地上よりも地下の方が 温度が低い。温度が低ければ湿気も減る。地表の温度は気温によって左右されるが、地下1mにおいては1日の気温の変化による影響をほとんど受けないそうだ。地下水が集中的に流動している箇所周辺(水ミチ)の地温は、夏は地下水が周囲の熱を奪っていくため「水ミチ」周辺の地温は低くなり、冬季には地下水のほうがその周囲より温度が高くなるので「水ミチ」周辺の地温は高くなる。 地上では、気温が高くなるほど空気は水蒸気をたくさん保持できるから、太陽の熱で暖められた 水分の多い日本は 湿度もどんどん高くなる。日本の気温は高くなりすぎて 動物はその湿度に耐えきれなくなり、日陰でしか生活できなくなるだろう。鳥たちは 日中は空を飛ばなくなり 日本に棲息するのは、夜に活動できるフクロウの種類が多くなる。日中に行動するカラスが減ったあとは、日陰者のネズミたちが天下を取る。街角を我が物顔に徘徊していた野生動物たちも、森に引っ込み出てこなくなる。日本の生態系の主役に躍り出るのは、地下の覇者モグラだ。ネズミも穴を掘るが、能力が全然ちがう。 そして日中は命を危険にさらされるために ほとんどの人間は昼夜逆転してしまう。会社も学校もすべて、日が沈んでから開始するようになる。人々は地下の住居に移り住む者もいたが、水害の懸念があるため 移動できる住居でなければならないと考えるようになる。そして日本人は、モグラを手本にした住居を作ったのだ。それは日中は地下に潜り、夜間だけ地上に現れる 移動可能な住居、モグラダファミリーハウスだ。
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