ようこそ、二次へ  六話
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前回のアバウトなあらすじ

二次元の世界(今は恋姫の世界)に来てしまった俺は元の世界に戻るために

七色の物を探すが、全く情報が集まらない。

そしたら本郷さんが華琳に相談したらどうだろうと

提案してくれたので、曹操さんを探しに行くことに・・・。

 

では、本編どうぞ!

 

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六話 恋姫無双 〜北郷軍C〜

 

昨日の北郷さんの提案通り、華琳・・・曹操を探して

城内を歩きまわっているのだけど・・・

「・・・見つかんないなぁ」

いつも、外でお茶をしながら本読んでたりしてるって言ってたから

すぐ見つかると思ってたけど、敷地が広すぎるよ・・・。

 

他の場所を探そうと踵を返しかけたら

向かいから猫耳フードをかぶった人が歩いてきた。

 

あの人が素直に教えてくれるとは思えないが

一応、曹操さんの居場所を聞いてみるか・・・

「あのー、荀ケさん。曹操さん何処にいるか知りませんか?」

「それ以上近づかないで!アイツと同じ天から来た人間なら、アイツみたいに

節操も甲斐性もない女ったらしな奴なんでしょ!?そんな奴に華琳様のいる場所を

知っていても教えるわけないじゃない!!」

・・・うわっ。初っ端からとばしてくるなぁ。

「いやいや、天の住人の皆が皆そういう人じゃないですから!!」

「ふんっ!どうかしらね?男の言う事なんか信じられないわ!」

「じゃあ、信じてくれなくていいんで、華琳さんの居場所を教えてください」

「あんたみたいな万年発情男の同族なんかに絶対に教えるわけないじゃない!

でも、もっとちゃんとした頼み方をしたら教えてあげなくもないわよ?」

ふふんと鼻を鳴らして、上から目線で俺に言ってくる。

 

はぁ・・・ココでこんな事してても埒が明かないよ・・・他の場所でも行くか。

しかし、悪口言われてこのままってのもなんか癪だから

「教えないとか言ってるけど、本当は何処にいるか知らないんじゃないですか?

はぁ・・・無駄な時間を過ごしてしまった」

俺は皮肉を言ってその場を去ろうとする。

「待ちなさい!この荀ケ様に話しかけておいて時間の無駄って何!?

それに私が華琳様のいる場所を知らないなんて事ある訳ないじゃない!!」

「どうですかねー?意地はってるだけじゃないんですか?」

足を止めて挑発してみる。

「意地はってるって何よ!?華琳様はこの先の中庭でお茶をしているわ!!あっ・・・」

荀ケがこんな安い挑発に乗って来るとは・・・

ま、ラッキー♪

「ありがとうございます!」

俺は走って中庭へ向かう。

「待ちなさい!!この―――――――――――」

後ろからとんでもない罵倒が聞こえたような気がしたが、聞こえなかった事にしておこう。

 

