恋姫無双〜正義の柱 第三話
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さて………あの後あった事をここに記そう。

 

今は華琳さんと会ってから数日経過している。

あの後我々はすぐにあの三人組を捕縛した。

なにか華琳さんが探していたが三人組は持っていなかったようだ。

 

そして客将という立場になった訳だが決まった仕事はないという。

やる事もないのでこちらの文字の勉強を開始、三日程で終了。

それからは練兵に混じったり未来の料理を出す店を勝手に経営していたりする。

華琳さんにばれて殺されかけましたが………ちなみに理由の多くは華琳さんの

見たこともない料理を黙ってだしていたからである。

それからは新メニューが出るたび一番最初に料理の試食を華琳さん直々に行っている。

 

まあそんなこともありましたが今は華琳さんと賊の討伐に行く準備をしている所です。

最近急に勢力を伸ばし近隣の村を襲っている賊がいるらしい。

華琳さんの探し物を持っている可能性もあるので自ら追討に赴くらしい。

今回は私もついていくのでようやく私の本来の仕事をはたせそうで少しうれしい。

 

ちなみに今は再点検した糧食の帳簿を監督官から貰いにきたところだが………

私は監督官の顔を知らない、皆忙しそうなので暇そうな人に聞いてみよう。

 

「すいません、お嬢さんちょっと聞いてもよろしいでしょうか?」

 

現場から少し離れて働きぶりを眺めている少女がいたので丁寧な口調で質問する。

しかし………

 

「………………」

 

無言。もしかして聞こえてない?

 

「お嬢さん?聞こえていますか?」

 

「………………………」

 

まだ無言………もしかして無視してます?

そっちがその気ならいいだろう……こちらにも考えがある。

私は息を吸い込み彼女の近くへ移動する………そして

 

「ウリイイイイイイヤアアアアアッッ!!!」

 

大地を揺るがすほどの雄たけびをあげる。

大丈夫、鼓膜は破れてないはずだから。

おっとあまりの大声に周りの作業が止まってしまったよ。

私を作業続行の合図を出し彼等も再会する。

 

さて彼女の方は………目を回して倒れ込みそうになったので支えてやる。

 

「いったいどうしたのかね?突然倒れるなんて………」

 

「今私が倒れたのはあんたのせいでしょ!?

 大体!気安く触らないでよ!妊娠しちゃうじゃない!」

 

WHAT?なんていいました?初対面の相手にいきなり何を………

 

 「………それで、何の用?私は暇じゃないんだけど」

 

少し収まったようだ。さっさと目的を果たしてしまおう。

 

「華琳さんから再点検した糧食の帳簿をもってくるように………」

 

「なっ……!!ちょっと、なんでアンタみたいな奴が曹操さまの真名を呼んでるのよ!!」

 

「華琳さん直々に呼べと言われたのだがそれがなにか?」

 

「嘘よ!曹操さまがご自身の神聖なる真名をあなたみたいな獣なんかに許すはずがないわ!」

 

そろそろ怒るよ?小娘が調子に乗ってんじゃねえよ………

 

「とにかく、疑うなら華琳さんに聞いてみればいいだろう?

 まあ事実だから答えは解りきってるがね」

 

「信じられない……なんてことなの。

 曹操さまの神聖な真名がこんな猿に穢されるなんて……」

 

今度は猿呼ばわりか……お前はどれだけ偉いんだ……?

もう速く用事を済ませて帰りたい……

 

「とにかく華琳さんから兵糧の帳簿を監督官からもらって来いと

 いわれているんだが…………」

 

「曹操さまの命!?それを早く言いなさいよ!この愚図!」

 

いいかげんにしないと俺が首を刎ね飛ばすぞ!?

 

「それで、監督官はどこだ?」

 

「私よ」

 

「……………………」

 

今までのやり取りはなんだったんだ?

