英雄伝説〜黎の陽だまりと終焉を超えし英雄達〜
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メンフィル帝国領・南カルバード州・煌都ラングポート――――――

 

〜東方人街・華劇場〜

 

メンフィル帝国領である南カルバード州の湾岸都市にして多くの東方人達が集まるカルバードの”三大都市”の一つ――――――煌都ラングポートの東方人街にある華劇場で東方風の華美な服を纏った女性らしき人物が東方風の演奏に合った双剣による剣舞を舞い、剣舞を終えると観客達は拍手喝采を送った。

「うおおおおおおおおおっ!!」

「アーローン!!」

「こっち向いてえええっ!!」

拍手喝采の中観客達の声に応えるかのように女性らしき人物が顔に被っていた女性のマスクを脱ぐと真紅の髪の青年の顔が現れた!

「キャアアアアアアアアッ!!」

顔を顕にした青年の顔を目にした観客の女性は歓声を上げた。すると青年は再び女性のマスクを被って他の観客達に視線を向けた。

「おおおおっ!!」

「あざとすぎだろ!もっとやれー!!」

青年の行動に観客達は再び歓声を上げて拍手をし続けていた。

 

「……まったく、調子に乗っちゃって。」

「フフ、それがアーロンの短所でもあり、長所でもあるのだから困ったものよね。」

観客席からその様子を見守っていた黒髪の東方人の娘と薄紫の髪の女性はそれぞれ苦笑し

「さすがは羅州の小覇王。幼馴染や姉兼育ての母としても鼻が高いのでは?」

二人の中央に座っていた眼鏡の男性――――――チョウは感心した様子で青年を見つめながら二人に指摘した。

「ふふっ、それなりにはね。」

「うーん、義理人情に厚く根が真っ直ぐで多くの人達を惹きつける子に育った事は私にアーロンを託してくれたユエファにも誇れるけど、口が悪い事や下品な事を平気で口にする子に育ってしまった事にはユエファには申し訳ないわね……」

チョウの指摘に娘が同意している中女性は困った表情で答え

「アーロンは元々ああいう性格だから、マティ姉さんが責任を感じる必要はないわよ。それに前者はともかく、後者の性格に関してはアーロンくらいの年齢の男は大抵そんなものよ。」

「ハハ、同じ男性として耳が痛いお言葉ですね。」

女性に対してフォローの言葉を口にした娘の話を聞いたチョウは苦笑しながら呟いた。

「あっ、私が例に出したのはあくまでそこらの男の話で、チョウは違うからね!?と、とにかく今夜の公演、無事終わってよかったわ。少しはアイツの”熱”も発散できたんじゃないかしら?」

慌ててチョウにフォローの指摘をした娘は気を取り直して青年を見つめ

「ええ、そうですね――――――(……まあ、そうもいきませんか。)」

娘の言葉に頷いたチョウだったが自身のザイファにメールが来てその内容を確認すると内心では溜息を吐いていた。

(さて、留守にする間、どんな手を打つかですが……)

そしてチョウは意味ありげな笑みを浮かべて今後の策について練り始めた。

 

「ハッハー、女共に男共も含めてチョロすぎんだろ♪ま、オレ様にかかりゃあ最高に盛り上がんのは当然だけどな!」

一方その頃主演を務めた赤髪の青年は楽屋裏で衣装を脱いでシャツ姿になると上機嫌で観客達の反応を語っていた。

「アーロン君、素晴らしい演舞だったが最後のはちょっとやり過ぎじゃ……」

そこに支配人が青年に近づいて苦言をしたが

「あ?サービスだろサービス。文句あんなら次の舞台は降りるかよ?」

「ふう……それを言われると辛いねぇ。」

青年の反論を聞くと溜息を吐いて青年への苦言を止めた。

「まあ、この盛り上がりはコイツあってのものですからねぇ。」

「いつも振り回される身になって欲しいもんだけど……ま、楽しい舞台になるのはアタシらとしても大歓迎だよ。」

「だろ?見る側も演る側も楽しんでナンボってもんだぜ!そんじゃ打ち上げと行くか!ダチや女共も含めて来たいヤツは――――――」

「アーロン……ッ!」

一方青年と共演した役者たちは好意的な意見を口にし、それらの意見に同意した青年は打ち上げを提案しかけると切迫した声によって中断された。

 