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「中庭ってここら辺だよな・・・」

曹操さんがいないか辺りを見回してみる。

「おっ」

中庭の一画、夏侯惇・夏侯淵と一緒にお茶をしている曹操の姿を見つけた。

「曹操さん、ちょっと相談したい事があるんですが、お時間にいいですか?」

俺は曹操の近くへと歩み寄る。

「今、華琳様は私とお茶を楽しんでいるんだ!後にしろ!!」

「姉者・・・私もいるぞ」

「あ、あぁすまない秋蘭。とにかく華琳様は私たちとお茶をしてるんだ!」

「春蘭。話を聞きましょう、どうしたのかしらサク?」

「そんなぁ華琳様〜・・・」

曹操は騒ぐ夏侯惇を手で制すると俺に空いてる席に座るよう促した。

「えっと、俺が七色の物を探しているのはこの前の招集の時にお話ししましたよね?」

「えぇ、貴方が天の国に帰るのに必要なんでしょ?」

「はい。それで昨日町で聞き込みをしてみたんですけど、情報がまったく集まらなくて・・・。

その事を北郷さんに話したら、曹操さんに知恵を貸してもらったらどうか?と言われて」

「そう、一刀が・・・」

「貴様!曹操様と言わないか!!」

春蘭さんが身を乗り出して俺の方を睨んでくる。

「春蘭の事は気にしなくていいわ。それで、私に何を聞きたいの?」

いや、気にするなって言われてもめっちゃ怖いんですけど・・・

「姉者、そんなに睨んでいてはサクも話づらいだろう」

「うぅ、しゅうら〜ん・・・」

春蘭さんは渋々と席に着く。

俺は秋蘭さんに目を伏せてお礼をする。

秋蘭さんは口元を少し緩めると、自分の茶を口に運んだ。

「で、探し方で何かいい方法はないかと。知恵をお借りできませんか?」

「そうねぇ・・・。そういえば、何処で落としたとか、その物の形とかはどういう物なのかしら?」

「それが・・・」

「あ〜う〜」

春蘭さんはまだごねているようで、うーうーと唸っている。

それを見かねた曹操さんが溜息を一つ吐いて口を開こうとしたので

「夏侯惇さん」

「なんだ!!」

ううっ怖い・・・。

「えっと、曹操さんとのお茶を邪魔してしまってすいませんでした。

それで、このお茶の時間をかけた勝負をしようと思いまして・・・」

「勝負だと!?私がお前如きに負ける訳なかろう!」

そう言って傍らに置いてあった剣を取ろうとする。

「ぶ、武術で俺が勝てる訳ないじゃないですか!」

「じゃあ、何で勝負するというのだ?」

「そこで提案なんですけど俺が謎掛け・・・例えば『ある荷馬車がキャベツ、トウガラシ、米

を乗せて崖のある道をとんでもない速度で走っていました。その荷馬車が急な曲がり角にさしかかりました。

落ちたのは何でしょう?』という謎掛けですが、答えは分かりますか?」

「うーん?」

春蘭さんは首をかしげる。

「曹操さん達は分かりましたか?」

俺は、曹操さん、秋蘭さんに聞いてみる。

「貴方はこの曹孟徳を舐めているのかしら?」

「あぁ分かったぞ」

流石二人とも頭がきれるなぁ。

「なにぃ!?華琳様も秋蘭も分かったのか!!?うぅ・・・」

一人は頭を抱えて悩んでいるけど。

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〜2分後〜

「分かったぞ!答えはトウガラシだ!!」

自信満々な顔で俺の顔を見る。

「違います」

「なにぃ!?じゃあ、キャベツか?」

「違います」

「うぅ・・・答えは米なのか・・・」

「違います」

「なんだとう!?荷馬車にはそれしか乗っていなかったではないか!!

他に落ちる物などなかろう!!」

身を乗り出して俺の胸倉に掴みかかって揺さぶってくる。

「イタイイタイ、痛いですよ!!ちょ、夏侯淵さん答えをお願いします」

揺さぶられてとても話せる状況ではなかったので秋蘭さんに頼んでみる。

「ふむ、分かった。ほら姉者放してやれ死んでしまうぞ。サク、答えは速度であってるか?」

「せ、正解です。ゲホッ、ゲホッ」

秋蘭さんに言われて春蘭さんは俺のことを放す。

「・・・?なぜだ?」

全く分からないといった風にこっちを見てくる。

「えっとだから、馬車が曲がり角に速い速度でいったら危ないですよね、

だから馬車の速度が落ちたんです。分かりましたか?」

「なるほど!分かったぞ!!」

満足そうな顔で微笑む。

おいおい、その笑顔はやばいですぜ・・・ドキッときてもうた。

 

「では、本番をやりましょう。考えている時間は俺は曹操さんと相談してます。

夏侯惇さんは5回まで回答できます。5回間違えた時点で俺の勝ちでいいでしょうか?」

「ふん、すぐに答えてやるさ!」

と春蘭さんは意気込む。

「では問題です。『椅子は椅子でも鳴く椅子はなんでしょう?』」

さっきより簡単な問題だけど・・・まぁ、大丈夫か。

俺がそんな事を思ってると春蘭さんがこっちを見ている。

えっ・・・もう分かってしまったのか!?

