真・恋姫†無双 十√ 5 |
それは、ほんのささいな事が始まりだった。
張三姉妹は手に入れた本を参考にし、今までとは違った歌や舞台を行った、すると一気に人気が出てあっという間に張三姉妹のファンができるほどにまでなった、その数はあれよあれよという間に数千にまで達した。
それに危機感を抱いた官軍はそれをやめさせようとし、張三姉妹を捕縛しようとしたがそれを数千のファンが阻止、官軍はそれに対抗して数千の兵を率いて抵抗したそのファンに攻撃を開始、しかしなんという事か、官軍はあっさり敗れ去ったのだった。
その報は各地を巡り官軍の脆弱さを露呈した、今の朝廷に不満を持つものが立ち上がり、各地の役所を襲撃、その規模は国中に達した、張三姉妹のファンは黄色い服装、頭巾をきてた事から蜂起した者も皆その姿を真似た。
ここに黄巾の乱が勃発したのであった。
陳留
「ようやく逃げ去ったか」
「しかしとうとうこの陳留にも黄色い盗賊が現れましたね」
陳留の外れ、どこかから流れてきた黄巾の賊と対した秋蘭と流琉は疲れた様子で話し合う。
陳留は一刀の善政で不満を持つようなものはいなかった、しかしそれでも黄巾の賊との戦いは起こってしまった。
「一旦城に戻ろう、いつまた来るかもわからんからな、兵達を休ませんと」
「はいっ!」
城に戻った秋蘭、流琉を出迎えた一刀は二人を労い、休むように言った。
「今はまだ数こそ少ないが、いずれ何倍もの黄巾がやってくるかもしれないな」
この数週間で黄巾の賊は各地で一気に膨れ上がった、各地の諸侯はこれを迎撃するものの数の差で苦戦する、陳留から黄巾の賊が発生する事はなかったが他の地からこの肥沃な地を狙ってきているとの情報がいくつもあった。
陳留
王座の間では春蘭、秋蘭、季衣、流琉、桂花、そして楽進、李典、干禁という三人が揃っていた。
楽進、李典、干禁の三人は大梁義勇団という義勇団を率いていたが、黄巾と戦い苦戦している所を春蘭達に助けてもらったのだ。
楽進、李典、干禁の三人は曹操に仕えていた武将だと俺は知っていたので俺は彼女達に仲間になってもらうよう頼んだ。
しかし彼女たちはまだ俺の事をよくわからないという理由で断ったが客将という事での協力ならばと提案してきた。
俺はそれを快く承知し、共に戦う事となったのだった。
「今日当たったのは数百、兵糧を奪う為に来たようだった」
「数が多くなれば兵糧もままならんやろうからなぁ、元々喰いっぱぐれの連中ばっかやし」
秋蘭の言葉に続いたのは何か関西弁の李典さん、何で関西弁なんだろとか思ってる俺をよそに桂花が現状を話す。
「各地の諸侯からの情報でも黄巾の賊が現れたとの報告があるわ、どこも対応に手一杯という感じね、倒しても次から次へと現れるといった感じできりがないらしいわ」
「敵の目的、首領はわからないのか?」
春蘭の問いに桂花が答える。
「目的は不明ね、まぁ今の朝廷に不満を持ってる者達がこれを気に蜂起したといった所でしょう、首領の名は張角という名前以外何もわからないわ」
「捕らえた黄巾の賊は何もしゃべらないのか?」
「捕らえたのは黄巾に触発されて姿を真似たそこいらの賊ばかりよ、おそらく元々の黄巾以外張角の事を知らないんじゃないかしら」
「現状は何も分からないという事か」
秋蘭のふうっという感じの様子が今の現状を物語っている、とにかく情報がなさすぎるのだ。
「け…荀「名前を呼ばないでよ!汚れるでしょ!」…は、今後黄巾党はどう動くと思う?」
「黄巾党?」
「あ、いや、なんか黄色い奴ってだけだとよくわからないから、何か呼称のようなものがあった方がいいんじゃないかなって思って…」
俺は出来るだけ未来の事は言わないようにと思ってたのでついでた黄巾党って言葉のフォローを必死でする。
「黄巾党ね… まぁいいわ、言いやすいし、これからはその名前で呼ぶわね」
なんか受け入れてくれた桂花、なんだろう、初めて俺の言葉に耳を傾けてくれた気がする…(ぶわっ)
「何泣いてんのよ、気持ち悪い!、この下等生物!ふんっ、まぁ目的はわからないけどいずれこの陳留にも大規模な黄巾党が来るでしょうね、そうなったら今の陳留ではひとたまりもないわ」
「その前に、なんとかしないといけないという訳か…張角のいる本隊って今どこらへんにいるんだ?」
「わからないわ、元々拠点を持たないで動いてるみたいだし、まぁ数が一番多い所にいるのは間違いないでしょうね」
「成る程な、じゃあまずは陳留にやってくる黄巾党を追い払いつつ、その張角の情報を得るのを最優先という事でいいかな」
「「わかった!」」
そう言うと各武将はそれぞれの部隊へと戻っていく、残された俺と桂花は…あ、桂花さん、あっという間に距離を稼いだよ!縮地!?
