TVを見ていると 無人店舗で泥棒に入られたと怒る店主は後を断たない。ニュースのコメンテーターはみなが憤っている。でも僕は みんなそんなに他人を信用していたのかと 逆に驚く。性善説にも程があると思うのだ。無人で商品を並べておくだけで 金が稼げるのなら、高い給料を払って人を雇っている経営者をあまりにもバカにしてるだろう。2023年の最低賃金は全国平均が1004円だった。もし 店番のアルバイトを雇っていたら、最低時給1,000円として9:00~17:00の時間(休憩1時間を含む)で1日7,000円支払わなければならない。1ヶ月なら約21万円だ。交替で24時間人を雇ったら毎月72万円以上の給料を支払わなければならない。人件費は今後も上がり続けるだろう。そう考えた上で無人営業をしているならば、ひと月に数万円分盗まれる事ぐらい損失額の計算に最初から入れているのではないのだろうか? たとえばメディアは大袈裟に5,000円分の商品が盗まれたと大騒ぎしているが、実際はそんな微々たる金額は痛くも痒くも無いかも知れない。金額は商品を盗まれるだけなら、鍵を壊されたり窓を割られたりするよりもはるかに安いのだ。どうしても盗難されたくないのなら 自動販売機を設置したほうが良い。昭和は自動販売機が調理までこなしていた。街道沿いにはだいたい自動調理販売機があり、うどんやハンバーガーが人気だった。深夜のコインスナックで虫がバチバチと音をたてる電撃殺虫機の下で仲間とうどんをすすっていたのが懐かしい。電子レンジ付自動販売機などを設置すると飲食店営業許可が必要になるから、無人だからと安易に考えることは出来ないが、先に書いた通り 人件費を考えると無人の魅力は大きい。すべてが無人化、自動化、AI化になってゆく未来は 全自動のフードトラックがオフィス街に現れ、自動販売機感覚でお弁当が買えたり 作りたてのランチが楽しめるのかも知れない。
|