これからスズメバチの脅威にさらされる季節がくる。そこでスズメバチ対策を考えてみた。一番に思い付くのは熊だ。 熊は蜂の巣ごと すべてを壊滅してくれる蜂の最強の天敵だが、人も同時に被害にあってしまうので街中では非現実的だ。いろいろと調べてみると凄い虫がいた。 ギンモンシマメイガのメスは、夜間にこっそりスズメバチの巣に産卵。卵からかえった幼虫は巣を食べて成長していく。駆除した巣からギンモンシマメイガの幼虫が見つかることもあり、そのような巣は内側の巣盤がボロボロになっている。メイガの仲間(メイガ科シマメイガ亜科)のうち,ギンモンシマメイガ Pyralis regalis とモモイロシマメイガ Hypsopygia mauritialis がスズメバチの巣に寄生する。メスの成虫は夜間に活動し,外皮や巣盤に産卵し、孵化した幼虫は巣の内部に入り込み 育房に糸を綴ってトンネルを作り 主に利用されなくなった1層目の巣盤を囓って生活していく。このシマメイガの寄生を受けた巣盤はぼろぼろになってしまう。名古屋市内ではモモイロシマメイガに寄生されたコガタスズメバチの巣が 9月以降かなり高い割合で見つかる。この巣盤を容器にいれて室内に放置しておくと 翌年に小さな成虫が羽化してくる。2004年8月17日に駆除した直径15cm程,巣盤数1層の小さな巣からは96頭の幼虫と17頭の蛹が見つかりった。まるで白蟻に家をボロボロにされるようである。これらのシマメイガは巣を壊すが、女王蜂を直接攻撃して破壊する虫もいる。 スズメバチタマセンチュウは2007年に北海道で発見された寄生虫だ。スズメバチの中でもオオスズメバチ、キイロスズメバチ、チャイロスズメバチの3種に寄生が確認されている。その恐るべき能力は冬眠中の女王蜂に寄生して卵巣機能を破壊して卵を産めなくしてしまう。つまり働き蜂を増やす事が出来ず、巣を繁栄させる事自体ができなくなってしまうのだ。特に人間に対して被害の多いオオスズメバチとキイロスズメバチの2種に有効な事から、人工的にスズメバチタマセンチュウを寄生させて個体数を管理する研究が進められているそうだ。人類がスズメバチに勝つ日は近いようだ。 |