南極に犬族の新種発見!
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説明
1月14日は1958(昭和33)年にタロとジロの生存が確認された日だ。タロとジロは―45℃にもなる極寒の南極で、待っていろと言われたまま なかなか帰ってこない南極観測隊員たちを約1年間も 従順に待ち続けたカラフト犬だ。タロのはく製は 北海道大学の植物園内に、ジロのはく製は上野の国立科学博物館に展示されている。 1年間も南極で何を食べて生き延びたのかは謎で 想像の範疇を越えないが、再会できた時の様子を犬係の北村さんは「丸々と太って小熊のようだった」と語っている。どうやら食料には不自由していなかったようだ。タロとジロは当時まだ1歳の子供で15頭の樺太犬の中で、一番若かったというから適応力があったのだろう。タロとジロの主食は、おそらく『アザラシの糞』であったと考えられているようだ。アザラシの糞は、未消化の小エビや稚魚が含まれているそうなので、寒冷地の健康に必要なDHAやEPA、犬に不可欠な大量のカルシウムなどの栄養を豊富に含んでいたと考えられる。タロとジロは、アザラシの落としたウンチをたらふく食べて、1年間を生き延びたのであろう。「南極の地なら腐敗が進まない。凍っていたら臭わない。大自然の超巨大な冷凍冷蔵庫に 食べきれないほどの食品が保存されている」 と考えてみると、あとは肉体が極寒の南極、最大―50℃に耐えられるかどうかだ。 南極大陸にはヒョウアザラシよりも強い捕食者は存在しない。もしかすると行方不明の樺太犬6頭は野生化して 何世代か後には『南極犬』と呼ばれるかも知れない。 樺太犬を僕ら道民はアイヌ犬と呼んでいた。昭和40年代頃までは単なるペットではなく、漁業、林業、農業、配達の犬ゾリ、行商などの使役犬として利用していた。自動車が普及して必要のなくなった樺太犬は他犬種と混血して雑種化したり、野犬掃討にあったりして1970年代頃には ほぼ絶滅してしまったそうだ。ロシアの樺太犬も、大食いが災いして嫌われ、1930年代以降は大量に殺処分され、純血の樺太犬は絶滅していったらしい。 南極に連れていった中に2頭のロ子とミネという子供のメスがいた。だから、もし南極で行方不明になった6頭のうちに彼女らがいたとしたら、そして子孫を残していたなら、「犬族に新種発見!」もしくは「失われた樺太犬発見!」と大騒ぎになるかも知れない。 だがシャチやホッキョクグマのように生態系のトップに君臨することはないだろう。何故なら、残念ながら南極犬の主食は アザラシのウンチだからねぇ。
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