「ふう、軍議だから我慢してたけど、終わったんだから近くにこないでよ!このケダモノ!汚らわしい!」
いや、俺何もしてないんですけどね… ほんといつになったら仲良くなれんだろ…
黄巾党本隊
その規模は数万にまで達していた。
「もう、どうしてこんな事になっちゃったのよぉーーーー」
そう声を上げたのは張宝、真名を地和という
「仕方ないわよ、なってしまったものは」
そう言った眼鏡の子は張梁、真名を人和と言う
「おなかすいたなぁ〜、お風呂入りたいよ〜」
そんな風に言っているのは張角、真名を天和と言う
三人はある意味軟禁状態だった、外に出るにも警護と称して何十人もの黄巾党がついてくる、熱狂的なファン達の為色々決め事がされ、彼女らに危害が加えられる事はないが、それもいつまで安全かわからなかった。
「本当に私たちの信奉者なのかしら!いくらもう解散!って言っても全然聞かないのに」
「ここまでになったらそれも難しいでしょうね、どうやら私達に対しては大陸中に討伐令が出回ってるらしいわ」
「な、何よそれ!、私達何もしてないのに!」
「周りがね…」
「もう!なんとかできないの!」
誰か何とかしてよ!って感じでドタバタ暴れる地和、それをはぁーって感じに見てる人和、するとそこに。
「張角様、もうすぐ陳留に入ります!」
と、黄巾兵が報告してくる、初期から彼女達を応援してる為結構な地位にいる者だ。
「陳留…そうだ、あの人ならなんとかしてくれるかもしれない!」
そう言ったのは人和。
「あの人?誰?」
人和の言葉に地和、天和が聞いてくる。
「陳留に降り立ったといわれる天の御遣い様よ」
人和の言葉に地和ははぁーーっと溜息をつき。
「天の御遣いぃ〜、そんなもんアテにできるの?っていうかそいつもちー達を捕まえようとしてるんじゃないの?」
「わからない、でも戦乱を収めるとも言われてる人だし、何とかしてくれるかもしれないわ、街にいた時もいい噂ばかりだったし、天の不思議なものや知識で困ってる人やこの世を救ってくれるって言ってたし」
人和の言葉に二人は静まる、確かにこのままここにいても命の保障はない、それに討伐令も出ているなら逃げたとしてもいずれ官軍に捕まって殺されるかもしれない。
「助けてもらうにしてもどうするって言うの?」
「全てを説明して助けを請うの、私達は何もしていない、利用されて軟禁されてますって本当の事を言って」
「そんなの!もしその天の御遣いってのが信じてくれなかったらどうするのよ!」
「じゃあどうするの?このまま何もしないで今のままいつ殺されるかもしれない事に怯え、監禁されたような生活を続けるの?
