水を吐く魔物
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説明
7日にロサンゼルスで発生した山火事は、2週間もたつがいまだ鎮火に至っていない。それどころか新たな火災が発生している。これまでに28人の死亡が確認され、150平方km以上が焼けたそうだ。同じ150平方kmくらいの面積というと、堺市や加西市と同じくらいで、川崎市よりも広い面積になる。神戸の大震災の時も大火災が発生して、はやく海水で消せば良いのにと思った。ロサンゼルスも海辺なんだから、水不足なら海水を使えばいいのにと考えていたら、今回の災害では消火活動に海水を汲んできて使ってるそうだ。これは深刻な水不足のための緊急措置だったらしい。海水の使用は通常「最後の手段」とされているそうだ。 なぜ海水は消火に適さないのだろうか?塩水が森林に与える影響を研究しているスミソニアン環境研究センターの生態系生態学者による解説を読んで理解した。 以下は抜粋した内容である。『海水を汲んできて使用しないのは、海のうねりのなかでの作業は危険を伴うことが多いのと、塩分を含む水は消防用設備を腐食させるからだ。それだけでなく、生態系に悪影響を及ぼす可能性がある。 世界中で起きている気候変動のせいで、海面の上昇は、世界全体で平均約20cmも増加し、これまで淡水しかなかった地域にまで海水が押し寄せてきている。海面上昇率が加速するにつれ、嵐が海水を乾燥した土地に押しあげ、最終的には樹木を枯らして、ゴースト・フォレスト(幽霊の森)をつくりだしている。 米東海岸にある実験区画では汲み上げた海水をタンクに貯め、森林の土壌表面に撒いている。これは大きな嵐が発生して海水が押し寄せることを想定しての実験だ。22年6月から始めて、状況が変化したのは24年だ。 森林内のユリノキの葉が8月中旬に、通常より数週間も早く茶色に変色し始めたのだ。 9月中旬までには、樹木の上部は葉を失った。樹木の葉は秋になるかなり前から、緑から茶色に変色した。そして土壌には、驚くべきことが隠されていた。通常、雨水は透明だが22年に実施した最初の実験では、塩水に晒したのは10時間だけだったのに、約1カ月後には土壌の水が茶色になり2年間もそのままの状態が続いたのだ。茶色になった原因は、枯れた植物から溶け出した炭素ベースの化合物だ。これは紅茶を入れることにも似ていて、塩分が粘土などの粒子を土壌内で分散、移動させていることがわかった。このような土壌の変化は、何年も続く可能性がある。』 消防が海水を使わないのは、そんな理由があるかららしいと解った。 これがもし漫画の世界なら、山火事を 龍やウンディーネやガーゴイル達を呼び集めて消火するのだが。
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