以前 逆走対策として前後のない 前半分をくっつけた車を作ったが、考えたら 自然界には すぐに反対方向(前後)へ動き出せる生物がいた。カニだ。カニは左右(進行方向で考えると前後)にすぐ方向転換できる。捕食者から逃れるために身につけた生存戦略だそうだ。左右どちらも前(正規の方向)だから、きっとバックするという概念は無いのだろう。学者は蟹は蜘蛛と同じ八本脚だが 蟹は足が太いから前後に進むときに早く脚を動かすと 脚同士が絡まったりぶつかったりする。その障害を防ぐために横歩きするようになったと考えられている。そして横歩きしても 足の可動域を広くとれるように 胴体が幅広くなったと推測している。人は二本足なので簡単に前後左右に動けるが、多足だと各関節に複雑な動きが要求され、それに伴い速度もおちることが容易に想像できる。それが、左右(前後)の二方向だけなら 関節も操作も単純化できるはずだ。多足形の移動装置は脚にかかる荷重を軽減させるという目的と悪路走破性を上げることが狙いだったが、僕が今まで虫型しか作っていなかったのは 固定概念にとらわれていたようだ。蟹型にすれば 横巾を小さくしてすっきりとコンパクトなデザインに収まる。たぶん速度も上がるはずだ。機体の前後を決めるのは視認する認知機能の向きでしかないから、センサーがたくさんついたAI制御なら曲がるか まっすぐ進むかだけで 自動歩行機械の前後は関係ないのだ。蟹型歩行機なら行き止まりの狭い路地に入っても難無く出て来られるのだ。でもレゴだから、そんな妄想するだけで動いたりはしないんだけどね。 |