フォーリンスター・チルドレン10
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 崖から落ちたのぶくんを、茂みの中から飛び出した人影が支えた。

「あー!」

 飛び出してきた人影を指さし、ちぃちゃんが頓狂な声を上げる。

「おばちゃんだー!」

 みっちゃんもまた、大きく声を発した。

 

 茂みから飛び出して、アオイはのぶくんの体を支えたのだ。

 

「もー絶対殴る。お姉ちゃんね、怒ったら怖いからね」

 草木にまみれ、アオイはぼやくように言った。

『まったく、なにをするのかと思えば無理をして』

 耳元で、浦沢がため息混じりに言った。

 

 のぶくんが落ちたとき、とっさの判断でアオイは再び時間を飛んだのだった。数秒単位で時間を跳躍し、のぶくんをその両手で支えたのだ。

「お姉ちゃん、大丈夫!?」

 腕の中で声を発したのぶくんにアオイは、

「いい子ね、あんたは許す」

 痛みをこらえて笑顔で答えるのだった。

 

 

 

 

「ママね、途中から居なかったでしょ?」

 のぶくんを連れてやってきたサエは、頬を膨らませてアオイに言った。

 

 市内で唯一のプラネタリウム。

 のぶくんの家族がよく通っているプラネタリウムだ。

 

 アオイはサエを連れて、のぶくんを誘ってプラネタリウムにやってきたのだった。

 

 だが、アオイは上映開始早々に席を立っていた。

「星なんて、見てたって面白くないじゃない。五分が限度よ五分が」

 アオイはぷーと頬を膨らませて娘に言い訳をする。サエも頬を膨らませているので、ふたりともフグみたいな顔になっていた。

 それにしたって、プラネタリウムが好きな男の子の前でとんでもない発言である。

「そんなこといいでしょ、サエちゃん。のぶくん、ほら」

 アオイはプラネタリウムの施設前の広場で、通りの先を指さした。

 

 示し合わせた時間きっかり。

 

 やってきたその人はのぶくんの……。

 

説明
タイムトラベルSF小説

ノーテンキなママの第二話




今回も12分割だと思います(11/12)
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SF タイムトラベル ママ コメディ ライトノベル 連載 

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