ご飯もろくに食べれない、お風呂にも入れない、なにより…楽しく歌を歌う事もできないのよ」
人和の言葉にぐぬぬぬって感じになる地和、そこに天和がんーっと考え、言葉を発する
「天の御遣い様に助けてもらおー、大丈夫ー、きっといい人だよー、お姉ちゃんそう思うー」
何か気のぬけるような言葉に二人の妹はぽかーんとするが、結局従う事に。
「でも、どうやってその天の御遣いに私たちの事を知らせるの?」
という地和の疑問に
「陳留に城を明け渡せって名目の書簡を送るのよ、これなら黄巾の人達に怪しまれずに天の御遣い様まで届けてくれると思うわ」
こうして今までの事、助けを求める内容を書いた書簡を、陳留、私達に城を明け渡しない!という名目で使者に持たせ陳留に向かわせる事にしたのだった
、ちなみにこれを上手く届けてくれたら貴方の為に歌を歌っちゃうから!という命令(?)をした為に使者は必死で届けたとか。
「城を明け渡せだと!ふざけるなっ!」
黄巾の使者が陳留に来て、城を明け渡せという書簡が届けられたと聞いた春蘭は今にも飛び出して大暴れしそうになった、それを季衣、流琉が必死で止める。
「春蘭、落ち着け」
「何を呑気にしている!やつらは私達に降伏しろといってきているのだぞ!そんなふざけた事を言う奴など八つ裂きにしてくれる!」
「姉者、八つ裂きにするのは書簡の内容を見てからでもいいだろう」
何気に怖い事をさらっという秋蘭、まぁ春蘭が少し落ち着いたからいいか、俺達はその届けられた書簡を見る、そしてその内容に驚く。
「何だこれ?降伏の文書というより、助けを求める文書って感じだぞ?」
その書簡の中身を要約するとこういう事だった。
自分たちが歌を歌う張三姉妹という旅芸人で、自分達を応援している人達が増えた為に官軍に目をつけられ攻撃された事、そしてその官軍を撃退した事、それ以降はほとんど外にも出られずずっと黄巾の人々に監禁されるような状態にある事、いつの間にか名前だけが一人歩きしている事。
そしてこの状態から私たちを助けて欲しいとの助力要請。
その内容を見て。
「こんなもの信用できるものか!ばかばかしい!」
「事実だったとしても彼女達を助ける必要はないわ、何よりそんな事をしたら今度は私達が朝廷から目をつけられるもの」
春蘭、桂花は放っておけ!というスタンスだった、他の皆はわからない、どうしたものかといった困惑の表情だ。
「北郷、どうする?」
秋蘭が俺の指示を仰ごうとする、俺は少し考えたが。
「この人達を助けよう!」
と言い切る、俺の言葉に皆驚いたような怒りにもにたような感じになり。
「馬鹿か貴様は!こんなものこいつらの罠に決まっているだろう!こんなものは無視して奴らを叩き潰せばよいのだ!」
春蘭に馬鹿って言われた、なんだろう、すっごい傷つくよ傷つくよ!
「助けてどうしようっていうの?もし匿っているのを誰かに知られたら今度はこの陳留が戦乱の中心になるわよ」
「うちも反対やなぁ」「私もです」「私もぉ〜」
桂花に続いて大梁義勇団の三人も俺に反対する、おそらく各地での黄巾党の行為に対して良く思ってないのだろう。
だが俺はその言葉に対抗する
「これはチャンス…好機だと思うんだ、もしこの三人を黄巾党の本隊から救出する事ができればあいつらは守るものを失い混乱する。そして、それを各地に喧伝すれば各地の黄巾党も混乱して諸侯の人達が戦いを優位にできるかもしれない」
俺の言葉に聞き入る皆、しかしそれでも納得できないと反対する桂花。
「別に助ける必要はないじゃない、殺してしまえば後々の禍根も断てるわ」
「ただ殺してもし怒りに我を忘れた黄巾党が襲ってきたらどうするんだ?ただでさえ数が違うし兵だけじゃなく民にも被害がでるかもしれないじゃないか、なにより助けを求めている者を放っておくわけにはいかない!俺は彼女達を助けたい!」
俺の言葉に静まり返る、そして俺はさらに続ける。
「大丈夫、俺に考えがある、皆が俺の作戦に協力してくれたら彼女達を助け、そしてこの黄巾の乱を終わらせる事ができる。
だから、お願いだ、俺に力を貸してくれ!」
必死な俺の言葉に聞き入る皆、そして。
「北郷、覚悟はできているんだな!もし失敗したらただではずまさんぞ!」
「大丈夫、そんな事にはならないよ、俺を信じてくれ!」二カッ!
