真・恋姫外史 がんばれ一刀お笑い道中〜僕が外史に降りた理由〜 第三十話
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袁術の所へやってきた雪蓮はすぐさま謁見の間に通された。

 

「で、今度はどんな用で呼び出されたのかしら?」

 

「うむ。七乃」

 

「は〜い。今回はですねぇ、一揆の鎮圧をお願いしたいんですよ」

 

「それぐらいなら、私の力を借りなくても何とか出来るでしょ?」

 

「それが、今回は特に規模が大きくてですねぇ・・・・・・」

 

「ふ〜ん。それで面倒だから私の所に丸投げしようって訳」

 

「不満かえ?」

 

「・・・・・・」

 

しばし無言になる雪蓮。

 

「はぁ。分かったわよ。やればいいんでしょ?やれば」

 

「うむ。任せたぞ」

 

「はいはい。それじゃ、私はもう帰るわね。やるなら早い方がいいでしょ」

 

「うむ」

 

「それじゃ、お願いしますね〜〜」

 

袁術、張勲に背を向け、立ち去る雪蓮は、心の中で呟いていた。

 

(首を洗って待ってなさい)

 

 

 

 

 

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自城に戻った雪蓮は、早々に兵を纏めて出陣した。

 

「で?私達は偽の一揆に参加している兵達と合流したら、そのまま袁術を攻めればいいのよね。冥琳?」

 

「ああ。ただ、いつも言っている事だが無闇に突っ込むなよ。袁術の軍は兵の練度も士気も高くはないだろうが、数だけはいるからな」

 

「分かってるわよ」

 

「つまり、分かってないってことだよな」

 

「・・・・・・言うようになったわね、一刀」

 

などと話しつつ行軍は進み、一行は一揆に見せかけて集まった兵達と合流を果たした。

 

兵以外の民達は帰っていき、雪蓮は兵達に檄を飛ばす。

 

「さぁ!準備は整ったわ!奪われたものを取り戻しに行くわよ!」

 

「「「「「「おおおおおおおお!!」」」」」」

 

兵達が雄たけびをあげる。

 

そして軍は進む。

 

怨敵を打ち倒すために・・・・・・

 

 

 

 

 

 

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その動きは当然袁術の耳に入る事となった。

 

「そ、孫策が裏切ったのかえ?」

 

「そうみたいですね」

 

「どうすればいいのじゃ七乃!?」

 

「う〜ん・・・・・・」

 

張勲はしばし考えこみ、口を開いた。

 

「戦うか逃げるか。美羽様はどちらがいいですか?」

 

「勝ち目があるなら戦う方がいいのじゃが・・・・・・」

 

「あるにはあります」

 

「あるのか?」

 

「ええ。情報では黄蓋さんと陸遜さんの旗が無かったそうです。どちらも呉の軍では重要な位置を占めている人たちですから、二人がいないだけでも軍の動きにかなり影響は出ると思います。その上で、こちらの勝利条件を明確にしておきます」

 

「勝利条件?」

 

「はい。今回の戦で狙うのは孫家の三姉妹です」

 

「孫策、孫権、孫尚香かえ?」

 

「そうです。孫策さんを討つか、孫権さんか孫尚香さんを生け捕りにする。前者を達成できれば指導者を失った呉軍は崩れるでしょうし、後者を達成できれば呉軍を無力化できると思います」

 

「では、勝てるのじゃな?」

 

「可能性はあります」

 

「では戦うのじゃ!そもそも逃げたところで、孫策なら地の果てまで追ってきそうじゃし・・・・・・」

 

「言えてますね。それじゃ、私は出陣の準備をしますね」

 

「頼んだぞ七乃」

 

「はい。今回は文字通り死活問題。私も本気を出しますからね」

 

それから張勲は急いで軍備を整え、城外で陣を敷き、呉軍を待ち構えるのだった・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

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もう少しで戦場に到着する呉軍だったが、ある事件が起きていた。

 

「雪蓮、顔色が良くないようだが、大丈夫か?」

 

「き、気のせいじゃない?私はなんとも・・・・・・うっ!」

 

馬上で嘔吐し、バランスをくずす雪蓮。

 

