英雄伝説〜焔の軌跡〜 リメイク
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〜海底洞窟〜

 

「…………」

「…………」

戦闘が始まると黒髪の女性が放った攻撃力を増加させる晶術――――――シャープネスによって強化された銀髪の青年が先制攻撃として空中に複数の矢を放って敵陣に降り注がせる技――――――雹雨をエステル達に放ち

「させん!地龍吼破!!」

上空から襲い掛かる複数の矢に対してバダックが地面から岩石を噴き上げるクラフトによる岩石で降り注ぐ複数の矢を防いだ。

「お返しですわ!輝ける青よ、エンブレスブルー!!」

「…………!」

反撃にナタリアが敵陣に無数の氷の刃の矢を放ったが金髪の青年が跳躍して自分の周囲に灼熱のフィールドを展開する晶術――――――レイジングフレアを発動して防いだ。

「覚悟はできたか?――――――デモンズランス・ゼロ!!」

「ドライブ開始――――――シャドウスピア!!」

青年が展開していた灼熱のフィールドが消えるとその瞬間を狙うかのようにリオンとユウナがそれぞれ漆黒の槍を放つ晶術やアーツで青年にダメージを与え

「うりゃっ!戦吼爆ッ破!!」

青年が地上へと着地すると、それを待っていたかのように着地した金髪の青年に接近したロニが気合の塊を叩きつけて青年に追撃を叩きこむと同時に吹っ飛ばした。

「ヤッ!!」

「蒼波刃!まだだっ!!」

「おおおぉぉぉ…………っ!!」

エステルとカイル、ヨシュアはそれぞれ衝撃波による遠距離攻撃のクラフト―――――捻糸棍、蒼破追蓮、魔眼でそれぞれ銀髪の青年と黒髪の女性にダメージを与え

「行きます!スプラッシュ!逃がさないっ!クラッシュガスト!!」

リアラは上空から連続する水流を落とす晶術を放った後続けてその水流を凍結させて砕いた破片敵にたたきつける術へと連携して二人に追撃した。

「…………!」

「無数の流星よ!彼の地より来たれ!メテオスォーム!!」

それぞれの攻防の間にそれぞれの術の詠唱を終えた神官の女性とジェイドはそれぞれ敵陣に無数の隕石を落下させる術を発動した事で双方それぞれ大ダメージを受けたが

「頑張って!――――――リザレクション!!」

「優しき癒しの風よ、ヒールウィンド!!」

「…………!」

リアラとナタリアがそれぞれ広範囲の仲間達のダメージを回復させる術で自分や仲間達のダメージを回復し、対する敵たちも黒髪の女性が発動した上級回復晶術――――――リザレクションによってダメージを回復した。

 

 

「まさか向こうも”メテオスォーム”に加えて”リザレクション”まで扱えるなんて…………!」

「さすがは”英雄”と呼ばれし者達だけあって、偽物とはいえ相応の実力はあるということか。」

「高位の術を使っている事もそうですが、何よりも厄介なのはその連携力ですね。幸いにも私達の方が人数が多いのですから、互いに二手に分けてそれぞれの相手をした方がよさそうでしょう。」

「二手に分けるっつっても、問題はそれをどんな方法で分けるんだよ…………!?」

回復を終えたナタリアは驚きの表情で敵たちを見つめ、バダックは警戒した様子で呟き、ジェイドの提案にロニが疲れた表情である懸念を口にした。

「うふふ、それに関してはユウナたちの世界の魔法――――――ダークマターで簡単にできるから心配する必要はないわよ♪ドライブ開始――――――」

「オーブメント駆動―――――それで、どんな組合せで分けるの!?」

ロニの懸念に対して答えたユウナはオーブメントを駆動させてアーツを放つ準備を開始し、ユウナに続くようにユウナとオーブメントを駆動させたエステルは仲間達に訊ねた。

「…………スタンと厄介な回復晶術の使い手であるルーティは僕とカイル達で相手する。お前たちは残りの二人――――――フィリアとウッドロウの相手をしろ。それと”イクティノス”の使い手であるウッドロウは剣と弓に加えて、風の晶術も使ってくるから、ウッドロウは物理攻撃だけでなく晶術にも警戒しろ。――――――偽物とはいえ、相手はお前の両親であるスタンとルーティだが行けるな、カイル?」

「勿論行けるっ!父さんと母さんは俺達の手で助けてみせる!」

エステルの疑問に対して答えたリオンはエステル達に助言した後カイルに確認し、確認されたカイルは力強く頷いた。

「「ダークマター!!」」

その時駆動を終えたエステルとユウナが吸引効果がある攻撃アーツで4人にダメージを与えると共にそれぞれ二手に分けて離れた場所へと強制的に移動させた。

「よし!行くぞ、カイル、リアラ、ロニ!!」

「ああ!」

「はい!」

「おう!」

そしてリオンの号令にそれぞれ力強く答えた3人はリオンと共に金髪の青年と黒髪の女性へと向かい、エステル達は残りの二人へと向かってそれぞれ戦闘を再開した。

 

「…………」

「…………」

エステル達が銀髪の青年と神官の女性へと向かうと既にそれぞれが持つ剣のエネルギーのチャージを終えた青年は攻撃範囲内に風の刃を無数に生み出し、範囲内を飛び交わせる晶術――――――エアスラスト、神官の女性は敵陣の頭上に光の晶力を一点に集め、そこから無数のレーザーを打ち込む晶術――――――レイを発動してそれぞれエステル達にダメージを与えた。

「優しき癒しの風よ、ヒールウィンド!!」

「ドライブ開始――――――ホーリーブレス!!」

二人の術によってダメージを受けたエステル達だったが敵の反撃を想定していたナタリアとユウナはそれぞれ敵たちに向かいながら回復の譜術とアーツの発動準備をしていた為、ダメージを受けた後すぐにそれぞれ回復魔法を発動して自分や仲間達のダメージを回復した。

「この重力の中で悶え苦しむがいい――――――グラビティ!!」

そこに詠唱を終えたジェイドが敵の周囲に過重力空間を発生させ攻撃する譜術で反撃してダメージを与えると共に敵の動きを制限し

「火竜爪!炎牙爆砕吼!!」

「瞬迅爪!ハァァァァァァ…………ッ!金剛撃!!

