真・恋姫無双アナザーストーリー 雪蓮√ 今傍に行きます 第5話
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真・恋姫無双アナザーストーリー 

雪蓮√ 今傍に行きます 第5話

 

 

 

 

夢、夢を見ている……

 

そこは一面広がる荒野

 

二人の男女が馬に乗っていた

 

「ねえ、――は天の世界に帰りたいとは思わないの?」

 

「なんだよ、藪から棒に雪蓮らしくないぞ」

 

「別に前々から聞こうと思ってたことよ、でどうなの?やっぱり帰りたいの?」

 

「そりゃ、帰れたら帰りたいと思うよ、あっちには家族も友達も居るからね」

 

「そう……」

 

(そうよね、やっぱり帰りたいわよね……)

 

「でも、今はこっちにも大切な人たちが出来たから困っちゃうね」

 

「うふふ、大切な人って誰かな?」

 

(もちろん私よね?――)

 

「そんなの、呉のみんなに決まってるじゃないか」

 

「ふーん」

 

(はぁ、こういう所は嘘でも雪蓮が一番だよって言うものでしょ、この鈍感……でも、そういう所も好きなのよね)

 

「でも、一番大切なのは雪蓮だよ」

 

「っ!?あ、当たり前よ、私が一番じゃなきゃ許さないからね♪」

 

(やっぱり、面と言われると恥ずかしいわね、でも、私が一番か、冥琳より蓮華よりも下は嫌よ、私はいつまでもずっと――の一番で居たいのよ)

 

「はは、仰せのままに呉の王、孫策様」

 

「うふふ」

 

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――ジリリリリ……

 

「ん〜〜〜、もう朝か……」

 

目覚まし時計を止めカーテンを開ける

 

「今日もいい天気ね」

 

澄み渡る空、雲ひとつない五月晴れだった

 

「……やっぱり、夢の中の私は彼のことが好きなのね」

 

雪蓮は一つの結論を出していた

 

夢の中の雪蓮は顔が判らない男の子の事が好きだということだ

 

「でも……なんでそんなに好きなのかしら、まあ、恋したことの無い私が分かるわけも無いか」

 

雪蓮は髪を整えながら苦笑いをしていた

 

「やっぱりダメか……なんで寝癖なんか出来るのかしら、とりあえず朝風呂ね♪」

 

(時間にはまだ余裕があるから出来ることよね、早めに目覚ましかけておいて正解だわ)

 

雪蓮は揚々と風呂場に向った

 

「うわー遅刻しちゃう!」

 

「あんたも、いい加減学習しなさいよね」

 

母さんは呆れながら雪蓮に弁当を渡した

 

「だって〜気持ちよかったんだもん!」

 

「その気持ちはわからないでも無いけどね、物には限度があるでしょうに、朝風呂に1時間ってどれだけ入ってるのよ」

 

「そんなのうちの風呂が24時間風呂なのがいけないのよ!いつでも入れるなんて『ゆっくり浸かりなさい』って悪魔の囁きよ」

 

「はぁ、なに分けのわからないこと言ってるのよ、お父さんも何とか言ってくださいよ」

 

「ん?ああ、朝風呂はいいな、お父さんも朝風呂好きだぞ」

 

「でしょ?やっぱり私は父さんの娘ね♪」

 

「お父さん、娘に共感してどうするのよ」

 

「あ、いや、すまんすまん、ははは」

 

父さんは頭をかきながら苦笑いを浮かべていた

 

「ほら、早く行きなさい、本当に遅刻するわよ」

 

「うん、それじゃ、母さん、父さん行って来ます!」

 

「行ってらっしゃい」

 

「車には気をつけるのよ」

 

「は〜い!」

 

雪蓮は元気よく家を飛び出して行った

 

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「な、なんとか間に合ったわ」

 

「もう少し早く家を出るようにしなさい」

 

「はーい」

 

門を閉めていた先生に注意をされ構内へと向った

 

(今日は優しい先生でよかった、運が悪いと教育指導の先生に捕まるとギリギリでも反省文だって話し出しね)

 

「お?雪蓮おはよう、お早いお着きですね」

 

優未は教室に入ってきた雪蓮を見てニヤニヤ笑っていた

 

「そんなわけないでしょ、優未」

 

