その名の由来となったインドネシアのコモド島と 周辺の島々に生息するコモドドラゴンは、非常に危険な爬虫類として知られている。成体は体長3m以上になるコモドオオトカゲ(ドラゴン)の口には鋭い歯が並び、1つ1つがのこぎり状になっており、肉は簡単に切り裂かれてしまう。しかも、その歯の間に毒管があり、唾液を介して血液の凝固を妨げる毒を獲物に流し込む。ほんの少しかみ傷をつけられると、その毒によって血液は固まらなくなり、しばらく放置すれば失血により死に至る。普段はあまり動かず大人しくしているが、哺乳類を主食としている。自分より大きいシカや水牛、馬なども捕食する力を持っているので、人間も襲われることもある。持久力があり、獲物を追いかけるスタミナがあり、確実に相手を追い詰めるそうだ。コモドドラゴンの歯は鉄でコーティングされて強化してあることが最近判明した。この爬虫類で初の発見は、ナショナル ジオグラフィック日本版サイト 2024年7月24日付けで学術誌「Nature Ecology & Evolution」に掲載された研究により明らかになった。「爬虫類の歯で鉄を確認したことはこれまでありません。とても興味深いです」と、米ニューヨークのダーメン大学の古生物学者で、論文の共著者でもあるドメニック・ダモーレ氏は言う。コモドドラゴンの歯のクローズアップ写真には、先端にオレンジがかった鉄が見える。 ビーバーやラット、トガリネズミなどの齧歯(げっし)類の歯には、金属が含まれており、歯が強化されているのが知られていたが、爬虫類の歯は一生の間に何度も生え替わるため 磨り減った歯は処分できる。また コモドドラゴンは毒を持っており、獲物を鋭い歯と爪で引き裂く前に麻痺させられるから、科学者たちはずっと歯を鋭く保つ特別な適応はないと考えていたそうだ。だが 今回の発見により新たな疑問が生じたそうだ。他の爬虫類の歯にも鉄は存在するのだろうか? 恐竜のような古代の爬虫類の歯はどうだったのだろうか? 他にどのような歯の適応があるのだろうか?爬虫類はまだ多くの驚きを秘めていて、新たな研究の道を切り開いてくれたと、英キングズ・カレッジ・ロンドンの古生物学者アーロン・ルブラン氏は言う。 今回の僕のレゴは『動物園から逃げ出したコモドドラゴンに半分飲み込まれたコドモだからコドモとドラゴン』。インドネシア並みに熱帯化しつつある日本でコモドドラゴンが逃げ出して、多くの外来生物のように自然繁殖してしまったら、と考えると恐ろしい。 |