「せいっ!ハアッ!虎牙破斬!!」

その間に敵たちに接近したバダックは神官の女性に火炎を纏った薙ぎ払い技からそのまま敵をつかみ取って爆発を起こす技へと連携し、エステルとヨシュアは青年に高速の鋭い突きを放つ技から力を込めた強烈な一撃を叩きこむ技へと、ヨシュアは双剣による2連撃の技から上下段の斬りを繰り出す技へとそれぞれ連携してダメージを与えた。

「…………」

「させないわ――――――えっ!?キャッ!?」

「くっ!?弓の構えはフェイントか…………!」

反撃に青年はエステル目掛けて弓の構えを見せ、それを目にしたエステルは得物である棒を目の前で回転させて防御しようとしたが、青年が放った技――――――抜砕牙は敵に弓を射る構えの幻影を見せ、姿も見えないほど高速で前進してすれ違いざまに斬る”剣技”である為、青年の弓の構えに騙されてしまったエステルはダメージを受けてしまい、エステル同様青年の弓の構えに騙されて防御できるダメージを受けたヨシュアは青年が放った技についての推測をした。

「…………」

「下らん!――――――何っ!?くっ…………身体が痺れて…………っ!」

女性はバダック目掛けて薬品の瓶を投擲し、投擲された瓶を武器を振るって割って無効化したバダックだったが女性が放ったクラフト―――――フィリアボムは炸裂する麻痺効果を含んだ液体であった為、身体の数ヵ所に液体がかかってしまったバダックは麻痺状態に陥った。

 

「今治療しますわ、お父様!――――――不浄を退ける力となれ、リキュペレート!!」

「…………」

「キャアッ!?」

麻痺状態に陥ったバダックを目にしたナタリアは状態異常を回復させる譜術でバダックの麻痺状態を回復したがそれを目にした青年はナタリアを先に潰すべき敵と判断したのかナタリア目掛けて貫通する強力な矢を放つ弓技――――――豪烈を放ってナタリアにダメージを与え

「フフッ、それっ!!」

「…………」

「キャッ!?」

ユウナは青年に大鎌を投擲するクラフト―――――カラミティスロウを放ったが大鎌が青年に当たる瞬間青年は残像を残して姿を消し、敵の上空に出現して斬りかかる技―――――陽炎で回避した後ユウナに反撃を叩きこんでユウナにダメージを与えた。

「終わりの安らぎを与えよ、フレイムバースト!!」

「…………」

一方敵の意識が仲間達に反れている間に詠唱を終わらせたジェイドは小規模な炎の爆発を起こす譜術を発動させて女性にダメージを与えたが、自身の得物の剣へのチャージを終えた女性は反撃に上空から火炎弾を降らす術――――――フィアフルフレアを発動し

「瞬迅槍!爆炎、受けなさい、墜牙爆炎槍!!」

上空から降り注ぐ火炎弾を女性目掛けて突進することで回避したジェイドは右腕の表層部分に融合していた微粒子状にした槍を具現化してそのまま接近戦に切り替えて女性に更なるダメージを与えた後最後の技の効果によって女性を吹き飛ばした。

 

「鷹爪!落瀑蹴!!」

「絶影!!」

「うふふ、逃げられないんだから、はぁっ!そ〜れっ!」

女性が吹き飛ばされるとエステルは追撃に天井近くまで高く跳躍した後空中より衝撃波を2度放ち、急降下蹴りをするクラフトで、ヨシュアは目にも止まらぬスピードで無拍子の刃を繰り出すクラフトで、ユウナは女性目掛け敵陣を駆け抜け、すれ違う命を摘み取る殲滅天使のSクラフト―――――ユ・ラナンデスでそれぞれ追撃して女性に大ダメージを与え

「さっきはよくもやってくれましたわね…………!ビアシスライン!砕けましてよ、ストローククエイカー!!」

「獅子戦吼!オオオォォォォォッ!獅吼爆砕陣!!」

「断罪の剣よ、七光の輝きを持ちて降り注げ!プリズムソード!!」

ナタリアは貫通する強烈な矢を放つ技からジャンプして撃ち放った矢の衝撃で敵を攻撃する技、バダックは獅子の闘気を叩きつける技から連続で獅子の闘気を叩きつける奥義へとそれぞれ連携し、ジェイドは自身が扱える上級譜術の中でも”禁譜”扱いされている強力な術である光の洗礼を受けた剣が降り注ぐ上級譜術を発動して青年に大ダメージを与えた。

 

「「…………!」」

それぞれ大ダメージを受けた敵達はそれぞれ全身から凄まじい闘気や霊力を纏う状態になった!