「はっはっは、遅刻ギリギリなんて珍しいね」

 

「まあね、朝風呂に入っちゃってね」

 

「なるほど、なるほど、気持ちよくて寝てしまったと」

 

「寝るわけ無いでしょ、優未じゃあるまいし」

 

「あーひどーい!私だってお風呂で寝たことなんて無いよーだ」

 

「本当に?」

 

「ほ、本当だよ?」

 

雪蓮は優未の一瞬の躊躇いに気づいた

 

「あるんでしょ?」

 

「……」

 

「あるわよね?」

 

「……はい」

 

「うん、素直でよろしい」

 

「うー、素直じゃない、雪蓮には言われたくないーーー」

 

優未は頬を膨らませ抗議してきた

 

「私は、いつだって素直よ」

 

「嘘だー、一刀のことになるとはぐらかすくせにー」

 

「な!」

 

「にひひー♪」

 

してやったりと笑う優未は

 

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「もう、素直じゃないんだから」

 

「なにが素直じゃないよ、優未のほうが素直じゃないじゃない」

 

「そりゃ、私は……ごほん!そんなことはいいのよ!」

 

優未は一瞬言いかけて言葉を詰まらせた

 

「?」

 

「それより!いいネタがあるんだけど聞きたい?」

 

「いいネタってなによ」

 

「うん、北郷君の事♪」

 

「あ、あんた、まさか一刀に迷惑かけて無いわよね?」

 

雪蓮は優未に少し睨みがちに見た

 

「そんな事して無いよ、ちょ〜っと、北郷君の周りに聞き込みを」

 

「はぁ、あなたの行動力には脱帽だわ」

 

(あとで、一刀に聞いたほうが良さそうね……)

 

「へへへーそんな褒めないでよ雪蓮」

 

「誰も褒めては無いんだけどね」

 

「それより、聞きたい?聞きたいよね?」

 

優未は机を乗り出し雪蓮に迫った

 

「そ、そうね」

 

優未は楽しそうにスカートのポケットから小さなメモ帳を取り出した

 

「だよねだよね、まずは、剣道部に所属してるってのは知ってると思うから、そこの部長の……」

 

「ああ、不動さんだっけ?確か、一刀が一本も取れないって言ってた人」

 

「……なんで、雪蓮がそんなこと知ってるのよー!それじゃ、それじゃ、不動君は女子の癖に女の子扱いされるのが嫌いってのは?」

 

「確か、一度男子に『女の癖に』って言われてそれ以来自分のことを『不動君』って呼ぶようにって言われるようになったんだっけ?」

 

「そうだけど、どこからそんな細かな詳細を手に入れたのよ」

 

「そ、それは……」

 

「ねえねえ、なんでなんで!なんで知ってるの!教えなさいよ♪」

 

(しまった、優未が興味心身に机から身を乗り出した来ちゃったわ)

 

――キーンコーンカーンコーン

 

「ほ、ほら、授業始まるわよ!授業!」

 

「ちぇ、もう少しで聞きだせそうだったのに」

 

優未は残念そうに席に戻って行った

 

(やれやれ、危ないところだったわ)

 

しかし、そこで諦めないのが優未だった

 

「雪蓮!次の休み時間覚悟しておきなさいよ!」

 

ビシ!っと人差し指を雪蓮に向けて宣言をした

 

「はぁ……」

 

雪蓮は本当に友達を選んでおけばよかったと後悔していた

 

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「にゃははははー」

 

「もうお嫁にいけないわ」

 

「大げさだな〜雪蓮は」

 

「あんたね〜」

 

「しぇるぇん、いふぁい!いふぁい!(雪蓮、痛い!痛い!)」

 

「これで済んだだけありがたいと思いなさい」

 

「いてててて、も〜ほっぺたが伸びちゃうじゃん!雪蓮の乱暴者ー」

 

「あら?もう一度引っ張られたいようね」

 

「雪蓮は優しいよ!うん!やさしい!」

 

「まったく、調子がいいんだから」

 

「で?」

 

「でってなによ」

 

「北郷君とはどこまで進んだの?」

 

「ぶっ!ゲホッゲホッ!な、なに言ってるのよ!」

 

「えーだって、私の知らないうちに二人っきりで会ってるなんてそう言う関係じゃないの?」

 