時間の無駄以外のなにでもないじゃないか。

 

「………それで?再点検した帳簿はどこに?」

 

「その辺に置いてあるから勝手に持って行きなさい。

 そして一秒でも早く私の前から消え失せてよ!シッ!」

 

なんかもうどうでもいいや…………

私は脱力して帳簿をもって華琳さんに届けに行く……。

三日三晩戦い続けられる改造部隊の一員だというのに

あのやり取りで体力と精神力を根こそぎ奪われてしまった………

上がっていたテンションもしぼんでしまったよ……

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「…………持ってきましたよ、華琳さん……」

 

「待ちくたびれたわよ。………何故そんな憔悴しているの?」

 

「聞かないでくれ…………」

 

「そ そう、まあいいわ」

 

そう言って華琳さんは帳簿を受け取り目を通していく。

はあ……どうせ俺なんか………………

おや?華琳さん何か不機嫌そうですね……

 

「……秋蘭」

 

「はっ」

 

「この監督官というのは何者?」

 

「はい。先日志願してきた新人です。手際が良かったので、今回の食糧調達の任に当たらせてみた のですが……なにか?」

 

「ここに呼びなさい。大至急よ」

 

「はっ!」

 

え〜あいつくるの〜やめてよそういうの〜

 

「華琳さま、連れてまいりました」

 

やってたら秋蘭先輩が連れて来てしまった……

ああ、なんという不幸!もう二度と会わなくて済むと思っていたのに!

 

「お前が食料の調達を?」

 

「……………はい。必要十分な量を用意いたしました……何か問題でも?」

 

「……どういうつもりかしら? 指定した量の半分しか用意できていないじゃない」

 

半分?偉そうな事を言っておいてそれか。

しかし見た感じ仕事はできそうに見えたが………

 

「ですから、それで十分だと申し上げています」

 

「何……どういう事?」

 

「理由は三つあります。お聞きいただけますか?」

 

「……説明なさい。納得のいく理由なら、許してあげてもいいでしょう」

 

「……ご納得いただけなければ、それは私の不能のいたす所。この首、如何様にでもされて結構にございます」

 

そんな事言っていいんですか〜?

その人本当に殺っちゃいますよ〜?

 

「……二言はないぞ?」

 

「……はっ。ではまずひとつ目……曹操さまは慎重を期す方にございます。必ずご自分の目で糧食 の最終確認をなさるでしょう。その際兵糧に問題があればこうして責任者を呼ばれます。故に、 兵糧が枯渇することはありません」

 

「ば………っ!馬鹿にしているの!?春蘭!」

「はっ!」

 

 

おいおいいくらなんでも早すぎだ!

止めに入らなければ。

 

「まあ、待ちなさい。結論を出すのが早すぎる。

 まだ二つ残っている、それを聞いてからでも遅くはないでしょう?」

 

「士郎の言うとおりかと。それに華琳さま、先ほどのお約束は……」

 

「……そうだったわね。で、次は何?」

 

「次に二つ目。輸送する食糧が少なければ必然、身軽になり、輸送部隊の行軍速度は上がります。 現在想定されている工程より大幅に討伐行全体にかかる時間を短縮できるでしょう」

 

物理的に考えて荷を軽くすればそれだけ行軍速度は増す、それは考えるまでもないでしょう。

まして本来想定していた負担重量の半分ならばその効果はかなりのものでしょうね。

しかし…………

 

「ん……? なあ、秋蘭?」

 

 

「どうした、姉者。そんな難しい顔をして」

 

「行軍速度が早くなっても移動の時間が早まるだけだろう?それだと討伐にかかる時間までは短く ならない……よな?」

 

まあ、そういうことですよね。

 

「ならないぞ」

「良かった。私の頭が悪くなったのかと思ったぞ」

「そうか。よかったな、姉者」

 

もともとそんなに良くもないでしょう?

あと秋蘭先輩は春蘭を甘やかさないでくださいよ。

 

「まあ、いいわ。最後の理由を言ってみなさい」

 

「はっ!三つ目ですが……私の提案する策を採れば、戦闘に要する時間ははるかに縮まります。私 の想定した兵糧の量で足りると判断しました」

 

私の提案する策って………つまりそういう事ですか?

 

「曹操さま! どうかこの荀ケめを、軍師として幕下にお加えくださいませ!」

 

「な…………っ!?」

 

「何と……」

 

荀ケ!?この女がか!?王佐の才と評された曹操配下が随一の謀臣!

あれ?てことはこれから先私はこいつとずっと付き合っていかなければならないのか?

……………………華琳さんの客将辞めちゃおっかな〜

とかやってる間にも話が進んでいく。

 

「荀ケ、あなた、真名は?」

 

「桂花と申します」

 

「為すべき任を果たさず一文官の身で軍をかき乱しその上自分の策を用いろと?」

 

おや、殺気が出てますよ?華琳さんまさか……………

 

華琳さんは鎌を振り上げ荀ケの頭上へと持っていく………

 

よし!いいぞ華琳さんそのままいけっ!

