【獣機特警K-9UG】刑事アキ、初めての事件(2)【交流】
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数分後、アキが戻ってきた。

 

アキ「警部!」

ミハエル「どうした?」

アキ「勝手口は鍵が開いていたようです」

ミハエル「横屋里さん、前に来た時に閉め忘れたのかな?」

アキ「それから、隣の部屋のゴミ箱からこんなものが」

 

白い手袋をしたアキがミハエルに見せたものは。

 

ミハエル「小さな紙? 病院で処方される粉薬とか入ってそうな」

アキ「ですね」

ミハエル「それはそうと、横屋里さんがしていた腕時計、見たか?」

アキ「さっき見ました。なんか相当高そうな時計ですね」

ミハエル「あれはラレックスの最上位モデル、ざっと見積もっても100万クロー(=1億円)」

アキ「100万クロー!? ボクたち安月給な警察官の何年分の給料なんだか…」

ミハエル「ハハ、それ言うのやめようぜ、悲しくなるからさw」

アキ「あはははは;;;; でもボルチェといい、金回りは相当よさそうですね横屋里さん」

ミハエル「だな」

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翌日夜、ラミナ署。

 

アキ「ただいま戻りました! 先に帰っておられたんですね警部」

ミハエル「お疲れさん。まずは君から報告を頼む」

アキ「はい。あの家もボルチェも横屋里さんの所有で間違いありません。勤務先はAT-ATA商事、役職は課長、名刺の通りで間違いありませんでした」

ミハエル「うむ」

アキ「年齢は60過ぎ、仕事一筋の真面目な人格者で、社内での評判も上々だったようです」

ミハエル「ほう」

アキ「ただ」

ミハエル「ただ?」

アキ「言っては何ですが、AT-ATA商事という会社の規模からして、たとえ課長職であったとしても、高級外車や高級腕時計をポンポン買えるような給与ではないのではないかと」

ミハエル「他に収入源があったのかな? 宝くじが当たったとか、株とかギャンブルとか」

アキ「すみません、そこまでは…。ただ先程も言った通り、彼は仕事一筋の人で、少なくとも会社で株やギャンブルの話をしていたという話は聞いておりません。以上です」

ミハエル「では俺の方からも報告しよう。まずは四月一日さん。独身で、良くも悪くも普通の会社員、特に誰かから恨まれるような要素はなかった。そして吐さん。まず、Z-BANは彼の車だった」

アキ「横屋里さんがZ-BANは知らないと言ったことと矛盾はないですね」

ミハエル「そうなるな。そして、吐さんはちょっと曲者でな」

アキ「曲者?」

ミハエル「彼は大の酒好きでな、仕事から帰ったらまずは酒、仕事のない日などは朝からずっと家で酒浸り、家族も相当持て余していたそうだ」

アキ「あー…。いますよねそんな奴。おーやだやだ! ということは、家族の誰かが彼を?」

ミハエル「いや、それはまだ分からん」

狐太朗「ミハエルさーん!」

ミハエル「どうした狐太朗君?」

狐太朗「検死の結果が出ました!」

ミハエル「聞かせてくれ」

狐太朗「吐さん、つまり両手両足を縛られていた方は衰弱死、死因とは直接の関係はありませんが、手首と足首にロープの深い傷が何個も付いていました。そして四月一日さんは毒物による中毒死です。残っていたビールの飲み口や、あの小さな紙から検出された毒物と体内の毒の成分が一致しました。遅効性の毒です」

ミハエル「遅効性の毒?」

狐太朗「はい。服用後直ちにではなく、30分程してから急に効いてくる毒物のようです。あと、二人の死亡時期には差がありまして、まず四月一日さんが先に死亡、それから10日程して吐さんが亡くなったと思われます」

ミハエル「なるほど」

狐太朗「そして、件の紙から検出された指紋は──」

ミハエル「なんだって!?」

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繁華街。

 

ミハエル「1日お疲れだったな。晩飯、好きな店に入っていいぞ」

アキ「はい」

ミハエル「お、噂をすれば」

アキ「横屋里さんだ! そして豚の男性が2名」

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横屋里「では頼んだよ」

豚男A「はい社長!」

横屋里「お客様、どうか素敵な夜をお楽しみ下さい」

豚男B「へっへっへ、どうもw」

豚男A「では参りましょうか」

豚男B「はい」

 

AとBが雑踏に消えた直後。

 

ミハエル「横屋里さん」

横屋里「げっ、刑事さんたち!?」

ミハエル「こんなところで偶然ですなあ」

横屋里「そ、そうですねえ;;;;」

ミハエル「あの二人はお知り合いで?」

横屋里「あ、はい。会社の部下です」

ミハエル「部下? 1人はあなたのことを社長って呼んでましたよね。確かあなたは課長職だったはず」

横屋里「そ、そうですか? 刑事さんの聞き違いではないんですか? ほ、ほら、『かちょう』と『しゃちょう』ってよく似てますし;;;;」

ミハエル「でしょうな。こりゃ耳の検査をした方がいいかもしれないw (アキに小声で)あの二人を追うんだ。メシはその後な」

アキ「はいっ」

 

アキは人混みの中に消えて行った。

 

横屋里「もういいでしょう? 私はこれで失礼しますよ」

ミハエル「はい。大変失礼いたしました」

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10分後。

 

アキ「警部!」

ミハエル「おう」

アキ「あの二人、ホテルに入って行きました。あとをつけて中に入り、後ろの方で熱帯魚を見るふりをしながら耳をそばだてていたのですが」

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豚男A『予約した横屋里です』

フロントマン『横屋里様ですね、お待ちしておりました』

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ミハエル「横屋里氏の名前で予約が入っていたというのか?」

アキ「どうやらそのようです。今からホテルに踏み込みますか?」

ミハエル「いや、その必要はないだろう。さ、晩飯にしようか」

 

 

=To be continued=

 

 

 

説明
ミハエル https://www.tinami.com/view/1140402
  アキ https://www.tinami.com/view/1140403
  狐太朗 https://www.tinami.com/view/952695
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