仮面ライダー×真・恋姫†無双 蜀編  第10章
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蜀呉同盟から半月、いよいよ曹魏対蜀呉同盟の激戦の幕が上がろうとしていた。

その前戦は蜀呉同盟の勝利で蜀呉同盟は曹魏の軍を赤壁で足止めすることに成功したが、その後、魏軍に大きな痛手を負わせようとしても中々良い策が思いつかないでいた。そんな時……。

 

「なんじゃ。また軍議か。下手な軍議、休む似たりじゃな」

 

そこに桔梗くらいの年齢の女性がやって来た。

 

「黙れ黄蓋。たかが前線の一指揮官がが、偉そうな口を叩くな」

(ああ、この人が黄蓋…。三国志に出てくる老人達って、本当に歳をとってるんだな)

 

紫苑と桔梗をチラッと見て、心で思う一刀。

そんな傍らで周瑜と黄蓋の舌戦が続き、そして黄蓋と周瑜はもう絶交状態で終わった。

その様子を見ていた桃香達はかなり憤りを感じていたのを一刀が皆を集めて、誰にも聞かれないよう蜀の面々皆に説明してあげる。

 

「あれはな……本気じゃない」

「え?」

「本気じゃない? ならば演技だとでも?」

「そういうことだ。敵を騙すにはまず味方からという言葉がある」

「でも…何のために?」

「曹操にトドメを刺すためだろうな…。朱里、雛里。二人も気付いてたんだろ?」

 

一刀は朱里と雛里に説明をさせる。

 

「はい…恐らく、軍議の席上であのような発言をしたのは、その喧嘩…つまり周瑜さんと黄蓋さんの不仲を大々的に喧伝するためだと思います」

「喧伝? 何でそんなことする必要があるんだ? 将の不仲なんて、弱点にしかならんだろ?」

「普通の場合ならそうですけど。…そこが周瑜さんの考えた策かと」

「策ねぇ。…で、その策ってなんだよ?」

「あわわ…そこまでは分かりませんけど…」

「俺の予想だけど、どこかで曹操軍の斥候が聞いてる可能性があるからああしたんだろうな。

とにかく、あれは策ということで納得してくれ」

「うーん……ご主人様がそう言うなら、納得はするけど……」

(絶対納得してない)

 

桃香の顔はそんな顔だと判断する一刀。

 

「とりあえず何かあるとしたら夜だ。心の準備はしとけよ」

 

そして夜になり、黄蓋は自分の兵士を連れて脱走したのだ。

 

(やっぱりな……)

 

一刀はかなり達観した様子で呉の慌ててる様子を見る。

とは言っても自分達の方でも混乱していた。特に焔耶と鈴々。

そして呉の方は陸孫、呂蒙、周泰が黄蓋の後を追うが、黄蓋は曹操の陣営にと降った。

しかしどちらの兵にも怪我人はいても死者はいなかったのだ。

曹操は疑念を持ってはいたものの黄蓋の降伏を認めた。

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黄蓋が脱走してから数時間が経過。一刀達はこれからどうするかを相談するため呉の船に移動していた。

 

「凄い事になったな」

「そうねー。まさか黄蓋が魏に奔っちゃうなんて思わなかったわー」

「俺もだ……」

 

と言いつつも一刀はそれが作戦だと分かっているし、孫策も恐らくは理解している。一刀はそう考えて薄ら笑いをする。

 

「で、どうする?」

「でって?」

「これからどうするんですか? 呉の宿将と言われてる黄蓋さんが魏に行っちゃった以上、こっちの作戦とかもバレちゃってるだろうし…」

「…って劉備が心配そうにしてるけど? これからどうするつもり?」

 

孫策も周瑜に尋ねる。

 

「どうするとは?」

「…祭が裏切るわけ無いでしょ? という事はこれは何かの策。その策、そろそろ示しても良いんじゃないかしら?」

「……気付いていたのね。いつから?」

「はじめからに決まってるでしょ。馬鹿にしてたら怒っちゃうわよ」

「ふむ……さすが、と言うべきか。やはり戦の天才だな、雪蓮は」

「あら。気付いてたの、私だけじゃないみたいだけどね」

「ああ。孔明も気付いていたのだな」

「ご主人様もですよ♪」

「ほお…」

 

周瑜は少々驚いた様子であった。

 

「一応な…」

「ええっ!? 私、ご主人様に言われてたのに、全然信じられなかったんですけど……」

「まさか本当に策だったとは…」

 

桃香と愛紗は驚きであった。

 