春蘭の神妙な言葉に返ってきたのは俺の自信に満ち溢れた言葉、呆れたのか覚悟を決めたのか。
「わかった、お前に従おう、お前は私達の御旗だからな」
秋蘭が答えると、季衣、流琉も賛成してくれる、そして。
「ふんっ!もし貴様がヘマをしたらこの私が貴様を叩き斬ってくれるからな!覚悟しておけ!」
春蘭も賛成してくれる、その様子を見た李典、楽進、干禁さんたちも続く、後は…
「……はぁ… 絶対上手くいくのね?」
「ああ!」
「…じゃあ、それを早く言って!もし酷い作戦なら私は絶対賛成しないから!この脳なし!色情魔!」
という感じの桂花、これで、ここにいる全員が賛成してくれた。
「じゃあ、作戦を言うよ、俺が考えてるのは…」
その作戦を聞いたある者は呆れ、ある者は笑い、ある者はやる気満々だったという。
「陳留が我らに降伏するそうだ!」
その報告が黄巾の本隊に伝わった時、黄巾党本隊は沸きかえった、戦いもせず体を休められる場所を得られるという事に。
そして陳留から届けられた大量の酒と食料に皆が群がってきた。
それを持ってきた陳留の使者がそれを制するようにたからかに言う。
「これは天の御遣い様より張角様へ降伏の証として送られたものである、是非張角様へじきじきにお渡ししたい!」と。
その言葉を聞いた初期からの張三姉妹支援者は皆を抑え、張角の所へ行き、事の次第を伝える、それを聞いた張梁こと人和はその使者をここへよこすよう言う。
こうして呼ばれた使者は張三姉妹の所に呼ばれ、人払いをするよう頼んだ後に北郷一刀からの言葉を伝える。
”張三姉妹を助ける事を約束する事、その為にその使者の渡した地図の所に移動してもらう事、酒と食料はその時に分配する事、そして夜になったら指図した行動をしてもらう事”
その言葉に安堵と溜息をついた張三姉妹はさっそく行動を起こす。
まずいわれた地点まで本隊を進め、そこで休息をとる、そして日が暮れたと同時に送られた酒と食料を分け与える、黄巾の者達はそれを美味そうに飲み、食し、まさに宴会のような状態になった。
「姉さん、皆酔ったり大騒ぎしているわ、護衛もすくなくなってきてる」
「次は… 近くにある滝で水浴びをするように言う、か」
さっそく行動を起こす彼女達、水浴びをしたいからと言って滝へ向かう張三姉妹、それを警護すると言って聞かない数人の護衛。
「もう!私達の裸を見ようだなんていい度胸ね!」
そんな地和の言葉にあたふたする黄巾の兵士、仕方がないので滝から見えない範囲まで下がった所で待機するという事で納得する。
それを見た張三姉妹は滝まで行くと、そこでしばらく待つ、すると…草陰からガサガサと音がし、人が現れる。
「張三姉妹ですね、天の御遣い北郷一刀様の命令にて方々を安全な所までお連れ致します」と言ったのは滝の周りに隠れていた秋蘭と流琉、干禁の三人。
三人は音を出来るだけ立てないようにして秋蘭達の後に続く、するとそこには馬車があり、乗り込むように言われる、三人が見張りに気付かれる事を心配すると。
「大丈夫、見張りはすでに眠ってもらっている」と
丁度その頃、見張りは楽進さんによって眠らされていた。
こうして張三姉妹は黄巾の本隊から簡単すぎるほど簡単に脱出できたのだった。
馬車に揺られながら人和が秋蘭に言葉をかける。
「あの、本当に私たちを助けてくれるんですか?このまま私たちを朝廷に渡したりはしないですか?」
その言葉に秋蘭は笑って答える。
「心配ない、我らが主、天の御遣いの北郷一刀は貴方達を我らで保護しようと言っておられる、朝廷に渡す事はないですよ」と
「保護、私達からそれを求めて言うのも何ですが、何故そこまでしていただけるのですか?」
その言葉に秋蘭は楽しそうに笑い、そして言う。
「それが北郷一刀という人物だからですよ」
一時間くらい経ったくらいにようやく黄巾党の本隊は張三姉妹が消えた事を知ると大騒ぎとなった、そして逃げたと思われた方向に馬車の跡を見つけると大挙して追い始める、それを確認した陳留の軍、一刀の用意した準備は万全、そして一刀は言葉を発する。
「さぁ、はじめようか!」
張三姉妹を追ってきたのは数万の黄巾党本隊のほぼ全軍、そしてその全軍が切り立った崖の見える所まで来た時に崖の上からぱあっと明かりが灯される、その様子に何事か!と見入る黄巾党、進軍を停止し、そこに注視してると。
じゃーじゃーじゃーじゃーじゃじゃーんじゃーじゃじゃーん というどっかのベイダーさんのテーマのようなものが鳴り響く!
