介入不可【腐】 |
武力介入不可
*第三者視点(オリジナルキャラ)なので、ご注意ください
念願叶って入った高校。各国から集まるこの学校は、そんじゃそこらの高校より倍率が高い。ここに入るために、どれだけ我慢して、努力したことか。お前には、分からないだろうな。
「あぁ、そうだな」
「話聞けよ。せっかくの俺の武勇伝なんだから」
目の前にいる適当に相槌をうちながら、ケイタイを弄っているイタリア人は、ロヴィーノ・ヴァルカスだ。一本特徴的なあほ毛がある。基本的に女にしか興味がない奴で初日にメアドを交換しようと言ったら、断られた。すごい嫌そうな顔で。
「ロヴィーノは、何部に入るんだ?」
きっと可愛い女の子とメールしてるんだろ?なら、俺の役目はそれを妨害することだ。
「……入らねぇよ」
「またまた」
その外見なら、いろんな部から、声がかかってるはずだ。カッコイイ奴は、居るだけで部の価値を上げる。
「お前は、どこに入るんだ?」
「ん、まだ決めてない。ここさ、いっぱいあるから、部活紹介見てから、決めようと思って」
おお、珍しくロマーノが質問してきた。明日は、大雨だな。
「ふーん」
もう良いのか? もっと聞いてくれて良いんだぞ。さあ、聞け。今なら、なんでも答えてやる。
「何だよ。あっち行け」
冷たい。また、妨害してやろうか。その楽しそうなメール。
そんな昼休みを過ごして、午後は、待ちに待った部活紹介だ。そして、俺は知ることになる。いや、俺以外のも知ることになるんだが。俺がお前なら、確実にこの学校には、入らなかったな。
「早く並びなさい!」
体育館に行くと教師が整列するように言っていた。学年クラス別に並んでいるみたいで、俺とロヴィーノは1番後に行く。
「もっと早く来れば良かったな」
「ここでいいだろ」
いいわけないだろう。ここからじゃ、ステージがギリギリに見えるだけだ。高校生活に1番重要な青春はまずは部活からだろ。
「よし、行くぞ」
ヴァルカスの腕を掴んで、前列に来て、前の奴に言って代わってもらう。ここなら、ステージの真ん前だ。
生徒会がマイクのテストをする。
また進む。俺の青春ライフの一歩が。
「これから部活動紹介を始めます。野球部の人は、準備をお願いします」
まずは、運動部からだ。さすが、運動部。どの部もパフォーマンスが派手だった。とりわけ惹かれたのが、サッカー部。野球部でも良いが、やっぱりサッカーだろ。野球と違って見せ場作りやすい。野球で目立とうと思ったら、投手にならないとな。だが、そんな倍率が高い上に責任重大のポジションはゴメンだ。
「ロヴィーノ……」
隣を見たら、立ったまま寝てやがった。ステージ前で、寝るなんて度胸は俺にはない。肩を突くが起きる気はないのか、薄目で周りを確認して、また閉じた。コイツの度胸は、どこから来るんだ。あ、そうか。男しかいないから、寝てるのか。自分に正直な奴だなぁ。
「では、美術部。お願いします」
文化部は、正直どうでも良い。じっとするのは、俺には合わない。だが、ロヴィーノみたく寝る勇気もない。
欠伸を殺しながら聞き、ようやく最後の部活だ。
「農業部、お願いします」
良い感じに日焼けした男の先輩がステージに立った。外見は、運動部だなと思いながら、また欠伸を殺そうとしたとき、後ろの方から、野太い声が聞こえて、反射的に振り返った。発表が終わった運動部だ。
「いい加減、サッカー部に入れ!」
「野球だ!野球!」
「馬鹿言うんじゃね、バスケに決まってんだろ」
「いやいや―――」
何が起きてるのか分からないが、先輩がいる方から笑い声が聞こえるから、これが農業部のパフォーマンスなのかもしれない。
「あーあー、あんな毎度誘ってもらうのは、嬉しいんやけど、入る気ないで」
爽やかな笑みを浮かべて、マイクを握ってそう言った。
「俺は、二年のアントーニョや。とりあえず、活動内容は、野菜を育てる。それだけや。もちろん育てた野菜は、食べるし、売りにも行くで」