「ち、違うわよ、たまたま偶然、部活の帰りに会ったから世間話程度に話しただけよ」

 

「ふ〜んたまたま偶然ね……ま、そう言うことにしておいてあげるね」

 

「あげるって優未あんたねぇ」

 

「てかさ〜雪蓮はぶっちゃけ北郷君の事どう思ってるの?」

 

「どうって」

 

「好きとか嫌いとかさ〜」

 

「な、なに言い出してるのよ急に」

 

「だって〜雪蓮が男子と親しく話してるのって北郷君くらいしか居ないんだもん、だからどうなのかな〜って」

 

「確かにそうかもしれないけど……」

 

(自分でも良くわからないのよ一刀と話してると安らげるって言うかなんていうか安心できる人なのよね)

 

「ちなみに私は好きなほうかな、優しいし気が利くし」

 

(……恋愛に関しては鈍感なんだけどね)

 

「は?誰が?」

 

「私が」

 

「誰を?」

 

「北郷君を」

 

「……」

 

「あ、あの雪蓮?」

 

「……」

 

「おーい」

 

「……」

 

「全然反応しないな……あ!そうだ、にひひ♪」

 

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(もみ)

 

「ひゃぁぁああ!」

 

「お、やっと反応してくれた」

 

「ちょ!優未!?あんた私の揉まないでよ!」

 

「だって、全然反応してくれなかったんだもん!」

 

「だからってこんな人前で……んっ!」

 

「結構柔らかいな〜」

 

(もみもみ)

 

「だ、だから触ら、んん!」

 

「えースキンシップみたいなものだよ〜」

 

(もみもみ)

 

「ど、こがスキンシップよ!」

 

「ここなんて揉まれると気持ちいでしょ?」

 

(もみもみ)

 

「そ、そこはだ、めっ!」

 

「ここか〜ここがええんか〜」

 

(もみもみ)

 

「だ、だめ!これ以上は!」

 

「皆にも見せてあげようよ〜」

 

(もみもみ)

 

「ほんとにダメよゆ、うみ!」

 

「そろそろ奥の手よ!」

 

(もみもみ)

 

「そ、それダメッ!気持ちよすぎるから!ああっ!」

 

「雪蓮はここがいいんだね〜どれどれ」

 

(もみもみ

 

「あ……そ、れ以上は、はぁはぁ……ほんとにダメよ」

 

「それじゃ、止めちゃうよ?」

 

(もみ……)

 

「あ……」

 

「どうする?本当に止めちゃうよ?」

 

「……もっと」

 

「ん?なに?」

 

「もっとやって……」

 

「小さくて聞こえな〜い」

 

「もっとやってください」

 

「何をかな?」

 

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「もっとマッサージしてください!」

 

「了解♪」

 

(もみもみ)

 

「あぁ、そこよ!そこそこ!優未うまいわね」

 

「でしょー、小さい時からやってたからね〜」

 

「で、なんの話してたんだったかしら?」

 

「なんだっけ?忘れちゃった」

 

「そうね〜この気持ちよさでなんかどうでも良くなっちゃったわ〜」

 

雪蓮は優未に肩や指のマッサージをしてもらい気持ち良さそうにしていた

 

「はぁ、今日も優未に振り回された一日だった気がするわ」

 

「ひっどいな〜マッサージ気持ちいって言ってたくせに」

 

「そりゃ気持ちよかったけど」

 

「ならそれでいいじゃん!」

 

「はぁ、まあそうね、そうしときましょ」

 

「あれ?雪蓮に優未さん、今帰り?」

 

「え?」

 

「あ!北郷君!」

 

不意に後ろから声をかけられ振り向くと一刀が立っていた

 

「今帰り?」

 

「そうだよー北郷君も?」

 

「ああ、寄る所があってね」

 

「え、でもこの先って売店よ?」

 

雪蓮は疑問に思い聞いてみた

 

「あ〜うん、その売店に用があってね」

 

「売店に行ってももうパンとか無いと思うよ〜」

 

「優未じゃないんだから」

 

「ちょっと〜私は食べ物ばかり考えてる訳じゃないんだから!」

 

「あら、そうだったの?てっきり、購買部のカツサンドは絶品!とか考えてるのかと思った」

 

