9月3日は秋の睡眠の日だ。経済協力開発機構(OECD)の調査によると、日本は先進国の中で 睡眠時間が最も少ないそうだ。厚生労働省は来年度から睡眠時間を増やす計画を始めるらしく、2032年度までの「健康日本21」計画をたて、睡眠で休養がとれている人の割合を 19年の78・3%から80%へ、睡眠時間が6〜9時間(60歳以上については6〜8時間)の人の割合を54・5%から60%にする目標を設定したという。学者は日本人の睡眠についての考え方は世界に比べて周回遅れで、睡眠を専門とする医師も足りていないと指摘している。 だが、本当に日本人は睡眠が不足しているのだろうか?僕は睡眠時間が 海外より短いことは悪いのかと疑問に思う。2021年度版のデータによれば、1日当たりの平均睡眠時間が最も長い国は南アフリカの553分(9.21時間)、2位は中国の542分(9.03時間)、3位はアメリカ合衆国の531分(8.85時間)だ。反対に最も短い国は日本の442分(7.36時間)、ワースト2位は韓国の471分(7.85時間)、ワースト3位はスウェーデンの483分(8.03時間)となっている。睡眠が短いほど不健康なのかと思って、2023年の長寿ランキングを見ると、日本が1番長生きで、韓国は3位、スウェーデンは13位になっている。睡眠時間と健康は関係が無いように思える。むしろ反比例していそうだ。人にとって適切な睡眠時間をさがしていると、次の研究を見つけた。『2009年にスタンフォード大学において、ショートスリーパーの人は、ヒトの体内時計をコントロールしているというDEC2遺伝子に突然変異を起こしているということが発見されました。また 2019年にはADRB1遺伝子の変異もショートスリーパーに影響していることが明らかとなりました。つまり「ショートスリーパーは遺伝的な特性であり、短い時間に慣れることで 後天的にショートスリーパーになれるわけではない」ということが明らかとなったのです。若い頃から5時間睡眠で十分であり 休日にどんなに寝る時間があったとしても5時間の睡眠で十分な人以外は、しっかり睡眠時間を確保しないと健康な状態を維持できないと言えるでしょう。』 もしかすると、日本人と韓国人は遺伝的に 睡眠時間が短くても大丈夫な人が多いのかも知れない。厚労省が推進するように 睡眠時間を 無理して長くする必要は無いのではないか。こんな研究もある。『日本人では、睡眠時間が7時間のグループと比較して睡眠時間が長い場合に、死亡リスクが増加することが示されました。この背景に、どのようなメカニズムがあるのかは、まだ解明されていません。短時間睡眠では、食欲を抑制するホルモンであるレプチンの分泌が低下し、食欲を高めるホルモンであるグレリンの分泌が増することにより、結果的に食欲が増して肥満を引き起こすことが考えられています。一方で、長時間睡眠では、閉塞性睡眠時無呼吸が多くなり死亡リスクの増加と関連することが考えられます。また、長時間睡眠では病気を持っている人が多く、より死亡に結びつきやすいことも示唆されています。今後の研究によって、睡眠時間と死亡リスクに関する更なるメカニズムの解明が必要です。』どうやら 睡眠不足よりも 寝すぎた方が健康を害して 命に関わる病気になるようだ。 ん〜 どうやら日本人が長生きするのは、睡眠不足気味と感じているからみたいだ。 そうだ!南アフリカ人に『あなたたちが寿命が短いのは寝過ぎだからですよ。』と教えてあげよう。中国人やアメリカ人には『あなた方は寝過ぎだから病気が多いんですよ。』と教えてあげた方がよさそうだ。そして厚労省には『余計なお世話だ!!』と言ってあげよう。日本でたくさん寝ても良いのは、三年寝太郎と日光の眠り猫だけなのだ。 |