「あんだよセイ?ケツ穴に爆竹ぶっ刺されたような顔しやが――――――おい……その傷は。」

切迫した声の主がその場に慌てて駆け付けた様子の友人の登場に驚いた青年だったが友人の顔や身体の数ヶ所にある傷を目にすると真剣な表情を浮かべた。

「れ、例の”新参者”どもだ……!急に襲って来て……シドとホアンが病院に運ばれた!!」

「……ククク。北の田舎モンが舐めやがって。上等だ――――――叩き潰してやるよ!!」

そして怪我をした友人の話を聞くと不敵な笑みを浮かべて友人達に怪我を負わせた者達への報復に向かい始めた。

 

9月15日――――――

 

〜新市街〜

 

イーディスのように近世的な建物や街並みになっているラングポートの新市街にある国際空港からクロウ、アンゼリカ、クレアが出て来た。

「ここがかつてのカルバードの三大都市の一つ――――――”煌都ラングポート”か。」

「フム……師匠の話によればラングポートには東方人達が多く集まっている事から東方風の街並みを想像していたのだけど、これはちょっと予想外だったかな?」

「この辺りは”導力革命”以後に開発された新市街で、東方人街は新市街を結ぶ”羅州大橋”を渡った所にあるそうですよ。」

興味ありげに周囲を見回しているクロウとアンゼリカにクレアは説明し

「へぇ………しかしそうなると、ここでの”A”の調査は骨が折れそうだな。何せかつての共和国の”三大都市”の一つだけあって、広さも州都のオルディスやバリアハート並みかそれ以上だろうからな。しかも俺達には土地勘もないしな。」

「おまけに”A”とは”別の意味で厄介な組織の本拠地”でもあるからねぇ。私はともかく、クロウや少佐は既にマークされ始めているかもしれないね。」

「……そうですね。その対策という訳ではありませんが、調査の前にまずはその”彼ら”に事情を説明する必要がありますので、”九龍ホテル”に向かいます。」

説明を聞いた後クロウはこれから自分達が調査する事になるラングポートの広大さを予想して溜息を吐き、疲れた表情で呟いたアンゼリカの推測に頷いたクレアは目的地を告げた。そしてクロウ達は目的地である”九龍(クーロン)ホテル”の中に入って行った。

 

〜九龍ホテル・ロビー〜

 

「いらっしゃいませ、九龍ホテルへようこそ。ご宿泊でしょうか?」

「いえ………私はエレボニア王国軍”鉄道憲兵隊”所属クレア・リーヴェルト少佐です。メンフィル・クロスベルによる”合同捜査隊”のメンバーとしてしばらくの間このラングポートで調査する事になりましたので、本日はこちらのホテルの支配人であるファン・ルウ氏にご挨拶や調査の件についての説明をする為にこちらを訊ねさせて頂きました。ファン・ルウ氏との面会の予約をしたいのですが。」

受付に訊ねられたクレアは自身の身分証明書になる鉄道憲兵隊員用の手帳の自身の顔写真や名前等がある部分を受付に見せて用向きを告げた。

「!今確認を致しますので、少々お待ちください。」

クレアの説明を聞き、手帳を目にした受付は血相を変えた後内線でどこかに通信し始めた。

「今面会を予約しようとしているファン・ルウってのは何者なんだ?」

「ファン・ルウ――――――この九龍ホテルの支配人にして”九龍銀行”の副頭取も務めている人物で、”黒月”の次期長老の一人でもある人物です。」

「へえ……”黒月”の中でも大物クラスじゃないか。………ん?”ルウ”と言えば、確かヨルムンガンド戦役の時レン皇女殿下が話していた”黒月”の派閥の中でもメンフィル・クロスベル連合に恭順する事を真っ先に申し出た派閥だね。」

クロウの疑問に答えたクレアの説明を聞いたアンゼリカは目を丸くした後ある事を思い出した。

「ああ、しかも”ハーケン会戦”では恭順の証として、数万の戦力が連合側に加勢した上、幹部のチョウとかいう野郎が俺達の邪魔をしやがったな。」

「お二人とも既に存じているように、連合による共和国侵攻時”黒月”の多くの派閥も連合によって派閥としての力を大きく減少させられてしまいましたが、”ルウ家”は自ら連合に恭順を申し出た事で唯一派閥としての力を失っていなく、戦後は”黒月”の派閥の中でも他の派閥と比べると抜きんでた最大派閥になったとの事です。」