「ぅ……カツサンドが絶品なのは否定しないけど!毎日そんなこと考えて無いよ!」

 

「ははは、優未さんらしいな」

 

「ぶー北郷君まで!拗ねてやる!」

 

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優未は膝を抱えて拗ねてしまった

 

「ああ!ご、ごめんね!別にそう言う訳じゃなくて!」

 

「別にいいのよ一刀、どうせ直ぐに機嫌直るから」

 

「雪蓮酷い〜北郷君〜慰めて〜……ぐぇ」

 

「は〜い、そこまで」

 

優未の首根っこを掴み手前に引いた

 

「く、苦しいよ雪蓮!」

 

「し、雪蓮!優未さんの顔青い青い!」

 

「え?ああ、ごめんごめん」

 

「ケホッ!ケホッ!く、苦しかった〜」

 

「大丈夫?優未さん」

 

「あ、ありがとう北郷君」

 

一刀は優未の背中を擦りながら様子を伺っていた

 

「……ふん」

 

「ん?雪蓮どうかしたの?」

 

「別に……」

 

「?」

 

「なんでもないわよ、それより購買部に行って何を買うのよ」

 

「え?ああ、牛乳を買いに」

 

「牛乳?」

 

「ああ……そうだ、二人ともこのあと予定とかある?」

 

「別に無いけど」

 

「私も無いよ〜」

 

「そっか、ならちょっと付き合ってもらっていいかな」

 

「まぁ、暇だしいいけど……」

 

「行く行く〜北郷君の行くところならどまででも〜♪」

 

「優未さん!?」

 

「ちょっと優未!」

 

優未は一刀の腕に抱きついた

 

「ね〜いつになったら呼び捨てで呼んでくれるの?」

 

「え……えぇ〜いつだろ?」

 

「今すぐ優未って呼び捨てで呼んで〜」

 

「……ほら、優未行くわよ!」

 

「え?ちょ、ちょっと雪蓮!痛いよ!耳耳!引っ張らないで〜歩くから〜」

 

優未は雪蓮に耳を引っ張られ購買部へと向っていった

 

「……っ!ま、待ってよ!雪蓮!優未さん!」

 

一刀はそんな二人を慌てて追いかけた

 

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「こんなに買ってどうするの?」

 

「まさか北郷君が一人で全部飲むとか!」

 

「そんなんじゃないよ……よし、ここら辺でいいな」

 

「?こんな校舎の裏なにするの?まさかこの牛乳を私たちにぶっけるんじゃ!」

 

「そんなことしないよ!ま、見ててよ」

 

一刀は一本牛乳瓶のふたを取り皿に注いだ

 

「ほらおいで〜」

 

「何してると思う雪蓮」

 

「なにかを呼んでるみたいだけど」

 

(カサカサ)

 

「にゃ〜」

 

すると茂みが微かに揺れ現れたのは一匹のネコだった

 

「お、またお前が一番乗りか」

 

「ほれ、煮干もあるからなゆっくり食べろよ」

 

「にゃ〜」

 

ネコはわかったと言わんばかりに落ち着いて食べていた

 

「随分と懐いてるネコね」

 

「ああ、よくわからないけど昔から犬とかネコによく懐かれるんだよ」

 

「へ〜、やっぱり優しい人ってわかるのかもね雪蓮」

 

「そうね」

 

「はは、そうだといいな」

 

「にゃ〜」

 

「ん?ああ、おかわりか?よし……ほれ」

 

(カサカサ)

 

「「にゃ〜」」

 

「また来たよ雪蓮!」

 

「ええ、それにしても随分と多いわね全部野良猫なの?」

 

「そうでも無いみたいよ、首輪を着けたネコも居るし、きっとネコの寄り合い場なんじゃないのかな」

 

一刀の周りにいはあれよあれよというまにネコが囲んでいた

 

「かわいい〜抱っこしてみたいけど平気なのかな?」

 

「どうだろ、俺は撫でる程度しかしてないけどね」

 

「それじゃ、私も撫でるだけにしよっと♪雪蓮も撫でてみなよ!」

 

「にゃ〜」

 

すると一匹のネコが雪蓮に近づいてきた

 

「そうね私もモフモフさせてもらおうかしら」

 

「ゴロゴロ」

 

