河川用作業機械カ
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説明
日本列島は、標高1000〜3000mにもなる山脈が 太平洋側と日本海側に二分しているから、ヨーロッパやアメリカの川に比べると 川全体の長さが短くて、 同じ標高差なのに距離が短く流れが速い。特に富山県の常願寺川は、源流から河口までの標高差が約3000mもあるのに、川の長さはわずか56kmという世界でも有数の急流だ。明治時代に この常願寺川の工事で派遣されてきた オランダ人技師デ・レーケが、「これは川ではない。滝である。」と言ったそうだ。ゆっくり流れているヨーロッパの川に比べると、常願寺川の流れはとても速くて驚いたのだろう。また、日本とフランスの川を比べてみると フランスの川がとても長いことがよくわかる。フランスで一番長いロワール川は約1006kmだが日本で1番長い信濃川は367kmしかない。ロワール川の水源地は標高約1400mなのに信濃川は2200mもある。そしてロワール川は平野に出るとゆるやかな流れとなり広大な流域を有する。日本の川の流域面積はフランスの川の流域面積に比べてたいへんに小さいことがわかる。ロワール川は合流する支流を含めた流域面積が約12万平方kmもあるが、これはフランス国土の約20%を占めている。これは日本でいうとなんと本州の半分の面積とほぼ同じになる。対して日本で一番広い流域面積をもつのは利根川だが、その流域は関東平野だけだ。 山が多く、いくつもの平野や盆地に分かれている日本では、大平原の広がるフランスとの地形のちがいが、川の長さや流れる速さ、流域面積のちがいなどによくあらわれている。 降った雨が一気に流れ出る日本の川は雨が降ると水が川に集まり、川は一気に水かさを増し洪水になる。温暖化が騒がれる以前から洪水の多い 同じ島国のフィリピンと比較してみた。フィリピンで一番長い川はルソン島のカガヤン川で、標高1,524mのカラバリオ山脈から520kmを流れて海にそそぐ。流域面積は27,300kuと利根川よりもずっと広い。フィリピンは日本より狭いのに流域は日本の方が小さくて流れも速いのだ。雨で増えた川の水量が洪水時にどれくらい流れるかというと、関東地方の利根川では平常時(ふだんの川の水量)の100倍、中部地方の木曽川では60倍、近畿地方の淀川では30倍にも増える。 外国の川は、イギリスのテムズ川で8倍、ドイツなどを流れるドナウ川で4倍、アメリカのミシシッピ川で3倍となっている。 ヨーロッパやアメリカの川は、川の全長が長く、川のこう配がゆるやかなので、上流に降った雨はゆっくりと流れてくる。それに対して、日本の川は、全長が短く、川のこう配も急なので、上流に降った雨が一気に海まで流れ出るのだ。そんな地形に線状降水帯が次々と押し寄せる時代になったから大変なのだ。 そんな急流の多い川を住みかとしている生物にカゲロウの幼虫やカワゲラがいる。日本には数が多すぎて棲息種類がよくわかっていないらしいが、急流に適応した体の造りになっているものも多い。これからの日本は強い川の流れでも作業できるカワゲラ型作業機械が人命救助等に必要だと思うのであった。
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