「なるほどね……そんな最大派閥の次期トップに先に話を通しておけば、”黒月”も私達の調査の支障にならない所か、もしかしたら何らかの便宜を図ってくれるかもしれないね。」

アンゼリカの話に頷いてかつての出来事を思い返したクロウは真剣な表情を浮かべ、クレアは説明を続け、説明を聞いたアンゼリカは納得した様子で呟いた。

「―――――お待たせしました。支配人より今でしたら面会可能との事なので、支配人の元へご案内致します。」

「わかりました、よろしくお願いいたします。」

するとその時内線での通信を終えた受付が立ち上がって案内を申し出、受付の言葉に頷いたクレアは二人と共に受付の案内によってある部屋に案内された。

 

〜貴賓室〜

 

「初めまして――――――”エースキラー”の諸君。私がファン・ルウだ。”エースキラー”はメンフィル帝国とクロスベル帝国の合同捜査隊と聞いていたからメンバーは両帝国の関係者達だと予測していたが、まさかそのメンバーの中にエレボニア――――――それも名高き”氷の乙女”殿に”現代のゼムリアの大英雄”にして3年前の世界大戦の少し前に勃発したエレボニアの内戦も終結に導いたメンフィル・エレボニアの両国にとっての英雄――――――”灰色の騎士”の親友にして好敵手である”蒼の騎士”殿に加えて四大――――――いや、”三大名門”の若き当主にしてかの”飛燕紅児”殿の直弟子殿までいる事には驚いたよ。」

ホテルの貴賓室でお互いに高級のソファーに座ってクレア達と対峙した恰幅のいい男性――――――ファン・ルウは自己紹介をした後クレア達を見回した。

「やれやれ……やっぱり、俺の事もバレていたか。しかもリィンの”古い方の異名”まで持ち出すなんて、どんだけ俺達の事を調べているんだよ……」

「しかも私と師匠の関係まで把握しているなんて、さすがはかつて――――――いや、連合による共和国滅亡後も生き残って、勢力を盛り返したカルバードの古参にして最大のシンジゲートだねぇ。」

「――――――お初にお目にかかります。エレボニア王国所属の我々が両帝国が問題視している”A”の合同捜査隊のメンバーになった理由については色々とありますが、我々はあくまで両帝国の意向によって"A"の捜査の為にこの煌都を訪れたのであって、我々の祖国は一切関係していない事を”黒月”の皆様にもご理解して頂く為に、こうして貴方を訊ねさせて頂きました。」

ファンが自分達の事を知っている事にクロウは溜息を吐き、アンゼリカは苦笑しながらファンを見つめ、クレアは軽く頭を下げて説明をした。

 

「なるほど………”アルマータ”に関しては我々の方も問題視していてね。彼らの撲滅の為に煌都を訪れた君達の事は歓迎している。私の方から”黒月”に君達の事やその目的について伝達する手配をしておこう。勿論君達の捜査の支障になるような事を行わない事の注意も含めてね。」

「ご協力ありがとうございます。」

「ただ、その上で言わせてもらうが………”黒月も一枚岩ではない”事、は君達にも伝えておくよ。」

「”黒月も一枚岩ではない”………ジンさんやエレインさんもそんな話をしていたね。」

「ああ。――――――まさかとは思うが、この3年で失った力を回復させた連中が連合に恭順したあんたの所の派閥と争ったりしているのか?」

ファンの話にアンゼリカは真剣な表情で呟き、アンゼリカの言葉に頷いたクロウは真剣な表情でファンに訊ねた。

「ハハ、別に何か大きな分裂があるわけではないよ。それは誤解しないでほしい。ただ、最近その"A(アルマータ)"絡みでデリケートな問題が発生してね。私達の方もその問題に対してどう動くべきか頭を悩ましている所なんだ。」

「……その”デリケートな問題”について、伺っても構わないでしょうか?」

ファンが口にしたある話が気になったクレアは真剣な表情で訊ねた。

「構わないよ。"A"について調べに来ているのだから、調査の際にすぐに知る事になる話だからね。」

そしてファンはクレア達に最近起こった”A”が関わる”デリケートな問題”について説明をした。

 

「フム………話に出て来た”アーロン”、でしたか?話に聞いた感じ微妙にクロウに似た”跳ねっ返り”に振り回されている事には、同じ”振り回されている側”として同情しますよ……」