「雪蓮!」

 

とっさに雪蓮を支える冥琳。

 

「進軍停止!すぐに軍医を呼べ!」

 

ざわつきながらも進軍を止める呉軍。

 

雪蓮は急遽設置された天幕の中に運ばれ・・・・・・

 

 

 

 

 

 

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雪蓮が運び込まれた天幕の中にいるのは、ばつの悪そうな顔で横たわる雪蓮と、腕を組み、仁王立ちで青筋を立てながら雪蓮を見下ろす冥琳。

 

そしてそんな冥琳の迫力に押され、少し離れたところで二人を見守る一刀達と軍医だった。

 

そんな中、冥琳が口を開く。

 

「何故黙っていた?」

 

「え、ええと・・・・・・」

 

「何故、一刀との子供が出来ていた事を黙っていたかと聞いている」

 

「それはその・・・・・・」

 

「言わなくても分かっているがな。今回の戦に出るのを止められたくなかったからだろう」

 

「う・・・・・・」

 

「さっき軍医から聞いたが、城にいた医者たちにも口止めしていたらしいな」

 

「・・・・・・」

 

「祭殿も穏もおとなしく城で待ってくれているというのに、申し訳ないとは思わんのか?」

 

「それはそうなんだけど、袁術に今までの借りを返す最初で最後の機会なのに、参加できないと一生後悔すると思って・・・・・・」

 

「気持ちは分かるさ。だが、戦いの最中、今回のような事態になっていたらどうなっていたと思う?お前は責任を取れるのか?」

 

「・・・・・・」

 

「何より、お前の胎の中にいるのは我らがもっとも願っていた孫家と天の御使いの子供だぞ。今、その子以上に優先するべき事が、お前にあると思っているのか?」

 

「うぐ・・・・・・」

 

その後も冥琳のお説教は続いた。

 

今回の戦だけはと食い下がる雪蓮だったが、冥琳の怒りが頂点に達しかけているのに途中で気づき、袁術の命を自分の手で終わらせる事を条件に諦めたのだった。

 

その後、冥琳は当初予定していた軍の編成の修正案を諸将の前で話すのだった。

 

「右翼は思春。お前に任せる」

 

「はっ!」

 

「左翼は明命だ。頼むぞ」

 

「分かりました!」

 

「そして中央は私、蓮華様、小蓮様、そして一刀でいく」

 

「俺たち三人で雪蓮の分の働きをしろってか」

 

「そういうことになるな。それと、雪蓮の代わりの総大将だが・・・・・・」

 

「蓮華でいきましょうよ」

 

身体を起こしながら雪蓮はそう言った。

 

「私が!?」

 

「・・・・・・それが妥当だろうな」

 

「ただ、蓮華が無理だと言うならシャオか冥琳に代わってもらおうかしらね」

 

「とんでもありません!姉様の代わり!立派にやって見せます!」

 

「・・・・・・」

 

不満げな顔をする小蓮に一刀はそっと耳打ちした。

 

「ここでシャオが選ばれてみろ。蓮華の精神状態が不安定になるのは目に見えてるだろ。下手したら命落とすかもしれないし、ここは譲っておこうや」

 

「・・・・・・うん」

 

渋々頷く小蓮。

 

こうしてアクシデントこそあったものの、改めて準備を整え、呉軍は戦場へと向かうのであった・・・・・・

 

 

 

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どうもみなさん大変お久しぶりです。

 

アキナスです。

 

投稿期間に関しては本当に申し訳ないです。

 

それでもこのお話と医伝に関しては何とか完結まで持っていきたいと思っているので、たまに覗きに来てくださればと思います。

 

それではまた次回・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

説明
決戦は目前
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コメント
更新されてる、いつの間に!ご懐妊おめでとう、と言いたいがタイミングが少し良くなかったか(デーモン赤ペン)
mokiti1976-2010さん:ありうる話ですね。そしてそれをやった場合、後にどのような制裁が待っているのか気になる所です(アキナス)
雪蓮さんも離脱…でも、何時の間にか勝手に戦場に出てそうな気が。(mokiti1976-2010)
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