俺の精神衛生上その女が近くにいるのは望ましくない!

 

そして鎌は荀ケの首へと振り下ろされる!

 

 

勝ったッ!第三話完!

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しかしその肌からは血が一滴も噴き出すことはなかった。

 

「やっぱり寸止めですか………」

 

解ってたけどちょっと残念。

 

「当然でしょう。けれど、桂花、もし私が本当に振り下ろしてたらどうするつもりだった?」

 

「天命を預けんとした御方の所作なれば、それは拒むものではありません。もとより私は文官、曹 操さまの刃を避ける武技はありません」

 

「そう………………ふふっ、あははははははは!」

 

「か、華琳さま……っ!?」

「最高よ、桂花!その知と度胸、気に入ったわ!貴方の才で我が覇道を支えなさい。私の真名を呼 ぶ権利をあげるわ」

 

「はっ!」

「まずはこの討伐行を完遂させて見せなさい。あなたの軍師としての力量、どれほどのものか…… 見せてもらうわよ。糧食は半分で良いといったのだから……もし不足したのならその失態、その身をもって償ってもらうわよ?」

 

「御意!」

 

覇王と王佐の才の出会い、大変歴史的瞬間に立ち会っているはずなのに

私の心は沈んでいる……そう、これから先彼女の暴言に私は晒され続けるのだから……

 

 

所変わって現在は華琳さんが率いる討伐軍の軍中である。

ちなみに馬に乗るのに苦労したが今では自由自在ですよ。

行軍中にも桂…荀ケの暴言に晒されノックアウト寸前だったが

春蘭が華琳さんが呼んでいるからというので華琳さんの所へ向かっている。

神はいたんですね!?神よ!おお、神よぉぉぉ!!(多少壊れてしまったようだ)

 

「おそくなりました」

 

「どうしたんですか?神…いや華琳さん」

 

「ちょうど偵察が帰ってきた所なの。報告を」

 

報告を聞くと『前方集団は、数十人ほど。旗が無い為所属は不明ですが、格好がまちまちな所からどこかの野盗か山賊だと思われます』との事。

 

その報告を聞き、桂花が命令してきた。

 

「もう一度斥候を派遣しましょう。春蘭、神崎、あなた達が指揮を執って」

 

「おう」

 

「了解」

 

春蘭とですか………何かやだなぁ……

たのむから仕事増やさないでくださいよ?

 

私達は部隊を纏め出撃した。今は行軍しつつ周りの奴と談笑している。

 

「『おい保武!この前お前の家の庭で熊が暴れてるのを見たぜ!』

 そしたら保武は言ったのさ『それは妻の庭の手入れさ』とね」

 

「「「HAHAHAHAHAHA」」」

 

「夏侯惇様、前方に敵影を確認しました!!」

 

おや?ようやく仕事ですか……どれどれ……

 

前を見ると、集団が一箇所に固まって騒いでいるように見えますね。

そこから何かが飛んでいるように見え、近づくごとにそれははっきりと見えてくる。

 

「あれ子供じゃないですか?

 しかも一人で戦ってるみたいですね。」

 

「なんだと!!」

 

ちょっと勝手に突撃しないで下さいよ。

制止を振り切って行ってしまった………

しかたないので私が周りの兵士に命令する。

 

「正体不明の部隊と接触、戦闘に入ったと本陣に伝えてください。

 残った者は夏侯惇に追従、突出した彼女と合流しあの子供を救出します。

 賊らしき奴らが逃げ出しても追撃はしないように。尾行して賊どもの拠点を調べてください。では、出陣!!

 

『はっっっっっっっ!!!!!!!!』

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我々が追いついた時には春蘭が盗賊を追い払っており、追撃をかけようとしていた……

とりあえず止めに入る。

 

「なっ、神埼なぜ止める!?」

 

「我々の任務は偵察です、その子を助けるのもいいですがもっと他にやる事があるでしょう?」

 

「例えばなんだ!?」

 

「逃がした敵を追跡し、本体の居場所を掴むとかあるでしょう?」

 

「き、貴様にしては中々やるな。ではさっそく………」

 

「ちなみにもう追跡は出しましたよ。本来なら貴女の仕事なんですがね。」

 

「ぐぅぅ………………」

 

黙ってしまった。春蘭の事は置いておいて少女の方を見る。

少女はやたらでかい棘つき鉄球を持っていた。何だあれ?武器?