「オイコラ、お前もその”振り回す側”なんだからお前にだけはそれを言われる筋合いはねぇぞ!?」

話を聞き終えたアンゼリカは肩をすくめてファンに同乗し、アンゼリカの言葉を聞いたクロウは顔に青筋を立ててアンゼリカを睨んで反論し

「コホン。――――――それで、その”アーロン”という人物による報復以降、”A”に関わっている事が極めて高い半グレ達の反応は?」

二人のいつもの調子の会話に冷や汗をかいたクレアは気を取り直してファンにある事を訊ねた。

「不思議な事に、それ以来何の動きもないんだ。だから余計に彼らの動向が掴めなくて、黒月(わたしたち)も困惑しているのさ。」

「なるほど……情報提供に感謝申し上げます。これから調査に入りますので、我々はそろそろ失礼させて頂きます。」

ファンの話を聞いて考え込んだクレアは軽く会釈をした後自分達はそろそろ立ち去る事を口にした。

「そうか。なら、この煌都での調査が終わるまでこの部屋はこのまま君達が使うといい。」

「おいおい、”調査が終わるまでこの部屋をこのまま俺達が使っていい”って……この部屋、どう見ても貴族やVIPクラスが使うような超高級部屋じゃねぇか。」

「フッ、さすがは”黒月”最大の派閥の次期長だけあって、太っ腹ですねぇ。」

ホテルの客の中でもVIPクラスの客が使う最高クラスの部屋を使用するように申し出たファンの申し出に驚いたクロウは周囲を見回し、アンゼリカは静かな笑みを浮かべてファンを見つめて指摘した。

 

「ハハ、君達も知っているように我々”黒月”はメンフィル帝国とは協力関係を結んでいるからね。そんなメンフィル帝国の協力者であり、”黒月”にとっても敵である”アルマータ”撲滅の為のメンバーである君達に私ができるせめてもの協力だよ。ただ、可能ならば”アルマータ”について何かわかったり、動きがあれば”黒月(わたしたち)”にもすぐに知らせて欲しいかな。」

「…………わかりました。何かわかれば、可能な限り迅速にそちらにも報告します。」

アンゼリカの指摘に苦笑しながら答えた後に頼んできたファンの頼みに少しの間黙って考え込んだクレアはファンの頼みを了承し

「ありがとう。――――――それでは私はこれで失礼するよ。」

クレアの答えを聞いて感謝の言葉を口にしたファンはソファーから立ち上がると退室した。

「フム……”黒月”の事は師匠もそうだが、ジンさん達からも何度か耳にしていたが……その噂の組織の大物の割には意外と協力的で話しやすかった人物だね。」

「ああ……だが、さすが”黒月”の大物だけあって、とんだ狸野郎だぜ。」

「……クロウさんは気づかれましたか。」

ファンが去った後ファンの事について感想を口にしたアンゼリカに続くようにクロウは真剣な表情で呟き、クレアは静かな表情で呟いた。

 

「?それはどういうことだい?」

「あのオッサンは”この部屋を自由に使っていい”って言ったが、それはつまりメンフィル・クロスベル両帝国の意向によってラングポートでしばらく活動する俺達に”拠点を提供する事”でメンフィルやクロスベルに対して”黒月もAの捜査協力をしたといいう理由”になって、両帝国――――――いや、メンフィルも”A”の捜査に関して黒月(おまえら)の手勢も使えみたいな事は言いにくくなるだろう?」

「加えてファン氏はこのホテルの支配人でもある事に加えて、ホテルの従業員の内の数割は間違いなく”黒月”の関係者でしょうから我々の動きを監視する事も容易になります。現にホテルの受付の方も私が”エースキラー”のメンバーである事を知ると、ファン氏に確認を取ったでしょう?」

二人の話の意味がわからず首を傾げて訊ねたアンゼリカにクロウと共に説明したクレアはある事をアンゼリカに指摘した。

「言われてみれば”エースキラー”の名は一般市民に知れ渡っていないから、単なるホテルの従業員が”エースキラー”の名を知っていたなんて普通に考えればありえない話だね。やれやれ………人の良さそうな感じ等も含めてある意味ミュゼ君に似ていて、中々手強い人物でもあるようだねぇ。――――――しかし、それなら何故少佐もファン氏の申し出を受け入れる事にしたのだい?」

クレアの指摘を聞いて受付での出来事を思い返したアンゼリカは疲れた表情で溜息を吐いた後ある事が気になり、クレアに訊ねた。

「ファン氏にも告げたように我々の目的はあくまで、”A”の捜査・撲滅です。その点に関しては”黒月”の利害も一致している上、場合にもよりますが”黒月”が持つ”力”も利用する事になるでしょうから、”黒月”の関係者が我々を監視している事でファン氏――――――いえ、”黒月”とのコンタクトが取りやすいという事もありますから、申し出を受け入れる事にしたのです。」

