「ゲロ〜！？　……なんで線路が……ココ、サンゴクシノセカイダヨネ？」

「なんだ、こりゃあ……どうやら、外史とか言う世界に迷い込んじまったようだぜェ」

　暫く飛んでいると、線路を発見した隊長が驚いて言葉が不自由になり、参謀がデータを確認して口元に手を当ててニヤける。確信犯のようである。人影を発見した彼等は飛行艇を待機させ地上に降りる。

……

「あそこに子供がいる。我等を恐れて逃げるかも知れないので一旦囲んで、どうなっているか聞くであります！　アンチバリアセット！」

｢｢了解ッ！｣｣「（ゆる〜）」「……（怪我をさせないようにするでござる）」

　アンチバリアで姿を消して子供に近付いていく影達。だが……。

「……誰？」

「な、なんというプレッシャー！？」

　囲む前に目標に発見されてしまう。しかも向けられた闘気が尋常では無い。

「姉上？」

「……愛、後ろに走る」

「！？　はいっ！」

　目標の周りをよく見ると近くに黒い髪の少女がおり、その子を守るように立ち塞がっている事に気付く。影達は状況を聞きたいだけなので、逃げていく少女は追わず赤い髪の少女を用人深く取り囲む。

カチ

「驚かせてしまったようで、すまなかったであります。じつ」ドカンッ

「グエ〜！」ズザーッ

　影達がアンチバリアを切り困っている事を伝えようとした瞬間、緑の影を深紅の衝撃が襲い、地面を滑って飛んでいく。

「軍曹さん！　ゆ、許さないですぅ〜」

「ま、待て、タママ（全く見えなかったぞ！？　……夏美以上の戦士だと！？）」

　黒い尻尾付きが目を血走らせて闘気を高めていくが、いつでも撃てるように銃を構えていた赤達磨は歴戦の勇士、冷静に敵の力量を見定める。

「む！　殺気でござる」シュン

「おいでなすったぜェ〜」

　存在感の薄い青が何かに気付いて姿を消し、心底楽しそうにニヤける黄色が隊に注意を促す中、

「我輩、怒ったであります！　ケロロロボ（言い難い）発進！」

　隊長が珍しくやる気を出していた。が……。

「なんや、コレ。削りやすく加工しやすいなぁ♪」

　いつの間にかそこに居た真桜が既にバラしていた。

「ゲロ〜！？　核ミサイルをもはねかえす超プラスティックＫの弱点を……」

（注意　超プラスティックＫは衝撃をはねかえしますが切ったり削ったりしやすい素材です）

「――っ（そこなのですっ！）」

キンッ

「！？（できる！）」

シュン「（いまのを避けたっ！？）」

シュン「（危なかった……忍びではないようでござるが）」

　気配を消していた明命が青い影の背後を取り斬撃を放つが、背中の刀を抜きつつ影が飛び退く。常人の目には追えない素早い攻防が続く……。

……

「姫に何をしている！　貴様等〜！」

「この蛙のような化け物は一体なんなのです！？」

「なんやなんや？　楽しそうな事しとるやないか」

　騒ぎを聞きつけた焔耶と音々音、少し遅れて霞が駆けつけると、見た事も無い奇怪な生物が大切な姫を囲んでいる。怒り狂った焔耶と戦闘モードに切り替わった霞はそのまま突撃して行く。

「ちっ！　タママ、奴等を食い止めるぞ」

「ボクはあの紫の人と……同じ匂いがするですぅ」

「俺は黒い方だな、いくぞ！」「了解ッ！」

　赤達磨と黒い尻尾付きは互いに相手を決め飛び出していく。激しい戦闘が開始される中で……。

「ここは一旦退くか……んっ？」

「おもろそうやなーポチッとな♪」ピッ

ビービービー

「ば、バカ！　そいつはっ！」

　グルグル眼鏡がノートパソコンのような端末を開くと、横から小さな手が伸びてきて、やばいボタンを躊躇なく押す。犯人は真桜と一緒に来た、娘の葉桜だった。

ピカッ　チュドーン

　その瞬間、上空で待機していた物体が発光し爆散した……。

　つづく