雪蓮に撫でられネコは気持ち良さそうに唸っていた

 

「ふふふ♪明命が見たら喜びそうな光景ね……」

 

「雪蓮、明命って誰だい?友達?」

 

「え?私今そんなこと言ってた?」

 

「ああ、明命が見たら喜びそうな光景って、な、優未さん」

 

「うん、言ってたよ」

 

「ん〜誰かしら?よくわからなっ!」

 

「し、雪蓮!?どうしたの!」

 

「どうした!雪蓮!」

 

雪蓮は頭を押さえ蹲っていた

 

「だ、大丈夫よ、ちょっと目眩がしただけ……しばらくすれば治ると思うわ」

 

「だ、だけど雪蓮辛そうだよ……」

 

「へ、いきだから優未も安心して」

 

「とりあえず、保健室に行こう、優未さんはそっちを支えて」

 

「う、うん!」

 

「もう……大袈裟よ二人とも」

 

「はいはい、ケガ人はおとなしくしててね」

 

一刀と優未は雪蓮を支え保健室へと連れて行った

 

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「多分職員室に居ると思うから保健の先生呼んでくるね、おとなしく寝てるんだよ」

 

「わかったわよ」

 

一刀は雪蓮に念を押し保健室から出て行った

 

「もう、大丈夫って言ったのに」

 

雪蓮の頭痛はすでに収まっていたが一刀が心配だからとベットに寝かせていた

 

「ははは、でも一刀らしいね、あんなに親身になってくれる人ってそうそう居ないと思わない?」

 

「そうね、でも優しすぎよ、あれじゃ誤解されかねないわ」

 

(優しすぎて皆一刀に惹かれちゃってるのに本人は気づいて無いんだから)

 

「ははは、確かに優しすぎるね、でもそこが北郷君のいいところなんじゃない?」

 

「ふふ、それは否定出来ないわね」

 

「でしょ?」

 

「ふふふ」

 

「ははは」

 

(ガラガラガラ)

 

「先生連れてきた、よ?どうしたの二人とも?」

 

「なんでもないわよ、ね、優未」

 

「だね、雪蓮」

 

「?」

 

一刀は笑う二人を見て首をかしげていた

 

「あらあら随分と調子は良さそうね、頭痛の方はどうなの?」

 

「はい、もう治まりました、かず……北郷君がどうしてもって言うから」

 

「あらあら」

 

「だ、だってほんとに辛そうにしてたから」

 

「もう大袈裟なのよ」

 

「ふふふ、一応簡単な診断くらい出来るけどどうする?」

 

「いいえ、大丈夫です」

 

「そ、わかったわ、それじゃ今日はもう遅いから帰りなさい」

 

「はい」

 

「わっかりました〜」

 

「はい」

 

「それと北郷君」

 

「はい?」

 

「女の子をちゃんと送り届けるのよ、それが男の子の義務よ」

 

保健の先生は一刀の耳元で呟いた

 

「せ、先生!?」

 

「ふふふ」

 

一刀は顔を赤らめ驚いていた

 

「ん〜?どうしたの〜北郷君、帰るよ〜」

 

「あ、うん!今行くよ!それじゃ、先生さようなら!」

 

「はい、がんばるのよ」

 

「だ、だから先生!あぁ!待ってよ!雪蓮!優未!」

 

「ふふふ、若いっていいわね〜私もあと10歳若ければ」

 

一人、保健室の入り口に立ち3人を見送っていた

 

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葉月「新年二回目の更新になります」

 

雪蓮「今回は随分と中途半端に終わったわね」

 

葉月「毎回中途半端な気がしますがね」

 

雪蓮「それもそうね」

 

葉月「うぅ……少しは否定してくれても」

 

雪蓮「えーだって本人が言ってるんだから否定しようが無いじゃない」

 

葉月「そりゃそうですけど……と、とりあえず次回のお話でちゃううとタネ明かし的になるので大丈夫です!」

 

雪蓮「本当に?」

 

葉月「はい」

 

雪蓮「そ、ならそう期待しましょう」

 

葉月「……なんか雪蓮さん今回は随分と冷たくないですか?」

 

雪蓮「そぉ〜?」

 

葉月「はい、なんと言いますか刺々しいといいますか」

 