「あ、あの全身が光っている状態って、さっきのカイルとリアラにそれぞれ変身していた”グリモア”が見せた…………!」

「”オーバーリミッツ”、もしくはそれに類似した状態です!総員、あの光がなくなるまでは防御や回避に専念を!それとナタリアは、”エンジェルブレス”の発動を!」

「お任せになって!怯まぬ魂への賛美、ファランクス!…………」

敵達の状態を目にしたエステルは驚き、ジェイドは真剣な表情で仲間達に指示し、自分のみへのジェイドの特別な指示に答えたナタリアは一定時間攻撃を受けても仰け反り状態にならなくする技を発動した後自身が扱える回復譜術の中でも最高位である回復譜術の詠唱を開始した。

「…………!!」

「神々の御使(みつか)いの祝福をここに――――――エンジェルブレス!!」

するとその時青年がエステル達目掛けて驟雨の如く矢を放った後、剣で無数の真空波を放ってエステル達に大ダメージを与え、青年が放った秘奥義―――――皇舞旋煌閃が終わった直後に敵が放った秘奥義を受けても怯まず詠唱を続けていたナタリアが詠唱を終えて戦闘不能を含む全ての状態異常を解除し、失った傷や体力を全回復してさらに戦闘不能時自動で復活する効果を付与する最高位の回復譜術――――――エンジェルブレスを発動して自分達が受けたダメージを完全回復した。

「…………!!」

そこに青年に続くように秘奥義を発動した女性は敵陣の頭上に炎の弾丸を降り注がせる晶術――――――バーンストライク、猛吹雪を発生させる晶術――――――ブリザード、巨大な竜巻を発生させて敵を切り刻む晶術――――――サイクロンを順番に連続で発動させた後止めに巨大な結晶を落としてエステル達に大ダメージを与えた。女性が放った次々に繰り出される四聖術――――――ディヴァインパウアは元々威力が凄まじい事に加えて女性自身の霊力も高かった事で威力が相乗された事によってダメージも凄まじくエステルとユウナ、ヨシュアに加えてバダックまで戦闘不能状態に陥り、”術”を使う関係でエステル達と違って霊力による攻撃に対しての抵抗力もエステル達より高いジェイドとナタリアも瀕死状態に陥ったが、戦闘不能状態に陥ったエステル達はエンジェルブレスにより復活効果によりすぐにダメージは全快して復活した。

 

「フウ…………ナタリアさんの回復魔法が無かったら冗談抜きで全滅していたかもしれないわね…………っと!すぐに傷を回復するわね、ジェイドさん!オーブメント駆動…………」

「すぐに傷を回復する、メリル!オーブメント駆動…………」

それぞれ復活したエステルとバダックはそれぞれ完全回復アーツをジェイドとナタリアにかける為にオーブメントを駆動させ始め

「うふふ、でも放たれた技や術が凄まじかった分やっぱりあの光の状態は消えたわね。という訳でお先にユウナが”仕返し”をさせてもらうわね♪来て――――――パテル=マテル!!」

「逃がさない――――――おおおおぉぉぉ…………っ!!」

意味ありげな笑みを浮かべてそれぞれ光が収まった状態の青年と女性を確認したユウナは”影の国”の”想念”の力を利用してパテル=マテルをその場に召喚した後パテル=マテルが差し出した片腕に乗り、ヨシュアはクラフト―――――魔眼を発動して敵にダメージを与えると共に敵の動きを封じ込め

「さあ、薙ぎ払いなさい!――――――ダブルバスターキャノン!!」

「――――――!!」

パテル=マテルはユウナの指示によってそれぞれ両肩の装着されている巨大な砲口にエネルギーを収束した後青年と女性目掛けて収束したエネルギーをぶっ放して大ダメージを与えた!

「「ティア・オル!!」」

そこに駆動を終えたエステルとバダックが完全回復アーツをジェイドとナタリアにかけて二人の傷を完全に回復し

「助かりました。――――――さあ行きますよ!!」

「ありがとうございます、お父様。――――――わたくしに任せなさい!!」

それぞれ完全回復したジェイドとナタリアは先ほど大技を放った青年と女性のように全身に凄まじい闘気や霊力を纏う状態になり、それぞれ大技を放った!

「わたくしから逃れられると思って?降り注げ星光――――――アストラル・レイン!!」

秘奥義を発動したナタリアは敵達の足元に魔法陣を発生させて魔法陣による光で捉えた後光の矢を降り注がせて大ダメージを与え

「消えなさい!旋律の戒めよ、ネクロマンサーの名の下に具現せよ――――――ミスティックケージ!!『力』というものを思い知りなさい!」

ナタリアよりやや遅れて秘奥義を発動したジェイドは敵達を巨大な譜力の檻に閉じ込めて大爆発を起こして大ダメージを与えた。するとダメージに耐え切れなくなった青年と女性はそれぞれ”グリモア”の姿へと戻り

「これで!」

「終わりだっ!」

それを目にしたエステルとバダックはそれぞれグリモアに止めを刺した!

