにだけ告知タイムを提供"

 って書いてあったわ、それが印刷ミスだなんて。」

瑞樹「3人とも仲良く告知タイムがあるなんて、無駄に張り切って損したわ。」

 徒労に私も麗華も気だるそうに椅子に座り込んでいた。

麗華「それにしてもあんた達ねぇ、リーダーの私を妨害するなんて

 いい度胸じゃない。」

りん「だって〜"ひいき"なんかしたら炎上しちゃうかもしれないじゃ〜ん。」

ともみ「忖度は良くないわ。」

 2人は麗華の苦言にも どこ吹く風といった感じだ、付き合いが

長い仲だからこそ遠慮の無いやりとりができるのだろう。

瑞樹「あれ、あの娘は?」

 あたりを見回すとあの天王寺うららもメンバーの2人も居ない。

麗華「先に帰ったみたいよ、あとこれ。」

 麗華が指さした先にはテーブルの上に乗った切り分けた饅頭と書き置きがあった。

(食べきれないからわけてあげる、貴女達もなかなかやるけど

 トップアイドルになるのは私よ。_天王寺うらら)

瑞樹「まったく、口が減らない娘ね。」

麗華「貴女も人のこと言えないでしょ?」

瑞樹「それを言ったらあんたも。」

りん「あははw3人とも似た者同士じゃん。」

瑞樹&麗華「「どこが!」」

ともみ「ふふっ。」

 こうして今日の遠征の地方ロケは終わったのだった。

 後日、うららが告知していた例のソシャゲをやってみたら確かにあの

プチプラ☆ネットはコラボしていた、

しかしうららのイメージ写真を見るとプチプラ☆ネットの衣装バージョンと

桃タヌの着ぐるみを着せられているバージョンがあった、

着ぐるみの方は顔は笑っているが若干口元がひきつっているのが見えた。

瑞樹「ふふっ、あんたもなかなかやるじゃないw」

 

 

この作品はフィクションであり、実在する、人物・地名・団体とは一切関係

ありません。

説明
アイドルマスターシリーズのコミカライズのキャラの二次創作です。
それぞれの原作の最終回の後という設定です、
また、小早川瑞樹と東豪寺麗華は顔見知りという設定も付け加えてます。
小早川瑞樹、アイドルマスター(漫画版)に登場。
東豪寺麗華と魔王エンジェル、アイドルマスターrelationsに登場。
天王寺うららとプチプラ☆ネット、アイドルマスターColorfulDaysに登場。
テーマパークやマスコット等その他の設定は自分が考えました。
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タグ
アイドルマスター 小早川瑞樹 東豪寺麗華 魔王エンジェル 天王寺うらら 

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