内容だけなら、それなりに楽しそうだが、ここじゃ、俺の青春は無理そうだな。なにより俺は、農業がいかに大変なのかを知っている。中学の職場体験が、俺の時だけ農業体験だったからな。あの泥と汗の記憶は、今だに記憶に新しい。
日本人の俺からしたら、カッコイイ奴が農業をやることに違和感さえ覚えてしまう。他の国では、農業は当たり前なのだろうか? 例えばだ。隣にいる女大好きな、ロヴィーノが、泥と汗にまみれながら、炎天下の元で作業してるだなんて、誰が想像できる。オプションとして、麦藁帽子に首元にはタオルだ。さあ、想像してみろ。できないだろ。
「せやせや。一年のロヴィーノ・ヴァルカスは、もう名簿に名前書いたから、他の部に見に行っちゃあかんで」
ん? 今、先輩は何とおっしゃいましたか? 隣の男以外に、ロヴィーノと言う一年は居ただろうか。
ゆっくり隣を見てみると、聞いていなかったのだろう。なぜ、自分に視線が集まってるのか分かってない。
「なんや、寝てたん?」
「げ!」
ステージから、こっちに歩いてくる先輩。やっぱり、先輩が言っていたロヴィーノは、コイツで間違いないみたいだ。それにしても、ロヴィーノが今までに見たことがないぐらい嫌な顔をしている。面白いぞ。もっとやれ。
「言ったやろ。俺が、話している時は、いかなる状況でも寝るなって」
「そんなこと了承した覚えはねーぞ」
「親分の命令に了承なんて、いらんやろ?」
隣なので、見たくなくても目に入ってくる恐ろしい光景。この二人がただならぬ関係だということは、とりあえず分かった。分かったから、ここで、喧嘩を始めないでくれ。視線が痛い。俺、全然関係ないのに、めちゃくちゃ視線を感じる。
漫画みたいな青春を送りたいと思ったが、悪目立ちは、ゴメンだ。
「……」
クール美人だと思っていたロヴィーノは、結構熱い奴だった。とりあえず、友達として、ロヴィーノの助けようとしたのだが、いつの間にか俺が、ロヴィーノと先輩に攻められていた。なんでだ。何かしたのか? 訳が分からないまま頭に血がのぼった俺は、負ける訳にはいかないと応戦した。
そして、現在。俺たちは、生徒指導室にいる。入学早々こんな場所に来るとは思ってもいなかった。
「はぁ」
さっきから溜息が止まらない。いつもなら、誰かが気にかけて声をかけてくれる所だ。だが、今そんな事をしてくれる人は、誰もいない。目の前に居る二人は――――――
「な、な? 今日の夕飯なに?」
「ボロネーゼでいいか?」
「それなら、親分が腕によりをかけて、サラダ作ったるわ」
「バーカ」
「ただのバカちゃうよ。ロヴィーノバカや」
なんですか? まるで新婚夫婦みたいな会話。それにな、どんなに仲が良くても人前で、そんなに密着して座るなんてあるえない。さっきの喧嘩はなんだったんだ。え、なに? もしかして、俺、痴話喧嘩に巻き込まれた? どうしよう。こんなことで、俺の人生プランが。
「そういや、君」
「はい! なんですか?」
笑って話しかけられたが、とてもじゃないが、笑えない。
「名前、なんて言うん? リストに登録したいんやけど」
「へ?」
それが、なんのリストなのか俺には分からない。むしろ関わりたくない。命の関係上。
「あ、顔はもう覚えたし、クラスがロヴィーノと一緒なんも知っとるから、逃げられへんよ」
これから、俺の地獄が始まることは間違いない。これは、決定事項だ。
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結局、バカップル
この学パロのアントーニョは、中学時代は荒れてて、高校に入って落ち着き始めてます。
だから、ちょっと自己中心的
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・APH ・西ロマ ・学パロ(学ヘタじゃないです) ・オリジナルキャラ視点 ・ニセ関西弁 |
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