 

「ロニ!お前はルーティを抑えろ!カイル!お前は僕と共にスタンの相手だ!リアラは僕達が二人を抑えている間に晶術で援護しろ!」

「わかった!」

「ええ!」

「って、オイ!俺だけでルーティさんを抑えろとか無茶じゃねぇか!?」

金髪の青年と黒髪の女性へと向かいながらリオンはカイル達に指示を出し、リオンの指示にそれぞれ答えたカイルとリアラだったが、ロニは表情を引き攣らせてリオンに自身が抱いている懸念を指摘した。

「盗賊のルーティは生粋の戦士のスタンと違って物理攻撃技の数は限られている上攻撃力も大した事はないし、奴が扱うソーディアンの”アトワイト”は回復や補助を主体とした”ソーディアン”だ。その為厄介なのは回復や補助の晶術とその身軽さや手癖の悪さを利用したトリッキーな戦い方だ。僕達よりも無駄に体力があるお前なら、一人でルーティを抑える事くらいはできるはずだ。」

「悪かったな、無駄に体力があって!ええい、やってやるよ、畜生が!――――――空破特攻弾!!」

「…………!」

リオンの指摘に疲れた表情で答えたロニは自棄気味になって女性目掛けて全身を回転させながら突っ込んだが女性はロニの先制攻撃を回避した。

「…………!」

一方剣にエネルギーを溜め終えた青年はカイルとリオン目掛けて地面に小規模の溶岩を噴出させる晶術――――――イラプションを発動した。

「”イラプション”か!回避する為に突撃系の技で対処しろ、カイル!――――――幻影刃!!」

「ああ!――――――空破!絶風撃!!」

自分達に放たれた晶術の正体がすぐにわかったリオンはカイルに助言した後突撃系の技で回避するとともに青年に攻撃を叩きこみ、カイルもリオンのように突撃系のクラフト―――――突風を纏った神速の突きを放つ”空破絶風撃”で回避すると共に青年に攻撃を叩きこんだ。

 

「双打鐘!ふっ!はっ!割破爆走撃!!」

女性への攻撃を仕掛けたロニは武器と拳の連撃を叩き込んだ後二連続での回し蹴りから槍を振り下ろし、突撃する技へと連携したが

「…………」

「ぐっ!?」

女性はロニの突撃を回避した後空中への斬り上げから対地突きを繰り出す技――――――スナイプエアから空中から水の斬撃を放つ技――――――スラッシュレインへと連携してロニにダメージを与えた。

「行きます!ウィンドスラッシュ !逃がさない――――――クロスブレイド!!」

その時詠唱を終えたリアラが小規模な風の刃を起こして切り刻む晶術から地面を駆ける一対の風の刃を敵の位置で交差させる晶術へと連携して女性にダメージを与えると共にのけ反らせ

「行くぜ…………!デルタレイ!!」

女性がリアラの晶術を受けている間に晶術の準備を終えたロニは3つの光弾を同時に放つ晶術を発動して追撃し、女性に更なるダメージを与えた。

 

「…………」

「「!!」」

術を回避されて反撃を受けた青年はカイルとリオン目掛けて上空まで発生する炎撃を繰り出す術剣技――――――屠龍閃を繰り出したが二人はそれぞれ左右に散って回避し

「散葉塵!まだだっ!牙連蒼破刃!!」

「月閃光!散れっ!―――崩龍斬光剣!消えろっ!!」

カイルは青年に舞う木の葉を切り刻むかのように下段突き、斬り上げ、斬り下ろしを高速に繰り出して深く剣を突き刺し、引き抜いた後踏み込んで突き、斜め上突き、振り下ろし、そして真空波の連撃技を、リオンは剣で三日月を描いで斬り上げた剣を戻して斬り返した後飛び上がって横薙ぎに一閃し、更に空中を”Z”の文字をなぞるように疾走して青年に次々と斬撃を叩き込んでそれぞれ青年にダメージを与えた。

「…………」

「させるか!」

「甘い!」

左右から攻撃を受けた青年は垂直回転斬りで上昇する技――――――真空裂斬で空中へと退避すると共に反撃し、青年の反撃に対して二人はそれぞれすぐに防御態勢を取って防御してダメージを最小限に抑えたが

「…………」

「くっ!?」

「チッ!?」

青年は空中でそのまま熱波の回転斬りから地面に剣を突き立てるように降下し周囲に爆炎を巻き起こす技――――――熱破旋風陣へと連携し、爆炎には耐えきれなかった二人はそれぞれ防御を崩されてダメージを受けた。

「行きます!アクアスパイク!!逃がさない――――――フリーズハンター!!」

そこにロニへの援護を終えた後カイルとリオンへの援護へと切り替えたリアラが回転する水流で攻撃する晶術から敵を正確に狙う複数の氷を撃ち出す晶術へと連携して青年にダメージを与えると共にのけ反らせ

「行くぞ……!切り裂け!スラストファング!!」

「僕の目の前から消えろ!グランドダッシャー!!」

青年がリアラの晶術によってのけ反っている間にカイルは無数の真空の刃で敵を切り裂く晶術、リオンは広範囲の地面から巨大な岩を何度も噴出させる上級晶術をそれぞれ発動して青年に追撃して更なるダメージを与えた。

 

「雷神招!放墜鐘!今だ!」

晶術を放った後再び女性に接近戦を仕掛けたロニは斧槍を振り上げ落雷を起こして攻撃する技から敵を突き刺し、遥か上空へ投げ飛ばし、そして斧槍に溜めた闘気のエネルギーで追撃する技へと連携してダメージを与え

「…………」

「ぐ…………っ!?」

対する女性は反撃にそのまま空中から再びクラフト―――――スナイプエアでロニに強襲してダメージを与えた後続けて高速の斬撃を繰り出して血のような薔薇を描く乱舞技――――――ブラッディローズを繰り出してロニにダメージを与え続けようとしたが

「恐怖とともに消えよ! 哭け!極限の嵐!フィアフルストーム!!」

「!?」

リアラが発動した壊滅的な威力の嵐を巻き起こす上級晶術――――――フィアフルストームによってロニへの攻撃は中断されると共に女性を襲う嵐によって女性はダメージを受けると共にのけ反り

「爆灰鐘!かち割ったぁ!うりゃっ!戦吼爆ッ破!!」

女性がのけ反るとロニは大地を砕く勢いで力強く得物を振り下ろして地面を踏み鳴らして追撃する技から気合の塊を叩きつける技へと連携して女性にダメージを与えた。

「…………!」

「げっ!?”スピリッツブラスター”の状態になったって事は…………!」

その時女性は全身に凄まじい霊力や闘気を纏った状態になり、それを見たロニが表情を引き攣らせると女性はロニ目掛けて秘奥義を発動した!