ちなみにこの音楽は一刀が陳留の楽団に教えたもの、演奏は陳留楽団の皆さん、そして灯された所に現れたのは何か変なポーズをした。
「ははははーーーー!俺の名は北郷一刀! 戦乱を収める為にこの世に遣わされた天の御遣いなりぃぃ!!」
その後にどぱぱーーんといくつもの花火が崖の上からきれいに見える、崖の上はなんか整地され舞台のような感じになっていた。
ちなみに李典さんのからくりのおかげで声が増幅するからくりとかが設置されている、その為多くの黄巾の兵に言葉が届くようになっている、仕組みはよくわからない。
唖然とする黄巾党を正気にさせたのは、天の御遣いの横にぱっと光が当てられ現れた我らの張三姉妹。
「た、たすけてぇ、こいつにころされるうううううう!」
台詞棒読みで黄巾党に助けを求めるのは天和さん、その言葉に黄巾党はわぁっと崖に近寄る、しかし一刀が大声で叫ぶ。
「止まれ黄巾の者達よ!いいか、君達は騙されている!こいつらは妖術で女の子達の姿に化けた化け物なのだ!」と
俺の言葉にふっざけんなー!ぶーぶー!と黄巾党からの激しいブーイング、そこに。
「わたしたちがばけものだなんて、ひどいいいがかりだぱっ!いたっ!」
相変わらずの棒読み台詞の天和さん、さらに噛み噛みだし、そこに慌てて張梁さんが台詞を重ねる。
「私達が化け物だというならその証拠を見せてみなさい!////」と。
なんか少し赤くなってる、恥ずかしいんですね、わかります。
黄巾の兵達もそうだそうだーお前ひっこめーみたいなのが聞こえる、そこで俺は持ってた器に火を灯し(結構大きなの)、三姉妹にむける、そして。
「この火は聖なる火なり!化け物の本性を暴く力を持っている!!」
後ろでドカドカドーンって効果音、ちなみにやってるのは春蘭、結構ノリノリでやってんじゃなかろうか。
俺の言葉にひるんで見せる張三姉妹、黄巾党達もいつの間にやら罵声をやめて見入ってる感じに。
「そ、そんなものハッタリよ!」
張宝さんが強い調子で言う、このコは演技上手いなぁなどと思いつつ俺はあるものをとりだし。
「なら証拠を見せてやろう、いくぞっ!」
そういうと俺はその手に持ったものを火にいれる、するとその火は見る見る緑色に色を変える。
知ってる人は知っている炎色反応、火に銅をいれると変わるアレです。
その光景に黄巾党の人達から「おおーーーーっ!」という歓声があがる、そしてその火を見た張三姉妹は。
「くうっ!そ、その炎わーーー!!!////」
といって苦しみ出す、なんか張角さんは顔笑ってるけど、そしてその瞬間、崖の上が白い粉(小麦粉)で真っ白になる。
そして、張三姉妹を照らしていた明かりが消える、後ろで効果音がドンガラガッシャーン
黄巾党達がざわめく中、再び照らされた明かり、白い粉でもうもうとしてるその場所には張三姉妹はいなく、いたのは…
身長3メートルのひげもじゃで腕が八本、足が5本、おまけに角としっぽの生えている大男だった。
そして、「がおおーーーー」という声が聞こえたり
ちなみにコレは各地に出回ってる張角のに似顔絵らしい、もうすでに何なんだかわからないけど、利用させて貰った。
そしてコレは李典さんに作ってもらった着ぐるみ、ほんと精巧に出来てて知らない人が見たら実在を信じるであろう出来、ちなみに中に入って声だしてたりするのは季衣だったりする。
そんな化け物を見て黄巾党の人々は唖然として静かになる、そこをすかさす俺が大声で。
「とうとう正体を現したか、妖術で張三姉妹に化けた五胡の化け物めーーー!!!」
ともっともらしく説明台詞を言う、その言葉に黄巾党達もざわめく、
お、俺たちは化け物に騙されていたのか!とか
な、なんてこったい!俺達は五湖の妖術に操られていたのか!とか
張三姉妹のおっぱいが偽モノだったのか、とか!
