ベアトの暇潰し 〜第一話〜
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                             〜注意〜

 

 この作品は、完全に作者の妄想によるものです。過度な期待はしないで下さい。

 殆んどのキャラが、崩壊&人格変化しているので、何があっても笑って許せる方だけ、お読み下さい。

 以上の注意を踏まえた上で、どうぞご覧下さい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「……つまらん」

 

 その言葉を発した本人は今、テーブルに倒れこみ咥えたクッキーを上下に振って、退屈をアピールしている。後ろで執事服を着こんだ片メガネの男が、「下品ですよ、お嬢様」とか言ってるが、全く動じない。

 やれやれ、この魔女様は……退屈だ何だと言っても、次のゲーム盤が出来るまでの少しの時間。我慢できないほどでも無いだろうに。

 

 「妾はそのゲーム自体、つまらなくなったと言いたいのだ」

 

 人の心の声に突っ込むな……っておい、今こいつは何て言った?ゲーム自体が、つまらなくなったって言いやがったか?そんな事を考えていると、目の前の魔女は面倒臭そうに起き上がり、手にしたキセルで俺を指す。

 

 「考えても見ろよ、戦人ぁ〜。これだけ時間をかけて準備しても、実際には一日ちょっとしか持たないんだぞ?明らかに割りに合ってねぇだろぉ?」

 

 「いや、割りとかそういう問題じゃないし」

 

 「お前だって家族が死ぬのは、気持ちの良いもんじゃねぇだろ?それにこのまま続けたって、マンネリになるだけだし」

 

 そう言うと、再びテーブルの上に倒れこんで、上目遣いで俺を見る。

 そりゃ確かになぁ……何度見たって慣れるわけ無いし、見る度に吐き気が込み上げて来るのも事実だが、ここまで続けといて「はい、飽きたから終了〜」ってのはなぁ……

 

 「それならば、勝負の内容を変えれば宜しいのでは?」

 

 俺達の様子を見かねてか、執事服の男――ロノウェがそう提案して来る。が、ベアトは嫌そうな顔を浮かべて、ロノウェを見る。

 

 「良いじゃねぇか、もう引き分けでよぉ……面倒臭いんだよ、謎とか考えるのぉ〜」

 

 「いえ、体だけあれば出来る勝負です」

 

 ロノウェが言うが早いか、ベアトは勢いよく起き上がると、爛々と輝く眼でロノウェに詰め寄る。てか、こいつ……謎を考えるのが面倒臭くなっただけかよっ!

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 「で?その勝負とは?」

 

 「二対二のタッグマッチ……ただし、魔法と殺人は禁止と言うのは如何でしょうか?」

 

 その言葉に、「ふむ」と呟くと、口に手を当てて思案し始める。タッグマッチねぇ……魔法無しで人も死なないなら、俺にとって一番勝機が高いかもな……やがて思案がまとまったのか、ベアトがその端正な顔を歪める。どうやら、乗ったみたいだな。

 

 「面白そうじゃねぇか、その案採用するぜぇ。勝負は何時にする?」

 

 「俺は別に今直ぐで良いぜ」

 

 「くくく、そうかそうか。今直ぐなぁ……今直ぐっ!?」

 

 俺の言葉に始めは余裕そうだったベアトが、目を丸くして呆然としている。見れば、その隣に居るロノウェも、驚きを隠せないといった様に苦笑いを浮かべている。

 そこまで驚く事か?勝負の内容が決まったんなら、早くした方が俺的には都合が良いし、パートナーならロノウェが居るから、何の問題も無いと思うんだが……場所が無いとかか?いや、そのくらい、どうとでも出来そうだしな。なら他に問題になりそうなのは――ああ、成る程。つまりこいつ等は、俺がパートナーを探す時間を欲しがると思ってたわけだ。

 そりゃそうだよな。どう見ても一人なのに、今直ぐタッグマッチするなんて言われたら、誰だって驚くわな。右手を上げ、パチンと指を鳴らすと、俺の隣に礼をした状態の黒髪の少女が現れる。

 

 「傲慢のルシファー、ここに。戦人様、ご命令は何でしょう?」

 

 「……ルシファー?戦人様?」

 

 顔を上げ、俺に向けて笑みを浮かべたルシファーが、ベアトの呟く声で凍りつく。あ〜……そういや、ベアトの前では呼ばない様にしてくれって、頼まれてたっけか……失敗したな〜。どう声をかけようかと、頭を掻いていると甲高い笑い声を上げて、先程の比にはならないほどにベアトが表情を歪める。ふと、手に柔らかい感触を感じ視線を移すと、ルシファーが震える手で俺の手を握っていた。

 ……呼ぶタイミング間違ったな。せめて勝負の直前に呼ぶんだった……と、後悔してももう遅い。ゆっくり近づいて来るベアトから、ルシファーを守る様に前に出ると、ベアトはニヤついたまま口を開いた

 

 「成る程、成る程なぁ……戦人に可愛がられて、すっかり虜になったわけだ。煉獄の七姉妹よ、人間に溺れた不甲斐無い長女を笑いに来い!……な、何故誰も来ぬのだ!?」

 

 「……えっと、レヴィアは霧絵さんに本当の嫉妬を習いに行きましたし、サタンは嘉音に怒られて来るって出かけて行きましたし、ベルフェは留弗夫とデートって言ってましたし、マモンは縁寿様の所に泊まりに行っていますし……」

 

 「もう良いわっ!!」

 

 指折り数えて、妹達の状況を報告していたルシファーは、怒鳴られると急いで俺の背中に隠れた。それにしても……クソ親父に雪絵さんに縁寿って、元から悪魔に懐かれる血統なのか?

 そんな事を考えていると、ベアトが息を整えて俺にキセルを突きつける。これはこいつのゲーム了承の合図……俺とルシファーのタッグは認められた。

 

 「よし、それじゃ早速……」

 

 「慌てるなよ、右代宮戦人。妾達だけではつまらんからな、もっと人を呼ぼうではないか……勝負は三日後、勝負形式はトーナメント制だ」

 

 ベアトの言葉に、俺は頷くとルシファーの手を引いて、その場を後にする。三日後か……あいつが誰を呼ぶつもりかは知ったこっちゃ無いが、俺も色々と準備しなきゃいけないみたいだな。とりあえず、今はルシファーの頭でも撫でて、心を癒そう……

説明
完璧なギャグ作品です。

殆んどのキャラが崩壊している為、笑って許せる方だけご覧下さい。
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うみねこのなく頃に ギャグ バトルシ エンマモ ルドベル 

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