「あんな露骨な喧嘩、策にしか見えないよ。喧嘩するにしても口を慎むに決まってるでしょ。

いくら無礼な事を言うにしてもあれはやりすぎだ。あからさまな策だと俺は思ったよ。

…と言うか俺は策だと言ったのに、俺を信用してなかったんなんて、俺は信用無いのか?」

「そんなことありませんよぉ」

「鈴々は信じてたのだ。……ウソだけど」

「鈴々、ここから突き落とそうか? それともドラグレッダー使ってのお仕置きにしようか?」

 

一刀は少々ご立腹だった。

 

「お兄ちゃん、怖いのだ……」

「まあ、冗談だけど…。で、改めて聞くけどこれからどうする?」

 

一刀が周瑜に話を戻す。

 

「ああ。黄蓋は今、曹魏の前線に配置されているらしい」

「あら。あのおチビちゃん、流石の器量ね。あからさまにおかしな降伏をした人間を、そのまま前線に配置するなんて」

「そうしなければならん事情があるのさ」

「覇王としての評判、ですね」

「そうだ。覇王であるが故に、曹操は常に天下に大度を示さなければならん」

「難儀だな……。ま、それのおかげで策がなるってことかな?」

 

一刀が龍騎のライダーデッキを取り出す。

そんな時、陸孫、呂蒙が帰ってきた。

 

「さてと反撃開始ね」

「ああ。深夜、我らは呉の精鋭を率いて隠密行動をとり、曹魏の陣地に接近する。

黄蓋殿が曹魏内部に火を放つと同時に、一斉に奇襲をかけて曹操の本陣に強襲をする手はずだ」

「じゃあ、俺は変身してミラーワールドから曹操の陣で火をつけに行くぜ」

「みらーわーるど?」

 

孫策は周瑜は何のことか分からない顔をしている。

 

「じゃあ、桃香、朱里、雛里、蜀軍は任せるからね」

 

一刀は水に自分を映し、デッキを構えてVバックルを出す。

 

「変身!」

 

変身ポーズを取って、デッキをバックルに装着し、龍騎に変身した。

 

「わおっ!」

「なんと、これが噂の仮面ライダーか」

 

まともに見るのは初めてなので一刀の変身を見て驚く呉の面々。

 

「っしゃ! じゃあ、行って来るからね」

 

そう言うと一刀は川に飛び込んだ。

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「ねえ、飛び込んで大丈夫なの?」

「大丈夫ですよ。あの姿のご主人様はかなり隠密行動に長けてますから」

「?」

 

一刀はミラーワールドの中に入ってきて、現実の世界にいる魏軍の近くのところまで来た。

 

「さてと、時間の限界はあるけど…。機を見てドラグレッターと一緒に出るか…」

 

一刀はミラーワールドで待機する、そして黄蓋が魏軍に対しての動きを見せると同時に一刀も動き出す。

 

「っしゃ!」

 

一刀はドラグレッダーと共にミラーワールドから出てきた。そしてそれと同時に昇竜突破、そしてドラゴンライダーキックをかまして、火を放つと同時にキックで船を何隻も壊した。

キックと同時に再び水の中にもぐり、ミラーワールドに入り、そしてまたミラーワールドから出てきて、船が燃えていて誰もいない船の上で龍騎の変身を解いた。

 

「さてと……」

 

一刀は次にデンオウベルトを取り出し、青いボタンを押す。

 

「変身!」

「ロッドフォーム」

 

電王ロッドフォームに変身した、一刀は水の中にもぐり、曹操のいる陣へと直接向かう。

その間に水の中から、デンガッシャーで船の底を壊して、船を沈めていく。

曹操のところにたどり着いた一刀は、水から飛び出したのと同時に赤いボタンを押して、ライダーパスを通して、ソードフォームにフォームチェンジした。着地と同時にいつものポーズと決め台詞を曹操に対して言う。

 

「俺、参上!」

 

電王の決め台詞と共に後ろの船が爆発し、決めポーズと台詞をよりかっこよく演出させた。

 

「決まったな……」

「北郷か……」

「ああ、もうお前の軍は壊滅だ。諦めな」

「悪いけど、私は諦めるつもりは無いわ」

 

曹操は己の得物を持って、構える。

 

「まあ、最初っから諦めてくれるとは思わないけどな!」

 

一刀はケータロス取り出し、4つのボタンを押す。

 

「モモ、ウラ、キン、リュウ」

 

ボタンを押すとなにやら声付きの音声がなり横のボタンを押す。

 

「クライマックスフォーム」

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その音声と共にケータロスはデンオウベルトに付き、電王ソードフォームにロッド、アックス、ガンの顔が体について、ソードフォームの顔が剥けるように顔を変えた。