そして俺はその化け物に剣を持って切りかかる、化け物もじたばたした感じで動き剣を払ったりするその様子にじっとみる黄巾党達、幾人かは歓声を上げる場面も。
個人的にはもっとやっていたかったが奥から「とっとと終わらせなさいよこのケダモノ!」との桂花の声が聞こえたので。
「これでさいごだあああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」
と言うと持ってた剣(この剣は特注の木剣で油をひたひたにしています)に火を着けるとごおっと燃え上がり炎の剣となる!
その様子に黄巾党の人達も「おおおおーーーーすげぇ!」との声が上がる、そして俺はその剣で化け物に切りつける!
ちなみにその化け物には元々切れ目が入っており合図と共に季衣が操作し、分離するようにできていた、凄いぞ俺の指示通りにこんなものを作り上げた李典さん!後ろからVサインの李典さんが見える。
まっぷたつになったその怪物は「ぎゃあああああああああああああああああああああ!!」という断末魔の声を出して倒れる。
その時ぽぽん!と白い粉が上がり黄巾党達からは見えない所から季衣は脱出、空っぽになった着ぐるみに剣についた火をつけるとメラメラっと燃え上がる、実はこの着ぐるみには油や花火や銅などの材料をたっぷり入れていたのだった、そしてそれを崖から落とすと。
ヒューーーーーーーーーーーーーーーーーーーん
どぱぱぱぱあああん!!どっかああああああん!!!!
って感じに派手に綺麗に燃え上がる。
その一連の様子をじっとみて静まり返る黄巾党の人達に俺が大声を張り上げて叫ぶ。
「黄巾党の頭、張角、いやさ!五胡の妖術で化けた化け物は天の御遣い北郷一刀が討ち取ったりぃぃーーーーーー!!!」
その瞬間黄巾党の人達は真っ白になった感じがした、そんな黄巾党に俺は追い討ちをかける。
「今こそ化け物に操られていた黄巾の賊を討つ時!銅鑼を鳴らせ!鬨の声をあげろ!!!」
そう言うと崖の奥から銅鑼の音が響き渡り各部隊の旗が立てられる、動揺する黄巾党にさらに続ける。
「総員奮闘せよ!全軍とつげきいいいいい!!!!!!」
その言葉と共に動き出す陳留の軍。
信奉する張三姉妹が化け物だと信じきって呆然とする者、それが討たれて動揺する者、「うわあああああ」そう悲鳴をあげ武器を捨て戦う事を忘れちりじりになって逃げる黄巾党、それはすでに烏合の衆と言っても過言ではなかった。
「無理に追撃しなくていいよ、逃がして今見た事を各地に喧伝してくれる方が都合がいいからね」
ぐったりして汗だくになって水を飲む一刀。
「け…荀ケさん、各地への喧伝の準備はできてるかな?」
俺の問いにふんっ!って感じの桂花さん、あ、荀ケって言葉に「名前を言わないで!」ってのがない!なんか嬉しいぞ!
「すでに準備はさせているわ、それで、何を喧伝すればいいの?この詐欺師!ケダモノ!」
ケダモノて… まぁ孕むとか言わないだけマシか。
「えっと、まず、黄巾党の頭張角が討たれ本隊は瓦解した事、それによって各地の黄巾党も瓦解した事、次にその張角は妖術で女の子に化けた化け物だった事、これと 各地で配られてる絵を一緒にバラまいてほしい、次に黄巾をつけたるものはその五胡の妖術によって体が徐々に腐っていき、肉と骨が削りとられ朽ち果てる、って感じのをおどろおどろしく派手に喧伝させて」
「各地の黄巾党はまだ瓦解してないですよね?」
そう聞いてくる流琉に。
「そう言った事を聞けば各地黄巾の連中は不安になると思うんだよ、それを確かめる方法もないだろうし、いわゆる情報操作ってやつかな」
「ふんっ、たいした詐欺師だわ」
「でも効果的だと思うよ、張角を討ったってだけじゃやめない連中もいるかもしれないけど本隊がいない、味方はいなくなっていく、黄巾をつけてるだけで妖術で腐って死んでいくとか喧伝すれば(この時代だったら)信じる人も多そうだし」
「ふんっ!」
そう言っててきぱきと指示を与える桂花、黄巾党を追撃してた各部隊も戻ってくる、
こうして一刀の「ヒーローショーに見立てて張三姉妹に化けた化け物を討って黄巾党を萎えさせよう作戦」は終わった、そしてこの作戦は絶大な効果を発揮する。
各地に送られた喧伝部隊は黄巾、一般市民、諸侯にまんべんなくその情報を流しまくった。
元々の信奉者だった者達は張三姉妹が化け物だと知って黄巾党をやめる者が続出。