「…………!」

女性はロニを打ち上げた後、空中で瞬間移動しながら切り刻み、最後にロニの懐から財布を盗んだ後決めポーズなのか財布を手に喜びの跳躍をした。

「ぐああああ…………っ!?何とか耐えられたか…………――――――って、俺の財布が!?」

女性が放った盗みの限りを尽くす瞬速斬撃――――――トリックスターによる大ダメージを受けたロニは女性が手に持っている自身の財布に気づくと驚きの表情で声を上げた。

「頑張って!――――――ヒール!!」

そこにリアラによる回復晶術がロニにかかり、敵の秘奥義によって受けたロニのダメージを回復し

「行きます!フレイムドライブ!逃がさない――――――フォトンブレイズ!!――――――今よ、ロニ!」

ロニの傷を回復したリアラは続けてを追尾する火炎弾を放つ晶術から敵を中心に高熱の爆発を起こすを追尾する火炎弾を放つ晶術へと連携して敵にダメージを与えると共にのけ反らせた後ロニに呼びかけ

「一気に決めるぜぇっ!」

リアラの呼びかけに応えるかのようにロニは全身から凄まじい闘気を放ち始めて女性に攻撃を仕掛けた。

「双打鐘!ふっ!はっ!戦吼爆ッ破!!」

再びクラフト―――――双打連蹴から戦吼爆ッ破へと連携して敵にダメージを与えたロニは秘奥義を発動した!

「叩きのめす!まだのめす!さらにのめす!それが!」

斧槍で敵を何度も叩きのめしたロニはその場で跳躍し

「ファイナルプレイヤー!!」

止めに全身からあふれる気合のエネルギーを女性に放った!

「!!??」

ロニが放った秘奥義を受けた事によってダメージが限界に来た女性はグリモアの姿へと戻り

「こいつで終わりだっ!!」

そこにロニが斧槍を振るって止めを刺した!

 

「爆炎剣!燃えろっ!岩斬滅砕陣!!」

「空襲剣!臥竜閃!そこかっ!爪竜連牙斬!!」

青年に再び接近戦を仕掛けたカイルは剣を振り下ろし、切っ先から爆炎を放った後炎を纏った剣を振り下ろす技から地面を叩きつけ、数多の岩片を飛ばす技へと連携し、リオンは低い姿勢での高速移動から抉るように突き上げる技からそのまま空中で真空波の一閃を薙いで返す刀でもう一度一閃する技へと連携した後地上に着地すると踏み込みから流れるような4連続攻撃を放つ技へと連携して青年にダメージを与えた。

「…………!」

「「!!」」

二人の攻撃を次々と受けた青年は反撃に炎の晶力を剣に溜め、一気に解放しながら薙ぎ払う技――――――魔王炎撃波を放ち、青年が放った薙ぎ払い技に対して二人はそれぞれ後ろに跳躍して回避した。

「…………」

「くっ…………!?」

攻撃を回避された青年は続けたその場で炎を纏いながら跳躍してカイル目掛けて火炎弾を剣で打ち出す技で追撃してカイルにダメージを与え

「………………!」

「チッ、偽物の分際で生意気な………!」

クラフト―――――紅蓮剣をカイルに放った青年はそのまま空中で敵を追尾する6発の炎の矢を放つ晶術――――――ヴォルカニックレイジをリオンに放ち、襲い掛かる追尾する6発の炎の矢を目にしたリオンは舌打ちをした後その場からダッシュして回避行動に専念した。

「氷結は終焉!せめて刹那にて砕けよ!インブレイスエンド!!」

そこにロニへの援護から二人への援護を切り替えたリアラが氷の棺に敵を閉じ込め、「終焉」を与える上級晶術――――――インブレイスエンドを発動して青年にダメージを与えると共にのけ反らせた。

「空翔斬!食らえ!屠龍連撃破!!」

その隙に青年に接近したカイルは素早く空中へと跳躍して剣を叩きつけた後小さい跳躍と共に拳で敵を打ち上げ、さらに剣を掲げて衝撃波を起こす技から対空攻撃からの連続攻撃を繰り出す技へと連携し

「飛燕連斬!粉塵裂破衝!いい気になるな!塵も残さん!奥義!浄破滅焼闇!!」

追尾する炎の矢から振り切ったリオンは跳躍して空中からの連撃斬りを青年に叩きこんだ後土煙を巻き起こし、双剣によって火花を起こして爆発させ、更に続けて双剣に闇の炎を宿して、それをそのまま斬りつけて双剣に宿した闇の炎を凄まじい勢いで燃やす奥義へと連携した。

「闇の炎に抱かれて消えろ!」

「よし、決まった…………!」

奥義を放ち終えたリオンは決め台詞を口にし、リオンの奥義が青年に叩きこまれるのを目にしたカイルは明るい表情を浮かべたが、炎が消えると全身に凄まじい霊力や闘気を纏った状態の青年が姿を現し

「……………………!!」

秘奥義を発動した青年はリオンへと向かうと業火を宿した剣による乱舞技をリオンに繰り出し始めた!