 

「さてと、ここからが本当のクライマックスだ! 行くぜ! 行くぜ! 行くぜ!」

 

一刀がデンガッシャーを振るい、曹操は得物の鎌で防ぐ。

お互いがお互いの武器を振り、ぶつけ合い、そして互いが激しくつば競り合いを起す。

 

「やるわね」

「お前こそ、やるじゃねえか…だがな!」

 

一刀は空いた片手でライダーパスをケータロスに通す。

デンガッシャーにオーラエネルギーが溜まる。それはソードフォーム以上の出力である。

 

「必殺、俺達の必殺技……!」

 

そしてつば競り合いはデンガッシャーが勝ち、曹操の武器を破壊した。

一刀はそれと同時に少しだがしゃがみこむ。

 

「クライマックスバージョン!」

 

言葉を終えると同時に一刀は立ち上がりと共に、曹操をした斜めから切り上げる。

 

「だぁぁぁぁりゃぁぁぁぁあああああ!!」

 

曹操は思いっきり上空に吹き飛ばされ、川に落ちようとしたとき……。

 

「華琳様!」

 

落ちそうになった曹操を凪がギリギリのところで受け止めた。

 

「凪…」

「華琳様、お怪我は……」

 

凪は曹操の切られた部分を見る。しかし切られているはずなのに血は出てない。

 

「俺は人を殺さない。まあ怪我はしてないが、怪我をした気分なのは抜けないぜ」

「一刀さん……」

「さっさとつれて帰れ。俺は逃げられたって言っておくよ」

「……すみません」

 

凪は曹操を抱えて船の間を跳んで、去っていった。

その後、桃香と孫策に合流し、最終決戦を二週間後に控える事となった。

 

「さてと、次で終わりだな……」

 

一刀が夜に映る月を見ながら、そうつぶやいた。

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おまけ

 

 

作者「さてとクライマックスになってきた仮面ライダー×真・恋姫†無双 蜀編  第10章」

一刀「龍騎って赤壁じゃ無敵だな」

作者「川とかで龍騎と戦うのは無謀を通り越してるね」

一刀「でも最後はクライマックスフォームを使ったな」

作者「赤壁はかなり盛り上がる。盛り上がるからクライマックス、なのでクライマックスフォームなのさ」

一刀「なんか適当に理由考えたな」

作者「それと次回が本当のクライマックスだ。そして超ゲスト参上!」

一刀「ゲストだと!? 誰が出るんだ?」

作者「そいつは言えないな。先に言いますとオリジナルキャラが二人出ます。まあこれは便宜上出しただけで大した役割はないですかね。次回を超ご期待!

と言っても期待しすぎないようにね」

一刀「だそうです」

説明
基本的には真・恋姫†無双の蜀ルートの話ですが、もしも北郷一刀が仮面ライダーの力を手に入れたらという妄想から生まれました。
そして流れも基本的に原作のままですが、仮面ライダーの力があるためセリフや一刀の態度が違うところや話そのものが大きく違うところも出てきたりします。
そのためそんなの嫌だという方は閲覧をご遠慮願います。
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コメント
まさに龍騎無双?(ブックマン)
↓ダークウイングだな。ここの龍騎はディケイドバージョンの龍騎なのか? それとも同じ川の水面だから自由に行き来できるのか?(峠崎丈二)
龍騎のライバルかな?あのコウモリ・・・・名前なんだっけ?(スターダスト)
次の最終決戦で龍騎の最終形態になってラスボスになった赤い龍を倒すために響鬼の最終形態になるとよみましたがどうでしょうか?(南華老仙「再生(リボーン)」)
ラスボスは赤い龍だといいな(ヒトヤ)
更新お疲れ様でした。そうだった。ディケイドバージョンだとミラーワールドと現実世界を行き来できるんだった。見事に盲点を突かれました。電王は最終形態になりましたが、残り二つの最終形態は出るのでしょうか?次回も楽しみにさせていただきます。(レイン)
h.oさん、これは元々ディケイド中に考えた事なので、ディケイドとWは出す気は無いですよ。全くの別作品なら出すかもしれませんが…。(BLACK)
このまま一つのルートに三つのライダーだと二つほどライダーが残るのですが・・・(h.o)
今回も楽しく読ませていただきました。 ディケイドにて用いられたミラーワールド移動戦術を使ってくるとは。確かに反射するものには事欠かないですが、なかなか凄いことを考えましたね。 次回がクライマックスだそうですが、楽しみにしてます。(よしひろ)
魏編だと全部万遍ない感じでしたが今回は少し響鬼が出番少ないな。(森番長)
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