「”黒月の力を利用する”って事は、例えば俺達が”A”に関して何らかの有力な情報を提供する事で、連中が自分達の判断で自分達の手勢を動かす事も想定しているのかよ?」

クレアの説明を聞いてある事が気になったクロウは目を丸くしてクレアに訊ねた。

「はい。このラングポートは黒月(かれら)にとっての”本拠地”なのですから、”黒月としてのメンツ”を守る為にも私達の方から何らかの要請をしなくても自ら動く可能性は十分に考えられますので。………最も、その点に関して恐らく向こうも想定した上で、”A”に関する有力な情報提供を要請したきたのだと思います。」

「なるほどね………ハハ、さすが少佐だね。それじゃあ早速初めてになる煌都の探索がてら情報収集に行くのかい?」

クレアの考えを知って納得した後苦笑しながらクレアに感心したアンゼリカはクレアに訊ねた。するとその時クレアのザイファに通信の音が鳴った。

「いえ、その前に”援軍”との合流をしましょう。ちょうど今煌都に到着したようですので。」

「”援軍”………話にあったノーザンブリアの独立の為にメンフィルに協力している”北の猟兵”の生き残りの連中か。」

「フフ、サラ教官の話によると私達と同じくらいの女性や親Z組の子達くらいの女の子もいるようだし、早速ノーザンブリアからの子猫ちゃん達に会いに行こうじゃないか♪」

今から合流しようとしている人物達の事をクレアから説明されるとクロウは表情を引き締め、アンゼリカは興味ありげな表情を浮かべた。

 

その後クレア達は合流場所であるラングポート駅に向かった。

 

〜新市街1・ラングポート駅前〜

 

「よう、”かかし男”からあんたもメンバーの一人とは聞いてはいたが、まさか初の”応援要請”をあんたがしてくれるとは思わなかったぜ。」

「此の度は”応援要請”をして頂き、ありがとうございます。私達の目的の為にも、全力で貴方達に協力致しますのでよろしくお願いします!」

ラングポート駅の出入口で待機しているマーティンは自分達に近づいてきたクレア達に気づくと軽く手を挙げて声をかけ、タリオンは姿勢を正して軽く頭を下げて挨拶をした。

「いえ……こちらも人手が欲しかったので、こちらこそよろしくお願いします。」

「何故だ……」

クレアが二人に挨拶をしている中アンゼリカはショックを受けた様子でマーティンとタリオンを見つめ

「何故子猫ちゃんどころか、女の子すらいないんだあああぁぁぁっ!?」

「え、えっと……彼女は……?」

やがてアンゼリカは悔しそうな表情で声を上げ、アンゼリカの様子が気になったタリオンは困惑しながらクレア達に訊ねた。

「あー……そいつ――――――アンゼリカって女も俺や少佐と同じメンバーの一人なんだが、ゼリカは女の癖に同性を口説く見境がない女で、特に年下には目がなくてな。あんた達の仲間に女もそうだが、年下の女もいる事を聞いて会う事に期待していたんだよ……」

「な、なるほど……ハハ、それは確かに残念でしたね。今回女性陣はイーディスに残って調査や支援要請をしていますので。」

クロウは疲れた表情でアンゼリカの事を説明し、説明を聞いて冷や汗をかいたタリオンは苦笑しながら答えた。

「調査についてもそうですが、他にも頭に入れておいて欲しい事の説明等もしますので、まずは我々が一時的に拠点としている場所まで案内します。」

そしてマーティンとタリオンと合流したクレア達は自分達の一時的な拠点である九龍ホテルの貴賓室に行き、今後の捜査に向けての説明や話し合いを始めた――――――

 

 

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既にお気づきの方もいると思いますが、ラングポートに原作にはいなかった人物がいて、この人物が新たなエウシュリーキャラで、名前が判明するのはもう少し後です。なお、ちなみにこのキャラは原作では真ラスボスを務めたキャラでもあります(ぇ)

 

説明
外伝〜煌都ラングポート〜
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エウシュリーキャラも登場 ディル=リフィーナとクロスオーバー 他作品技あり 空を仰ぎて雲高くキャラ特別出演 黎の軌跡 

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