雪蓮「気のせいよ、別にお正月ネタが魏の話だったからって冷たくしてる訳じゃないわよ〜」

 

葉月「う……」

 

雪蓮「私の不注意とは言え、私を暗殺してくれた魏のお話だから冷たくしてるわけじゃないわよ」

 

葉月「うぅ……」

 

雪蓮「あら?どうしたの葉月」

 

葉月「……わかってて言ってるでしょ雪蓮さん」

 

雪蓮「えぇ〜私、わかんなぁ〜い」

 

葉月「……バレンタインデーの日にお話を書かせて頂きます」

 

雪蓮「あら、悪いわね〜なんか催促しちゃったみたいで♪」

 

葉月「うぅ〜鬼やここに鬼が居る」

 

雪蓮「葉月ったらこんな可愛らしい私を鬼だなんて、どうやらお仕置きが必要かしら?」

 

葉月「っ!と、とても可愛い雪蓮さんのお話が書けて光栄です!」

 

雪蓮「うん、よろしい♪」

 

葉月「うぅ……気を取り直して告知です」

 

雪蓮「どうやら葉月が週末まで出かけるらしくて執筆が出来ないのよね」

 

葉月「はい、ということなので次回の更新は1週間後になりそうです」

 

雪蓮「随分と間が空いちゃうわね」

 

葉月「もしかしたら日曜日には更新できるかもしれませんが期待はしないでください」

 

雪蓮「ま、そういうことね」

 

葉月「考えてませんがもしかしたら……」

 

雪蓮「なによ、次回の話はどうなるのよ」

 

葉月「それは秘密です、ですがきっと卑弥呼は出てきます。といいますかそろそろ出さないと怖いので出します」

 

雪蓮「……私は見たくないんだけどね」

 

優未「それは私に対する嫌がらせか〜〜〜!」

 

葉月「おっと、そろそろ締めようかと言う時に出てくるとは」

 

優未「だってだって!卑弥呼様が次回に出てくるなんて聞いて無いし!」

 

葉月「はい、今言いましたから、ま、次回予告みたいなものですよ」

 

優未「うぅ〜……っ!ならなら!卑弥呼様は仕方ないとして!北郷君とのラブラブデートを個別シナリオで要求します!」

 

雪蓮「はぁ!?優未あんた抜け駆けはなしよ!」

 

優未「別にいいじゃないの!雪蓮は卑弥呼様と会わないんだから!」

 

雪蓮「だからってね!そこで一刀がなんで出てくるのよ!」

 

優未「そりゃ〜お口直しよ」

 

雪蓮「優未……あんたねぇ〜!」

 

優未「なにさ!」

 

葉月「……え〜話が終わらないのでこれにて終わりにしたいと思います、それではみなさん!また次回お会いしましょう!」

 

雪蓮「絶対ダメよ!一刀と最初にデートするのは私よ!」

 

優未「私だもん!」

 

葉月「まだ言い合いを……てか、ラブラブデートなんてさせませんけどね」

 

優未「なにをぉ〜!あ!逃げるな!待てーーーー!」

説明
いつも応援メッセージ・コメントを頂きありがとうございます。
皆様の期待に応えられる様がんばります
告知:最終ページにもお伝えしてありますが次回の更新は間が開いてしまいます。
それでは、作品をご覧ください
2009/01/08:誤字修正
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コメント
nameneko様>やっぱり先輩とかって名で呼ばれることって少ないと思いますから、最初のうちは苗字になっちゃいますよね!(葉月)
一刀はようやく優未ってよんだっすね(VVV計画の被験者)
ほかにも転生者が?(ブックマン)
しかし、雪蓮が受けと言うのも珍しいな・・・。天然のどSイメージがあるからなあ(まーくん)
…あれ、気のせいかな?なんだか保健室の先生が一児の娘持ちの弓将に見えたんだが…続き待ってます(MiTi)
マッサージかいな!?それに雪蓮って“ゆきはす”と読むんですか!?それともそう呼んでいるのは優未だけなのか? 卑弥呼登場で急展開を迎えるですかね?(自由人)
マッサージとは、やはりそういうオチかっ!!!…ちょっと期待してたとです。雪蓮さんの記憶も徐々に戻ってきているのでしょうか?今後の展開をますます期待させていただきます。(レイン)
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