穴だらけの月面を
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説明
月に巨大な洞窟が有るなんて、想像力が掻き立てられる。巨大な地下洞窟が月面に存在するらしいと、2024年7月15日に イタリアなどの研究チームが 月の縦穴をレーダー分析した結果を 科学誌ネイチャー・アストロノミーに発表した。テニスコートが5面もすっぽり入るほどの広さだという。過去には 日本の月周回衛星「かぐや」の観測で 2009年にマリウス丘で径50m深さ50mの穴が見つかり、2017年には その穴は水平方向に10m以上あると米国の衛星「LOZ」により観測されている。現在は月面に200以上の深い縦穴が存在することが分かっていて 一部は地下に洞窟が広がっているとみられているが、その確認はまだらしい。 トレント大のロレンツォ・ブルツォーネ教授らは、月面の「静かの海」にある縦穴(直径約100メートル)に注目して、米国の月周回衛星「LRO」のレーダー画像を分析したところ、縦穴の西側で反射する電波の輝度が明るくなっていることがわかり、これが穴の西側に洞窟が延びている証拠だといっている。縦穴に斜めに入射した電波が、洞窟内の床や天井で反射して戻ってきた結果だとして 洞窟を仮定した行ったシミュレーション結果も観測データをよく再現できたという。 洞窟は深さ130〜170メートルの地下にあり、幅45メートル、長さ30〜80メートルと研究チームは推測しているそうだ。洞窟内の底は斜面になっている可能性もあるらしい。 国際共同研究チームが過去に月周回衛星「かぐや」で発見した穴は、搭載した電波レーダ、月レーダサウンダーで取得したデータを解析したところ、月の火山地域の地下、数10m?数100mの深さに、複数の空洞の存在を確認したという。確認された地下空洞の一つは、「かぐや」が発見した縦孔を東端として、西に数10km伸びた巨大なものらしい。地下空洞の存在は確実になっているそうだ。溶岩チューブの地下空洞内部は、月の起源と進化の様々な課題を解決出来る場所であり、また月における基地建設として最適の場所のようだ。縦孔は、こうした地下空洞への入り口の可能性があるが、縦孔の数は少なく、科学的探査や基地を作ることのできる地下空洞は希少かもしれない。表面が冷えて固まった後も、地下の溶岩は冷えずに流れ続け、その通り道が洞窟になったと考えられていて、洞窟の一部が崩落して縦穴ができると入り口が生まれるようだ。月の表面はクレーターのあばただけじゃなく、まるで奥深い迷宮が入り組んでいるようだ。月面探索ビークルは洞窟に入り込んだり、穴に落ちても飛び上がれる能力が必要かも知れない。
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