「…………っ!秘奥義まであの時の再現をするとは、徹底的に僕を怒らせたいようだな、”影の王”とやらは…………!」

青年が繰り出す秘奥義がかつての出来事の再現である事にすぐに気づいたリオンは表情を歪めた後次々と繰り出す乱舞技を捌き始め

「ジューダス、オレも手伝う!!」

そこにカイルが割って入って青年が繰り出す乱舞技を自身の得物である剣で捌き始めた。

 

「カイル!?」

「本物の父さん達と戦った時と違って、今度はオレ達がいる事を忘れるな、ジューダス!」

「フン、余計な真似を………ならば、足手纏いになるなよ、カイル!」

「ああ!」

「ハアアアアァァァァ…………ッ!!」

「うおおおおぉぉぉぉ…………ッ!!」

(坊ちゃん…………)

自ら青年の秘奥義の攻撃範囲に来て自分と共に捌き始めたカイルに驚いたリオンだったが、カイルの言葉を聞くと鼻を鳴らして静かな笑みを浮かべてカイルに呼びかけ、リオンの呼びかけに力強く答えたカイルはリオンと共に咆哮を上げながら青年が繰り出す乱舞技を協力して捌き、カイルと協力して青年の秘奥義を防ぎ続けるリオンの光景をシャルティエは微笑ましそうに見守っていた。

「……………………!!」

「最後の一撃が来るぞ!後ろに下がれ!!」

「ああっ!!」

そして乱舞技の最後の一撃である炎を纏った強烈な斬り上げが来るとリオンとカイルはそれぞれ後ろに跳躍して回避した。

「行きます!――――――エアプレッシャー!!二人共、今よ!」

敵が放った業火を操る乱舞剣技――――――殺劇舞荒剣が終わると青年を纏っていた凄まじい光は消え、それを確認したリアラは空気の重圧で動きを封じ込める昌術を発動して青年にダメージを与えると共に青年の動きを封じ込めた後カイルとリオンに呼びかけた。

「今度はオレ達の番だ!行くぞ、ジューダス!!」

「ああ!」

リアラの呼びかけに応えるかのようにカイルとリオンはそれぞれ全身に凄まじい闘気を纏った状態になり、それぞれ青年に秘奥義を放った!

「岩斬滅砕陣!飛翔せよ、疾空の刃!奥義!翔王!絶憐衝!!」

カイルはクラフト―――――岩斬滅砕陣を繰り出した後風の刃と共に敵を斬り刻み、跳躍して巨大な竜巻を纏いながら止めに突撃して青年に大ダメージを与え

「散れっ、魔人滅殺闇!!」

カイルの秘奥義が終わるとリオンは暗黒の闘気を纏った剣を地面に叩きつけた。すると暗黒の炎の鎖が青年を拘束し、膨大な闘気によって光の剣と化した剣を構えたリオンが秘奥義を発動した!

「交わらざりし命に、今もたらされん刹那の奇跡!」

 

チガチヲコバム ココロガココロヲクダク

 

「時を経て………ここに融合せし未来への胎動!」

 

キセキハオトズレナイ ユメナド… ソコニハソンザイシナイノダカラ……

 

秘奥義を発動したリオンは光の剣と化したシャルティエと短剣による乱舞技を青年に叩きこみ始めた。

 

「義聖剣ッ!!」

 

アラガウカ!

 

そして乱舞技を終えたリオンは両手持ちにした光の剣と化したを青年に叩きこんだ。するとその時、真空の刃が発生して青年を切り刻み

 

「僕は……過去を断ち切る。散れ、真神煉獄刹!!」

 

短剣で青年を斬り上げたリオンは強烈な突きと共に突撃して青年の身体に強烈な突きを叩きこんだ!

「!!??」

カイルとリオンの秘奥義を受けた事によってダメージが限界に来た青年はグリモアの姿へと戻り

「これで!」

「終わりだっ!」

グリモアの姿に戻った敵にカイルとリオンはそれぞれ左右から斜め十字(クロス)するように斬撃を放って止めを刺した!

 

「か、勝てた〜!」

「フウ、前回に続いて今回もユウナがやられちゃうなんて、悔しいけど異世界からのお客様達はどの人達も相当な使い手ね。」

「そうだね………同じ異世界の使い手のリオンさんやジェイド准将達がいなければ、相当厳しかっただろうね。」

戦闘が終了するとエステルは安堵の溜息を吐き、疲れた表情で呟いたユウナの言葉にヨシュアは静かな表情で同意した。するとその時二つの”封印石”がエステル達の前に現れた。

「”封印石”という事は…………」

「中に封印されているのは十中八九先ほど戦った使い手達でしょうね。そこに加えて4つではなく2つ、そして”想念”や巻き込まれた者たちの”縁”が深く関係しているこの”影の国”の性質を考えれば、あの2つの”封印石”には先ほどの4人の内の2人が誰なのか、リオンやカイル達でしたら既に気づいているでしょうね。」

現れた2つの”封印石”を目にしたナタリアは目を見開き、ジェイドは冷静な様子で推測を口にしてリオン達に視線を向け

「この石の中に父さんと母さんが…………へへっ、まさかまた父さん達と一緒に戦える時が来るなんて…………!」

「ふふっ、18年前のダイクロフトでバルバトスを撃退した時と違って、しばらく一緒に行動する事にもなるから、よかったわね、カイル。」

「つーか、せっかく”四英雄”全員と戦って勝ったんだからどうせならスタンさんとルーティさんだけでなく”四英雄”全員分の”封印石”を寄越して欲しかったぜ。そうしたら”四英雄”が勢ぞろいするのによ〜。」

二つの封印石を見つめて嬉しそうな表情を浮かべているカイルの様子をリアラは微笑ましそうに見守りながら指摘し、ロニは封印石が二つしかない事に対する不満を口にし

「……………………………カイル。僕の予想が正しければ、解放されるのは”現在のスタンとルーティではなく、18年前のスタンとルーティ”だから、絶対にあの二人を父や母と呼ぶな。」

(坊ちゃん………?)

