追憶 6 |
追憶 6
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少女に地獄が再来した。
彼らの誇りをその身に纏うには
彼らと同様の肉体を手に入れる必要があった。
この施しをもたらすには
今までのゼノ達では虚弱過ぎたが
幼いエルフの体はワープの影響下にさらされ
手術に耐えうる程度の強靭さは獲得していた。
まず最初に行われたのは身体の急速増強。
後に控える
内臓組織の改造と拡張に耐えるためにも不可欠な工程である。
身体のいたるところに麻酔なしで電極とコードがうち込まれ
無理やり骨格と筋肉を肥大させる。
その痛みはたやすく想像のきくものではない。
少女は1カ月の間泣き叫び続け
僧侶たちの讃美歌と混ざり合い
いびつなコーラスが艦内に流れた。
続く内臓組織の改造。
当然と言わんばかりに麻酔のたぐいはない。
あるのは ただ気が散るだけの
僧侶たちによる讃美歌のコーラスだ。
少女は苦痛にもだえ
せめてもう少し気の利いた音楽に変えてはくれまいか
などと考えていたが
手術台に乗せられて数日後ふと気が付く。
苦痛に涙を流しながらも
前回の処置のように叫び散らしてはいない。
麻酔ナシで切開されているにもかかわらず。
失われた手足を強化義肢がおぎない
全ての処置が終わり
姿鏡に自身が映されると
少女は驚嘆した。
母親譲りの美しい顔はそのままに
首から下は
神話に聞かされた偉人や怪物のごとき肉体が
誇らしげに鎮座している。
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そして遂に少女の肉体に皇帝の加護が取り付けられる。
司祭と僧侶の賛歌に合わせ
クレーンアームがうなりを上げる。
身体のいたるところに埋め込まれた接続プラグに
パイプコードと固定アンカーが挿入されてゆく。
鎧の外殻に生身のような感覚がまとう。
カシャカシャと子気味の良い音を立てながら
ニューラルリンクケーブルが展開し後頭部を覆う。
赤きレフテナントヘルメットの側面部が開かれ
総長テロパスの手でかぶせられた。
異端の戦士 偽りの射手 汚れた盾持ち
運命に翻弄されしエルフの少女は
マリーンとなった。
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ハイエルフ スペースマリーン ウォーハンマー | ||
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