 

「あ、あの!」

 

「おお、怪我はないか?少女よ」

 

「はい!ありがとうございます!おかげで助かりました!」

 

復活早いですね!?春蘭さん!

とかやってたら後ろから多くの馬の足音が聞こえる。

どうやら本隊のご到着のようだ。

 

「士郎、謎の集団は?」

 

「ああ、春蘭がその娘を助ける時に追い払いましたよ。

 何人か追跡に出したのですぐに本拠地ぐらいわかるでしょう。」

 

「あら、気が利くじゃない」

 

「あのー」

 

華琳さんと話しているとさっきの少女が割って入ってくる。なんですかね?

 

「おねーちゃん達、国の軍隊?」

 

「まあ、そうなるが……!華琳様!?」

 

答えた瞬間、少女は訝しげだった表情をキッと険しくして華琳さんに向かって鉄球を飛ばす。

それより速く春蘭が華琳さんを抱えて飛び退いた。

 

少女は二発目を撃ちだすために鉄球を引き戻そうとする…………させねえよ?

私は鉄球部分に右手からの氣の斬撃を撃ちこみ叩き落す、

そして左手に装着した袖箭から鏃を鎖の継ぎ目に撃ち込んで鉄球を無力化する。

一瞬の事に呆然としている少女の後ろに回り込みナイフを首筋に当てる。

 

「双方引け。ここでこれ以上の流血に意味はない」

 

とりあえず全員に殺気を叩き込む。あれ?まだ血は流れてないな。まあいいか。

とりあえず黙らせることに成功。尋問を開始する。

 

「それで、何故いきなり攻撃をしかけた?」

 

「国の軍隊なんか信用できるもんか!ボク達を守ってもくれないクセに税金ばっかり持っていっ  て!

 だから、村で一番強いボクがみんなを護るんだ。盗賊からもお前達…役人からも!!」

 

「なるほどな。しかし…………」

 

「そこまでよ士郎、その娘と話がしたいから引きなさい」

 

尋問の途中で華琳さんが割って入ってきた。

了解、後は任せましたよ。

私はナイフを引いて後ろに下がる。

 

「あなた、名前は」

 

「きょ、許緒です」

 

「そう……許緒、ごめんなさい」

 

「……え?」

 

あの華琳さんが謝罪を!驚いたな……ただの偉そうな覇王じゃなかったのか。

長くなりそうだから多少省略しよう。

 

許緒は相手が曹操と分かると謝罪してきた。陳留の刺史は善政をしていると噂を聞いていたらしい。

華琳は許緒の所業を許し、自分の仲間にならないかと誘いをかけた。

その誘いに戸惑う許緒に華琳は自分の大陸の王となる未来図を話しそれを聞いた許緒は

そのときは自分の村も守ってくれるのか?と質問すると華琳さんは

「約束するわ。陳留だけではなく、あなた達の村だけでも無い……この大陸の皆がそうして暮らせるようになる為に、私はこの大陸の王になるの」と答えた。

 

許緒は華琳さんの言葉を噛締めている。

その時、偵察に出していた兵が戻り盗賊共の本拠地の場所が分かった。そして、華琳はその盗賊団を根絶やしにすることだけでいいから力を貸して欲しいという、要求に二つ返事で返し春蘭・秋蘭の下に付き我々曹操軍は再び行軍を始めた。

 

 

さて、そろそろ私の出番も近い。

アレの準備をしておくか……………

そして私は密かに本来の武器である正義の柱を装着するのだった。

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あとがき

 

再び参上しました、後ろの人です。

 

予想したより無駄な会話が増えて進みが遅いです。

 

あとなかには出て来る言葉の意味が解らない人もいるでしょうが

ジョジョなどの作品に出て来る言葉ですので気にしないで下さい。

 

では今日はネタもないのでこのへんで………

 

また次の機会にでも………

 

ではでは〜

説明
今回は桂花に若干否定的な言葉がまじってしまいました。
気にならないレベルだと思いますが一応桂花を否定しているわけではないことをここにかいておきます。
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コメント
次回の戦闘シーンが楽しみです。(ブックマン)
もちら真央様………なんかいやな予感がするけど書きたいことがあるならかいていただきたいです………(kimgcrimzon2009)
色々と書きたいことはあるけど、コメント欄だから率直に思ったことを。今は序盤なので魏√そのままでいいけど、せっかくのオリキャラだからアレンジを期待してます。他に書きたいことを聞きたいのなら一報をお願いします。(もちら真央)
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