「へ………?」

「それってどういう事よ、リオン?えーとスタンさんとルーティさんだっけ?その二人はカイルの両親なんだから、カイルが二人を父や母として呼んで当然じゃない。」

一方カイル達が喜んでいる中戦闘後考え込んでいたリオンはカイルに忠告し、リオンの忠告にシャルティエとカイルがそれぞれ不思議そうな表情を浮かべている中エステルは戸惑いの表情でリオンに指摘した。

 

「エステルったら、相変わらずおバカねぇ。リオンお兄さんの予想だと解放されるのは”今じゃなくて18年前のカイルお兄さんの両親”――――――つまり、”カイルお兄さんはまだ生まれていない所か、下手したらカイルお兄さんの両親は結婚していない――――――いえ、恋人同士になってすらいない”可能性だって十分に考えられるのよ?」

「そんな状況で件の二人がカイルが自分の息子と知れば、”未来”が変わる――――――つまり、かつてリオンやカイル達が阻止してきた”歴史の改変”を行ってしまう事になるかもしれないという事か。」

「本来両親となるはずだった二人がカイルの存在を知ることで、本来の歴史よりカイルが早く生まれる可能性もあればその逆もありえますし、最悪二人は結ばれず、カイルが生まれて来ず、その結果歴史が改変される事によってカイルが消滅するという可能性も考えられますねぇ。」

「あ…………っ!」

エステルの疑問に対してユウナが呆れた表情で指摘し、バダックとジェイドはユウナの指摘の続きを口にし、三人の話を聞いたカイルは声を上げた。

「確かに”想念”が深く影響されているこの”影の国”という性質を考えれば、ジューダスの推測が当たっている可能性は高いわね…………」

「ヤベェじゃねぇか、カイル!スタンさんとルーティさんに正体バレないように、二人を解放する前にちゃんと変装しとけよ?」

リアラは真剣な表情で考えみながら呟き、ロニはカイルに忠告した。

「そ、そうだなっ!でも、どうしよう…………?オレ、変装道具なんて持ってないし…………」

「あ、それなら”庭園”に戻った時に”庭園”の”石碑”に売っている物で何か変装に役立つ物があるかもしれないわよ?」

「エステル…………それ以前に、もしリオンさんの予想通り解放されるカイルの両親がカイルが生まれる――――――いや、カイルの両親が結婚する前の両親だったら、その結婚もしていない両親はどうやってカイルが自分達の子供だとわかるのさ…………」

ロニの忠告に本気で悩み始めているカイルにエステルが助言したが、その様子を見守っていたヨシュアが呆れた表情でエステルに指摘し

「「あ。」」

ヨシュアの指摘を聞いたカイルとエステルはそれぞれ呆けた声を出した。

「………ぷっ!アーハッハッハ!ヒィーッ!腹いてぇーっ!」

「あっ!ロニ、まただましたなっ!!」

「そうよ!しかもあたしまで騙すなんて、ロニさんって、サイテー。」

「むしろ気づかずに騙される二人がおバカ過ぎよ。」

「揃いも揃って能天気なバカ共が…………ここに、カイルと同等か下手すればそれ以上に能天気なスタンまで加わる事を考えると頭が痛くなってきた…………」

その時ロニは腹を抱えて笑い始め、ロニの様子を見て騙された事に気づいたカイルはロニを睨み、ジト目でロニを見つめて指摘するエステルにユウナは呆れた表情で溜息を吐き、リオンは呆れた表情で頭を抱えて呟いた。

 

その後エステル達は転移陣に乗ってその場から消えて中間地点に到達し、それぞれの転位陣の先を攻略していたルーク達やリース達と合流した。

 

〜中間地点〜

 

「そっか………ルーク兄やリースさんの方もそれぞれ探索中に、カイル達みたいにソフィやレイスさんに関係する人達を解放したんだ。」

「ああ。まあ、最奥で手に入れた封印石に関してはその場で解放されなかったんだが…………」

「…………恐らく庭園でそれぞれが手に入れた封印石を解放すれば、先に進めるようになるかと。」

それぞれの状況を報告し合ったエステルはリチャード達やファラ達を見回し、エステルの言葉にルークの後に答えたリースはそれぞれ3つに分かれている先に進むための転位陣の前を阻むかのように存在している光の壁を見つめて推測を口にした。

「ソフィが今世話になっている異世界に加えて我々とはまた別の異世界の人達も巻き込まれている話は聞いていましたが、この場にいる者たちに加えて”拠点”である”隠者の庭園”とやらにも待機メンバーがいるとの事ですから、それを考えると相当な人数が巻き込まれているようですね。」