張角が討たれ本隊が壊滅したという事を知った多くのにわか黄巾党は支えを失った事に不安になり脱落するものが続出。
黄巾をつけている事で体が腐って朽ち果てると聞いた黄巾党を模倣した者達は黄巾を脱ぎ捨てちりじりになる者が続出。
それでも残った者はいたがその数は数えるほどでそうなると各地の諸侯の敵ではなかった、各地で撃破され黄巾党は各地から消え去った。
こうして黄巾の乱は終わったのだった。
黄巾をあっさり終わらせてしまいました、しかも無茶苦茶
実は最初書いたのを(ヒーローショーで6割くらいの)書き直したんですがあんま意味なかった感じ
もう五回目だというに…
まったく成長していない… 安西先生ぇ
説明 | ||
とりあえず黄巾終了です、はしょりすぎてます、何かもう好き勝手やってます それでは皆さん良いお年を |
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43714 | 30088 | 211 |
コメント | ||
すげぇおわらしかただ(qisheng) >>Alice.Magic様 棒にしないとマジでやってるとか思われそうなのでw(kaz) なにこれwwww敵も一刀も棒読みすぎるwwww(Alice.Magic) >>summon様 まぁこの頃の一刀さん、というか書いてる自分も好き勝手やってましたねぇwでもこういうノリの方がすきなんですよ(kaz) 一刀さん、ノリノリだなぁ〜(summon) >>ロックオン様 まだ慌てるような時間じゃない、って事で(kaz) 桂花デレろ〜(ロックオン) >>readman様 まぁこの回は・・ちょっとやりすぎちゃいましたねw(kaz) 良いなあ。(readman ) >>零壱式軽対選手誘導弾様 まぁ馬鹿な事しすぎちゃったかなとは思いましたが、まぁアリなんじゃないかと(kaz) 楽しいヒーローショーでしたよ^^ww(零壱式軽対選手誘導弾) >>ブックマン様 色んな意味で、さすが一刀さんという感じで(kaz) >>鮑旭様 とくに心酔してる人には効果的かなと(kaz) >>moki68k様 春蘭さんを着ぐるみにと考えたのですが手加減しないと思ってやめましたw(kaz) >>ゲストさん。様 えと、まだ張三姉妹としか名乗ってないので、この後役満になるのかな(kaz) >>libra様 孔明が赤壁の時に風吹かせたりとかのネタをなんとなく参考に…なってないかなw(kaz) >>自由人様 桂花さんがデレる予定は今の所皆無ですが、どうしよう…(kaz) >>吹風様 占いとかが科学と同じくらいの時代らしいですし(kaz) >>nayuki78様 大きな嘘ほど人は信じやすいとか(kaz) >>ジョージ様 馬鹿っぽいのしか書けないもので…(kaz) >>村主様 アニメとか見てたらついこんな舞台をwでも意外と効果あるんじゃと思ったんです(kaz) みずから種を蒔き自分で刈る・・・みごとな自己完結ですw(ブックマン) なんか着ぐるみの中でノリノリになってる季衣が目に浮かびます。中の人が春蘭だったらきっと一刀に反撃して台無しになっただろうなぁw(moki68k) 数え役満シスターズはこれから大三元シスターズとかにでも改名するんですかwww(ゲストさん。) この発想は無かったw確かに妖術などが信じられてたこの時代ならこんな作戦も有効なんだよな(libra) この黄巾の乱って原因は一刀の知恵で鎮めたのも一刀の知恵…恐るべし天の御遣い!桂花も少しは認めたようでここからデレていくのかな?次回更新が楽しみです。(自由人) 相手が宗教だからこそ通用する作戦だよなぁ。てか桂花こんな作戦承認すんなよw(吹風) お遊戯レベルでも、そうだ”思わせて”しまったのが勝因かw(nayuki78) うわぁwwwwwなんぞこれwwwww お遊戯会やんwwwww ぎゃ〜〜〜〜〜っはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはwwwwwww(峠崎丈二) むしろ本編ではあまり描かれなかった戦いの内情が書かれていて面白かったですwむしろこの時代だからこそ見事に通じた作戦だったかと(一刀の戦略)(村主7) |
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