ジェットフォイル
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説明
僕はジェット船は ただの水中翼船だと思っていたがそうではなかった。調べてみると、ジェット航空機から生まれたジェットフォイルは アメリカの航空機メーカーのボーイング社が開発した船で、ジェットエンジンで海水を吹き出し空気のかわりに海水から揚力を得て飛ぶ「海のジェット機」らしい。従来の水中翼船が水中翼の一部が海面上に出る「半没翼船」なのに対し、高速ジェット船は水中翼が全て沈む「全没翼型水中翼船」ということだ。この違いが、ハイスピードと高い安定性、それと小回りの利くなめらかな航行を実現している。航空機と同様の「自動姿勢制御装置」を搭載することにより 航行中の船体の姿勢を自動調節しており 常に最適な船体姿勢を保つことができるそうだ。また緊急時には 自動車なみの短い距離で停船が可能だという。しかも水中翼で浮き上がって航行するため、船体への海水の抵抗が少なくてすみ、波の影響を受けずに ほとんど揺れる事がないまま45ノット(時速83km)の速度がでる。これは『競艇のボートとほぼ同じ速度』で 小型の漁船は約25ノット、一般のフェリーは20〜22ノットで運航している。なんとフェリーの2倍以上のスピードなのだ。 この素晴らしい船は日本のような離島の多い国にはぴったりで、現在では 世界で唯一川崎重工が独占的建造のライセンス所得をして製産している。川崎重工でジェットフォイルのライセンス導入を担当した神林伸光・特別顧問によると「ライセンス取得当時に想定した需要に近い船会社、航路に販売できた」とのこと。しかし、その後は新造船の発注が止まってしまったらしい。 ジェットフォイルは特殊な構造のため、建造するには専用の生産設備と部品の供給ルートが必要なんだそうだ。しかし「搭載する機器のメーカーは5隻分、ウォータージェット推進機については10基分のロットがまとまらないと、生産できないと言ってきている」(川崎重工)とのこと。その後何年もの間 船体が高価なこともあり 発注が止まっていたようだが、2020年に25年ぶりに新造船が造られた。日本中のジェットフォイルが老朽化しているいま、今回の事故を受けて 再び新造ラッシュがあるかもしれない。海外の島国にもセールスすべきだと思う。だがジェットフォイルの造船技術者もまた 老朽化していることが今後の問題らしい。
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