「フフ、今回の冒険は中々賑やかな冒険になりそうだね。」

ヒューバートは真剣な表情で初対面の面々を見回し、リチャードは口元に笑みを浮かべて呟いた。

「おおっ!?そこの可憐なお嬢さん!少し時間があったら異世界人同士の交流をしませんか!?」

「わ、私!?結構です!」

「シェリアはアスベルの”妻”だから、ナンパはダメ。」

その時シェリアに気づいたロニはシェリアに近づいてナンパをしたが、ナンパをされたシェリアは驚いた後即断り、シェリアの横にいたソフィがロニに注意した。

「ソ、ソフィ、アスベルとの結婚式は”まだ”だから私の事を”アスベルの妻”って呼ぶのは早いわよ。」

「ぐっ…………!ハッ!?そこの麗しきお姉様!是非ともこのロニ・デュナミスに貴女の世界の事を教えて――――――」

「オリヴァルト皇子以上に馬鹿な男がいるとはね。――――――他を当たって頂戴。」

ソフィの注意にシェリアが嬉しさを隠せない様子で頬を赤らめてソフィに指摘している中シェリアのナンパは不可能と悟ったロニはティアに気づくと今度はティアにナンパし、ナンパされたティアは蔑みの視線でロニを見つめてナンパを断り

「ぐはっ!?ならばそこの麗しきお嬢様――――――」

「いい加減止めんかいっ!!」

「ぬわああああぁぁぁ…………っ!痛っ!?」

ティアへのナンパが失敗したロニはめげずにクローゼにナンパを始め、それを見たエステルは棒を振るってロニを石碑まで吹っ飛ばした。

 

「フン、せっかく忠告してやったというのに、拠点に戻る前に早速エステル達どころか他の異世界の者達にまで見苦しい姿を見せるとは、無様だな。」

「ロニ〜、いきなり異世界の人達に迷惑かけないでよ…………」

「その……ごめんなさい、今の行為は”ふられマン”のロニにとって”日常茶飯事”のようなものなの。」

エステルに吹っ飛ばされたロニをリオンは呆れた表情で見つめ、カイルは困った表情でそれぞれ見つめて指摘し、リアラはクローゼに近づいて謝罪し

「い、いえ、私は別に気にしていませんので…………」

「クスクス、なるほど。レディに言いよっては必ず断られるからリオンお兄さんがさっき言っていた通り、ロニお兄さんは”ふられマン”なのね♪」

リアラに謝罪されたクローゼは苦笑しながら答えた後、ユウナは小悪魔な笑みを浮かべてロニを見つめ

「いい、メルディ?あの男の人の誘いには絶対に応じないようにしなさいね?それとクィッキーとキールもメルディから目を離さないように気を付けてよ。」

「?よくわからないけど、はいな!」

「クィッキー!!」

「言われなくても元からそのつもりだが、クィッキーと同列扱いはさすがに勘弁してくれ…………」

ファラはロニに視線を向けた後メルディに忠告してからクィッキーとキールにそれぞれ声をかけ、ファラの忠告に首を傾げたメルディはクィッキーと共に元気よく返事し、キールは疲れた表情で溜息を吐いて呟いた。その時、聞き覚えのある音が聞こえてきた。

 

「これは………!」

音に気付いたリースは方石を出した。すると方石は光を放ち、リース達の目の前に何度も現れた女性の亡霊が現れた!

「異邦者よ………”星杯”に連なる者よ………聞こえますか…………?」

「………はい。聞こえます。」

女性の言葉にリースは頷いた。

「これより先は………3つ子にして似て非なる回廊………同時に進まなければ………さらなる深淵へと辿り着くことは………叶わないでしょう………」

女性が呟くと近くにあった石碑が光を放った!

「転位陣の制御を………石碑に託しました………時の回廊で手に入れた…………”英雄”達を解放した後…………左の転位陣には………放蕩と呼ばれし皇子と共に………右の転位陣には………世界から…………忘れられし里の遺児にして…………奇蹟の復活を遂げた娘と共に………中央の転位陣には………陽の輝きを持つ娘と共に…………それぞれの道を進んで下さい………ですが………どうか気を付けて………一度転位陣に入ったら…………試練を潜り抜けなければ…………」

エステル達に転位陣の先の事について答えていた女性だったが最後まで言えずに消えてしまった。

 

「どうやら次の転位陣も先ほど同様条件付きかつ、同時進行をしなければならないようですね。」

「それも指名されている人達はさっきと違って、レン達の世界の人達のようね。」

「ああ。左はオリヴァルト皇子、中央はエステル。そして右の転位陣に必要な人物である”世界から忘れられし里の遺児の一人にして奇蹟の復活を遂げた娘”を指している人物は…………」

「…………姉さんですね。」

女性が消えた後呟いたジェイドとレンの言葉に頷いたジンは真剣な表情でヨシュアに視線を向け、視線を向けられたヨシュアは静かな表情で呟いた。

「いずれにしても、先に進むにはまず先程それぞれが手に入れた”封印石”を解放する必要があるから、一旦”庭園”に戻るべきだろう。」

「…………ええ。では一端拠点に戻って準備と編成をしてから進むとしましょう。」

そしてバダックの提案に頷いたリースは仲間達と共に一旦庭園へと戻った――――――

 

 

 

-2ページ-

 

こっちは相変わらず次の更新もいつになるかわかりませんので、気長にお待ちください(ぇ)なお、次のダンジョンで手に入る封印石は3つの予定でしたが4つに変更し、増えた封印石から解放される人物は某剣聖の妻にして”至宝の片翼”と言えばわかるかと

 

説明
第161話


相変わらず更新が超久しぶりですみません…………なので、気づかれにくい深夜にコッソリ更新しました(オイ!)
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コメント
お、待ってました……暁のサイトの更新履歴見るともう5年も経ってたんですねw(八神 はやて)
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