そして春蘭さんが口を開く

「椅子が鳴く訳なかろう!!」

と大真面目に。

そこか!!

「姉者、謎掛けだ」

「むぅ、そうだったな・・・」

そんな春蘭さんを見て秋蘭さんはツッコミをいれる。

「頑張ってくださいね」

頭を抱えて悩んでいる春蘭さんに一言言って俺は曹操さんの方に向き直る。

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「すいませんでした。勝手な事して」

「別にいいわ、春蘭の可愛い姿も見れたもの。それにしても、さっきより簡単な問題みたいだけど

いいのかしら?」

「たぶん、夏侯惇さんなら大丈夫だと思います」

「そうね。では、話の続きをしましょうか。落とした場所とその物の形は?」

むぅ、正直場所は分からないし、七色の物も前回はビー玉だったけど今回も同じとは限らないし・・・

「落ちた場所はさっぱりですがおそらくこの辺りかと、形状は・・・すいません、分からないんです。」

「わからない?どういう事かしら?」

「信じられないと思いますが・・・それは、形を変えるんです。なので七色という以外は・・・」

我ながらあまりにもテキトーな嘘を言ってるよ。

「ふぅん・・・天ならそんな物もあるのでしょうね」

うぅ騙してるようで申し訳ないなぁ。

 

その後、曹操さんは色々と案を考えてくれた。

おそらく自分一人ではまったく思いつかなかったような事も

しかし俺の力だけで実践するのは難しそうな物ばかりなので参考にするという形で

今後の探す作業に活かせると思う。

 

「今日は、本当にありがとうございました!頑張って探してみます」

「ふふっ頑張りなさい」

俺は、席を立って曹操さんに深くお辞儀をする。

 

そして、中庭を後に・・・・・・

「ちょっとまったーーーーーー!!!」

あっ、忘れてた。

「どうしたんですか夏侯惇さん?」

曹操さんと話している間、問題の答えを考えていたようだが

途中でオーバーヒートして頭から煙が出ていた。

そのおかげでスムーズに相談を進める事が出来たんだけど。

「答えが分かったぞ!私だ!!」

「・・・はい?」

「だ・か・ら、私だ!!」

「すいません・・・理由を教えてくれますか?」

「ふん!いいだろう。私が椅子となって華琳様に座って頂くのだ。

そして華琳様と・・・あぁ華琳様・・・そんな・・・こんないい声で鳴く椅子は始めてだなんて・・・

華琳様そんなことまで!!?・・・はぁ・・・華琳様・・・」

 

春蘭さんはどこか遠くを見つめて悦に入っている。

頭がオーバーヒートして壊れてしまったのだろうか?言動が荀ケみたいになってるぜ。

「夏侯淵さん、夏侯惇さん大丈夫なんですか?」

横に座っている秋蘭さんに聞いてみる。

「ふふっ、可愛いなぁ姉者は」

・・・ダメだこの姉妹、早く何とかしないと。

曹操さんは曹操さんでお茶を飲みながら本を読み始めていた。

 

「・・・探しに行くかー」

俺は中庭を後にした。

 

六話 恋姫無双 〜北郷軍C〜 終わり

説明
ようこそ、二次へ 六話です。
曹操に相談をするため城内をぶらぶらします。
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コメント
COMBAT02 さん 喜んでいただけで良かったです^^ゆっくり更新していくと思うので暇な時にでも見てやって下さい(・ω・*)(suica.西瓜)
これはいいですね!二次元の世界に入りたい行きたい・・・っていう願望があるのですが、そういった小説が無くてガッカリしていたのですが・・・suica.suikaさんの「ようこそ、二次へ」を閲覧したとき、なんというか・・・・・・・か、か感動しました(泣) (COMBAT02)
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